高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。

マーチ・メイ

文字の大きさ
68 / 113
第三章 進路とダンジョン攻略

68話目 2回目のダンジョンアタック8

しおりを挟む


「柊さん拘束を」

「わ、分かりました!! 『バインド』」

片方に重りをつけたトラロープをオークに向けて投げる。
適当に投げたようにしか見えないロープが意志を持ったようにオークの足元に絡み付く。

オークはバランスを崩し倒れ込んだ。

そのままロープは足元からどんどん上へ這い上る。

「フッグォオオ……」

「柊さんのスキルも効きますね。 今のうちに資料撮影を」

「残り2体はどうしますか?」

「あ、ちょっと待ってくださいね」

私にそう言うと、安藤さんは縛られたオークに手を掛けた。

「よっと……」

掛け声をし、オークを引きずる。
どうやら残り2体を排除するのに邪魔にならない場所へ移動するようだ。

オークの身長はおそらく2m超え。
持ち上がりはしないものの、それをさして苦にする様子もなく引きずっていく安藤さん。

それを見てつくづく職持ちは人間離れしていっているなと思った。


十分に離れた場所に移動し、

「茜さん後でこっちので試しますか? それともそっちので試しますか?」

「こっちの試していいの? こっちの2体貰うよ!!」

「……はい、お願いします」

戦いたくてウズウズしていた茜は安藤さんの質問に即答してハンマーを構えた。
「いっくよー!!」

「待って待って!! 解除解除!!」

駆け出していく茜を見て慌てて結界を解除した。

突然目の前の壁が無くなりバランスを崩すオーク。
少し前かがみになって、前に出ていた腕を足場に茜が駆け上がる。

オークが驚き顔を上げる。
その眼前にはすでにハンマーが迫っていた。

「てやっ!!!!」

当たった瞬間にミシリときしむ音が聞こえたと思ったら、何かが折れるような、壊れるような、鈍い音があたりに響いた。
茜の馬鹿力はオークにも通じたみたいでオークは光となって消えた。

光りになって消える間際に息絶えたと判断した茜は消えゆくオークを足場にし、もう一体のオークへと飛び移った。

呆気にとられるオークの眼前にはまたしてもハンマー。

それを見て、よくもまぁ頭から潰せるものだと感心する。

無事に2体目のオークも光になり消えると茜は地面へと軽やかに着地した。

「つまらぬものを叩いてしまった」

「もぐらたたきみたいに言わないの」

「ゴブリンよりは硬かったね」

「そうなの?」

オークの方がゴブリンの何倍も大きい。
その分頑丈だったんだろうなと思った。

「嬢ちゃん達、手が空いたらドロップアイテム拾ってくれな」

浦重さんの言葉で忘れていたドロップアイテムのことを思い出した。

了解ですと返事をし、落ちていたアイテムを拾う。

オークから落ちたアイテムは下級回復薬と魔石のような物。 オークの耳? と豚足っぽいものと豚タンっぽいものと肉。

肉、ブロック肉しかも豚バラ、豚ロース、豚ヒレみたいに出てくるお肉にも色々種類があるようだ。

「……このお肉めっちゃ霜振ってるね」

「見るからに高級そうなお肉だな」

「この赤身のお肉も美味しそう……」

「肉、肉」

あの見た目から想像もつかないような美しいお肉が出てきたではないか。

「桜井さん、オーク居たら教えて。 速攻で狩ってくる」

この肉のお陰でみんなのやる気が急上昇した。
が、安藤さんが戻って来てすぐ正気に戻った。

「このお肉も提出しなきゃならないですよ」

その一言でみんなのやる気は急降下し、食べられないお肉を狩るのも辛いと、早めに拠点へ戻る羽目になった。

拠点に戻ったら戻ったで正気に返ったけどね。
肉の為にダンジョン探索してるわけじゃないって。

お昼が近かくてお腹が減ってたこともあるのかな? いや、確かにお肉が出てからお腹の減りが早かった気がするよ? やっぱりお肉の魅力に取りつかれたというかなんというかなのかな。


午後からはメンバーを変え、再び9階へ。
今回私と葵と伊勢さんがお留守番になった。


しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

七億円当たったので異世界買ってみた!

コンビニ
ファンタジー
 三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。  ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。 「異世界を買ってみないか?」  そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。  でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。  一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。  異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。 チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

処理中です...