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第三章

156話目

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「さて今日はどこに行きましょう!!  この中から選んでください!!」

日も暮れたので魔道具は片付け皆で幌馬車の中に集まる。

テーブルの上に出したのはタブレットだ。  皆に昨日スクショ撮ってた宿を見せる。

「……カタログギフトじゃないのか?」

また何か始まったと引き気味に問う長谷川さん。

「はい!! 実験です」

「実験……とな?」

実験という言葉に乗り気になるマッヘンさん。

「えっとですね、私の魔法って購入したもの取り寄せ出来るじゃないですか?」

「知らんぞそんなの」

私の言葉に愕然とした表情を浮かべる長谷川さん。

「……んで?」

倉敷さんに話の続きを促される。

「それで旅館ってネット決済できるじゃないですか。  それで昨日あの後タブレットで旅館をネット決済で予約したんです」

「その結果がこれかー凄いね。 あっちでもこんな高級旅館泊まったことないよ」

興味津々な菅井さん。

「そうなんですよ!  今日はこれで行くとカタログギフトと違うのか検証したいと思います。 協力お願いします」

そうして選んだ場所へ向かった。

今回は私は最初から一人、倉敷さん、マッヘンさん、菅井さんの三人、相良さん、長谷川さんの二人という組み方でこちらにきた。

フロントはこじんまりとしている。 いつもみたいにざ、旅館って感じでないのでちょっと新鮮だ。

皆が揃ったので移動する。  フロントから客室へ向かう途中の通路は渡り廊下みたいになっていて日本庭園みたいな中庭にすぐ出れる。 落ち着いた雰囲気で好みだ。

奥の部屋が相良さんペア、その隣がマッヘンさん達、私はその隣だ。

鍵を開けドアを開けると目に飛び込んできたのは階段。
全室二階建て、テンションが上がるが一人なので騒がない。
靴を脱ぎ二階に上がるとそこは寝室となっていてツインベッドが置かれていた。 ベッドだけ? と外を見ると露天風呂があった。 屋根は無く開放感がすごい。 続いて一階に降りる。 一階は和室になっていて奥の障子を開けたらそこには内風呂があった。 お風呂二つある!! なんて贅沢な!!

一人で感激し、早速お風呂に入りタブレットで新たなる宿の検索に励んだ。










王宮

「顔を上げよ。  ……して……グリフォンを使用してまでの急ぎの用とは?」

人払いされた王宮の一室、ソファーに座らずに部屋の中で伏して待てば、扉が開き陛下がやって来た。

面前を通りソファーに腰掛ける。

歳は40台前半、精悍な顔立ち、子供は王子が二人に姫が一人。
前王が生前譲位し、それに伴い即位してからまだ数年だが、堅実な運営をされており、家族仲が良く王妃と仲睦まじく過ごす姿は民にまで知れ渡っている。

通常であればまず王都に到着し手紙にて面会依頼をする。  王へ直接は届かずに王の側近にて判断される。 王の都合の良い日を指定され、その日に合わせ登城する。  本来であれば理由如何では却下もあり得る。

最低でも一週間は待たせられるのが通例だ。

王都に到着し翌日にこうして王に御目通り叶うとは関心の高さが伺える。

「はい、今回渡り人の件でご報告があります」

「……聞こう」


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