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16の誕生日 2 (※R18描写あり)

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唾液も酸素もカラッカラになる迄吸い尽くされて、やっと唇が解放されたと思ったら、今度は顎と頬を舐められ、耳朶を食まれる。


「…ッ…ん…、」

「雪」

耳元で熱い息と濡れた声。

「俺はお前に惚れている。」

わかってる、そんなの。

「だからお前の望みは俺の力の及ぶ限りは叶えてやるつもりだし、事実そうして来た。」

わかってるってば。

「お前がどんなにつれなくても、俺はそれを許してきた。」

そんなのはお前の勝手だ

「だがな、」

なんだよ

「他人にお前を奪われるのを黙って見ているほど、俺の心は広くは無い。」


それ迄 髪や頬を撫でていた手が、突然俺のシャツのボタンを引きちぎる。

驚いている間も無く、直ぐにシャツの合わせ目を広げられ熱い手のひらが平たい胸をまさぐる。
長い指が乳首を探り当て、指先で摘まれ、そのまま捏ねられる。
鳥肌が立つのは悪寒からか未知の快楽からか、わからない。

「やめ…やめてください、でん…」

「ラディス」

「お願いです、ラディス…う…」

押しのけようともがいてもびくともしない二の腕。鋼でしょうか。

その内、乳首を捏ねる指は唇に変わり、舌で転がされる。


「…あ…」

「雪は此処が弱いのか。素質があるな。」

楽しみだ、とくつくつ笑う度、敏感になったそこに息がかかり堪らなくなる。
そんなとこ、性感帯にしたくない。

「本当に…誤解です、先生は決して、他意は無く…」

必死に弁解するが、

「俺が言っているのはそこでは無い。
お前が、他の男の唇に肌を許した事だ。」

「…ええ~…」

肌をて。

「では聞くが、雪は俺があれを挨拶として度々する事を、許すのか。」

言われて、気づいた。

嫌だわ。確かに嫌だ。

草鹿とかならどうだろ?と考えてみたが、草鹿は何とか許容範囲。先輩やクラスメートは論外。

顔でどうこうじゃないようだ。

…単に、風習だというクレイル先生に慣らされただけのような気もする…けど、確かに嫌ではないんだよな…。

でもクソ殿下にされるのは、風習だと言われてもすげぇヤダわ…。

……あ。この先はちょっと、気づきたくない。

微妙な顔をしてたら、寂しげな表情になったクソ殿下に、

「雪は俺が嫌いだものな。」

と言われてドキッとする。

「そんな事はわかっているんだ。だが、」

殿下は俺の体への愛撫を再開する。
薄っぺらい腹に口づけ、俺の両手首を片手で掴むと、自由になった片手で器用にベルトを外しスラックスを下ろし 下着の上からソコをペロリと舐め上げてきた。

羞恥に身が竦む。

「…ならず者共に、襲われかけたそうだな。可哀想に。」


ぶわっとあの時の事が鮮明に蘇ってきた。
せっかく忘れてたのに、お前ェ…。


薄い下着越しに性器を舐められ、嗅がれ、甘噛みされ、気持ちが悪い。

「…ラディス、お願いです、もう…」

なんか嫌だ、恐くなってきた。
頼むから悪ふざけならもうやめてくれ、わかったから。
触れさせなければ良いんだろ、男に。
だからやめて欲しい。

懇願する。


殿下は唾液でベチャベチャになった俺の下着を とうとう引き下げた。



「そやつらのしたかった事を、してやるとしよう。」

俺のペニスは半勃ちになっている。
だって、健康な思春期男子だ。
刺激を与えられれば、嫌でも勃つ。しかも、ここ数ヶ月は満足に自分で抜く事もしてなかったから。
だからって嫌いな男にされるのは…、と思ってたら、ペニスが丸ごと殿下の口に含まれた。
MAX状態じゃないとは言え、屈辱…。

そのまま咥内で舌を絡められ舐め回され、ジュポジュポと口淫が始まってしまった。

あ…唾液多いからか、思いの外気持ち良い。腰が浮く。
なけなしの腹筋と内股の筋がひくつく。

「あ、あ、あッ、ヤだ…っ、ひ…ッ、」

わざと音を立てて俺のペニスを唇全体で扱く殿下。
あ、遊んでただけあって上手い…。

ちゅぽん


殿下の口から出された俺のペニスは完勃ちになっていた。
それを確認されて、今更羞恥に火がつく。
 
「感じてるな…憎たらしい俺の口でも。」

「…」

くそ。

快楽に体が裏切る。


「男だもんな。、当然だ。
だが、お前を愛している俺はお前の可愛いコレを愛でているだけで、それ以上に快い。」


そう言って殿下は自分の下衣の前を寛げて、自身の勃起したペニスを出した。


「ヒッ…」

でかい。いや、ちょ…こわ…



「さあ、雪。
お前を思ってここ迄に育った、俺の分身を愛でて悦ばせてくれ。」


婚約者、なのだから。


そう言って殿下は 自身の先端から零れそうになっていた透明な先走りを 、親指で満遍なく亀頭に塗りつけている。

ぅわ…

例の首輪で俺の両手首を後ろ手に拘束し、自身の屹立を俺の唇に当てる。
でかい両手でご丁寧に俺の顔を固定して。変態め。

意地でも口を開けまいと頑張ったが、業を煮やしたのか鼻を摘まれ、呼吸が出来なくなって僅かに唇を開いた途端に突っ込まれた。
あまりの大きさに嘔吐きそうになる。
噛んでやろうと思ったら、膝でペニスを突つかれて、こっちも弱点握られてる…と断念する。
元よりそんな事、出来る訳が無い。相手は皇太子。
かすり傷でもつけようものなら、下手すりゃ死罪だ。

でも。苦しい。

ゆるゆると喉の奥が突かれ出してさっきよりも息苦しい。
こんなにでかいの入ってたらそりゃ気道も塞がれるわ…。
 
俺のそんな苦しさはお構い無しでクソ殿下は俺の頭を掴み、口を好きに使って腰を振る。
お前の大好きな俺が涙を流してるのが見えないのか。
やっぱりお前はそういう奴だよな。最近物理的距離があったからって油断してた。


「…クッ…雪、雪…いいぞ、なんて小さな口なんだ…狭くて熱い…最高だ…。」

ジュポジュポジュポジュポ

くぐもった淫猥な水音とクソ殿下の荒い息遣いと喘ぎ声だけが室内に響く。




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