112 / 274
第三章
112話目
しおりを挟む販売場所は商業ギルドを予定する。 まずはネーアの街のみ。 今後の展開は倉敷さんの魔道具次第かな?
ちなみに魔道具のことはまだ未定なのでオーフェンさんに話をしていない。
販売価格は、最初は必要魔力でいく。 今後は需要によって多少変動させる。
販売品はアンケートを取ることになった。
カタログギフトについてはまだ秘密にする。 魔力回復について反応をみてからどうするか決める事になった。
急いではないからね。
あちはオーフェンさんの最後の質問が気になったな?
確か……
「カタログギフトを最初に使用した日から何日経過してますか?」
って。
商業ギルド
とは言ったものの……
「春子」
「なに?」
「領主に話をもっていく前にスタンピート前後の魔獣の出現数聞いてきてもらえるか?」
「今回のスタンピートとカタログギフトの関係ね……」
「そうです。 杞憂だといいんですが……」
カタログギフトの公表は先延ばしにした。
渡り人の魔力を回復させてしまう物だ。
桜さんが最初にカタログギフトを使用してからスタンピートが発生するまで3週間ほど期間があった。
通常渡り人が来てから発生するまで遅くとも2週間。
1週間ほど開きがあった。
考え過ぎならいいんですが、領主に報告する前にカタログギフトの影響を確認しなくては。
といっても影響がある方向で考えるしかないでしょうが。
「桜さんは今回のスタンピートとカタログギフトの関係性疑わないんでしょうか?」
「ピンときにくいかもしれないわね。 桜さんが来た時のスタンピートあまり魔獣が出なかったし……下手をすれば前回のやつスタンピートと認識してないかもしれないわよ? ……聞くのと自分で見るのとは全然違うじゃない?」
「そうですね」
領主にカタログギフトの件を伏せて魔力回復出来ることを話しても、どうしても魔力の回復と今回のスタンピートと考えが結びついてしまうだろう。
そしたら危険人物として桜さんは元の世界に帰されてしまう?
領主が良しとしてもその上は?
上位貴族相手では私は無力だ。
どうにかしてせめて侯爵位である領主を味方に巻き込まねばなるまい……。
そのためにはまずカタログギフトの影響を検証をしてもらわなくては。
不確定要素が多すぎる。
まずは円と金貨の交換と販売、それとこの間手に入れたお酒の資料を元に開発許可を得に申請を提出しよう。
少しでも桜さんの評価を上げておかねばなるまい。
出来るところからやっていきますか。
騒動から数日経って
倉敷さん達の納品も無事に終わったということで相良さんが迎えに行くことになった。
住む場所は相良さんの家らしい。
ネーアの街を出発した相良さんと入れ替わりでハンスさん達がネーアの街に帰ってきた。
帰ってきて私が居るもんだからびっくりされた。
開口一番、 「何で居るんだ?! ってかスタンピートはどうなった?!」 とハンスさんに言われた。
移動方法と顛末を話したら苦笑しながらお疲れ様と労ってくれた。
見た目はハンスさん達のほうがボロボロだけどね。
灯里にも二つ名が付いた。
シリウスさんを治療してはボコボコにした姿と、その後の魔獣を殴って倒した姿が鮮明に残ったみたいで「鉄槌の聖女」と言われるようになった。
灯里自体は、聖女は聖女でも物理系の殴り聖女に憧れてたんだ、と非常に好意的に受け止めていた。
ちなみに身体強化魔法は光魔法で練習したらしい。
回復魔法以外の使い道教えてくれてありがとうとお礼を言われた。
冒険者の皆さんは複雑そうな目でこちらを見ていた。
純粋な灯里が染まってしまった……みたいな感じ?
そりゃそうだよね。 血塗れでニッコニコの灯里はある意味ホラーだったもんね。
んで、シリウスさんはというと何かに目覚めてしまったらしい。
灯里に付き纏うことは諦めてないけど灯里に殴られて喜んでいるとかなんとか。
冒険者の方達は見ないふりしてるそうだ。
75
お気に入りに追加
882
あなたにおすすめの小説

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる