103 / 274
第二章
103話目 灯里とシリウスさん2
しおりを挟む
「本宮様……?」
灯里は一歩ずつこちらに近付いて来た。
「灯里来ちゃだめ!! 病んでるよコレ!!」
「待ってて下さい本宮様! 今コレを処分しますから」
周りの冒険者灯里止めてよ!!
そう思って見るが皆んな困惑して止めようとしない。
そうだ!! 春子さんは!?
そう思って春子さんを見れば腕を組んで眺めている。
ガドラスさんは他の冒険者達に抑えられてる。
ギルマスと私だったら私見た感じ怪我しそうにないしギルマス優先だよねそりゃあ。
見ていた冒険者が灯里を止めようとする。
が、灯里は止まらない。
「灯里!! ストップストップ!!」
慌てて静止を呼びかける。
灯里と目があった。
「身体強化」
灯里が呟いた瞬間灯里が消えた。
「良い加減にしろ!!!!」
近くで灯里の怒声が響いた。
「えっ?」
どこに? と思ったら……
ドンッ!!!!!!
「ぐえっ!!」
壁に何かが激突する音が聞こえ激突したであろう誰かの声も聞こえた。
なにが?!
土煙が晴れる。
私の側には灯里が、壊れた壁の下にはシリウスさんが倒れていた。
「「「「「「「はっ?!」」」」」」」
「「シリウス!!」」
倒れたシリウスさんの元に男女が駆け寄る。
「も……本宮……様?」
フラつきながら立ち上がるシリウスさん。
激突した壁には凹みができ崩れている。
そんな衝撃を受けて立ち上がれるってどんな体しているんだ。
そして灯里いつからそんな怪力身につけたの!?
シリウスさんと灯里を交互に見た。
灯里はシリウスさんに歩み寄ると、
「治癒」
回復魔法を使いシリウスさんの怪我を治した。
「おお……ありがとうございます」
「何で桜に攻撃したの?」
「流石本宮様ですね。 一瞬で痛みも無くなりました」
「何で桜に攻撃したの?」
「何をそんなに怒ってらっしゃるのですか? アレは不要のものでしょう」
「何で桜に攻撃したの?」
「本宮様にとって邪魔だからです。 害虫は退治しないといけません」
こちらから見えるのは灯里を見つめるシリウスさんと灯里の後ろ姿だけだ。
灯里教にでも入信してるのかてくらい様子がおかしい。
ドン引きで見てると灯里がまたシリウスさんに殴りかかった。
ドンッ!!!!!!
再び壁に打ち付けられ苦悶の表情を浮かべるシリウスさん。
「治癒」
「あ……ありがとうございます」
何で殴られて回復されてお礼言うの? マゾなの?
「私が誰と付き合おうが私が決める。 貴方にはそれを邪魔する権利はない」
「それはなりません。 本宮様程高貴な人には俗物など似合いません。 汚れてしまいます。 あぁ……そうだ……排除いたします。 そこの物欲まみれの者から本宮様を離さなくては。 本宮様がおかしくなったのはアレのせいに決まってる。 私の本宮様は私を拒絶するはずがない。 そうだアレを排除すれば元の本宮様に戻る……そうだそうに違いない」
シリウスさんはそう言いこちらを見た。
目が合う。
焦点の定まってない瞳で不気味に笑う。
もう……ドン引きだよ。
「いい加減にして」
パンッ。
今度は乾いた音が響いた。
灯里がシリウスさんの頬に平手打ちした。
殴られた頬を手でそっと押さえ視線を私から灯里に移すシリウスさん。
なぜ殴られたのか理解が出来ないと言う顔をしている。
「私は私が一緒にいたいと思う人と一緒に居るの」
もう一度平手打ちをする。
「私が誰といるかは私が決めるの」
再度反対側の頬を平手打ちする。
「貴方に決定権はないの」
また平手打ちをする。
シリウスさんの頬は真っ赤になっている。 これは腫れるぞ。
「貴方の理想の私を生身の私に押し付けないで!!」
ドンッ!!!!!!
往復ビンタからの渾身の腹パン綺麗に決まったね。
めっちゃ痛そうだよ!!
「治癒」
また怪我を治されたシリウスさん。
今度は立ち上がらずに座ったまま灯里を見上げている。
「今まで守ってくれたことは感謝します。 ……今後は二度と関わらないで下さい」
ぺこりとお辞儀をしこちらに歩いてくる灯里。
その時、キョアァァァァァアアアア!! と言う叫び声が森の方から聞こえ地面が揺れた。
灯里は一歩ずつこちらに近付いて来た。
「灯里来ちゃだめ!! 病んでるよコレ!!」
「待ってて下さい本宮様! 今コレを処分しますから」
周りの冒険者灯里止めてよ!!
