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最終章 アリシア脱獄編
異変は忍びよる
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結婚式の翌日には、私とオズワルド様は街に出ていた。
アレク様の結婚式ムードは変わらず、お店には結婚式にちなんだものが並べられていた。
貴族街で露店は無いが、貴族街以外では結婚式のお祝いのお菓子だなんだと土産物が並び、売れ行きは順調らしい。
さすが非の打ち所のないフェリシア様は国民にも愛されている。
「オズワルド様、いっぱい買い物しましょうね。お父様の邸の皆にもワインやお菓子を買ってあげなくちゃ。カレン様にも絵画集を頼まれましたから、しっかり選びますよ」
せっかくのお祝いですからね。
この後お父様の邸にもオズワルド様と訪問するから、使用人達にもお土産を買ってあげたい。
それに、ブラッドフォードの図書館にいるカレン様に絵画集を頼まれている。
カレン様は、地下からというか、あの大きな水晶からは離れられないから、暇潰しに絵画集を買って来い、と頼まれたのだ。
刻の精霊のことを聞きに言ったら、そんな話になり、しかも刻の精霊の場所はカレン様に聞いてもわからなかった。
一度きちんとお礼を言いたかったのだが、カレン様に聞けば居場所なんか知らん。と言われてしまった。
残念だが、居場所がわからないからどうしようもない。
そして、オズワルド様と街を歩くなんてデートですよね!
いつもはブラッドフォード邸に籠っているから、たまのデートに気分が弾んでしまう。
この日の為に、読みたい本を三冊読み上げましたから、続きが気になることなく楽しめますよ。
「昨日のオズワルド様の魔法の花火も素敵でしたよ」
「それは良かった…何でも買ってやるから好きなものを選べ」
「任せて下さい。今日は買いますよ」
本当にオズワルド様は格好良かった。
実際、バルコニーへの歓声にはオズワルド様が素敵で、手を振っていた女性も少からずいただろう。
それくらいオズワルド様は人気者だ。
今も通りすがりの女性達はオズワルド様に振り向いている。
私が隣で腕を組んでなかったら、きっと歩くごとに声をかけられただろう。
そんな楽しい気持ちで貴族街の店の街路樹を歩いていると、急に耳のピアスにビリッと稲妻が走るように刺激が走った。
「キャア!?」
「リディア!?」
オズワルド様はすかさず私をマントで包み抱き寄せたが、周りに不審な人も出来事もない。
私達の周りを通り行く人々が、不思議がって私達を見ているくらいだ。
マントの隙間から顔を少しだし、オズワルド様を見上げると、厳しい顔で辺りを警戒するように周りを見ていた。
「オズワルド様…耳が急に…」
「リディア、買い物は中止だ。すぐに城に帰るぞ」
「はい」
オズワルド様は踵を返し、足早に私の肩を掴んだまま城へと急いで帰った。
結婚式の為に私達はブラッドフォード公爵家として、城に部屋を用意してもらっており、私とオズワルド様は真っ直ぐにその部屋に帰った。
「リディア、部屋から出ていくなよ」
「はい、オズワルド様はどこかにいかれるのですか?」
「ヒースの所に行って来る」
オズワルド様は私のピアスの耳たぶを撫でるように触れながら、そう言った。
「…さっきのはなんだったんですか?」
「悪戯レベルだろうが、誰かが何か仕掛けて来たのだと思う」
「…私、もう狙われる理由がありませんよ」
アリシアは刑務所だし、レオン様の事は片付いたはず。
「異変がないかヒースに聞いて来るから、知らないやつを入れるなよ」
「絶対に入れません!」
知らない人なんて怖くて入れられません!
オズワルド様は、いつものように堂々としているけど、私を心配しているのはわかる。
「すぐに帰って来るから晩餐のドレスでも選んでいろ」
「はい」
オズワルド様は心配そうに一度抱擁してから部屋を出ていった。
アレク様の結婚式ムードは変わらず、お店には結婚式にちなんだものが並べられていた。
貴族街で露店は無いが、貴族街以外では結婚式のお祝いのお菓子だなんだと土産物が並び、売れ行きは順調らしい。
さすが非の打ち所のないフェリシア様は国民にも愛されている。
「オズワルド様、いっぱい買い物しましょうね。お父様の邸の皆にもワインやお菓子を買ってあげなくちゃ。カレン様にも絵画集を頼まれましたから、しっかり選びますよ」
せっかくのお祝いですからね。
この後お父様の邸にもオズワルド様と訪問するから、使用人達にもお土産を買ってあげたい。
それに、ブラッドフォードの図書館にいるカレン様に絵画集を頼まれている。
カレン様は、地下からというか、あの大きな水晶からは離れられないから、暇潰しに絵画集を買って来い、と頼まれたのだ。
刻の精霊のことを聞きに言ったら、そんな話になり、しかも刻の精霊の場所はカレン様に聞いてもわからなかった。
一度きちんとお礼を言いたかったのだが、カレン様に聞けば居場所なんか知らん。と言われてしまった。
残念だが、居場所がわからないからどうしようもない。
そして、オズワルド様と街を歩くなんてデートですよね!
いつもはブラッドフォード邸に籠っているから、たまのデートに気分が弾んでしまう。
この日の為に、読みたい本を三冊読み上げましたから、続きが気になることなく楽しめますよ。
「昨日のオズワルド様の魔法の花火も素敵でしたよ」
「それは良かった…何でも買ってやるから好きなものを選べ」
「任せて下さい。今日は買いますよ」
本当にオズワルド様は格好良かった。
実際、バルコニーへの歓声にはオズワルド様が素敵で、手を振っていた女性も少からずいただろう。
それくらいオズワルド様は人気者だ。
今も通りすがりの女性達はオズワルド様に振り向いている。
私が隣で腕を組んでなかったら、きっと歩くごとに声をかけられただろう。
そんな楽しい気持ちで貴族街の店の街路樹を歩いていると、急に耳のピアスにビリッと稲妻が走るように刺激が走った。
「キャア!?」
「リディア!?」
オズワルド様はすかさず私をマントで包み抱き寄せたが、周りに不審な人も出来事もない。
私達の周りを通り行く人々が、不思議がって私達を見ているくらいだ。
マントの隙間から顔を少しだし、オズワルド様を見上げると、厳しい顔で辺りを警戒するように周りを見ていた。
「オズワルド様…耳が急に…」
「リディア、買い物は中止だ。すぐに城に帰るぞ」
「はい」
オズワルド様は踵を返し、足早に私の肩を掴んだまま城へと急いで帰った。
結婚式の為に私達はブラッドフォード公爵家として、城に部屋を用意してもらっており、私とオズワルド様は真っ直ぐにその部屋に帰った。
「リディア、部屋から出ていくなよ」
「はい、オズワルド様はどこかにいかれるのですか?」
「ヒースの所に行って来る」
オズワルド様は私のピアスの耳たぶを撫でるように触れながら、そう言った。
「…さっきのはなんだったんですか?」
「悪戯レベルだろうが、誰かが何か仕掛けて来たのだと思う」
「…私、もう狙われる理由がありませんよ」
アリシアは刑務所だし、レオン様の事は片付いたはず。
「異変がないかヒースに聞いて来るから、知らないやつを入れるなよ」
「絶対に入れません!」
知らない人なんて怖くて入れられません!
オズワルド様は、いつものように堂々としているけど、私を心配しているのはわかる。
「すぐに帰って来るから晩餐のドレスでも選んでいろ」
「はい」
オズワルド様は心配そうに一度抱擁してから部屋を出ていった。
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