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第三章

207話目

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「じゃあ発表してもらいます」

必要なもの以外各々アイテムボックスに片づけてもらい推しの文房具を一人2点発表してもらう。
私は司会進行、マッヘンさんは作成目線、オーフェンさんは販売者目線で審査側に回った。

「私から行くね」

トップバッターは灯里。
少し緊張した面持ちだ。

「私は日付印と卓上カレンダーです。 冒険者ギルドで仕事をして、書類がとても多いんです。 日付印なら朝に日付を合わせておけば後は一日変える必要もないので書くよりも時間短縮になります。 後卓上カレンダーは冒険者のかたって意外と日付を覚えてないんですよね。 なので受付に欲しいなって思いました。 本当はもっと一杯推したかったんだけどこの2点でお願いします」

「灯里ありがとう。 続いて……」 

「次は俺が」

灯里の次は高梨さんだ。

「俺はバインダーと方位磁石。 バインダーは現地に行って書きこみをする際平らなところを探さなくても済むように。 俺はアイテムボックスに机とか収納できるが、冒険者皆がアイテムボックス持ちってわけではないからな。 あると便利だなと思った。 方位磁石は森で迷わない為。 あっちでも使えるか分からないがあると便利そう。 この2点よろしくお願いします」

「高梨さんありがとう。 じゃあ次は……」

「じゃあ僕が」

高梨さんの次は菅井さんだ。

「僕は目玉クリップや穴あけパンチとかが欲しい。 主に二人の設計図をまとめるためにだけど。 ぶっちゃけファイルとかも欲しいけどクリップとつづり紐で何とか出来るからこの二つかな」

……散らかってるもんね。
ちらりとマッヘンさんを見やると、両手を合わせ謝っているように見えた。

「菅井さんありがとう。 次は……」

「次は私ですね」

菅井さんの次は相良さん。

「私はコインケースと算盤でしょうか。 コインケースは数えるのが面倒なので。 算盤は……本当は電卓が欲しいですが魔道具でないと厳しいでしょうから算盤で。 計算するのに意外と便利なんですよね」

「相良さんありがとう。 次は……」

「じゃあ俺が」

相良さんの次は長谷川さんだ。

「俺はボールペンとホワイトボード、と言いたいところだが黒板で。 ボールペンは軽いから、黒板は訓練で使いたい。 声での指示だと忘れるやつがいるからな」

意外と真面目に考えてくれた。 それにびっくりだ。

「長谷川さんありがとう。 最後は……」

「私ね」

最後は春子さんだ。

「正直に言うと沢山あり過ぎてまだ迷ってるわ。 取りあえず承認の枠のハンコとファイルが欲しい」

「承認の枠のハンコ……ですか?」

「えぇ。 そこにサインがあれば一目で処理済みかどうか分かるからまずはそれ。 今はどれが決済済みなのかどれがいつの書類なのか分からない物もあるし、突然出てくるものもあるからね……。 あと書類が多いからパイプ式のファイルが欲しい。 頑丈な奴。 マッヘンさんどうかしら? 出来そう?」

「う……うむ。 分解してみんことには何とも言えん」

「考えてもらえると嬉しいわ」

なんかすごく切実だね。 春子さんの圧にたじたじになっているマッヘンさんを見てそう思った。

「春子さんありがとう。 今出た12点は登録しておくね」

残りは48点か。
ここまで来たら自販機3台のうち1台は文房具専用にした方が良いのかな? となるともうちょっと種類を増やす? それとも今出たやつのサイズ違いを増やす? 悩ましいな。 ……まてよコインケースは金貨、銀貨、銅貨、銭貨それぞれに対応させなきゃ駄目じゃない? そもそも使えるの?

登録前に確認する事多そうだね。

後は飲食物について意見を出してもらい何とか登録商品32点まで決めることが出来た。

お酒は長谷川さんの強い希望でビールが5種類。 
高梨さんからの要望でコーラ、灯里の要望でリキュール系なんかも入っている。
オーフェンさんからの要望でウィスキーやブランデーも入った。
ただお酒は全部ミニボトル。 何なら味が試せるように何かしたいなとも思う。
自販機で販売する物は全部があちらの世界の人たちにとって高価な物ばかりだし。
そこら辺は要相談だね。

何はともあれ登録する物も無事に決まって良かった。
後は発売日を決めるだけだ。


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