そう思って見るが皆んな困惑して止めようとしない。
そうだ!! 春子さんは!?
そう思って春子さんを見れば腕を組んで眺めている。
ガドラスさんは他の冒険者達に抑えられてる。
ギルマスと私だったら私見た感じ怪我しそうにないしギルマス優先だよねそりゃあ。
見ていた冒険者が灯里を止めようとする。
が、灯里は止まらない。
「灯里!! ストップストップ!!」
慌てて静止を呼びかける。
灯里と目があった。
「身体強化」
灯里が呟いた瞬間灯里が消えた。
「良い加減にしろ!!!!」
近くで灯里の怒声が響いた。
「えっ?」
どこに? と思ったら……
ドンッ!!!!!!
「ぐえっ!!」
壁に何かが激突する音が聞こえ激突したであろう誰かの声も聞こえた。
なにが?!
土煙が晴れる。
私の側には灯里が、壊れた壁の下にはシリウスさんが倒れていた。
「「「「「「「はっ?!」」」」」」」
「「シリウス!!」」
倒れたシリウスさんの元に男女が駆け寄る。
「も……本宮……様?」
フラつきながら立ち上がるシリウスさん。
激突した壁には凹みができ崩れている。
そんな衝撃を受けて立ち上がれるってどんな体しているんだ。
そして灯里いつからそんな怪力身につけたの!?
シリウスさんと灯里を交互に見た。
灯里はシリウスさんに歩み寄ると、
「治癒」
回復魔法を使いシリウスさんの怪我を治した。
「おお……ありがとうございます」
「何で桜に攻撃したの?」
「流石本宮様ですね。 一瞬で痛みも無くなりました」
「何で桜に攻撃したの?」
「何をそんなに怒ってらっしゃるのですか? アレは不要のものでしょう」
「何で桜に攻撃したの?」
「本宮様にとって邪魔だからです。 害虫は退治しないといけません」
こちらから見えるのは灯里を見つめるシリウスさんと灯里の後ろ姿だけだ。
灯里教にでも入信してるのかてくらい様子がおかしい。
ドン引きで見てると灯里がまたシリウスさんに殴りかかった。
ドンッ!!!!!!
再び壁に打ち付けられ苦悶の表情を浮かべるシリウスさん。
「治癒」
「あ……ありがとうございます」
何で殴られて回復されてお礼言うの? マゾなの?
「私が誰と付き合おうが私が決める。 貴方にはそれを邪魔する権利はない」
「それはなりません。 本宮様程高貴な人には俗物など似合いません。 汚れてしまいます。 あぁ……そうだ……排除いたします。 そこの物欲まみれの者から本宮様を離さなくては。 本宮様がおかしくなったのはアレのせいに決まってる。 私の本宮様は私を拒絶するはずがない。 そうだアレを排除すれば元の本宮様に戻る……そうだそうに違いない」
シリウスさんはそう言いこちらを見た。
目が合う。
焦点の定まってない瞳で不気味に笑う。
もう……ドン引きだよ。
「いい加減にして」
パンッ。
今度は乾いた音が響いた。
灯里がシリウスさんの頬に平手打ちした。
殴られた頬を手でそっと押さえ視線を私から灯里に移すシリウスさん。
なぜ殴られたのか理解が出来ないと言う顔をしている。
「私は私が一緒にいたいと思う人と一緒に居るの」
もう一度平手打ちをする。
「私が誰といるかは私が決めるの」
再度反対側の頬を平手打ちする。
「貴方に決定権はないの」
また平手打ちをする。
シリウスさんの頬は真っ赤になっている。 これは腫れるぞ。
「貴方の理想の私を生身の私に押し付けないで!!」
ドンッ!!!!!!
往復ビンタからの渾身の腹パン綺麗に決まったね。
めっちゃ痛そうだよ!!
「治癒」
また怪我を治されたシリウスさん。
今度は立ち上がらずに座ったまま灯里を見上げている。
「今まで守ってくれたことは感謝します。 ……今後は二度と関わらないで下さい」
ぺこりとお辞儀をしこちらに歩いてくる灯里。
その時、キョアァァァァァアアアア!! と言う叫び声が森の方から聞こえ地面が揺れた。
75
お気に入りに追加
890
あなたにおすすめの小説

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界召喚されました……断る!
K1-M
ファンタジー
【第3巻 令和3年12月31日】
【第2巻 令和3年 8月25日】
【書籍化 令和3年 3月25日】
会社を辞めて絶賛無職中のおっさん。気が付いたら知らない空間に。空間の主、女神の説明によると、とある異世界の国の召喚魔法によりおっさんが喚ばれてしまったとの事。お約束通りチートをもらって若返ったおっさんの冒険が今始ま『断るっ!』
※ステータスの毎回表記は序盤のみです。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる