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第三章

184話目

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「なんだここ……桜の魔法パワーアップしてるじゃないか……」

あっちで予約したことのある宿なら行けるって気づいたの最近だからね。

本日の宿は最初にオリヴィア様と行った宿。
今日のメンバーはマッヘンさん、倉敷さん、菅井さん、相良さん、長谷川さん、私といういつものメンバーに加え、高梨さんと灯里だ。

部屋割りは和洋室にマッヘンさん、倉敷さん、菅井さん、相良さん、高梨さん、2階の露天風呂付きの一室に長谷川さん、もう一つの露天風呂付きの部屋に私と灯里、露天風呂梨の部屋は空き部屋になった。

ちなみに灯里は明日ギルドお休みらしい。 

「今日こそ探検、桜、探検しよう!!」

「そうだね!!」

あの日はオリヴィア様につきっきりだったため全部の部屋を見ることが出来なかった。
今日はのんびり楽しむぞー。


「桜、頼みがある」

今日の夕食はあちらで取り寄せておいたファストフードだった。 皆の要望を聞いたらジャンクフードが食べたい、と言う事だったので注文を取り用意しておいた。

夕食後、リビングで灯里とお酒を片手にゴロゴロして映画を観ていたら高梨さんがやって来た。

「頼みって何ですか?」

「聞くだけ聞きましょう」

酔っ払いの灯里はどや顔した。

「……出来上がってんな」

その様子を見て高梨さんは笑ってた。

「この一杯の為に働いてるもの」

決めきれてないどや顔で灯里がそう答えた。 ……見事な酔っ払いである。


「えっと……」

「あぁ、わるいわるい。 ……桜、ゲームって取り寄せられるか?」

「ゲーム?」

「あぁ、いやさぁ……あっちの部屋でゲームの話になってさ」

高梨さんの話を聞くと男性陣でゲームの話になったらしい。
どのハードを持っていただの、どのゲームにはまっていただの、と話をしているうちに皆でゲームをやりたくなったと。
各々自分の分はアイテムボックスに収納して持ってきてたが機種というか携帯ゲーム機もバラバラと。
それで代表して高梨さんが私の所に来た……と。

「なにそれ!! 私もやりたい!!」

隣で聞いていた灯里が食いついた。
何やらアイテムボックスをごそごそしだして自分の携帯ゲーム機を取り出した。

「灯里さんはそっちかー」

灯里が取り出したのはグラフィックの良い値段高めの携帯ゲーム機だ。

「狩りじゃないの?」

「そっちもあるんだけど台数が足らないんだ」

二人して顔を見合わせた後私を見た。

「……しょうがないな」

そんな振りをされたら出さないわけにはいかないじゃないか。 と言うか私もやりたい!!
皆でゲーム楽しそう!!

「でも、残念だけど今日は用意出来ないんだ。 こっちで購入してあっちで取り出さないといけないんだよね」

「そうか……」

「明日……もう今帰って戻ってきたい気分だね」

私の話を聞いてあからさまに肩を落とす二人。 ……どんだけゲームやりたかったんだ。

「とりあえず、みんなの要望を聞こう、今日はゲーム機の取り寄せして明日楽しもうよ」

そうしてゲーム話で盛り上がっている和洋室へと赴いた。

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