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ハロルド視点
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深夜、ジェレマイア伯爵邸は既に静まりかえっていた。
こんな深夜に起きている奴はいない。
ラケルの平屋が見えてくると、灯りは消えており、既に眠っていることがわかった。
婚約破棄の書類さえなければ、破棄したことにならないはずだ!
そのまま破棄してないことにすれば、ラケルは俺の婚約者のままだ!
クロードと結婚なんかさせないぞ!
ラケルが迫ってくればそのまま相手をしてやってもいい。
既成事実があればすぐにでも、皆に発表して結婚してやる!
だが、一番の目的は婚約破棄の書類だ!
待ってろ!ラケル!ハハハ!
そして、ラケルの平屋の扉は鍵がかかっていた。
しかし、こんな時の為に金槌を用意してある!
扉を壊そうとした時、急に人が叫んだ。
「捕らえろ!!不届きものだ!!」
不届きものがいる!?
誰だ?
まさかクロードが中にいるのか?
もうクロードと寝ているのか!?
だが、捕らえられたのは俺だった。
ランタンの灯りをカッと照らされて眩しい!
俺を捕まえた騎士の顔は見えない!
見えないが、マントにこの隊服は騎士だ!
「ちょっと待て!何で俺を!?」
地面に叩きつけられ、あっという間に両手を後ろに拘束された。
「すぐにクロードの邸に連絡しろ!」
騎士はそう言っていた。
「ハーヴィ伯爵家のハロルドだな。ラケル様はここにはいないぞ。残念だったな。」
「ラケルがいない!?」
いないなら、こんな深夜まで待つんじゃなかった!
もっと早く来れば良かった!
そして、騎士に縛られたまま、父上のいるハーヴィ伯爵邸へと連れて行かれた。
俺はもう終わった。
こんな深夜に起きている奴はいない。
ラケルの平屋が見えてくると、灯りは消えており、既に眠っていることがわかった。
婚約破棄の書類さえなければ、破棄したことにならないはずだ!
そのまま破棄してないことにすれば、ラケルは俺の婚約者のままだ!
クロードと結婚なんかさせないぞ!
ラケルが迫ってくればそのまま相手をしてやってもいい。
既成事実があればすぐにでも、皆に発表して結婚してやる!
だが、一番の目的は婚約破棄の書類だ!
待ってろ!ラケル!ハハハ!
そして、ラケルの平屋の扉は鍵がかかっていた。
しかし、こんな時の為に金槌を用意してある!
扉を壊そうとした時、急に人が叫んだ。
「捕らえろ!!不届きものだ!!」
不届きものがいる!?
誰だ?
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だが、捕らえられたのは俺だった。
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俺を捕まえた騎士の顔は見えない!
見えないが、マントにこの隊服は騎士だ!
「ちょっと待て!何で俺を!?」
地面に叩きつけられ、あっという間に両手を後ろに拘束された。
「すぐにクロードの邸に連絡しろ!」
騎士はそう言っていた。
「ハーヴィ伯爵家のハロルドだな。ラケル様はここにはいないぞ。残念だったな。」
「ラケルがいない!?」
いないなら、こんな深夜まで待つんじゃなかった!
もっと早く来れば良かった!
そして、騎士に縛られたまま、父上のいるハーヴィ伯爵邸へと連れて行かれた。
俺はもう終わった。
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