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96 結果が同じなら問題ない、はず
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魔木園は、グレンゼンで見たパンの木があるところと同じように、半透明な膜でドーム状に覆われていた。
そこにいた作業員に来た理由を説明し、中へと入る。
聞いていた通り、本当に木に箒が生っていた。
生い茂る木々からぶら下がる箒。確かにそれは驚くべきことだったが、本当の驚きはそこではなかった。
「……動いてるね」
「……動いてるな」
そう、動いていた。
下から生えた根っこのようなものが足の役目をしているのか、しゃかしゃかと自由自在に動き回っている。
さらにいうと、時折生っている箒をもいで投げ捨てており、作業員がそれを回収していたりする。
「……ひょっとして、あれが通常使われる箒になるのか?」
「……なんか、そんな気もするけど……」
なんとも微妙な目で見てしまうが、目的は違うので気を取り直して改めて魔木を見る。
箒が生っていて動いている以外は普通の木である。いや、すでにその時点で普通度は大分下がっているのだが。
「とりあえず、箒で飛びながら回収だよな」
「うん、届かないしね」
「まずはやってみるか」
「了解」
ちょっと動くだけで、簡単に取れるだろうとその時は思っていた。
――結論から言おう。無理だった。
「いや、ちょ、素早すぎ!?」
「……師匠が微妙な表情だったのはこれかっ!」
そう、動く魔木はめちゃくちゃ素早かった。
傍まで飛んでいくのは問題なかったのだが、いざ取ろうとした途端ものすごい反射速度で避け、採ろうとした手は当然宙を切る。
じゃあすれ違いざまに採れるかといったら、こちらがどんなに速度を上げて突進しても避けられ、挟み撃ちにすれば危うく衝突しそうになる始末。
しかも、避けた魔木はこちらを馬鹿にしたかのように根っこを両側でひらひらと揺らす。
はっきり言おう、ものすごく腹が立つがどうすることもできない。
「ああああ、毟り取りたいあの葉っぱ!」
「……枝ごと切り取りたいよな……」
なので、ついつい半眼で物騒なことを呟いてしまうが仕方がないことだろう。
ちなみにどうやって採っているのかと、通りすがりの作業員に聞いたところ、ものすごく頑張って採るしかないとのどうしようもない返答が来た。
なんでも普段から手を焼いており、剪定作業の時には人海戦術でどうにかするらしく、その時採れた葉っぱをヘイゼンが買い取っているそうだ。
「……師匠、最初に言って……」
「……」
思わず頭を垂れる。
だが、ヘイゼンが採って来いというからには意味がある筈である。それが、手元に在庫がないためなのか、採ることに意味があるのかは謎だが。
それでも何とか気を取り直してひたすらひたすら飛び、躱され続けることどのくらいだったか忘れたが、奇跡的にようやく1枚採ることが成功した。
「やった!」
「1枚だけど、ようやく!」
思わずハイタッチを交わし、聖は手に持った葉っぱを眺める。
「あれ?」
「どうした?」
「いや、なんかちょっとべたっとするっていうか……」
そう、ちょっとべたつく感触があり、じっと葉っぱを見る。そして、少しだけ香ってきた匂いに首を傾げ、主夫の目でよく見てみる。
「……『不明』ってなに……」
意味がなかった。ので、今度は包丁を取り出して見てみると、『食材です』の文字が表示されたので、訝しる春樹の前で葉っぱを少しだけ齧る。
「聖!? って、ひょっとして食材なのか?」
「――っ!!」
聖は瞳を大きく開いて春樹を見た。そして、葉っぱを少し千切って春樹の口に突っ込む。
「ちょっ」
「味付け海苔だよ春樹!!」
「……あ、ほんとだ。マジか……」
