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晴れの国岡山が生んだ阪神の80"晴れ"男、晴男
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岡山市の県立瀬戸内中央高校硬式野球部に所属する西川原晴男(にしがわらはるお)は現在18歳の高校3年の左腕投手。
甲子園出場こそないものの、プロからはスカウトが来たりして、ドラフト指名されるかに注目が集まっています。
ただ、注目されてると言っても指名があるかどうかはすれすれで、ドラフト1巡目レベルの注目度ではありません。
そんな晴男は小学校四年生の時に野球を始めました。
その時から晴男はプロになりたい一心で野球を続けてきて、父親健二(けんじ45歳)も時間があればキャッチボールなどの相手をするなどしました。
野球を始めた当初はポジションもファーストでしたが、当時の顧問だった数学教師でもある畦野一成(うねのかずしげ41歳)から肩の強さを買われて、当時通ってた岡山市妹尾中学校2年から投手になりました。
野球を始めたばかりの小学生の時は、
晴男「パパ、僕大きくなったらプロ野球選手のなるんだ。」
健二「うん、夢はでっかく持つ事が大事だ!俺も晴男がプロ野球選手になれるようしっかりサポートしてやるからな!」
と、父健二は晴男に夢を見させてあげていました。
そんな晴男の父健二は、建築業・西川原工務店を自営業としてやっており二代目。
初代は祖父匡(たすく71歳)で、70歳になったと同時に長男でもある健二に社長を引き継ぎ、晴男の父親でもある健二が社長になって一年が経ったばかりです。
ちなみに父健二は祖父匡と祖母洋子(ようこ68歳)の間に長男として生まれますが、弟長男であり、きょうだいは姉静香(しずか・結婚後西原)47歳、妹裕香(ゆうか・結婚後近藤)41歳の三人きょうだい。
女きょうだいは結婚して二人とも県外に出てるし女性であるため、必然的に家業を継ぐのは男である健二になってしまいます。
そんな事もあり、父健二は晴男が大きくなるにつれて、
健二「晴男、お前がプロに行きたいと思っててもプロの世界はそんな甘くはないぞ!」
といったような苦言が多くなっていきました。
それに対し晴男は、
晴男「甘くないのは分かってる。でも俺はプロになりたい一心で野球を続けてきた。親父は男は俺しかいないから俺に三代目になってほしいだろうけど、少しでも可能性あるなら俺はプロに行くよ!それが無理なら考える。」
と反発します。
そんな晴男はこのドラフトでプロから指名されなかったら、推薦で合格した大阪の関西大学に進学し、野球は諦めて家業の西川原工務店を三代目として継ぐ事が決まっています。
ちなみに合格した関西大学は推薦ではありますが、スポーツ推薦ではなく、野球の成績も考慮しつつもそれよりは学業優先によるものでした。
育成選手としてでもだめなのです。
晴男は育成選手でも巨人の山口鉄也投手やソフトバンクの千賀滉大投手などのように大成した選手も居る事を父健二にアピールするのですが、父健二は、育成だと契約金が支払われない事と、支配下選手に比べて不遇な扱いを受ける事も多く、支配下登録されないままクビになる割合が高い事を理由に、支配下選手以外でのプロ行きは認めないと言いました。
晴男には母仁美(ひとみ43歳)、姉亜依(あい20歳)も居るのですが、初代社長でもあった祖父匡も含め、祖母洋子と母仁美、姉亜依は行けるなら応援すると前向きでした。
家業を守る事も大事だが、プロへの憧れを捨てきれない晴男。
プロに行きたい気持ちを尊重しながらも、家業を継いでほしいと願ってやまない父健二。
二人のいろんな思いが交錯しながらドラフト当日がやってきました。
高校の校長室でドラフト指名を願って待機する晴男。
ドラフト1巡目を終わり、晴男を指名した球団はありません。
晴男「そりゃそうだよな。俺がドラ1レベルなら親父もすんなり認めてくれてるよ。」
と心の中で呟きます。
そこから2、3、4…と続いていきます。
そしてドラフト7巡目を終わり、阪神タイガースを除く11球団が選択終了しました。
もうプロ、そして野球は諦めて家業を継ぐのか…。
諦めかけてたその時でした。
阪神タイガースドラフト8巡目、西川原晴男…。
なんと!残り1球団の阪神がドラフト8巡目で晴男を指名しました!
