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第一章 ヘルハウス編
脅かされてお花を摘むところでした
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邸の中も真っ暗だった…。邸の中は何故だか白いものが漂っている。
あのボヤリと白いものは何でしょうか?
そして、視線を感じます!
視線を感じる方を見ると、廊下の角からカリカリと壁を掻きながら髪の結わえた貴族風の女性が覗くように睨んでいる!
「キャアァ!?」
「今度はなんだ?」
旦那様の掴んでいたマントを引っ張り叫んでしまった。
「旦那様!ああ、あ、あちらに女性が!?」
「女性?」
旦那様が、振り向くとお化けの女性が、勢い良く飛んできた。
『ガイウス!私というものがありながら、女を連れ込むなんて浮気ですわ!』
今度のお化けは、ハッキリと喋った。
しかも、浮気とは!?
「すみません!旦那様の恋人でしたか!?」
「………」
旦那様は私にマントを引っ張られたまま嫌そうに見下ろした。
「…恋人ではない。こいつはお化けだぞ」
「違いますか?」
『ひどいわ!ガイウス!私を捨てるなんて!』
そして、女性のお化けはまたキッと私を睨み付け脅かしてきた。
『出ーてーけー!?』
「キャアァ!?」
怖い!甲冑様よりも怖いですよ!
「ジュリア、止めんか。リーファは俺と結婚したんだ。妻を脅かすな」
『妻ー!?』
そして、また私を睨む。その表情にビクッとしてしまい、旦那様の後ろに隠れた。
『ガイウスのバカー!女ったらしー!!』
ジュリアと呼ばれた女性のお化けは、喚きながらどこかへ飛んでいってしまった。
「大丈夫か?」
旦那様は、やはり顔色一つ変えずに聞いてきた。
「…もうすぐで、ここでお花を摘むところでした…」
「………」
旦那様がいなかったら、危うくここで粗相しそうでした。怖いです。
震えが止まりません。
「ジュリア様は旦那様がお好きなのですね」
「ジュリアはただの男好きだ。何十年も前に痴情のもつれで殺されたらしいぞ」
「…ハ、ハイレベルですね…」
気がつけば、ロウさんはもういなくて旦那様がサロンでパンを食べようと言って来たけど、お化けの連続で足はすくんでいる。
それに気付いた旦那様は、怖がる私を庇うように連れて行ってくれようと肩に手を回して来たがそれにビクついてしまった。
旦那様が怖いのではない。毎日毎日アーサー様が私の肩を抱き密着しているのが嫌だったのだ。
それを嫌でも思い出してしまう。
「リーファ…」
「すみません…旦那様が嫌なのではないのです…でも…」
「アーサー様か?」
「………」
ふしだらな娘と思うだろうか。
夫を拒否するとなると、旦那様はどう思うだろうか。
旦那様を直視できず、俯いてしまった。
「手を繋ぐぐらいなら大丈夫か?一人で歩けるか?」
「だ、大丈夫です…手を…お願いします」
長い腕を伸ばし差し出してきた手にゆっくりと重ねるように乗せた。少しだけまだ震えていた。アーサー様のせいか、お化け2連続のせいかわからない。
でも、今の私にはこれが精一杯だった。
旦那様は、そんな私の手を引き、何も言わずサロンに連れて行ってくれた。
あのボヤリと白いものは何でしょうか?
そして、視線を感じます!
視線を感じる方を見ると、廊下の角からカリカリと壁を掻きながら髪の結わえた貴族風の女性が覗くように睨んでいる!
「キャアァ!?」
「今度はなんだ?」
旦那様の掴んでいたマントを引っ張り叫んでしまった。
「旦那様!ああ、あ、あちらに女性が!?」
「女性?」
旦那様が、振り向くとお化けの女性が、勢い良く飛んできた。
『ガイウス!私というものがありながら、女を連れ込むなんて浮気ですわ!』
今度のお化けは、ハッキリと喋った。
しかも、浮気とは!?
「すみません!旦那様の恋人でしたか!?」
「………」
旦那様は私にマントを引っ張られたまま嫌そうに見下ろした。
「…恋人ではない。こいつはお化けだぞ」
「違いますか?」
『ひどいわ!ガイウス!私を捨てるなんて!』
そして、女性のお化けはまたキッと私を睨み付け脅かしてきた。
『出ーてーけー!?』
「キャアァ!?」
怖い!甲冑様よりも怖いですよ!
「ジュリア、止めんか。リーファは俺と結婚したんだ。妻を脅かすな」
『妻ー!?』
そして、また私を睨む。その表情にビクッとしてしまい、旦那様の後ろに隠れた。
『ガイウスのバカー!女ったらしー!!』
ジュリアと呼ばれた女性のお化けは、喚きながらどこかへ飛んでいってしまった。
「大丈夫か?」
旦那様は、やはり顔色一つ変えずに聞いてきた。
「…もうすぐで、ここでお花を摘むところでした…」
「………」
旦那様がいなかったら、危うくここで粗相しそうでした。怖いです。
震えが止まりません。
「ジュリア様は旦那様がお好きなのですね」
「ジュリアはただの男好きだ。何十年も前に痴情のもつれで殺されたらしいぞ」
「…ハ、ハイレベルですね…」
気がつけば、ロウさんはもういなくて旦那様がサロンでパンを食べようと言って来たけど、お化けの連続で足はすくんでいる。
それに気付いた旦那様は、怖がる私を庇うように連れて行ってくれようと肩に手を回して来たがそれにビクついてしまった。
旦那様が怖いのではない。毎日毎日アーサー様が私の肩を抱き密着しているのが嫌だったのだ。
それを嫌でも思い出してしまう。
「リーファ…」
「すみません…旦那様が嫌なのではないのです…でも…」
「アーサー様か?」
「………」
ふしだらな娘と思うだろうか。
夫を拒否するとなると、旦那様はどう思うだろうか。
旦那様を直視できず、俯いてしまった。
「手を繋ぐぐらいなら大丈夫か?一人で歩けるか?」
「だ、大丈夫です…手を…お願いします」
長い腕を伸ばし差し出してきた手にゆっくりと重ねるように乗せた。少しだけまだ震えていた。アーサー様のせいか、お化け2連続のせいかわからない。
でも、今の私にはこれが精一杯だった。
旦那様は、そんな私の手を引き、何も言わずサロンに連れて行ってくれた。
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