結婚したくなくて自分に眠りの魔法をかけたら幽体離脱してしまいました。

目覚め

イーディスの邸に戻ると大変なことになっていた。

イーディスの部屋のが暴れるように舞っていた。

「これは一体どういうことですか！？」

お義父上につい詰めよってしまった。

「ユリウス様が行かれてから、しばらくしてこんなことに！」

絶対、魔力が溢れていたからだと思う。

それに、どこか意識があるんじゃないか？
本当に眠っているだけなのか？
何の根拠もないがそう思ってしまった。

「お義父上、少々家具や部屋を壊してしまいますが構いませんか？イーディスは傷付けませんから。」

義父上の了解は得られた。

イーディスを傷付けないように、浮かびグルグルと浮いて回っている家具を、部屋の壁ごとぶち抜き、外に出した。
正確には、吹っ飛んだ。

邪魔な家具を全て外に吹き飛ばし、イーディスの近くに駆け寄った。

イーディスは眠っている。

イーディスの指に制御魔法をかけた婚約指輪をそっとさした。

だが、イーディスは嫌がるのではと不安にかられた。

まあ、嫌われているみたいだし、今は彼女の無事が一番だろう。

イーディスの手を握ったまま、彼女を目覚めさせようと魔法をかけると、うっすら目が開いた。

イーディスが目を覚ましたのだ。

「ユリウス様…ごめんなさい。」

イーディスは、目覚めるなり、静かに泣いていた。

義父上もイーディスが目覚め安堵していた。
義父上は、気が利くのかしばらく二人でゆっくり話なさい。と二人にしてくれた。
心配していただろうに、俺に時間を譲ってくれ感謝した。