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第三章

126話目

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「幌馬車の改良ってどれくらいかかるんですか?」

「爺さんのあの調子だったら2、3日で出来るんじゃないか? 下手すりゃあ徹夜でやりかねないが」

「徹夜……」

それぐらいで改良出来るなら貸す必要もなかったのではと疑問に思ったが、内装面かと一人勝手に腑に落ちたので黙っていた。

まあ、やりたいようにやらせよう。

「じゃあ私達はそれぞれ家具でも見ますか? 家具家電専門のカタログギフト有りますよ」

あっちに行くのではなければ使用しても良いと言われたのでこちらは遠慮なく使うことにした。

「それとカタログギフトではないんですが、こっちの家具のカタログで良さそうなのがあればあっちに行った時に買ってきますよ」

カタログギフトとは別に家具のカタログ雑誌を取り出した。

どれどれ……と雑誌を手に取りパラパラ捲る菅井さん。

「こんなのもあるんだね。 ここにも置きたいくらいだなー」

と言ってチラリとこちらを伺われた。

「家具は揃ってるんじゃないですか?」

「うん、あるよ。 王都からも持ってきたし、でもせっかくならあっちの物も一つくらい欲しいじゃんか」

「あーその気持ちはわかります」

あっちの世界とこっちの世界と家具も作りがちょっと違うもんね。

こっちはソファーにしても木が使われてて所々固いもんね。

「こりゃ鋼!お前さんが来なければサスペンション作れんじゃろうが!!」

マッヘンさんが戻ってきて菅井さんを連れてってしまった。

「いや、俺がいなきゃ取り付けられないだろうが。 爺さん初見だろ!!」

倉敷さんまで居なくなったら私一人になっちゃうじゃないか。

「私も見せて下さい」

一人で暇になるのもアレだしサスペンション作りに興味が惹かれたので見学に後をついて行った。


菅井さんの作り方とは魔法のことだった。

倉敷さんが実物を土で作り菅井さんがそれに沿って魔法で部品のような形をした物として鉄? で作り出している。

器用だな。

前輪の部分は倉敷さんが担当し後輪部分はマッヘンさんが指示されながら作業していく。

こちらもすごいな、何してるか分からないや。

にしても……ボロっちいな。

マッヘンさん達が直している荷馬車は広さは私が持ってるのと同じくらいだが見て分かるくらい年季が入っていた。

これだったら私の持ってるやつを使いたかった気持ちわかるな、と頷いた。

その日はそのまま補修作業が本格化していきそうだったので手の空いた菅井さんに家具のカタログギフトと家具のカタログを渡して家路についた。
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