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111 落ち人だから、と唱えてみる
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結局その日はルーカスの家に泊めてもらうことになり、お礼にと夕食を振る舞うことになった。
さすがに家の中でまでダンジョンや外でした様に調理することもないので、台所をかりることにしたのだが、……なんというか、ものすごく殺風景だった。
「一応、魔道コンロ? だかってものはあるけど、調理器具ってないの? あ、鍋発見。あとは、ナイフだけ? 調味料は、……よくわかんないけど少ない……」
そう、好きに使っていいと言われはしたが、使える物が少ない。
魔道コンロは魔力を流せば火がつく優れものであり、見慣れた形に嬉しくなったが、火加減は己の魔力量で調整しなければならないらしく慣れていなければ難しい。すぐにコツは掴んだが。
それにとにかく調理道具がない。
まあ、ルーカス自身が冒険者ということもあり、自宅にいる時は外で済ませてしまうことが多いそうだ。よって、あまり必要がないらしい。
……ひょっとしたら、調理道具的なものがあまり存在すらしていないという可能性もあるが。
「よし、ここは自前のものを使うとしてどうしよっかな……」
ちなみに食材の備蓄もこの場にはそれほどされていないので、選択肢にはない。なので、アイテムボックスに入っている食材を確認しつつ考える。
ルーカスは、ダリスのダンジョンで聖たちが元の世界の調味料を入手したのを知っているので、その辺は出し惜しみしなくていいだろう。
問題は食材だが、まあ、どれを出したところで今更だろう、きっと。というかどれが珍しいとか貴重とか、欲しいものはひたすら狩って蓄えてきているのもあり、全く分からないので考えない。
「レッドベアーとトンデブータをステーキにして、あとは……カレー風味のスープにしようかな……」
幸い、この場で見つけたのは割と大きな鍋である。
この大きさの鍋も欲しいよね、などと思いながら適当に野菜を投入。ぐつぐつ煮えてきたらカレー味に仕上げる。
もちろん同時進行でファイティングキノコの炊き込みご飯も作り、ステーキも焼いていく。
「うん、いい感じ」
美味しそうな匂いがあたりを漂い始め、釣られた春樹が顔を出した。
「美味そうな匂い! 特にカレーの!」
「うん、スープにしたよ。カレーライスはまだちょっと難易度高いからね」
「今は十分! ルーカスもそわそわしてたぞ?」
「この匂いは待ちきれないよね」
「だよな」
うんうんと頷く春樹に手伝ってもらい、ルーカスの待つテーブルに並べていくと、その瞳が輝いた。
「美味そうだな! ……いいのか?」
「はい、遠慮なくどうぞー」
食材の心配をするルーカスに気にしないように告げ、適当にご飯とスープをよそって渡す。
「っスパイシーだなこのスープ! ……食べたことない味だが食欲を刺激されるというか、ん? まさかこれもお前たちの……?」
さすがルーカス、すぐさま気付いたらしい。
「ええ、ダンジョンから出てきまして」
「ラッキーだったよな!」
「……そうか、さすが落ち人。お、これはファイティングキノコが入ったご飯、か? うまっ!?」
「このバター風味が合いますよね、美味しい」
「こっちの肉も美味いぞー」
がつがつとご飯を掻きこんでいくルーカスに、すかさず春樹がステーキも進める。熱々のジュウジュウ言ってる内に食べるのが正解である。冷めても美味しいけど。
「お、これまたスパイシー! レッドベアーか、久しぶりに食べたな。こっちは……っ!? ちょ、なんだこれ!?」
何故だかトンデブータを食べたと思ったら、ものすごく驚いた表情でこちらを見た。
……食べたことなかったのだろうかと内心首を傾げる。
「何って、トンデブータっていう魔物ですけど」
「ぐっ!?」
「ちょ、大丈夫ですか!?」
途端、咽た。
「何やってんだよ、ルーカス。そんなにがっつくから……」
「ち、ちが……げほっ……」
「大丈夫ですか? お水飲んでください」
呆れながら背中をさする春樹と、心配そうに水を渡す聖だが、ルーカスの内心は声にならない絶叫でいっぱいだった。
なにせ彼は今、聞くはずのない言葉を聞いたことによる混乱に陥っていたりする。
それでもなんとか持ち直し、お礼を言って、もう一度意を決して問いかけた。
「……なんて、魔物、だって?」
そんなルーカスの内心など知りもしない2人は、何故だか念を押すかのように、妙なところで言葉を区切りながらのその問いかけに、きょとんとしながらも口を開く。
「えっと、トンデブータですけど」
「知らないのか?」
「っ聞き間違いじゃなかった――っ!!」
「え?」
「は?」
ルーカスが頭を抱えて叫んだ。
意味が分からない。
「トンデブータが、どうかしたんですか?」
「……そうだな、それな……」
その問いに、ルーカスはどこか諦めたような引きつったような、そんな笑みを浮かべて口を開いた。
「……王族でも一生に一度、口にするかしないかと言われるほどの、高級な、いや伝説級と言ってもいいほどのものと、言われててな……」
「「……。……」」
思わず、沈黙した。してしまった。
え、あれが? あのちっさい羽のついた豚が?