校長室で待機してた晴男はうれしさと安堵からか、とめどなく涙を流しました。
両隣には校長である前川泰夫(まえかわやすお57歳)と、硬式野球部監督兼保健体育教師の杉井亮(すぎいりょう51歳)も座っており、
前川校長「西川原くんおめでとう!まさか進学校でもある県立の我が校からプロ野球チームに指名されるなんて我が校の誇りだ!」
杉井監督「ハル、良かったな!指名なかったら野球辞めて家業継ぐ予定だったんだろ?帰ってお父さん、お母さんに報告してきなさい。」
と祝福され、
晴男「監督、校長、ありがとうございます!」
と涙ながらに言い、晴男は杉井監督や前川校長と抱き合いました。
そして、ドラフト会議が終了し、晴男は練習しながら吉報を待っていた野球部員に胴上げされ、そして帰宅。
すると、もうその一報は父にも届いており、晴男は父健二に、
晴男「親父、阪神に指名されて阪神行って頑張るから応援してくれないかな?」
というと、父健二も
健二「晴男がそう決めたなら悔いのないように頑張れ。」
と晴男のプロ入りを承諾。
二人はがっちり握手をし、こうして晴男の阪神タイガースへの入団が決定しました!
その場には母仁美や姉亜依、さらには初代社長でもあった祖父匡や祖母洋子も居て、夜は一家で寿司などを食べながら祝ってもらいました。
その1ヶ月後、兵庫県西宮市で阪神タイガース入団発表があり、そこには父健二と母仁美も在席。
晴男は背番号80のタイガースのユニフォームを身にまとい、
晴男「西川原晴男、はれと書いて背番号80、晴れの国岡山が生んだ晴れ男精神で頑張りますのでよろしくお願いします!」
と高らかにアピールしました。
甲子園出場こそないものの、プロからはスカウトが来たりして、ドラフト指名されるかに注目が集まっています。
ただ、注目されてると言っても指名があるかどうかはすれすれで、ドラフト1巡目レベルの注目度ではありません。
そんな晴男は小学校四年生の時に野球を始めました。
その時から晴男はプロになりたい一心で野球を続けてきて、父親健二(けんじ45歳)も時間があればキャッチボールなどの相手をするなどしました。
野球を始めた当初はポジションもファーストでしたが、当時の顧問だった数学教師でもある畦野一成(うねのかずしげ41歳)から肩の強さを買われて、当時通ってた岡山市妹尾中学校2年から投手になりました。
野球を始めたばかりの小学生の時は、
晴男「パパ、僕大きくなったらプロ野球選手のなるんだ。」
健二「うん、夢はでっかく持つ事が大事だ!俺も晴男がプロ野球選手になれるようしっかりサポートしてやるからな!」
と、父健二は晴男に夢を見させてあげていました。
そんな晴男の父健二は、建築業・西川原工務店を自営業としてやっており二代目。
初代は祖父匡(たすく71歳)で、70歳になったと同時に長男でもある健二に社長を引き継ぎ、晴男の父親でもある健二が社長になって一年が経ったばかりです。
ちなみに父健二は祖父匡と祖母洋子(ようこ68歳)の間に長男として生まれますが、弟長男であり、きょうだいは姉静香(しずか・結婚後西原)47歳、妹裕香(ゆうか・結婚後近藤)41歳の三人きょうだい。
女きょうだいは結婚して二人とも県外に出てるし女性であるため、必然的に家業を継ぐのは男である健二になってしまいます。
そんな事もあり、父健二は晴男が大きくなるにつれて、
健二「晴男、お前がプロに行きたいと思っててもプロの世界はそんな甘くはないぞ!」
といったような苦言が多くなっていきました。
それに対し晴男は、
晴男「甘くないのは分かってる。でも俺はプロになりたい一心で野球を続けてきた。親父は男は俺しかいないから俺に三代目になってほしいだろうけど、少しでも可能性あるなら俺はプロに行くよ!それが無理なら考える。」
