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翔ちゃんVSギャル
しおりを挟む翔ちゃんが女子と居る。
いやまあそれくらいは結構普通にあるからそこは良い。
クラスの子とか、部マネとか。
でも今日のは、ちょっと違った。
何で翔ちゃんの腕に絡みついてるんだろうね?このギャルは。
「翔ちゃん、帰ろ。」
「あ、マナ。」
今日はテスト期間で部活無しだからって帰りに迎えに翔ちゃんの教室行ったらコレ。
何コレ。
「お邪魔だったかな。帰れる?」
まあ翔ちゃんは何やかやモテるので、たまにはこんな事もある。久々で少し焦ってしまったな、、、。
「おー、帰…」
「お邪魔ってゆーかー、翔君はアタシと帰るんでぇ…。」
「は?んな約束してねえよな。」
「付き合ってって告白したじゃん!」
「俺は付き合わないって言ったよな。」
「女子からの告白を断るとかなくない?」
ないのは君の頭と常識だよね~。
なるほど、告白されて断ったら地雷だったって事かあ。
「無いのはアンタの頭。」
あっ、翔ちゃんが同じ事言った!以心伝心…。
「あのさ。ここ迄言いたか無かったんだけどさ。」
はあ?と逆上しかけるギャルに、翔ちゃんはすっごく面倒臭そうに続ける。
「女子から告白したから、何?
自分の都合で他人をどうこうしようって奴、好き嫌い以前に人間として見れねーわ。」
ズバッ。
冷ややかに見下ろしながら切れ味鋭く放たれる言葉。
顔立ちがシャープで整ってるから迫力ある。
流石にそこ迄言われるとは想定していなかったのか、言葉に詰まるギャル。
「で、でも普通は…」
「いや知らんて。つか普通じゃねえアンタが普通を語んなよ。
何で他人がアンタの都合に合わせて生きなきゃなんねーの。何様?」
出た。常日頃は封印されし翔ちゃんの毒舌を、選ばれし者(ギャル)が開いてしまった。
…き、きっつぅ…。
普段あんま喋んないし、女の子振る時も傷つく事や余計な事言わない翔ちゃんをここ迄キレさせるとは。ギャル、やるじゃねーの。(褒めてはない。)
流石に太刀打ち出来ないと思ったのか、顔を真っ赤にしてバツが悪そうにギャルは退散して行った。
イケると思ったのかなあ。
翔ちゃん、カッコ良いしモテてるのに彼女いないから目をつけたんだろうけど、高望みし過ぎだよぉ…。
せめて常識的なコなら普通に振ってもらえたのにね。南無。
翔ちゃんが何故彼女を作らないのかはわからないけど、僕としては嬉しい。
だって翔ちゃんは多分ヘテロだし、それにβだから 普通にβ女性と結婚して子供作る可能性が高い。
誰かと付き合いだしたら、その可能性がより上がってしまうって事だもんな…。
今は部活とか不精な性格で、未だ女の子に興味が向いてないんだろうけど、ゆくