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夕焼けの時間に……
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魔喰いの魔石を取り出したあとは、ずっとベッドで休んでいた。
ノエルさんは、かなり能力の高い白魔法使いだ。
おかげで、引きちぎられた肉は、なんとか戻っている。
「大丈夫か……?」
「はい……もう大丈夫です。少し、引きつるくらいで……あとは自分で出来ますよ」
ベッドサイドに腰掛けるノクサス様は、ひたすら心配をしている。
大事なものを撫でるように、優しく頭を撫でてくれていた。
「……落ち着いたら、少し庭でも散歩するか?」
「はい。ぜひ、お願いします」
ノクサス様に起こされて、二人で庭へ歩き、落ち着いた様子で聞いてきた。
「……取り出す必要があったのか?」
「呪いを解きたいのです……」
「ノエルに解き方を教えるのでは、駄目だったのか? 魔喰いの魔石に随分とこだわっているように見えたが……」
「……確信はないのです。でも、いけると思うのですが……所詮、呪いは魔法ですから魔力を少なからず必要としているのです」
「それは、聞いたことはある。呪いが継続しているという事は、俺の生命力を奪い続けていると……だから、少しずつ俺の力が弱まっていると、ノエルが言っていた」
「そうです。だから、死んだ時に呪いは消えているのがほとんどなのです。でも、その魔力をノクサス様から、取らなかったら呪いはどうなるでしょうか?」
ノクサス様は、顎に手を当てて考えている。
「……そのための魔喰いの魔石か!?」
そして、ハッとしたように、気付いた。
確信はないし、上手くいくかもわからない。
私に師匠の作った魔喰いの魔石を扱えるかどうかも疑問は残る。
それでも……。
「魔喰いの魔石をノクサス様に埋め込めば、この魔石が呪いの力を奪い続けてくれるかもしれません。私の魔力をずっと奪い続けていたように……。ノクサス様から、生命力という魔力を奪わなければ、ノクサス様に影響しないと私は考えています。そうれば、ノクサス様の黒ずんだ顔は良くなると思うのです。すぐに、呪いが消えなくても、仮面を付けることは無くなるかと……」
「そのために身体から取ったのか?」
「私には、師匠のように魔喰いの魔石を作れませんから……。それに、師匠が私に使った魔喰いの魔石はとても質が良いのですよ」
変人でも師匠の能力は間違いなくトップクラスだ。
きっとこの国でも一番だったと思う。
「ノクサス様。あの魔喰いの魔石が綺麗に浄化されたら、すぐにノクサス様に埋め込みますね。そのやり方を師匠の残した家に行って調べて来ます。それで……」
「行くなら一緒に行くぞ。一人では行かせない」
お互いに立ち止まって向かい合っていた。
「はい……一緒に行って下さい、とお願いしようと思っていました」
一緒に行くならノクサス様と行きたいと思っていた。
ノクサス様になら師匠のあの隠れ家のような森の家を教えていいと思う。
「では、明日にでも行くか? もちろんダリアの身体がなんともなければ、だが……以前また、なにか作ってくれると言っただろう?」
「はい。明日はサンドイッチを沢山作りますね。レモンパイも作ります。おやつも師匠の家で、2人で食べましょうね」
「それは、楽しみだ」
「パイもずっと自分で焼いていましたから、きっと美味しいですよ」
「では、すぐにレモンを買いに行こう。まだ、店は開いているはずだ」
「はい」
ノクサス様は、すぐに行こうと言って、そのまま街の店に連れて行ってくれた。
フェルさんとロバートさんは、ずっと私たちを見ていたのか、邸から外出しようとするとすかさず護衛についていた。
私とノクサス様の邪魔をしないようにか、少し距離を開けて後ろから歩いている。
こんな要警護の日常が普通になるのか自信はまだないが、ノクサス様と結婚するということはこういう事なのだろう。