そう、葉っぱはまさかの味のついた海苔であった。普通の海苔を通り越して、味付き海苔。
というか魔木の葉がどうして味付き海苔なのかとの疑問も当然あるのだが、そんな些細なことは今の聖にとってはどうでもいいことであった。
「やった海苔! 海苔だよ春樹!」
「あー、うん。そうだな……」
「……? ヒジリは随分嬉しそうだけど、なんでだ?」
ものすごくテンションが上がった聖に、そのポケットに入っていたロティスがさすがに不思議に思ったのかちょっと顔を出す。
それに、春樹は苦笑を返す。
「……まあ、聖の好物だからな、海苔」
「なるほど」
そう、聖は海苔が大好きだった。おやつにぱりぱり食べるほどの海苔好き。
本音を言うと普通の焼き海苔が一番なのだが、異世界に来てから見つからなかったので、味付き海苔でもこれほどテンションが上がってしまうのだ。
なので、この瞬間から聖に別スイッチが入ったのは当然のことであった。
「うん、海苔はたくさん必要だよね!」
「……まあ、あるに越したことはないが難しいぞ?」
「そうなんだよね……」
今までの方法では確実に無理であり、今回採れたのも奇跡的と言ってもいいほどである。
なので、どうしようかと悩んでいると、ふとロティスが目に入った。
「……ロティスはさ、あの葉っぱ刈り取れる?」
「ん? そりゃ触れれば取れるけど、いくら俺様でもあの速度に追いつくのは無理だぞ?」
「……追いつければ、採れると……」
「聖?」
「……うん、ちょっと試してみようかな……」
首を傾げる春樹に魔木の向こう側にいるようにお願いして、聖は飛ぶ。
そして、速度を上げて魔木目がけて飛び、魔木が避ける素振りをしたその瞬間、ロティスを掴む。
「へ?」
「ロティス、頼むね!」
「ちょおっ!?」
そして、問答無用でそのまま投げた。
なにやら抗議の声が聞こえた気がしたが、ロティスは見事魔木の葉に突っ込み、そのまま向こう側で目を丸くした春樹に回収される。
「俺様になんてことを!?」
「さすがロティス! すごいね!」
「……聖が暴走し始めた……」
なんと5枚もの葉を採ることに成功したロティスに、聖は満面の笑みを返す。
ロティスや春樹が何か言った気もしたが、華麗にスルー。
「だから、俺様をっ」
「ロティス、今日はレモの実2つ食べてもいいと思うんだ」
「……は? いや、俺様は1日1レモと決めて……」
突然変わった話題について行けず、ロティスは目をぱちくりとさせる。だが、それに聖はにこっと笑顔を向ける。
「ロティスってさ、一応僕の従魔だよね?」
「あ? ああ、そうだが?」
「なら、僕の願いを叶えるのも従魔の義務だよね? そして、それに対して僕が特別にご褒美をあげたりするのも当然のことだよね?」
「……ご褒美」
「そう、ご褒美。そして主のご褒美を受け取るのも従魔の義務だよね?」
「……義務」
聖が笑顔で告げる言葉に、ロティスの瞳が揺れ動く。
そして。
「よし、任せろ! 俺様は優秀な従魔だからな! 主の願いを叶えるのは当然のこと! 別にご褒美に惹かれたとかじゃないからな!」
「うんうん、優秀な従魔で嬉しいよ! 頼むねロティス!」
「おうともよ!」
こうして大義名分、じゃなくて主の願いを叶えるために奔走する従魔の鏡たるロティスの働きはすごかった。
投げられては毟り取り、投げられては毟り取りと。本当に次々と毟り取っていく。
なにやら途中から魔木たちが逃げまどい始めたような気もするが、もはやそんなことでは聖とロティスの勢いは止まらないし止められない。
そうして、日が暮れるころには魔木の3分の1がすっきりとしており、それと比例して聖の顔も非常に晴れ晴れとしたものになったのは言うまでもない。
「すごいな兄ちゃんら! 何やってたのかは全くわからんが助かった! またいつでもこいよ!」
