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1日目-2
しおりを挟むショベルカーよろしく雪をインベントリに収納してかまくらを作れないだろうか?
木を切って小屋を立てるか…これは無理そうだな。
もしくはここの土壁を削って中に入れて広げて拠点にするとかか。
そういや、さっきは素手で掘るしか頭になかったが、
魔力で魔法を出せたりするんだから魔力で動かすこととか出来ないのかな?
魔力を馴染ませて形を変えるとか。
……心配なのは残りの魔力だけど。
物は試しに狭くなってる奥の土壁に手を当てた。
アースショットとか呪文が頭に浮かんだ。
それを唱えたら魔法が発動するんだろうか?
と関係ないことが頭に浮かんだので雑念を払うべく頭を左右に振る。
改めて集中するとなんとなく魔力が土に移る感覚があった。
手を動かしながら手に合わせて土が動くイメージをする。
ズズズ……と動いた気がした。
思ったより集中するらしく少し疲労を感じられた。
目を開けて具合を確認すると手のひら位の浅い穴が空いた。
やれば出来るもんだ。
おっと魔力の消費はどうだ?ステータスを開いて見てみる。
うわ…43/100になってる!!
さっき魔力回復するのに1辺り10分程かかってたから全快するまで…………570分!?約10時間!?
……もはや乾いた笑いしか出ない。
っとダメだダメだ現実逃避しても始まらない。
気を取り直して先程魔力で動かした箇所を触ってみる。
ほかの場所はポロポロと崩れる感じだったが魔力を当てた場所は滑らかになっていた。
流石に陶器のような肌触りとまではいかないがざらざらした感じは薄まっている。
手で触っても土がついて来ない。
手で叩いてみるとコンコンと音がした。
かなり頑丈になっている気がする。
できればこの方法で住居を作りたいが、と考えるが魔力が全く足らない。
うーん、………ん ?
いや何も魔力で穴を掘る必要はないか。
手で穴を掘って表面を魔力で均せばいいかな?これなら行けそうだ!
「インベントリ」
目の前に黒い穴が開く。
ちょっと挑戦してみよう。
これは移動出来るかな?試しに両手で黒い穴を挟むようにする。
それを奥の土壁に沿わせてみた。
おお !移動出来た。
手を離す。
最初に開いた場所に戻るでもなくその場に留まっている。
手で土を掘る。
掘った土は地面に落ちることなくインベントリへと収納された。
これは便利だ。
しばらく奥に行く穴を掘っていたら身体が冷えてきて身震いする。
どうやら魔法で出した火が消えたみたいだ。
「ファイアー」
唱えてからMPを確認する38/100になっていた。
燃料が無くてもおおよそ50分くらい燃えてるのか。
あれ?火を出すのにMP消費が10で燃焼時間が50分、その間回復するのが5......もしかしなくてもヤバくないか?
これからおそらく夜になるとして、150分しか火を焚けないのでは話にならない!
急いで燃やせるものを拾わなくては !!
15分後――
全身びしょびしょになりながらなんとかかんとか薪を拾えた。
全部を一気に乾かすことは出来ないので数本火のそばに立て掛けて乾かす。
乾燥時間は足らないがやらないよりはマシだろう。
再び人口の洞窟を作るべく土壁を掘る。
火のそばから離れたくないほど全身冷え切って居るが休んでる暇などない。
当然全身びしょびしょで掘るので全身泥まみれである。
もはややけくそだった。
次の火が消える頃には奥行2m 幅1m、高さ1m位の洞窟になった。
入って1mの辺りから10cmの段差をつけてみる。
手足は土でボロボロだったが少しでも冷気から逃れる為に頑張った。
ちなみに今のMPは42/100だ。
はいって右側の入り口に掘った土を盛る。
少しでも風が入り込むのを防ぐ為に。
その際外を見ると薄暗くなって来ていた。
そろそろ日暮れか。ならもう少し土を盛った方がいいか。
かさをあげた。そして振替って火置き場に手を当てる。
「ファイアー」
やっぱり寒さは我慢出来なかった。
あぁ......MP32/100になってしまった。
入口の所に拾ってきた薪を段にして置いた。
二つを犠牲にしてその上に残りを重ねる形だ。
少しでも地面に接する箇所を少なくする。
太さ長さはまばらで本数は全部で15本ほど。
インベントリに入れておくと時間停止されるので乾くことはない。
だから場所をとってもインベントリの外に出しておく必要がある。
そうしないといつまでたっても暖をとるのに魔力を使用してしまうので、他に試すこともできなくなってしまう。
魔力を増やせればいいんだけどな……。
まぁそれは今は無理だな。
次にまた奥へ移動して今度は右方面に掘り始める。
もはや手で掘るのは諦めた。
手への負担が大きすぎる。
靴を履いて、寝っ転がって土を蹴るようにして掘っていく。
ここでも大活躍なインベントリ。
なんとこれの入り口を広げることが出来た。
実際には掴めないのだが、穴の端と端を掴み両側に引っ張るような感じで広げてみたら広がった。
地面にそれを置き掘り進める。
顔にもかかるがもはや気にしない。
次の火が消える頃には手から肘くらいの長さを掘り進めることが出来た。
MPは37/100だ。
寝っ転がりながら入り口を見た。
日はどんどん傾いてきている。
ここでブルりと震えた。
この感覚には覚えがある、これは……あれだ。
尿意だ。
せっかく乾いてきたのにまた外に出なくちゃいけない。
うぐぐぐぐ、だめだ一回考えたらもうだめだ。
行って来よう。
かさましした土をどけた。
「インベントリ」
幅30cm、高さひざ丈くらいの大きさに広げたインベントリをつま先からひざの高さに設置。ショベルカーになりきって目指すは10m先の木だ。
よーい、どん。勢いよく駆け出す。
積もった雪はどんどんイベントリに収納されていった。
あっという間に木の根までたどり着く。
後ろを振り返ればきれいに除雪された道が現れた。
ブルりと震える、忘れてたトイレトイレと。
用を足し、インベントリから雪を取り出し後始末をする。
今回はびしょ濡れ回避できて意気揚々と洞窟へ帰っていった。
2
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