上 下
55 / 274
第一章

55話目 検証3

しおりを挟む

「まだ昼食まで時間あるね」

「そうだね。ショップでも見る?」

「見に行こうか」

手で扇ぎながらエレベーターに乗り込む。

「何階だっけ?」

「1階じゃないかな?…あ、ほらここに書いてある」

エレベーターの階層案内に書かれていた。

1階のボタンを押しショップへ移動した。

「あー可愛い!」

「待って灯里…ってこれなんだろ?縁日?」

「ん?どうしたのって…駄菓子屋さん?」

「そう見たい。あーでも17:00からだ。やってないみたい」

「残念だね」

ショップへ行く途中に何やら縁日っぽい場所があった。

ただ明かりはついておらず入り口は閉まっていた。時間を見ると17:00-21:00となっている。宿泊者限定みたいだ。

突っ立っててもしょうがないのでショップの中に入った。

白と赤でカラーリングされたショップは可愛らしい。

商品は地場の野菜を使ったドレッシングや柑橘類のジュースやお菓子、地元の名産品の染物、地酒等があった。

今回何買おうかな?

地酒を一つとお菓子…どれも美味しそう…。

店内をウロウロする。

んーせっかくだから地元のレモンを使用したパウンドケーキにしようかな?

あーでもジュースも気になる!

…………えーい!買っちゃえ!

カゴに入れてレジへと向かった。

「お会計3960円になります」

支払いを済ませ灯里を待った。




「さあご飯食べに行くぞー!」

「おー!」

再び最上階にレストランへ行き受付を済ませる。

「ここもいい眺め」

「うん。夏だと窓全開なのかな?」

壁二面が全面ガラス張りとなっていた。

席へ案内されバンキング形式の為、早速料理を取りに行く。

今回は私が先だ。

トレイを持ち皿を乗せる。

…流石だ。魚が美味しそう。

はまちに鮪に鯛…柚蒟蒻なんてのもある。

少しづつ取って進んでく。

鯵の南蛮漬けに煮付け塩麹漬けどれも美味しそう。

あ…天ぷら…ロール寿司もある!

ちょこちょこ取ってお皿に山盛りにしてから席に戻った。

代わりに今度は灯里が取りに行き時間をかけて戻ってきた。

「種類多すぎだよー」

「分かる。私も取りすぎた」

灯里のトレイには二つのお皿が乗っており一つ目のお皿にはお寿司がぎっしり並んでた。二つ目のお皿には魚料理が積まれてた。

「じゃあ食べようか」

「うん!お寿司久々~」

「「頂きます」」


最初の一口目は二人とも味わい、美味しさからついつい食べるスピードが上がってしまった。

デザートは二人で全部制覇した。さつまいものソフトクリーム美味しかった。

「次は一階の露天風呂だね」

「待って、ちょっと休憩させて。お腹苦しい」

お腹をさする灯里。私もだいぶ食べ過ぎた自覚があるのでお腹を撫でる。

エレベーターで一階に行きロビーで休憩する。

「灯里、胃薬いる?」

「ちょっと欲しい~」

アイテムボックスから胃薬と水を取り出し灯里に渡した。

「ありがとう」

ペットボトルのキャップを開け薬と水を飲んだ。

「…よし。行けそう!」

しばらく灯里はスマホ、私はタブレットを弄って久々のネットを楽しんだ後に露天風呂に移動した。

「すごいすごい!!」

露天風呂は床も壁も石で出来ており洞窟を思わせた。

露天風呂というより半露天風呂みたいな感じ。

壁の一部からお湯が流れて滝のようになっている。

洞窟を抜けると木々が有りその先が海だ。

一階なのに景色が良い。ここって丘の上にでも経ってるのかな?

一度洗ったので体を簡単に洗い湯に浸かる。

「ちょっと寒いけど気持ちいい」

「そうだね。湯気も凄い。お湯に浸かると前見えないね」

「あははは」

「そう言えば今日はSランクの冒険者戻ってきたの?」

「…………明日戻ってくるって」

「そっか…」

「はぁー嫌だなー」

そう言う灯里の声は昨日の切羽詰まった感じから和らいでいた。

「…なんかね。今日ここに来れて、家族と久々に会話したら気が楽になったの。こっちで働いている自分も分かって…あっちの世界に居れる事って貴重なんだなって実感した。あんなストーカー野郎のせいで戻るなんて勿体ないなって思ったの」

「それは良かった」

「…桜……連れてきてくれてありがとう」

「どういたしまして。ってまだ解決に至ってないからね。私明日冒険者ギルド行ってどんな奴か面拝んじゃうからね!」

「あの人会話通じないから気を付けてね」

「分かった!」

灯里が元気になれたなら良かった。

「またこっち連れてきてね」

「毎日でも!」

そう言ってのんびり浸かりホテルを後にした。



「じゃあまた明日!」

「また明日ね」

宿の自室に戻ると時刻は23時過ぎだった。

灯里に今日も泊まっていけば?と言ったが今日は自宅に帰ると帰って行った。

あっちのホテル出る時が16時ごろだからあっちの滞在時間が約6時間、こっちの時間の進みも約6時間。

時間経過は同じ?あっちで滞在した時間だけこっちでも進む感じかな?

さてと。

ベッドに腰掛け魔法を使う。魔力を見ると魔力は回復され10,000,000になっていた。

何からやろう?
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜

ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった! 謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。 教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。 勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。 元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。 力を持っていても順応できるかは話が別だった。 クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。 ※ご注意※ 初投稿、試作、マイペース進行となります。 作品名は今後改題する可能性があります。 世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。 旅に出るまで(序章)がすごく長いです。 他サイトでも同作を投稿しています。 更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

卸商が異世界で密貿易をしています。

ITSUKI
ファンタジー
主人公、真崎隼人。 平凡ながらも上等なレールを進んできた彼。仕事思う所が出てきたところだったが転機が訪れ実家の卸商を継ぐことに。 その際、ふと異世界への扉を見つけ、異世界と現代両方での商売を考え始める。

聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!

幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23  女性向けホットランキング1位 2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位  ありがとうございます。 「うわ~ 私を捨てないでー!」 声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・ でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので 「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」 くらいにしか聞こえていないのね? と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~ 誰か拾って~ 私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。 将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。 塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。 私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・  ↑ここ冒頭 けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・ そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。 「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。 だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。 この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。 果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか? さあ! 物語が始まります。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

処理中です...