「いやいやいやいや、ルーカスさん冗談ですよね?」
「そうだよな、流石にそれはないだろ?」
「はははっ、冗談だったらよかったよなー!」
「「……。……」」
どうやら冗談ではなく本気らしいと悟り、再び沈黙。
事実、『巨大樹の森』に入るのはとても難しいし、気軽に入れる猫族たちは、トンデブータには興味が欠片もないので狩ることなどしない。そして、もし運よく入れた冒険者がいたとしても、トンデブータを狩るのはとても難易度が高い。
あの、のほほんとした顔からは想像できないが、狩るなら死を覚悟しろ、ではなくいっそ死んでから行けと言われるほど恐れられていたりする。
よって、狩ることが出来れば確実に悠々自適な生活が待っていることが保障されるほどの金額がつけられているのに、挑むものはまずいない。
もちろん聖なるお猫様の敵ではないので、大量確保にいたっているのだが、実際狩っていないので2人には分からない。
わからないので首を傾げるしかなく、場所が問題なのかな、なんて考えていたりする。
「ちなみにこれ、どうやって倒したんだ?」
「どうって、ポチが尻尾の一振りで、だったか?」
「うん、それで大量に落下してきたよ」
「……ポチ?」
「あ、聖なるお猫様の名前です」
「知らないのか? あ、そういや本にも載ってなかったか……」
「…………」
ゆっくりと、再びルーカスが頭を抱える。
なにやらひたすら「落ち人、これが落ち人、よし、これが落ち人の常識常識……」などと呟く声が聞こえた気がしなくもないが、聞かなかったことにした。
「「……」」
2人で顔を見合わせて頷き、ご飯を再開する。
「これ、スープにキノコ入れてもよかったかなー」
「それも美味そうだな。トンデブータ入りのもいいよなー」
「そうだねー。次はお肉たっぷりのスープにしようかなー」
「……それも美味いだろうな、なにせトンデブータだ」
何処か何かに折り合いがついたのか、やや遠い目になりながらもご飯を食べだすルーカス。
落ち着いてくれて何よりである。
「そういや、聞こうと思ってたんだが……いや、なんか聞かない方がいい気がしてきたが……」
「? なんですか?」
「そのポケット、なんで光ってるんだ?」
視線の先にあるのは聖のポケット。そう、決して暗くないのに、わかってしまうほど光り輝いている。
「あー、これですか……」
「これかー……」
もちろん、その中にはロティスがいて、本日のレモの実を食べたことによって生じるきらめきタイム中である。
どうしようかと顔を見合わせるも、もうここまで来たら隠すこともないだろう。
「いいんじゃないか?」
「いいよね? ロティス、出てきていいよー」
呼びかけると、待ってましたと言わんばかりに飛び出してきたロティス。そしてきらめきながらもテーブルの空いているところに着地し、器用にポーズを決める。
「俺様ほどきらめきが似合うものはいないと称されたスライム。それが俺様、ロティス! よろしくな、ルーカス!」
「…………よろ、しく……?」
ぽかんとしながらもそれだけを口にして、ルーカスはぎぎぎっと音がしそうなほど不自然な動きでこちらを振り返る。
「……スライム……?」
「はい、なんか偶然テイムしちゃったみたいで」
「………しゃべってるんだが……?」
「ああ、ロティスは喋るスライムみたいだな」
「…………なんで、ひかって………?」
「ふふん、それは俺様がきらめいてるからだな! すごいだろう!」
「……………ああ、すごい、な……?」
ルーカスの瞳から、ゆっくりと光がなくなって行き、そして三度頭を抱えた。
「……落ち人落ち人落ち人……常識常識常識……常識ってなんだっけな……」
「おう、俺様にはよくわからんが元気出せ! 落ち人は非常識、それが世の常識ってやつだろ!」
「……そう、だな……?」
おそらく存在が非常識だろうロティスに、励まされてるのか突き落とされてるのか微妙な言葉を貰い、ルーカスは力なく頷いた。
「「……。……」」
とりあえず、それを見ていた聖と春樹は言いたい。
たぶん、ロティスほど非常識ではない、と。
さすがに家の中でまでダンジョンや外でした様に調理することもないので、台所をかりることにしたのだが、……なんというか、ものすごく殺風景だった。
「一応、魔道コンロ? だかってものはあるけど、調理器具ってないの? あ、鍋発見。あとは、ナイフだけ? 調味料は、……よくわかんないけど少ない……」
そう、好きに使っていいと言われはしたが、使える物が少ない。
