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初めての〇〇〇 (※R18描写注意)

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 自分でもあらかたの準備は済ませて来たと言うだけあって、指を追加しても順応がスムーズな気がする。いや、他のアナルを慣らした経験は無いが、そんな気がする。ハウツーを読んだ時には、『デリケートな場所だから時間をかけて慎重に』とか、もっと大変そうなイメージだったから、長丁場を覚悟していたのに。
 俺はチラリと花瀬の表情を確認した。
 呼吸は乱れているものの、そう辛そうでもない。この分なら結構楽勝かも、と慣らし作業を続けながら、ふと思い出した。確か男の肛門内部には…。
 今まで単調にズプズプ出し入れしていただけの指を止め、少しだけクッと上に曲げてみる。そして内壁を滑るようにそれを動かした。

(ええと、確かこの辺の腹側って……これか?)

 傷つけないように、ゆっくりと。指の腹に当たった小さな膨らみを、そっと撫でてみる。途端、花瀬の腰と両脚がビクビクッと跳ねた。

「あっ?!」

 どうやらビンゴだったらしい。逃げそうになる腰を片手でがっちり捕まえて、そのまま撫でて刺激を与え続ける。すると、アナルに指が挿入された時に少し萎えてしまっていた花瀬のペニスに変化が起きた。

「んっ、んう…あっ、あっあっ…」

 徐々に鼻に掛かったように甘くなっていく喘ぎ声と、それに合わせてむくむくと勃ち上がり、元気を取り戻すペニス。男の性感帯のひとつとはいえ、合わない人は合わないと聞いていた前立腺。そこを弄られて勃起するという事は、どうやら花瀬は快感を得られる側らしい。

「ああ、ん…」

 硬くなったペニスに反して、ぐんにゃりと蕩けてしまった花瀬の肢体。ここまでは快感を与える事に成功しているようで、俺はホッとした。付け焼き刃の知識だが、少しは有効活用出来ているようで嬉しくなる。中指を小刻みに震わせて、トトトトッと断続的に刺激を続けながら上半身を倒して乳首にキスをすると、花瀬の体は面白いくらいに海老反りになった。

「あ、やぁっ」

「気持ち良い?」

「ん、うんっ…」

 首まで真っ赤に染めて、俺を見て頷く花瀬。快感にも素直でやり易い。

「どっちが?お尻が?乳首が?」

「…どっち、も…」

確かに反応から見て、花瀬の言葉は嘘ではないと思う。ギチギチにそそり立ってるペニスがそれを証明している。
 こういう時、男の体は女よりも正直でわかり易い。それに、俺の意地悪な質問にも、睫毛を震わせて目を伏せながら答える様は、今まで抱いたどの女よりもしおらしくて健気だ。

(コイツが女だったらなあ…)

 思わずそんな考えが頭を過ぎって、すぐに打ち消した。花瀬が女だったら何だというのか。花瀬は俺の顔が一番好きだと言いながら、恋愛感情は抱いていない人間だ。性別が逆だったとしても、性格や価値観が花瀬本人である以上、おそらくそれは変わらない。それに…男だからこそ、好奇心や新鮮みを感じたのだから、女ならなんて想像はあまりに不毛だ。 ほんの少し体を触れ合わせただけで情が移るなんて俺らしくない。男の後輩相手にミイラ取りがミイラになるなんて、それこそ冗談じゃない。

(集中しろ。妄想なんてくだらない)

 真っ平らな胸に舌を這わせると、ほんの僅かな汗の味と、微かに花のような香り。フレグランスというほどには主張が強くないところを見ると、ボディソープかもしれない。花瀬らしい清潔な香りだと思った。
 小さな乳輪を舌でなぞり、その中心にある淡い色の突起を舐め上げる。唇で吸い付く。吸い付いた口の中でもチロチロ舌先で突起を可愛がる。

「ぁ…せんぱい...あぁ...」

 俺の頭を抱え込むようにして小さく喘ぐ花瀬は、思うまいとしてもやっぱり可愛い。声を聴く度に股間がビクビクしてしまうくらいには。

(そろそろ良いか...)

