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第三章

130話目

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ホッと一息ついて領主の好みを聞いていった。

目の前に置かれているカタログギフトの日帰り温泉のページを説明していく。

食事の種類、温泉の数、海がいいか山がいいか聞いていった。

「どこも景色が良いな」

「あ、一つ注意事項があります」

「ん? なんだ?」

「こちらの温泉は貸切ではございません。 他者と同じ湯に浸かることをご容赦ください。 お食事も貸切ではございません。 ご不快に思うかもしれませんがそれでもよろしいでしょうか?」

私の言葉に領主が眉を寄せ腕を組み悩み始めた。

「宿泊の場合でも大浴場は貸切には出来ません。 今回は雰囲気だけ味わいますか?」

「……いや。 構わない。 進めてくれ」

私は忌避感がないけれどもこちらの世界の人、特に貴族には忌避感があるのかもしれないな。

そう思い見ていると悩んだ末興味の方が勝ったみたいだ。 それで良いなら進めよう。

「かしこまりました」

と頷き話を進めようとしてら、

「すみません」

相良さんが会話に加わった。

「それでしたら今回はこちらにしてはいかがでしょう」

そう言ってカタログギフトのページを捲った。

そこにはグルメの特集がされており各食事処のペア招待券が記載されていた。

「こちらもあちらの世界に行けるものとなります。 目的があちらの世界に行った際の影響を調べる事ならばまずはこちらを試してみてはいかがでしょう」

私はまだ行ったことがない場所ばっかりだ。 これはこれで良いかも。

「そうしてくれると助かる」

「一つ注意事項です。 こちらも個室であるとは限られません、それでも良いですか」

「構わない」

即答だ。 さっきのは肌の露出が嫌だったのかな? まあ、無防備だもんね。

自分なりに当たりをつけて納得した。

「では……食事でご要望はありますか?」

「私はそちらの世界の食事に詳しくないので任せる」

ふむ……。

「かしこまりました」

任されちゃった、何が良いだろう。

確かお酒嗜まれるんだったよな……。

「でしたらこちらはいかがでしょう?」

目に止まったページはダイニングバー。

魚も肉も使われたコース料理。 別途料金払えばお酒も色々ありそうだ。

どうかな? と思って様子を伺う。

「構わない」

領主から了承を得られたのでホッと一息つく。

「お二方も宜しいでしょうか?」

「はい」

「構わない」

「では日程はいつにしましょう?」

日程まで決めて段取りをつけてこの日の打ち合わせは無事に終えた。






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