魔道コンロは魔力を流せば火がつく優れものであり、見慣れた形に嬉しくなったが、火加減は己の魔力量で調整しなければならないらしく慣れていなければ難しい。すぐにコツは掴んだが。
それにとにかく調理道具がない。
まあ、ルーカス自身が冒険者ということもあり、自宅にいる時は外で済ませてしまうことが多いそうだ。よって、あまり必要がないらしい。
……ひょっとしたら、調理道具的なものがあまり存在すらしていないという可能性もあるが。
「よし、ここは自前のものを使うとしてどうしよっかな……」
ちなみに食材の備蓄もこの場にはそれほどされていないので、選択肢にはない。なので、アイテムボックスに入っている食材を確認しつつ考える。
ルーカスは、ダリスのダンジョンで聖たちが元の世界の調味料を入手したのを知っているので、その辺は出し惜しみしなくていいだろう。
問題は食材だが、まあ、どれを出したところで今更だろう、きっと。というかどれが珍しいとか貴重とか、欲しいものはひたすら狩って蓄えてきているのもあり、全く分からないので考えない。
「レッドベアーとトンデブータをステーキにして、あとは……カレー風味のスープにしようかな……」
幸い、この場で見つけたのは割と大きな鍋である。
この大きさの鍋も欲しいよね、などと思いながら適当に野菜を投入。ぐつぐつ煮えてきたらカレー味に仕上げる。
もちろん同時進行でファイティングキノコの炊き込みご飯も作り、ステーキも焼いていく。
「うん、いい感じ」
美味しそうな匂いがあたりを漂い始め、釣られた春樹が顔を出した。
「美味そうな匂い! 特にカレーの!」
「うん、スープにしたよ。カレーライスはまだちょっと難易度高いからね」
「今は十分! ルーカスもそわそわしてたぞ?」
「この匂いは待ちきれないよね」
「だよな」
うんうんと頷く春樹に手伝ってもらい、ルーカスの待つテーブルに並べていくと、その瞳が輝いた。
「美味そうだな! ……いいのか?」
「はい、遠慮なくどうぞー」
食材の心配をするルーカスに気にしないように告げ、適当にご飯とスープをよそって渡す。
「っスパイシーだなこのスープ! ……食べたことない味だが食欲を刺激されるというか、ん? まさかこれもお前たちの……?」
さすがルーカス、すぐさま気付いたらしい。
「ええ、ダンジョンから出てきまして」
「ラッキーだったよな!」
「……そうか、さすが落ち人。お、これはファイティングキノコが入ったご飯、か? うまっ!?」
「このバター風味が合いますよね、美味しい」
「こっちの肉も美味いぞー」
がつがつとご飯を掻きこんでいくルーカスに、すかさず春樹がステーキも進める。熱々のジュウジュウ言ってる内に食べるのが正解である。冷めても美味しいけど。
「お、これまたスパイシー! レッドベアーか、久しぶりに食べたな。こっちは……っ!? ちょ、なんだこれ!?」
何故だかトンデブータを食べたと思ったら、ものすごく驚いた表情でこちらを見た。
……食べたことなかったのだろうかと内心首を傾げる。
「何って、トンデブータっていう魔物ですけど」
「ぐっ!?」
「ちょ、大丈夫ですか!?」
途端、咽た。
「何やってんだよ、ルーカス。そんなにがっつくから……」
「ち、ちが……げほっ……」
「大丈夫ですか? お水飲んでください」
呆れながら背中をさする春樹と、心配そうに水を渡す聖だが、ルーカスの内心は声にならない絶叫でいっぱいだった。
なにせ彼は今、聞くはずのない言葉を聞いたことによる混乱に陥っていたりする。
それでもなんとか持ち直し、お礼を言って、もう一度意を決して問いかけた。
「……なんて、魔物、だって?」
そんなルーカスの内心など知りもしない2人は、何故だか念を押すかのように、妙なところで言葉を区切りながらのその問いかけに、きょとんとしながらも口を開く。
「えっと、トンデブータですけど」
「知らないのか?」
「っ聞き間違いじゃなかった――っ!!」
「え?」
「は?」
ルーカスが頭を抱えて叫んだ。
意味が分からない。
「トンデブータが、どうかしたんですか?」
「……そうだな、それな……」
その問いに、ルーカスはどこか諦めたような引きつったような、そんな笑みを浮かべて口を開いた。
「……王族でも一生に一度、口にするかしないかと言われるほどの、高級な、いや伝説級と言ってもいいほどのものと、言われててな……」
「「……。……」」
思わず、沈黙した。してしまった。
え、あれが? あのちっさい羽のついた豚が?
