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第一章 始まり
5話目 錬金術が使えるようになって1カ月
しおりを挟む前日早めに就寝し、今日も早起きした。
現在朝4時30分。
ステータスを確認しMPが回復で来てるか見る。
……ちゃんと回復してるね。
日の出前にスキルと出来たことをノートにまとめておく。
作製はヤララカの木2本で木桶が出来た。
分解はディトルク国の物が分解出来た。
家の物は分解できない。
鑑定もディトルク国の物が鑑定出来た。
家の物は鑑定できない。
適応は家の物をディトルク国の物に変換できる。
ペンは羽ペン、ペットボトルは木桶、水は井戸水、紙はごわごわの紙。
精錬、抽出、上位交換、下位交換は今のところ不明。
「こんなものかな? 何かするには取りあえず適応しなきゃ駄目っぽいね」
そんなことを書いていたらカーテンの隙間から光が見えた。
「今日は庭の草でも適応してみよう」
適応するのにピカッと光るから明りがあった方が良い。
でも人目も気になるから早朝がベスト……だと思う。
カーディガンを羽織り1階に降りて庭に出た。
「丁度いいや草むしりしよう」
納屋から軍手とゴミ袋を取り出しせっせと雑草をむしる。
「つくしにタンポポ、ハコベやオオイヌノフグリ。 色々あるね」
ある程度量が集まったらお楽しみの適応タイムだ。
種類別に分けて適応を唱える。
「……なんでぇ」
鑑定結果
左から順にディトルグ国の雑草、ディトルク国の雑草、ディトルク国の雑草、ディトルク国の雑草となった。
「雑草だらけ……」
ここは普通薬草とか意味ありげな草になるんじゃないの?
がっかりと肩を落としたが不意に吹いた風の香りに顔を上げる。
草刈りが終わった後の青々しい香りがして庭を見渡した。
スキルに気を取られてたけど、なんか気分良いかも。
いくぶんか雑草が抜かれて綺麗になった庭を見て、気持ちを持ち直した。
「次だ次」
朝にMPを使い切り、汚れを落とすためにシャワーを浴びて学校へと向かった。
いつも通りに授業を受ける。
今は英語の時間だ。
朝にメモしたノートを机の中から取り出して朝の続きを記す。
適応の結果は…と、草むしりの結果がディトルグ国の雑草になったでしょ。
あの後適応してみた土はディトルグ国の土になった。
ディトルグ国の雑草を分解してみたら雑草の種になった。
雑草の種ってなんだかなと思いながら花壇に植えて朝は終了と。
帰ったらまずお昼寝して料理作って寝る?
でもそんなことしたら夜寝れなくなっちゃうかな。
うーんと悩んでいたら先生に当てられた。
問題なんて書いてなくて答えられなかったら注意されちゃった。
授業中に考えるのはダメだな。
そんな感じで毎日検証して間もなく1カ月、大型連休が差し迫った。
初めの方は何が何だか分からなかったスキルもある程度慣れた。
適応を使用しないと他のスキルは使えない。
適応スキルはある程度の量があらば使えた。
例えば土、花壇に対して適応と唱えたら一角の土の色が変わった。
何度か唱えて花壇の1/4をディトルグ国の物に変えた。
そしてなんとこの土には上位交換が使えた。
1/10くらいに適応した土が減っちゃった
けど。
最初に適応でできた土がディトルグ国の土だったのに対し、上位交換後はディトルグ国の栄養豊富な土になった。
それ以上は出来なかった。
と言うか出来なかったのか量が不足してたのかよく分からなかった。
それに伴い水も量が足りて無かったのかなと思い、ディトルク国の井戸水を沢山用意し上位交換を唱えてみた。
そしたらディトルグ国の井戸水がディトルグ国の綺麗な井戸水になった。
でも流石にそれ以上は出来なかった。
……というか水道代が気になって挑戦できなかったのが本音だ。
他にも雑草分解して集めた種を上位交換したら種が選択できるようになったよ。
ちなみに種の下位交換は出来なかった。 雑草の種以下種は無いみたい。
今のところ文字だけでどういう植物なのか分からないので、片っ端から交換して植えてみた。
ただこの種がよく分からない。
と言うのも、世話して気づいたことがある。
ディトルグ国の土に植えたら芽が出たのだけれども、土が足らなくて普通の土に植えたら芽が出なかった。
環境だけの問題なのか栄養なのかディトルグ国の土に何かあるのか種の問題なのか判断ができない。 もっと観察しなきゃ。
そして磁石で集めた砂鉄。
適応したら精錬スキルがつかえるかなと思って体に磁石を括り付けて草むしりしながら集めた。
でも量が足りないのか適応することはできなかった。
これはもっと集めなきゃ。
そして下位交換、ディトルグ国の綺麗な井戸水を下位交換したら井戸水になった。
量は増えたが、上位交換した量の半分ぐらいに減ってしまった。 永遠に交換することは出来無さそう。
抽出はまだ試せてない。
これは草が育ったら出来るのかな?
他のことで手一杯だから材料が足らない作製と共にしばらくは放置かな。
毎日放課後暇してたから楽しいなと思っていたら衝撃的な出来事が起こった。
応援ありがとうございます!
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