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第二章
88話目 倉敷さんの魔法
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レシピが書かれた紙に魔石を置き手で触れる。
紙から錬成陣が浮き出し紙に置かれた魔石が消える。
錬成陣からブレスレットに嵌める石が出てきた。
「これで良いだろう。 魔力回復の礼だ」
倉敷さんに石を渡された。
「これは?」
「腕についている物理攻撃無効のオリジナルの奴だ。 これならSランクの攻撃も耐えられる筈だ」
「あ……ありがとうございます!」
一応防御魔法も使えるようになったけど更に頑丈になったね!
貰った石をじっと見る。
もしかして……とお返しに1銭を倉敷さんに渡した。
「?」
不思議そうな倉敷さんに微笑みかけ魔法を使った。
菅井さんから既視感あるなと声が聞こえた。
えーっと……石石と……。 あった!
魔力10使用し同じ物を出した。
「は?」
「じゃーん!!」
これでいくら攻撃されても補充し放題だ!
相楽さん含めみんな揃ってポカーンとした顔をしている。
「それ魔法か?」
「ですよ!」
「同じやつか? ちと貸してもらうぞ」
マッヘンさんに言われたので石を渡した。
「信じられん……」
石を確認し返して貰った。
「こっちで購入した物も魔法で出せるのか……」
「出せますよ」
「魔道具壊れた時なんで出さなかったんだ?」
珍しく表情を崩した相良さんに問われた。
「着けてた物が壊れたならより丈夫なのじゃないとすぐ壊れちゃうじゃないですか」
「まあ……そうだね」
「なあ……爺さん、鋼、王都に未練はあるか?」
「無いのう」
「無いよ」
「そうか」
倉敷さんはそう菅井さんとマッヘンさんに尋ねた。
「桜」
「はい?」
「お前が望む魔道具のレシピを提供する。 代わりに俺たちの魔道具作りに手を貸してくれないか?」
魔道具のレシピ!
オリジナル魔道具作れちゃうの?
でも……
「手を貸すって具体的に何するんです?」
「まず俺たちは拠点を王都からネーアの街に移動する。 それに当たって依頼されてる魔道具の複製を手伝って欲しい。 今ある素材を桜に望む金額で提供する。 今一銭渡したってことはそれが取り出す魔力量になるんだろう? 代わりにこちらが望む素材を魔法で出して欲しい」
つまり倉庫代わり?
「私こっちの人々の生活を壊すような事はしませんよ?」
「壊すこと? あぁ……違う違う。 複製品でボロ儲けしたいわけじゃない。 複製は今回だけだ。 と言うかそれは桜が出さなきゃ済む話だろう?」
「それもそうか」
「俺は自分はただ魔道具を作りたい」
「わしはその魔道具を解析して作り出したい」
「僕は色んな鉱石見れれば良いかな? 特に決まってないや」
「私は魔法を極めたい」
あれ? この人達それはそれで生活大丈夫か?
と言うか人のこと言えないけど今までそんなでよく無事だったね。
そっちの方が不安になってきたな。
「それなら良いですよ」
右手を倉敷さんに差し出す。
倉敷さんも私に手を差し出し握手を交わした。
「じゃあまず複製する魔道具どれです?」
「この洗浄の魔道具を50本に……」
元となる魔道具を作った側から1銭と引き換えにアイテムボックスに仕舞い言われた本数を魔法で出した。
「鋼! 商業ギルドへ行って納品して来い」
「はーい」
「あっという間じゃのう」
「次に今ある素材を複製してくれ」
「はいはい」
素材を渡されては必要数を魔法で出し渡していった。
「ほっほっほ! これだけあれば色々作れるわい」
マッヘンさんは素材の山を見てすごく嬉しそうだ。
「相良もたまには良い仕事するな」
「たまにはは余計じゃないかな?」
「これで貴族に借りを借りなくて済んだな」
「流石に今回ばかりは危なかったわい」
「えっ」
今日の作業の目処がついたのでハンスさんとユリウスさんが居るカフェへ行き宿に戻ることにした。
紙から錬成陣が浮き出し紙に置かれた魔石が消える。
錬成陣からブレスレットに嵌める石が出てきた。
「これで良いだろう。 魔力回復の礼だ」
倉敷さんに石を渡された。
「これは?」
「腕についている物理攻撃無効のオリジナルの奴だ。 これならSランクの攻撃も耐えられる筈だ」
「あ……ありがとうございます!」
一応防御魔法も使えるようになったけど更に頑丈になったね!