「ありがとうございます!」
作業員にも盛大に感謝され、ご機嫌で帰路についた。
そして、もちろんその日の夜、味付け海苔で作ったおにぎりを堪能したのも言うまでもないことである。
そこにいた作業員に来た理由を説明し、中へと入る。
聞いていた通り、本当に木に箒が生っていた。
生い茂る木々からぶら下がる箒。確かにそれは驚くべきことだったが、本当の驚きはそこではなかった。
「……動いてるね」
「……動いてるな」
そう、動いていた。
下から生えた根っこのようなものが足の役目をしているのか、しゃかしゃかと自由自在に動き回っている。
さらにいうと、時折生っている箒をもいで投げ捨てており、作業員がそれを回収していたりする。
「……ひょっとして、あれが通常使われる箒になるのか?」
「……なんか、そんな気もするけど……」
なんとも微妙な目で見てしまうが、目的は違うので気を取り直して改めて魔木を見る。
箒が生っていて動いている以外は普通の木である。いや、すでにその時点で普通度は大分下がっているのだが。
「とりあえず、箒で飛びながら回収だよな」
「うん、届かないしね」
「まずはやってみるか」
「了解」
ちょっと動くだけで、簡単に取れるだろうとその時は思っていた。
――結論から言おう。無理だった。
「いや、ちょ、素早すぎ!?」
「……師匠が微妙な表情だったのはこれかっ!」
そう、動く魔木はめちゃくちゃ素早かった。
傍まで飛んでいくのは問題なかったのだが、いざ取ろうとした途端ものすごい反射速度で避け、採ろうとした手は当然宙を切る。
じゃあすれ違いざまに採れるかといったら、こちらがどんなに速度を上げて突進しても避けられ、挟み撃ちにすれば危うく衝突しそうになる始末。
しかも、避けた魔木はこちらを馬鹿にしたかのように根っこを両側でひらひらと揺らす。
はっきり言おう、ものすごく腹が立つがどうすることもできない。
「ああああ、毟り取りたいあの葉っぱ!」
「……枝ごと切り取りたいよな……」
なので、ついつい半眼で物騒なことを呟いてしまうが仕方がないことだろう。
ちなみにどうやって採っているのかと、通りすがりの作業員に聞いたところ、ものすごく頑張って採るしかないとのどうしようもない返答が来た。
なんでも普段から手を焼いており、剪定作業の時には人海戦術でどうにかするらしく、その時採れた葉っぱをヘイゼンが買い取っているそうだ。
「……師匠、最初に言って……」
「……」
思わず頭を垂れる。
だが、ヘイゼンが採って来いというからには意味がある筈である。それが、手元に在庫がないためなのか、採ることに意味があるのかは謎だが。
それでも何とか気を取り直してひたすらひたすら飛び、躱され続けることどのくらいだったか忘れたが、奇跡的にようやく1枚採ることが成功した。
「やった!」
「1枚だけど、ようやく!」
思わずハイタッチを交わし、聖は手に持った葉っぱを眺める。
「あれ?」
「どうした?」
「いや、なんかちょっとべたっとするっていうか……」
そう、ちょっとべたつく感触があり、じっと葉っぱを見る。そして、少しだけ香ってきた匂いに首を傾げ、主夫の目でよく見てみる。
「……『不明』ってなに……」
意味がなかった。ので、今度は包丁を取り出して見てみると、『食材です』の文字が表示されたので、訝しる春樹の前で葉っぱを少しだけ齧る。
「聖!? って、ひょっとして食材なのか?」
「――っ!!」
聖は瞳を大きく開いて春樹を見た。そして、葉っぱを少し千切って春樹の口に突っ込む。
「ちょっ」
「味付け海苔だよ春樹!!」
「……あ、ほんとだ。マジか……」
そう、葉っぱはまさかの味のついた海苔であった。普通の海苔を通り越して、味付き海苔。
というか魔木の葉がどうして味付き海苔なのかとの疑問も当然あるのだが、そんな些細なことは今の聖にとってはどうでもいいことであった。
