高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。

マーチ・メイ

文字の大きさ
上 下
7 / 113
第一章 始まり

7話目 モニュメントと疑惑

しおりを挟む


「さて、ステータスの確認しようかな」

リビングでテレビをつけて流し見しつつステータスを開いた。

「称号のことは置いておいて、ステータスがアンロックされましたって聞こえたけどなんだったんだろう? アンロックされたからステータスが表示されたのかな? レベル表記されてるけど……ってもうレベル12になってる。 MPもずいぶん増えたね60くらい増えたのかな? って事は1つ上がることにMPが5増えるって事か」

ふむふむとあまり理解してないが理解した風にして頷く。

「ステータスポイントって何だろう? あ、振り分けられる。 MPには直接振り分けられないみたい。 って事はMPを上げるなら魔力に振るの?」

ステータスポイントと呟いたら『どこに振り分けますか?』 と声が聞こえた。
MPと呟くと返答がなかった。
魔力と呟くと『いくつ振り分けますか』 と声が聞こえた。
試しに一つ振り分けたらMPが5増えた。

「残り11ポイントか。 ……なんだかもったいないから取っておこう……かな?レベル上がらないともらえないんだよねきっと」

残りの11ポイントは必要に迫られていないので置いておくことにした。

「にしてもMPが増えたから一杯使えるね!! これは適応が捗るな」

庭の草むしりはこの一カ月小まめに抜いたせいで雑草が無くなってしまった。
最近では早朝、日の出が早くなってきたので近くの公園に草むしり遠征に行っている。

おかげで犬の散歩をしている人と顔見知りになったりした。
近所の柴犬コジロウが一番のお気に入りだ。 私を見かけると一生懸命こちらに来ようとする姿がとてもかわいい。 相思相愛だね、とても嬉しいよ。 飼い主の女性も優しそうな人で会話するようになったし。

でも悲しきかな……公園の草むしりももうちょっとで終わってしまう……。

次の遠征先を見つけねば。 いつも行っている公園の少し先に大きめの公園があったよね、次はそこに行こうかな。

そんなことを考えているとふいにニュースが気になった。

今日の注目ニュースが流れ、話題は昼間の霧についてだった。

「一瞬だけ真っ白になった霧? あれなんだったんだろう」

ステータス画面を一度閉じてニュースに目を向けた。

「……学校周辺だけじゃなかったんだ。 え? 全国でなの?」

ニュースにはツブヤイッターの呟きもまとめられていた。
それによると私が住んでいる県だけでなく、全国で同一時刻で同じ現象が見られたと報じられていた。

「全国一斉ってテストかなんかかな? って違う違う」

それと同時に私も知らないことが報じられた。

『関連は不明ですが同様のモニュメントが見られるように……』

「モニュメント?」

食い入るようにテレビを見つめる。
テレビ画面には駅前に現れた門のようなモニュメントが映し出されていた。

『こちらのモニュメント、大きさは私の背丈よりも高く、おおよそ3m程の高さでしょうか? 横幅は2m程の大きさで両開きの扉のようになっており……』

「えっ? なにこれ」

『現場からの中継は以上です』

『現場の加藤アナありがとうございました。 こちらのモニュメントのような物は全国各地から目撃情報があり……』

と続いた。

興味を惹かれてスマホを手に取りSNSを検索した。

「モニュメント、モニュメント……と。 あった。 本当だ、沢山出てる!!」

トレンドには霧、モニュメント、門、駅前、ダンジョン、異世界来た。 等モニュメント関連と思わしきワードが軒並み上がっていた。

「ノックしてみた、入れなかった、並んで写真撮ってみた、異世界なう……なにこれ楽しそう」

全国各地に現れた門のようなモニュメントの周りには人が溢れ、SNSはバズリにバズっていた。

「異世界っぽい!! 近くにあるかな? 見てみたい!!」

既にモニュメントの目撃情報をまとめたサイトも出来つつありそれを眺めていた。
そしたらスマホが鳴った。

「あ、お姉ちゃんだ」

通話ボタンを押した。


「もしもし、優奈?」

「はーい、もう分かったの?」

「ごめん、本籍地じゃなきゃ取れなかった。 住民票は子としか書かれてなかったんだ。 だから今からそっちに行く。 母さんに直接聞いてみようと思う」

「直球で聞くの?!」

「モヤモヤするの嫌だし、父さん電話に出ないし、付き合わせて悪いけど優奈も一緒に聞こう」

もしかしたら私達養子かもしれないのか……。
でもお姉ちゃんにも出たって事は私とお姉ちゃんは姉妹で変わりないよね。

あれ? ラヴァルザードの孫だから……お父さんもしくはお母さんが養子の可能性もあるのか?

パターンとしては父か母のどちらかが養子だったら私たちはお父さんお母さんの子供。

私達姉妹が養子の場合は別にラヴァルザードって人の子供の父と母がおり私とお姉ちゃんがその人の子供と言う二つの可能性があるのか。

祖父母のどちらかがラヴァルザードさんと結婚してて、離婚せて連れ子で再婚の可能性もあるのかな?

……いっぱい可能性があるなぁ。

「うーん……。 分かった。 一緒に聞く、お姉ちゃん何時ごろになるの?」

「もうちょっとでそっちに着くよ」

「はやっ!! お姉ちゃんいっつも行動早いね」

「考えてる時間がもったいないの、あ、着いた」

「え?! もう?!」

そう会話すると玄関からガチャッと音が聞こえスマホと外と音声が二重で聞こえるようになった。

スマホの通話ボタンを切り玄関に向かう。

そこには久しぶりに会った姉の姿があった。
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

スキル:浮遊都市 がチートすぎて使えない。

赤木 咲夜
ファンタジー
世界に30個のダンジョンができ、世界中の人が一人一つスキルを手に入れた。 そのスキルで使える能力は一つとは限らないし、そもそもそのスキルが固有であるとも限らない。 変身スキル(ドラゴン)、召喚スキル、鍛冶スキルのような異世界のようなスキルもあれば、翻訳スキル、記憶スキルのように努力すれば同じことができそうなスキルまで無数にある。 魔法スキルのように魔力とレベルに影響されるスキルもあれば、絶対切断スキルのようにレベルも魔力も関係ないスキルもある。 すべては気まぐれに決めた神の気分 新たな世界競争に翻弄される国、次々と変わる制度や法律、スキルおかげで転職でき、スキルのせいで地位を追われる。 そんななか16歳の青年は世界に一つだけしかない、超チートスキルを手に入れる。 不定期です。章が終わるまで、設定変更で細かい変更をすることがあります。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

追放されたら無能スキルで無双する

ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。 見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。 僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。 咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。 僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

異世界から帰ってきた勇者は既に擦り切れている。

暁月ライト
ファンタジー
魔王を倒し、邪神を滅ぼし、五年の冒険の果てに役割を終えた勇者は地球へと帰還する。 しかし、遂に帰還した地球では何故か三十年が過ぎており……しかも、何故か普通に魔術が使われており……とはいえ最強な勇者がちょっとおかしな現代日本で無双するお話です。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)

IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。 世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。 不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。 そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。 諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる…… 人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。 夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ? 絶望に、立ち向かえ。

スキル盗んで何が悪い!

大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物 "スキル"それは人が持つには限られた能力 "スキル"それは一人の青年の運命を変えた力  いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。  本人はこれからも続く生活だと思っていた。  そう、あのゲームを起動させるまでは……  大人気商品ワールドランド、略してWL。  ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。  しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……  女の子の正体は!? このゲームの目的は!?  これからどうするの主人公!  【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

処理中です...