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第一章

42話目 孤児院と依頼と駄菓子屋1

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予想通りぶつかって転んで零してやらつまみ食いやらちょっとした悪戯やらがあったけど、各々その手にはコップが握られていた。

「みんな準備は良いかなー?」

「「「「はーい」」」」

「いただきます!」

「「「「いただきます」」」」

美味しい!苦い~すっぱあい!!などみんな自分が作った飲み物を楽しそうに飲んでいる。

私はみんなから貰った一口ジュースを堪能する。

それぞれ味に個性が出てて面白い。余った果物は寄付した。夕食のデザートになるらしい。

私の隣では真剣な表情をしたオリバー先生がいる。

こちらは酸味がいい塩梅…こっちは苦味が絶妙…面白い。

ぶつぶつ呟いてる。これだとまだかかりそうだなと待っている間に参加賞を配ることにした。

「はーい注目!」

何だ何だと子供達がこっちを見る。

「今から参加賞を配ります。皆んなその場に着席ー!」

参加賞!!と目を輝かせる子供達。なんとか賞とかメダルとか好きだよね。子供って。

大人しく座る子供達の前に一口チョコを配って行った。

食べた子供は甘ーいとキャッキャしてる。


配り終えるとオリバー先生がこちらを見ていた。

どうやら1位が決まったらしい。

「はい!皆んな注目!」

今度は何だーとこちらを見る子供達。

「今から最優秀賞発表するよー!ではオリバー先生どうぞ!」

そう言うとオリバー先生に目配せをした。

「はい。今日は皆さんよく頑張りました。どのジュースも美味しかったですよ」

わーっと子供達が盛り上がる。

「では今から最優秀賞を発表致します」

皆んなが静まり返って先生の言葉を待つ。競争好きだね。

「第三位、マーリン」

えっ。

「果物の配合は見事でした。甘味を控えて尚あの甘さは素晴らしいです」

わーっと盛り上がり拍手が聞こえた。待って三位って何。

「続いて第二位、ルーカス」

確かに何位までって言ってなかった。言ってなかったよ!!!

「よくもまあ酸っぱい果物をあれだけ混ぜてまとまり出せましたね。驚きました」

一位には板チョコ予定だったよ?それで二位と三位は何あげればいい?

「第一位、ミュリー」

お手頃で子供が喜ぶ物………。

悩む私を他所に子供達は大盛り上がりだった。

「野菜をメインに使いつつも苦味も少なく飲みやすかったです。お見事!」

そうだ!l

「優勝者には賞品があるそうです。良かったですね」

にこりと微笑むオリバー先生。

「はい。今から準備します。皆んな呼ぶまで一旦部屋を出てもらえるかなー?」

ザワザワッ

なんでー?

賞品は?

「はい!みんな一旦出ましょうね」

そう言ってオリバー先生が子供達を退出させてくれた。

急いで準備しなくちゃ!!

こんな予定なかったよ。

急いで魔法を使って駄菓子を出す。飴の中にガムが入ってるもの、10円のガム、五円のチョコや丸いカラフルなチョコ、カステラやスナック菓子、ちっちゃいプリンやドーナツ、スルメや水飴、種類豊富な美味しい棒や麩菓子、ラムネにヨーグルト等等、まとめ買いしたことのある物はそれを出し、まとめ買いしてなかった物は箱に入れ、それぞれ必要魔力を記入した紙を貼る。簡易的な駄菓子屋だ。

お菓子を入れるビニール袋も用意する。

一人当たりの予算は100円、3位は150円、2位は200円、1位は300円。今日参加出来なかった子やちっちゃい子向けにはオリバー先生と後で包もう。

準備できたよーと扉を開ける。

部屋の中を見た子供達は顔を輝かせた。

「はい!注目!」

今にも駆け寄りそうな子供たちを静止させる。子供達はこっちを見た後オリバー先生を見た。

計算出来るか確認するの忘れてた!

「一人100まで計算は私がやるから並んでね」

「私とそこの3人も簡単な計算は出来ます。一人100までですね。」

「はい!3位は150、2位は200、1位は300、でお願いします。ちなみにどの子ですか?」

オリバー先生に教えられ最初にその三人に選んで貰った。こう言うのって選ぶの楽しいよね。

それぞれ袋に詰めて渡す。

子供達は初めて見るお菓子にこれ何?あれ何?としきりに質問してきた。みんな真剣だった。
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