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第三章
168話目
しおりを挟む無事にオリヴィア様のおもてなしが終わった。
その後2、3日に一回の割合でオリヴィア様をあちらの世界に案内するのが日課になった。
途中、相良さんの家に設置されている転移門が壊れるというハプニングがあったが、灯里が戻る際再設置してくれた。 どうやら何回か使うと壊れるらしいことが発覚。
……無制限に使えたらそれはそれで大変だもんね。
そして、春子さんとオリヴィア様が気が合ったらしく、オリヴィア様が来るときは春子さんが一緒に案内してくれている。 オーフェンさん公認だ。
灯里は、ギルドのお仕事の都合がつけば一緒に日本に行ってくれてる。 ただし、出勤時間の都合上早めに戻るけど。
なので、最近はチェックインの時間を遅くして予約しなおし、あちらに行く時間を調節し、あっちの時間とこっちの時間の差異が少なくなるように調整した。
オリヴィア様はというと、数回もあちらに行けば慣れたようで、今では最初のような補助をしなくても自由気ままに過ごすようになり、その弊害か、私たちもついつい領主の奥様と言う事を忘れてしまいがちになってしまった。
廃村にて
「お、草が刈れるようになった!!」
「ようやくだね。 おめでとー」
お昼前に廃村に戻ってきた私と菅井さんは、絶賛草刈りに夢中だ。
雑草に向かって風魔法を使う事、数百回、ようやく草を刈れるまでに成長した。
二つに分かれた雑草を手に取り切れ味を確認する。
「……菅井さん、これ成功なんですかね?」
「んー……、 微妙かな?」
断面がギザギザになっている。 なんというか、スパンと切れたというよりも引きちぎられた感が満載だ。
「練習すれば良くなるよきっと」
「よし!! 頑張ります!!」
「おーい、桜……なにしてんだ? 雑草持って」
風魔法の特訓をしていると長谷川さんがやってきた。
「風魔法の訓練中です。 長谷川さんなんか用ですか? ビールはまだ出しませんよ?」
「ビールは夜に出してもらうから良い。 ……というか流石に真昼間から飲まねーよ」
長谷川さんは毎晩毎晩ビールをたらふく飲んでいる。 昨日の夜も500mlの缶をゆうに5、6本あけてるのを私は見た。 そのお腹、そのうちビールッ腹になるに違いない。
「数日前、僕は真昼間に休憩と言いつつ、ビール缶を開けている長谷川さんを見たけどな」
菅井さんからの告げ口が入った。
「あの時はあの時、今は今だ」
「冗談は置いておいて、どうしたんですか?」
「冗談か? 冗談に聞こえなかったが?」
「冗談じゃない方がお好みですか?」
「いや、冗談でいいや」
私たちの会話を聞いて菅井さんが冗談で良いのって笑ってた。
「この前の続きが決まった。 ちょいと幌馬車に来てくれ」
前回の……!!
「分かりました。 菅井さんちょっと失礼しますね」
「はいはーい」
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