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第三章
188話目
しおりを挟む翌日
ゲーム大会は深夜まで及んだ。
灯里はギルドがあるからと、ほとんど徹夜状態でフラフラになりながら転移門を使って帰っていった。
私達は二度寝して現在の時刻は昼。
幌馬車の相良さんのスペースを借りて高梨さんが作業することになった。
風通しを良くし、カセットボンベ式の小型の発電機で電源を取りパソコンやプリンターを設置する。
こちらでパソコンに入力し印刷したものはマッヘンさんにも読めた。
私達の目には日本語に見えており、パソコンに新しいフォントも入れてないのに不思議だ。
「翻訳するのはどれにしよう」
レシピ本をいくつか見繕う。
お菓子の基本や料理本、焼酎や日本酒、ワインやウィスキーなどお酒の本をテーブルの上に出した。
「桜はお菓子が食べたいんだろ? ならお菓子でいいんじゃないか?」
「うーん……そうだね、まずはお菓子からお願い」
「写真は取り込む感じか?」
「うん、そこのプリンターを使用して取り込んでもらってもいい?」
「了解」
そう言って高梨さんは作業に取り掛かってくれた。
「なにやってんだ?」
「翻訳作業です、私が依頼したアルバイトですよ」
そこに長谷川さんが現れて質問された。
「へー……」
高梨さんの後ろに立ち興味深そうに眺めてる。
「本の内容を打ち直すだけか? 文字変わってないぞ」
「そうなんですよ、文字変わってないのに打ち直すとこちらの世界の人が読めるようになるんです。 お菓子とかお酒とかこっちで作り方が分からないものを翻訳してもらって、作ってもらう機会が有ったら便利かなーって訳してもらってます」
「ちなみにアルバイトって?」
「これから円で商品売り出すに当たって、渡り人向けに円を渡したいなと思いまして……」
「俺もやっていいか?」
「長谷川さんもですか?」
「円が稼げることに越したことはないんでね」
「良いですよ」
と灯里と高梨さんと同じ条件で長谷川さんも翻訳作業をしてくれることになった。
パソコンを取り寄せし高梨さんと向かい合わせで作業することになった。
人が増えるのはいい事だ。
翻訳作業は二人に任せ、私は灯里経由で回ってきた孤児院とアレクとユリナに依頼していた果物を使ってフルーツビール造りだ。
あの量にしてはカットまで終えるのにかなり早かった。
二人に声をかけて小屋に籠る。
まずはどれからにしようかな? あ、その前に砕かなくちゃ。
小屋のドアを開け放ち風通しを良くし、カセットボンベ式の発電機を取り寄せる。
ミキサーも取り寄せし、果物をミキサーにかけていった。
ミキサーにかけたやつどれに入れよう? ドリンクサーバーにでも入れようかな? 100%のフルーツジュースも良いよね。
ガラス製のドリンクサーバーを取り寄せて補充する場所に漏斗と漉し器を設置した。 果肉は出来るだけ取り除いた方が良いよね。
魔道具で綺麗にして作成開始だ。
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