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第三章
190話目
しおりを挟むマッヘンさんの作業小屋
「桜、試しに使ってみるかの?」
「もう出来たんですか?!」
「試作品じゃがの」
そう言ってマッヘンさんに渡されたのは魔道具二つ。
サイズはボックスティッシュサイズの大きさの箱型の物とタブレット型の物。
自動販売機型の魔道具の試作品らしい。
「こっちのタブレット型の魔道具でまず写真を撮るんじゃ」
「分かりました」
画面を見るとカメラのアイコンがある。 見た目はまんまタブレットパソコンだ。 どうやって作ったのこれ?
マッヘンさんの技術力に驚きつつタブレットの内容を確認すると、アイコンがいくつかあった。
さっきマッヘンさんが言っていたカメラ、写真、登録、補充、お金、自販機等等いくつかの機能が入っているらしい。
そのうちのカメラのアイコンをタップし起動する。
あ、映った。
画面に風景が映し出された。
……これがボタンかな?
画面の右側にボタンが現れたのでそこを押してみる。
スマホやタブレットで写真を撮るみたいに一瞬画像が止まった。
……撮れたみたい?
「マッヘンさん、これで良いんですか?」
「どれどれ見せてみい」
タブレットをマッヘンさんに渡す。
マッヘンさんは写真のアイコンをタップする、すると撮った写真が現れた。
「うむ、ちゃんと入ったのう、次は何か商品を撮影してみ」
「商品?」
取りあえずビールでも撮ってみるか。
作業小屋のテーブルの上にビール缶を1本取り出し置く。
それを撮影しマッヘンさんに確認してもらう。
「まぁ……いいじゃろう」
写真を見せたマッヘンさんは歯切れが悪かった。 ……悪かったね、撮影の腕が悪くて。
「次はどうするんですか?」
「次はこの登録じゃ」
そう言いながらマッヘンさんは登録のアイコンをタップした。
タップすると写真を選んでくださいと表示が出た。
「ここでさっき撮った写真を選ぶ」
写真を選択したら次に商品名を登録してくださいと出た。
「……キーボード出ないんですけど」
「ここを押して声で登録じゃ」
音声入力?
言われたとおりにタップし〝ビール〟 と呟いた。
商品名はびーるで宜しいですか? と画面に表示された。
はいを押し次の画面に進む。
次は金額設定。 ……ここは数字が出るのか。
画面下に数字が出た。 これで入力するのか、……お試しだから100にしておくか。
登録完了しましたと出た。
私は次の指示を待った。 出なかった。
……次は?!
「マッヘンさん、次は……次はどうすればいいんですか?」
「商品登録はそれで完了じゃ、次は商品をこっちの箱から出す登録じゃな。 そっちの自動販売機をタップするんじゃ」
まだ続きがあった、言われたとおりに自動販売機と書かれているアイコンをタップする。
今度は販売するものを選んでくださいと表示が出てきた。
その下には先ほど登録したビールが表示されていた。
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