「やった海苔! 海苔だよ春樹!」
「あー、うん。そうだな……」
「……? ヒジリは随分嬉しそうだけど、なんでだ?」
ものすごくテンションが上がった聖に、そのポケットに入っていたロティスがさすがに不思議に思ったのかちょっと顔を出す。
それに、春樹は苦笑を返す。
「……まあ、聖の好物だからな、海苔」
「なるほど」
そう、聖は海苔が大好きだった。おやつにぱりぱり食べるほどの海苔好き。
本音を言うと普通の焼き海苔が一番なのだが、異世界に来てから見つからなかったので、味付き海苔でもこれほどテンションが上がってしまうのだ。
なので、この瞬間から聖に別スイッチが入ったのは当然のことであった。
「うん、海苔はたくさん必要だよね!」
「……まあ、あるに越したことはないが難しいぞ?」
「そうなんだよね……」
今までの方法では確実に無理であり、今回採れたのも奇跡的と言ってもいいほどである。
なので、どうしようかと悩んでいると、ふとロティスが目に入った。
「……ロティスはさ、あの葉っぱ刈り取れる?」
「ん? そりゃ触れれば取れるけど、いくら俺様でもあの速度に追いつくのは無理だぞ?」
「……追いつければ、採れると……」
「聖?」
「……うん、ちょっと試してみようかな……」
首を傾げる春樹に魔木の向こう側にいるようにお願いして、聖は飛ぶ。
そして、速度を上げて魔木目がけて飛び、魔木が避ける素振りをしたその瞬間、ロティスを掴む。
「へ?」
「ロティス、頼むね!」
「ちょおっ!?」
そして、問答無用でそのまま投げた。
なにやら抗議の声が聞こえた気がしたが、ロティスは見事魔木の葉に突っ込み、そのまま向こう側で目を丸くした春樹に回収される。
「俺様になんてことを!?」
「さすがロティス! すごいね!」
「……聖が暴走し始めた……」
なんと5枚もの葉を採ることに成功したロティスに、聖は満面の笑みを返す。
ロティスや春樹が何か言った気もしたが、華麗にスルー。
「だから、俺様をっ」
「ロティス、今日はレモの実2つ食べてもいいと思うんだ」
「……は? いや、俺様は1日1レモと決めて……」
突然変わった話題について行けず、ロティスは目をぱちくりとさせる。だが、それに聖はにこっと笑顔を向ける。
「ロティスってさ、一応僕の従魔だよね?」
「あ? ああ、そうだが?」
「なら、僕の願いを叶えるのも従魔の義務だよね? そして、それに対して僕が特別にご褒美をあげたりするのも当然のことだよね?」
「……ご褒美」
「そう、ご褒美。そして主のご褒美を受け取るのも従魔の義務だよね?」
「……義務」
聖が笑顔で告げる言葉に、ロティスの瞳が揺れ動く。
そして。
「よし、任せろ! 俺様は優秀な従魔だからな! 主の願いを叶えるのは当然のこと! 別にご褒美に惹かれたとかじゃないからな!」
「うんうん、優秀な従魔で嬉しいよ! 頼むねロティス!」
「おうともよ!」
こうして大義名分、じゃなくて主の願いを叶えるために奔走する従魔の鏡たるロティスの働きはすごかった。
投げられては毟り取り、投げられては毟り取りと。本当に次々と毟り取っていく。
なにやら途中から魔木たちが逃げまどい始めたような気もするが、もはやそんなことでは聖とロティスの勢いは止まらないし止められない。
そうして、日が暮れるころには魔木の3分の1がすっきりとしており、それと比例して聖の顔も非常に晴れ晴れとしたものになったのは言うまでもない。
「すごいな兄ちゃんら! 何やってたのかは全くわからんが助かった! またいつでもこいよ!」
「ありがとうございます!」
作業員にも盛大に感謝され、ご機嫌で帰路についた。
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