貰った石をじっと見る。
もしかして……とお返しに1銭を倉敷さんに渡した。
「?」
不思議そうな倉敷さんに微笑みかけ魔法を使った。
菅井さんから既視感あるなと声が聞こえた。
えーっと……石石と……。 あった!
魔力10使用し同じ物を出した。
「は?」
「じゃーん!!」
これでいくら攻撃されても補充し放題だ!
相楽さん含めみんな揃ってポカーンとした顔をしている。
「それ魔法か?」
「ですよ!」
「同じやつか? ちと貸してもらうぞ」
マッヘンさんに言われたので石を渡した。
「信じられん……」
石を確認し返して貰った。
「こっちで購入した物も魔法で出せるのか……」
「出せますよ」
「魔道具壊れた時なんで出さなかったんだ?」
珍しく表情を崩した相良さんに問われた。
「着けてた物が壊れたならより丈夫なのじゃないとすぐ壊れちゃうじゃないですか」
「まあ……そうだね」
「なあ……爺さん、鋼、王都に未練はあるか?」
「無いのう」
「無いよ」
「そうか」
倉敷さんはそう菅井さんとマッヘンさんに尋ねた。
「桜」
「はい?」
「お前が望む魔道具のレシピを提供する。 代わりに俺たちの魔道具作りに手を貸してくれないか?」
魔道具のレシピ!
オリジナル魔道具作れちゃうの?
でも……
「手を貸すって具体的に何するんです?」
「まず俺たちは拠点を王都からネーアの街に移動する。 それに当たって依頼されてる魔道具の複製を手伝って欲しい。 今ある素材を桜に望む金額で提供する。 今一銭渡したってことはそれが取り出す魔力量になるんだろう? 代わりにこちらが望む素材を魔法で出して欲しい」
つまり倉庫代わり?
「私こっちの人々の生活を壊すような事はしませんよ?」
「壊すこと? あぁ……違う違う。 複製品でボロ儲けしたいわけじゃない。 複製は今回だけだ。 と言うかそれは桜が出さなきゃ済む話だろう?」
「それもそうか」
「俺は自分はただ魔道具を作りたい」
「わしはその魔道具を解析して作り出したい」
「僕は色んな鉱石見れれば良いかな? 特に決まってないや」
「私は魔法を極めたい」
あれ? この人達それはそれで生活大丈夫か?
と言うか人のこと言えないけど今までそんなでよく無事だったね。
そっちの方が不安になってきたな。
「それなら良いですよ」
右手を倉敷さんに差し出す。
倉敷さんも私に手を差し出し握手を交わした。
「じゃあまず複製する魔道具どれです?」
「この洗浄の魔道具を50本に……」
元となる魔道具を作った側から1銭と引き換えにアイテムボックスに仕舞い言われた本数を魔法で出した。
「鋼! 商業ギルドへ行って納品して来い」
「はーい」
「あっという間じゃのう」
「次に今ある素材を複製してくれ」
「はいはい」
素材を渡されては必要数を魔法で出し渡していった。
「ほっほっほ! これだけあれば色々作れるわい」
マッヘンさんは素材の山を見てすごく嬉しそうだ。
「相良もたまには良い仕事するな」
「たまにはは余計じゃないかな?」
「これで貴族に借りを借りなくて済んだな」
「流石に今回ばかりは危なかったわい」
「えっ」
今日の作業の目処がついたのでハンスさんとユリウスさんが居るカフェへ行き宿に戻ることにした。
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