異世界で農業をやろうとしたら雪山に放り出されました。

マーチ・メイ

文字の大きさ
14 / 73

24日目

しおりを挟む

24日目

MP268/315

……さぶい。ブルりと震えて火……火……とガタガタ奥歯を鳴らしながら火を焚く。

今日は冷えるなぁ。

火の前で座り込む。揺れる火の前に手をやり暖を取る。

はぁ…………あったかい。身体が温まって来たところで入口から外を見る。
猛吹雪だった。吹き付ける風と叩きつけるような雪で、外を覗いただけなのに顔が凍りそうだ、通りで寒いわけだ。
本当に凍る前に洞窟へと引っ込む。
今日も外には出たくないなと薪に火を灯しサツマイモの様子を見に行く。
苗に薪の火を近づけまじまじと観察してみる。

どうやら外にほっておいた魔力水でも、インベントリにしまっていた魔力水でも成長は同じみたいだ。
苗A1A2、苗B1B2共に似たような生育状況だった。

インベントリから柄杓を取り出して水置き場の魔力水を苗A1A2に2回づつかける。インベントリからバケツを取り出し貯めておいた魔力水を注ぎ入れる。柄杓で掬い同じく2回づつかける。
水置き場の魔力水が空になったのでインベントリから注ぎ入れておく。これでインベントリ内の魔力水の在庫はウォーター1回分。
後で明日の分の魔力水を補充しておこう。


場所を移動し次にトマトの育成状況を確認する。
………あれ?
順調だったサツマイモと違いトマトの成長は芳しくなかった。
…確か成長速度上昇1って効果がある筈なんだが……?


なにか違いはないかとよくよく見てみるがこれといった違いは見受けられない。せいぜい葉の形が少し違うとかこっちの芽が多いとかそんなものだ。

あれ……もしかして……。
ちょっと嫌な予感がした。
落ち着くためにアイスプラントに向かってウォーターを唱え水をやる。
こちらは毎日適度に脇芽を出してくれる。良い子だな。新たな花芽が出てたので摘んでおいた。
MP240/315
さてと、心を落ち着かせてトマトの苗に向き合う。そしてウォーターを唱える。各4回づつ水をやる。
MP160/315
結果は明日だな。
次に塩確保のためバケツを作る。今あるMPで作れる範囲の物を。
火置き場の前に移動しインベントリから土を取り出す。縦と横10c高さ20cm程の四角い山を作り上の部分に魔力を込め固める。順繰りに側面にも魔力を固めていく。ぐるっと固められたらそっと持ち上げる。上手く表面だけ固められたらようだ。インベントリからコテを取り出し残った土を収納していく。
片付けが終了したところでバケツの土もポンポンっと叩き払う。火が消えたのでまた火を炊いておく。
MP68/315
残ったMPで水置き場の側面を固めておいた。これでようやく完成だ。ウォーター7回か8回は入りそうかな?

MP1/315
火置き場の前に戻り作りたてのバケツを目の前にピュリフィケイションを唱える。

MP1/316
バケツを綺麗にする目的だったが、数週間ぶりに汚れが落とせて思った以上にすっきりした。着ていた服も新品みたいに綺麗になっている。まじまじとあちこちを確認し効果のほどを確認していた。

……と、こうしてる場合じゃなかった。

バケツを確認してみる。

……こちらも問題なく綺麗になっているな。よし。

インベントリを開き塩が零れないように穴を小さくしてバケツに注ぐ。
一杯になったところでインベントリをいったん閉じまた開く。
最後にバケツに注がれた塩をさらさらとインベントリに入れていく。
インベントリを確認した。




塩の表示が増えた。
説明説明と念じてみる。すると

塩(特殊)
塩(普通)

に区別することが出来た。塩(普通)の方を詳しく見てみる。

塩(普通)2kg 普通の塩

これなら大量にバケツを作らなくても大丈夫そうだ。

次にインベントリを開き塩をバケツに注ぎ、インベントリを閉じずに塩をまたインベントリに注ぐ。

塩(普通)2kg 普通の塩

増えなかった。もう一度今度はインベントリからバケツに注ぎ、インベントリをいったん閉じた後、インベントリに塩を入れてみる。

塩(普通) 4kg 普通の塩

鍵はインベントリを閉じるか閉じないからしい。
無事塩を増やせることが確認できたので、塩を増やすことにした。





いったん休憩にする。途中で火を3回も焚きなおしてしまった。
MP79/316
確保することが出来た塩が724kg

途中で休憩をはさみながら作業したが十分な量を確保することが出来た。

体の筋を伸ばすようにうーんと伸びをする。視界の端に緑のものが飛び込んできた。
ん? とそちらの方を向く。

確かそこにはトマトを植え……。

先ほどの予感が的中したようで目を疑ってしまった。
そこには驚くべき速度で成長しているトマトの苗の姿があった。
ただ天井の高さがサツマイモ向けのものだったので先端の方が折れつつある。

慌てて駆け寄りインベントリから園芸用のこてを取り出し天井の土を削った。
土を削ってはトマトの苗にかからないようインベントリに土を落としていく。

これは支柱も立てないとダメだな……。

天井に触れない高さになったのにも関わらず、自身の重さに耐えきれず先端がぐにゃりと曲がっていた。
天井の拡張が終わり、火置き場の前に行き細長く真っ直ぐに土を盛っていく。半分に魔力を込め固め、それが終わるとひっくり返してもう半分固めた。
段差があるので2本作製し後で繋げ合わせる。2本合わせた長さは身長と同じくらい。つなぎ合わせたせいで太さが少しいびつになってしまった。

MP58/316
火が消えてしまったのでもう一度焚く。

出来た支柱をトマトの苗の横の土に刺す。紐が無いのでサツマイモの苗を作った残りの蔓で結んでおく。
先端の方が少しだれてはいるが、ひとまず安心かな。



まぁ……、そうだよな。
今回魔力水を4回与えたということは1日で約1か月分の成長をするという訳だ。
今までは1日に14日分の成長だったし、日中MP上げやら薄暗いやらで気づかなかったけど流石に1か月分は気づくよな。

じっくり観察してみると魔力を込めた方のトマトの苗は今も早回ししたみたいに肉眼でも分かるスピードで成長を続けていた。
隣の通常のトマトの苗は他の作物と同じような成長速度だったので、魔力を込めた効果だろう。
とんでもない効果だ。

必要MPをおさらいしてみる。
まずトマトを選択するのにMP30で苗を選択するのにMP20。
成長速度上昇1を選択するのに掛ける2、魔力を込めるのにMP20。成長をさせるのに魔力水が4回計MP40……。

(30+20)×2+20+40=MP160
MP160かぁ……。とんでもないな。

今後使うかどうかはMP次第として、今回は効果が分かって良かったとしよう。


今日は世話は必要なさそうだからアイスプラントの脇芽と焼き芋を食べたら塩を増やす事にする。




夕暮れまで作業を行い、塩を1450kgまで増やす事が出来た。
MP134/316

MPが回復できたのでもう一つのトマトの苗用に支柱をもう一本作る。
MP119/316
インベントリに仕舞い魔力水を入れる用のバケツを取り出す。
残ったMPをすべてウォーターで魔力水に変えインベントリに収納し今日は休むことにした。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~

eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」 王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。 彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。 失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。 しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。 「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」 ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。 その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。 一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。 「ノエル! 戻ってきてくれ!」 「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」 これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...