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早朝

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早朝━━━━━━。

とうとうリュード様に身体を預けてしまった。
シーツもデイジーが来る前に洗いたいけど、疲れすぎて洗う気になれない。
睡眠時間だっていつもの半分もない。
やっぱりリュード様は絶倫だ。

「アシュリー、もう一度……」
「もう無理です!  さっきもしたじゃないですか!   朝から何回する気ですか!」

腕の中から、全く離してくれないリュード様に、体力の差は歴然だった。
そして、可愛いと何度も頭を撫でる。
こんなに可愛いと言われたのは初めてだ。

「アシュリーーーー!!   アシュリーーーーーー!!」

リュード様と、唇を絡めていると、外からフレッド様の叫び声がした。
こっちも飽きずによく毎日毎日来るなぁ、と思う。

「はぁー、また来ましたね……追い返して来ます」
「ここにいろ。俺が行く」

リュード様は、邪魔しやがって、とぶつぶつ言いながら、ズボンと、下に着ていたシャツを着て行ってしまった。

大丈夫かなぁ、と思うと、先日リュード様に追い返された時に、フレッド様が悲鳴を上げて逃げた時のことを思い出した。
市民に乱暴したなんて噂が立つと、リュード様にとって不味いのでは、と思ってきた。

「やっぱり行こうかしらね……」

疲れたなぁ、と思いながら、とりあえずナイトドレスにガウンを着て玄関に行くと、リュード様は、フレッド様を玄関の中にさえ入れてなかった。

「アシュリーは、貴様に未練はないぞ。さっさと帰るんだ」
「そんなはずはない!   アシュリーとはずっと婚約してたんだ!」
「そんなことより、貴様に聞きたいことがある」
「ア、アシュリー……?」

玄関ホールの階段の影から見ていると、フレッド様からは見えたようで、見つかってしまった。

フレッド様は、私を見て固まってしまった。

「アシュリー、部屋にいろと言ったのに……」
「乱暴したら、不味いのではと思いまして……」

リュード様は私を隠すように、腕の中に閉じ込めた。

「フレッド・バーグナ。俺たちは近いうちに結婚する。二度と来ないでくれ」
「えぇーー!?   じゃあ、俺はどうしたらいいんだー!!」
「フレッド様には、お相手がいるじゃありませんか」

そう言ったけど、フレッド様はリュード様の抱擁を見て、叫びながら帰ってしまった。

「一体なんなのでしょうか?」
「おかしなやつだ」

フレッド様のわけのわからない具合も気になるけど、リュード様は離してくれない。
そのまま、甘いキスをされながら、囁くように言ってくる。

「アシュリー、今夜も迎えに来る。来てくれるな?」
「はい……でも、夜まで待ってくださいね」

抱き潰されて、もうぐったりする。
今日はもう寝たい。

そう思うと、また誰かが来た。

「お、お嬢様……!?」
「デイジー、今日は早いのね」
「夕べの夜会のドレスを片付けようと思いまして、早く来ました……でも、私は何も見てませんー!   好きなだけイチャついてくださーい!」

そして、走って使用人部屋に逃げてしまった。

「騒がしくてすみません……」
「気が利くじゃないか」
「人前では、やめませんか?」
「全く気にしないが……」

騒がしい1日が始まったようだった。




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