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第三章
135話目
しおりを挟む領主とあちらの世界に行く日が来た。
馬車で相良さんと共に領主の館へと赴いた。
服装のことで悩んだが、今回私はスーツではなく無難に綺麗めのオフィスカジュアルにした。
相良さんはスーツ姿だ。
前回と同じように馬車は厩舎に止め御者は待合室で待ってもらう。
メイドさんに案内され客間へと通された。
ソファーに腰を下ろしメイドさんが入れてくれたお茶とお菓子に舌鼓を打つ。
前回よりも早いタイミングでドアが開き領主が護衛の長谷川さんと共にやってきた。
今回領主の服装は非常にラフなものだ。 おそらく長谷川さんにアドバイスをされたんだろう。
濃いグレーのスラックスに白いワイシャツという華美な装飾のないシンプルな服装だった。
長谷川さんはスーツだった。
「待たせたな」
「本日はよろしくお願いいたします」
頭を下げ挨拶をした。
「こちらこそよろしく頼む。 ……では早速行くか」
早っ。 まだ扉の前から移動してないじゃん。
もうちょっと会話とかしなくてもいいの? いや……別にしたいわけではないけど。 もしかして楽しみにしてた?
「かしこまりました」
そう領主に返答しアイテムボックスから2冊カタログギフトを出した。
領主と長谷川さんが近寄ってきた。
前回の話で行く場所は決めていたから日付を選んで名前を入力して行くだけだ。
一冊目には長谷川さんと領主、二冊目には私と相良さんの名前を入力した。
「日付はいつでもよろしいですか?」
「構わない」
そう返事をもらったので適当に入力する。
ん? 時間? 席?
日付を入力したら時間の指定と席の指定が出てきた。
食事だと時間の指定もしなきゃいけないのか。 へぇー適当に入力しよう。 ただ……。
「お席はいかがいたしますか?」
「席?」
「はい。 座席が選べるようでして、ソファー席にテーブル席、カウンター、窓際とあります。 いかがいたしましょう」
「窓際で」
領主に尋ねたら護衛の長谷川さんから代わりに返事があった。
「窓際で宜しいですか?」
一応領主に確認のため聞いてみると構わないと返事があった。
「かしこまりました」
言われたとおりに入力し、出来るかどうかわからないが連絡事項に4人席でと注意書きを入力した。
後は最後は「はい」のボタンを押すだけだ。
「準備はいいですか?」
相良さんは何度も行ってるので確認の必要は無し、長谷川さんと領主に顔を向けてそう問う。
「「ああ」」
返事があったのではいのボタンを押し目を瞑った。
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