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第一章 ブラッドフォード編

if〜消えた誕生日パーティー〜(レオン)

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「レオン様、どうしてまだ婚約破棄をして下さらないのですか?」

最近アリシアはよく、いつ婚約破棄をするのか聞いてくる。
アリシアといるのは楽だった。
兄上と比べることもなく、その上王族らしくとか、あれこれ言わない。
リディアのようにかしこまってないからだろうか。
確かにリディアも兄上と比べたりはしないが何だか距離感があり、満たされなかった。
だが、婚約破棄の話だけは聞きたくない。
リディアが好きだと言う気持ちもある。
しかし、アリシアと寝てしまった。
責任もあるし、アリシアが可愛いと思う気持ちもあるがリディアに対する誠実な気持ちとは違うと思う。

最近はリディアに会ってもいない。
体調が悪く花嫁修業も休みがちだと聞いた。
会いたいがいつ会えばいいのかも悩んでいた。最近は、休みの度にアリシアと寝ていたから。

そして、久しぶりにリディアと会えることになった。
俺の誕生日パーティーにくる。
迎えに行くかと思っていたら、アリシアと寝ている時にエスコートする約束をしてしまっていた。
まあどうせ、ホールで会えるからと気にしなかった。

ホールでは、アリシアとダンスの約束もしていた為に、リディアより先にアリシアと踊った。
もしかして、焼きもちを妬いて止めにくるかと、淡い期待をしたがやはりリディアは来ない。
またイラつきを感じていると、リディアはオズワルド・ブラッドフォード公爵と話していた。

可愛いかった。
あの笑顔を見るのは久しぶりだった。

何故、オズワルドと。
アリシアにダンスで足を踏まれても気にならないほど、リディアとオズワルドが気になった。
そして、あの笑顔をオズワルドに向けているかと思うと腹立たしさが込み上げてきた。
そして、ついに怒鳴ってしまった。

「リディア!何をしている!」と。

そして、オズワルドに兄上が呼んでいると言われたが、リディアとオズワルドを残していくのが堪らなく嫌だった。
リディアの婚約者は私なのにと。

そして、アリシアを置いて兄上のいる控室に行くと叱責された。

「誰が婚約者なのかはわかっています!アリシアは結婚前の遊びです!」

アリシアと結婚なんか考えてない。
ただ一緒にいて楽だった。
でも…一緒にいて、これがリディアならと思うことは何度もあった。
だがリディアは一度も何も言わない。
嫉妬さえしてくれないのだ。
リディアの気持ちが見えないのだ。

そして、オズワルドの叫び声が聞こえた。

リディアの名を叫んでいたのだ。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
時間が戻る前の半年間の出来事です。
リディアとオズワルド以外はなかったことになったのでifとしてます。

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