と反発します。
そんな晴男はこのドラフトでプロから指名されなかったら、推薦で合格した大阪の関西大学に進学し、野球は諦めて家業の西川原工務店を三代目として継ぐ事が決まっています。
ちなみに合格した関西大学は推薦ではありますが、スポーツ推薦ではなく、野球の成績も考慮しつつもそれよりは学業優先によるものでした。
育成選手としてでもだめなのです。
晴男は育成選手でも巨人の山口鉄也投手やソフトバンクの千賀滉大投手などのように大成した選手も居る事を父健二にアピールするのですが、父健二は、育成だと契約金が支払われない事と、支配下選手に比べて不遇な扱いを受ける事も多く、支配下登録されないままクビになる割合が高い事を理由に、支配下選手以外でのプロ行きは認めないと言いました。
晴男には母仁美(ひとみ43歳)、姉亜依(あい20歳)も居るのですが、初代社長でもあった祖父匡も含め、祖母洋子と母仁美、姉亜依は行けるなら応援すると前向きでした。
家業を守る事も大事だが、プロへの憧れを捨てきれない晴男。
プロに行きたい気持ちを尊重しながらも、家業を継いでほしいと願ってやまない父健二。
二人のいろんな思いが交錯しながらドラフト当日がやってきました。
高校の校長室でドラフト指名を願って待機する晴男。
ドラフト1巡目を終わり、晴男を指名した球団はありません。
晴男「そりゃそうだよな。俺がドラ1レベルなら親父もすんなり認めてくれてるよ。」
と心の中で呟きます。
そこから2、3、4…と続いていきます。
そしてドラフト7巡目を終わり、阪神タイガースを除く11球団が選択終了しました。
もうプロ、そして野球は諦めて家業を継ぐのか…。
諦めかけてたその時でした。
阪神タイガースドラフト8巡目、西川原晴男…。
なんと!残り1球団の阪神がドラフト8巡目で晴男を指名しました!
校長室で待機してた晴男はうれしさと安堵からか、とめどなく涙を流しました。
両隣には校長である前川泰夫(まえかわやすお57歳)と、硬式野球部監督兼保健体育教師の杉井亮(すぎいりょう51歳)も座っており、
前川校長「西川原くんおめでとう!まさか進学校でもある県立の我が校からプロ野球チームに指名されるなんて我が校の誇りだ!」
杉井監督「ハル、良かったな!指名なかったら野球辞めて家業継ぐ予定だったんだろ?帰ってお父さん、お母さんに報告してきなさい。」
と祝福され、
晴男「監督、校長、ありがとうございます!」
と涙ながらに言い、晴男は杉井監督や前川校長と抱き合いました。
そして、ドラフト会議が終了し、晴男は練習しながら吉報を待っていた野球部員に胴上げされ、そして帰宅。
すると、もうその一報は父にも届いており、晴男は父健二に、
晴男「親父、阪神に指名されて阪神行って頑張るから応援してくれないかな?」
というと、父健二も
健二「晴男がそう決めたなら悔いのないように頑張れ。」
と晴男のプロ入りを承諾。
二人はがっちり握手をし、こうして晴男の阪神タイガースへの入団が決定しました!
その場には母仁美や姉亜依、さらには初代社長でもあった祖父匡や祖母洋子も居て、夜は一家で寿司などを食べながら祝ってもらいました。
その1ヶ月後、兵庫県西宮市で阪神タイガース入団発表があり、そこには父健二と母仁美も在席。
晴男は背番号80のタイガースのユニフォームを身にまとい、
晴男「西川原晴男、はれと書いて背番号80、晴れの国岡山が生んだ晴れ男精神で頑張りますのでよろしくお願いします!」
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