 女の子のアソコとは違う、自然には濡れない未知の穴。丁寧に拡げて、随分と柔らかくなったソコから、ゆっくりと指を引き抜いた。指に吸い付いていた肉が、最後まで名残を惜しむように付いて来たのにゾクッとする。
 調べたところによると、男同士の場合、初めてなら後ろからがラクらしい。俺は花瀬の体をひっくり返して、後背位の体勢を取らせた。脱力して体に力が入らない花瀬は腕と顔をマットレスに押し当てて、尻だけを上げている。明度を落とした照明の中、白く浮き上がった双丘と、赤く濡れた穴。
 それを見て喉を鳴らす俺。まさか男の尻を見て欲情する日が来るとは。
 信じられない気分だが、なってしまったものは仕方ない。新しい扉を開いただけだっ開き直った俺は、するりと花瀬の尻を撫でた。

「ぁん...」

「綺麗な尻...」

「そんなにじっと見られると、恥ずかしいんですが...」

 不満気に言う花瀬の言葉を無視して、まじまじ見てやった。お世辞ではなく、本当に滅多にお目にかかれないような綺麗な尻っぺただ。普通もっとブツブツしてたり怪我の痕があったりしてもおかしくないのに、何でこんな地味な男の尻が...意外過ぎる。だがまあ、汚い尻を差し出されるよりはずっと良い。
 後ろから再度、指を挿し入れてみた。滑りが少し薄くなってきたように感じる。もう一度ローションを手に取り、さっきと同じように体温で温めてから花瀬のアナルの周りに塗りつけた。そして自身のペニスを右手で握り、数回擦る。ソファベッド脇のサイドチェストの上に用意してあったゴムのパッケージの端を歯で噛みちぎって中身を出した。いつもは手で破るけど、今日は手がヌルヌルで滑るから仕方ない。それからゴムをくるくると装着して、鬼頭を窪みに押し当てる。

 つぷり

 少し入り口を慣らしてからのつもりだったのに、先端部分が易々と入ってしまった。時間と手間を掛けた甲斐があったと思いながら、俺は腰を進めた。
 スムーズながらもきつい締め付け。初めてペニスで味わう直腸の肉圧を堪能する。アナルセックスは挿入時の入り口だけがキツくて中に入るとイマイチ、なんて話も聞いた事があったのに、想定していたよりもずっと気持ち良い。さっきまで指で感じていた気持ち良さそのままに、竿全体を包み込んできゅうきゅう締め付けて来る。

(誰だよ、中はイマイチなんて言ったの...)

痩せぎすで、少しピストンするとゴツゴツと骨が当たって、確かにお世辞にも抱き心地が良いとは言えない体。でもこうして結合した部分は、こんなにも熱くて狭くて、俺のペニスを奥へ奥へと引きずり込もうとして来る。

(やば...持ってかれる)

 焦るものの、打ち付ける腰が止まらない。乱暴にして傷つけたくないのに、止めらない。どんな女を抱いても理性を失った事の無い俺が、自制の効かない獣のように花瀬の奥を突き続けてしまう。優しくしたいのに、出来ない。気持ち良い。花瀬の中、気持ち良い。

「花瀬...花瀬...」

「あっ、せんっぱ、もっと、ゆっく...」

「ごめ...」

「ああ、ああっ、あ、あ、あ、ひっ...!」

「……っ、く...」

 セックス覚えたての中坊みたいにヘコヘコ腰を動かすばかりになって、テクも何も繰り出せないダメダメな俺と、ベッドに指を食い込ませて耐える花瀬。その喘ぎ声は、最後はもう悲鳴に近かった。

 早くも遅くもなかった筈の俺の忍耐は、思っていたよりもだいぶ早く花瀬の中で果て、それに意地になった俺は、その後2回、リベンジするようにアイツを抱いた。
 そうしていつの間にか寝落ちした翌日、昼前に起きた時には花瀬の姿は無く。
 ダルい体を引き摺って午後の講義に向かった大学にも、サークルの集まりにも花瀬は姿を現さなくなり。

 その日から花瀬の消息は、ぷつりと途絶えてしまったのだった。
 散々に、俺の心と体を掻き乱したまま。



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