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第一章

27話目 商業ギルドと物件紹介2

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商業ギルドの馬車に揺られ案内された最初の物件は冒険者ギルドに程近い賑やかな物件だった。

「今からご案内する物件は全て以前渡り人が借りていた物件になります。こちらの物件は庭付き二階建て、4部屋、トイレとお風呂が別、日当たり良好、門型防犯装置付きになります」

そう言って防犯装置を解除してくれて中を案内してくれた。

ドキドキしながらお邪魔しますと中に入る。

「靴はこちらでお脱ぎください」

そう言って上履きを用意してくれた。靴を履き替え中を見て回る。

普通の一軒家だ。一階は2LDKトイレとお風呂も一階にある。2階にはトイレと部屋が二つ。一人で暮らすにはちょっと広すぎる。でも綺麗な家だった。トイレは洋式。なんと温水洗浄便座だ。驚きすぎて二度見した。

お風呂は足を伸ばして入れるほどゆったりしている。

ここ良いなと思いつつ決めたのは3軒目の物件だ。

3軒目の物件は冒険者ギルドから少し離れ落ち着いた雰囲気だった。ここも2階建てで2階に一部屋、もう一部屋にはなんと時間経過の箱が備え付けでついていた。

一階は1LDKで広々している。パントリーがついていたのもポイントだ。
それでいて家賃が月々金貨3枚なんだとか。なんで売れ残ってるの?ビックリだ。

「ちなみにここを買い取るとしたらいくらになりますか?」

「星金貨30枚になります。ただ渡り人には購入できません」

「そ…そうなんですか?」

「はい。渡り人が物件を購入してしまうと後々戻った後に問題が出てしまうため賃貸しか認められておりません」

「あーなるほど」

「こちらの住人がここに住む場合月々金貨50枚になります」

「高っ!!」

「渡り人が戻った後の品物を不動産所有者に寄贈すると署名を頂ければ金貨3枚です。渡り人の所有物にはそれだけ価値があります」

まー元の世界に帰ったらここに置いてるものはどうしようもないもんね。

こっちの人からすればお宝の山か。

「どうやって帰ったと判断するの?」

「登録カードがこちらの世界から無くなって一年経過すると帰ったと判断されます」

「分かりました。ここを借りさせて下さい!」

「ありがとうございます」

その後商業ギルドに戻り賃貸契約を済ませると出来上がった商業ギルドカードを受け取り宿屋へ戻った。


宿屋の隣で昼食兼早めの夕食を済ませると商業ギルドで貰った用紙を眺めた。

貰った用紙は買取表だ。

普通に露店で販売しても良いらしい。が、トラブルが多いみたい。脅したりお金をちらつかせたり泣き落としだったり等。こちらだとお宝だからね。高値で買い取ってくれる売り先はいくらでもあるし。

基本的に渡り人に強要してはいけないみたい。

違反したらギルドカード没収の上商業活動停止と結構重い罰がある。

ただ渡り人が直接販売しちゃうとその境界が曖昧になり盾になれないのだとか。強硬策もあるけどそれだとお互いが後味悪くなるみたい。

そういう意味でも商業ギルドを経由して欲しいらしい。

あれもこれも売ってくれって言われたら確かに大変だ。

大人しく商業ギルドに販売しよう。

って事で買取表を改めて見ると、

飲料(多少前後有り)

アルコール無しの炭酸飲料 100ml 金貨5枚
アルコール無しの一般飲料 100ml金貨3枚
アルコール度数10%未満  100ml金貨10枚
アルコール度数11%以上30%未満 100ml金貨20枚
アルコール度数30%以上  100ml金貨30枚

調味料
粉類 100g  金貨4枚
固形物 100g 金貨3枚
液体 100ml 金貨2枚

食品 

応相談
場合によってはオークション行き

美容系

全てオークション行き

その他

全てオークション行き

となっている。全体的に高くないか?!オークション行き?!

いや。缶チューハイ一本で金貨36枚………一本36万円……何という暴利…ゴクリ……。

冒険者ギルドの競りが可愛く見えちゃう。

生活する上で充分です。ありがとうございます。

いや…これは悪いやつ寄ってくるわ。商業ギルドさんありがとう。

よく分からないけど商業ギルド方面を向いて手を合わせ拝んでおいた。

さて明日は家具とか魔道具見に行こうかな?その前に商業ギルドで買取してもらおうっと。

明日を楽しみにして早めに休むことにした。
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