そのまま、2人でレモンを選び、明日の支度を万全に整えた。
ノエルさんは、かなり能力の高い白魔法使いだ。
おかげで、引きちぎられた肉は、なんとか戻っている。
「大丈夫か……?」
「はい……もう大丈夫です。少し、引きつるくらいで……あとは自分で出来ますよ」
ベッドサイドに腰掛けるノクサス様は、ひたすら心配をしている。
大事なものを撫でるように、優しく頭を撫でてくれていた。
「……落ち着いたら、少し庭でも散歩するか?」
「はい。ぜひ、お願いします」
ノクサス様に起こされて、二人で庭へ歩き、落ち着いた様子で聞いてきた。
「……取り出す必要があったのか?」
「呪いを解きたいのです……」
「ノエルに解き方を教えるのでは、駄目だったのか? 魔喰いの魔石に随分とこだわっているように見えたが……」
「……確信はないのです。でも、いけると思うのですが……所詮、呪いは魔法ですから魔力を少なからず必要としているのです」
「それは、聞いたことはある。呪いが継続しているという事は、俺の生命力を奪い続けていると……だから、少しずつ俺の力が弱まっていると、ノエルが言っていた」
「そうです。だから、死んだ時に呪いは消えているのがほとんどなのです。でも、その魔力をノクサス様から、取らなかったら呪いはどうなるでしょうか?」
ノクサス様は、顎に手を当てて考えている。
「……そのための魔喰いの魔石か!?」
そして、ハッとしたように、気付いた。
確信はないし、上手くいくかもわからない。
私に師匠の作った魔喰いの魔石を扱えるかどうかも疑問は残る。
それでも……。
「魔喰いの魔石をノクサス様に埋め込めば、この魔石が呪いの力を奪い続けてくれるかもしれません。私の魔力をずっと奪い続けていたように……。ノクサス様から、生命力という魔力を奪わなければ、ノクサス様に影響しないと私は考えています。そうれば、ノクサス様の黒ずんだ顔は良くなると思うのです。すぐに、呪いが消えなくても、仮面を付けることは無くなるかと……」
「そのために身体から取ったのか?」
「私には、師匠のように魔喰いの魔石を作れませんから……。それに、師匠が私に使った魔喰いの魔石はとても質が良いのですよ」
変人でも師匠の能力は間違いなくトップクラスだ。
きっとこの国でも一番だったと思う。
「ノクサス様。あの魔喰いの魔石が綺麗に浄化されたら、すぐにノクサス様に埋め込みますね。そのやり方を師匠の残した家に行って調べて来ます。それで……」
「行くなら一緒に行くぞ。一人では行かせない」
お互いに立ち止まって向かい合っていた。
「はい……一緒に行って下さい、とお願いしようと思っていました」
一緒に行くならノクサス様と行きたいと思っていた。
ノクサス様になら師匠のあの隠れ家のような森の家を教えていいと思う。
「では、明日にでも行くか? もちろんダリアの身体がなんともなければ、だが……以前また、なにか作ってくれると言っただろう?」
「はい。明日はサンドイッチを沢山作りますね。レモンパイも作ります。おやつも師匠の家で、2人で食べましょうね」
「それは、楽しみだ」
「パイもずっと自分で焼いていましたから、きっと美味しいですよ」
「では、すぐにレモンを買いに行こう。まだ、店は開いているはずだ」
「はい」
ノクサス様は、すぐに行こうと言って、そのまま街の店に連れて行ってくれた。
フェルさんとロバートさんは、ずっと私たちを見ていたのか、邸から外出しようとするとすかさず護衛についていた。
私とノクサス様の邪魔をしないようにか、少し距離を開けて後ろから歩いている。
こんな要警護の日常が普通になるのか自信はまだないが、ノクサス様と結婚するということはこういう事なのだろう。
そのまま、2人でレモンを選び、明日の支度を万全に整えた。
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