「いやいやいやいや、ルーカスさん冗談ですよね?」
「そうだよな、流石にそれはないだろ?」
「はははっ、冗談だったらよかったよなー!」
「「……。……」」
どうやら冗談ではなく本気らしいと悟り、再び沈黙。
事実、『巨大樹の森』に入るのはとても難しいし、気軽に入れる猫族たちは、トンデブータには興味が欠片もないので狩ることなどしない。そして、もし運よく入れた冒険者がいたとしても、トンデブータを狩るのはとても難易度が高い。
あの、のほほんとした顔からは想像できないが、狩るなら死を覚悟しろ、ではなくいっそ死んでから行けと言われるほど恐れられていたりする。
よって、狩ることが出来れば確実に悠々自適な生活が待っていることが保障されるほどの金額がつけられているのに、挑むものはまずいない。
もちろん聖なるお猫様の敵ではないので、大量確保にいたっているのだが、実際狩っていないので2人には分からない。
わからないので首を傾げるしかなく、場所が問題なのかな、なんて考えていたりする。
「ちなみにこれ、どうやって倒したんだ?」
「どうって、ポチが尻尾の一振りで、だったか?」
「うん、それで大量に落下してきたよ」
「……ポチ?」
「あ、聖なるお猫様の名前です」
「知らないのか? あ、そういや本にも載ってなかったか……」
「…………」
ゆっくりと、再びルーカスが頭を抱える。
なにやらひたすら「落ち人、これが落ち人、よし、これが落ち人の常識常識……」などと呟く声が聞こえた気がしなくもないが、聞かなかったことにした。
「「……」」
2人で顔を見合わせて頷き、ご飯を再開する。
「これ、スープにキノコ入れてもよかったかなー」
「それも美味そうだな。トンデブータ入りのもいいよなー」
「そうだねー。次はお肉たっぷりのスープにしようかなー」
「……それも美味いだろうな、なにせトンデブータだ」
何処か何かに折り合いがついたのか、やや遠い目になりながらもご飯を食べだすルーカス。
落ち着いてくれて何よりである。
「そういや、聞こうと思ってたんだが……いや、なんか聞かない方がいい気がしてきたが……」
「? なんですか?」
「そのポケット、なんで光ってるんだ?」
視線の先にあるのは聖のポケット。そう、決して暗くないのに、わかってしまうほど光り輝いている。
「あー、これですか……」
「これかー……」
もちろん、その中にはロティスがいて、本日のレモの実を食べたことによって生じるきらめきタイム中である。
どうしようかと顔を見合わせるも、もうここまで来たら隠すこともないだろう。
「いいんじゃないか?」
「いいよね? ロティス、出てきていいよー」
呼びかけると、待ってましたと言わんばかりに飛び出してきたロティス。そしてきらめきながらもテーブルの空いているところに着地し、器用にポーズを決める。
「俺様ほどきらめきが似合うものはいないと称されたスライム。それが俺様、ロティス! よろしくな、ルーカス!」
「…………よろ、しく……?」
ぽかんとしながらもそれだけを口にして、ルーカスはぎぎぎっと音がしそうなほど不自然な動きでこちらを振り返る。
「……スライム……?」
「はい、なんか偶然テイムしちゃったみたいで」
「………しゃべってるんだが……?」
「ああ、ロティスは喋るスライムみたいだな」
「…………なんで、ひかって………?」
「ふふん、それは俺様がきらめいてるからだな! すごいだろう!」
「……………ああ、すごい、な……?」
ルーカスの瞳から、ゆっくりと光がなくなって行き、そして三度頭を抱えた。
「……落ち人落ち人落ち人……常識常識常識……常識ってなんだっけな……」
「おう、俺様にはよくわからんが元気出せ! 落ち人は非常識、それが世の常識ってやつだろ!」
「……そう、だな……?」
おそらく存在が非常識だろうロティスに、励まされてるのか突き落とされてるのか微妙な言葉を貰い、ルーカスは力なく頷いた。
「「……。……」」
とりあえず、それを見ていた聖と春樹は言いたい。
たぶん、ロティスほど非常識ではない、と。
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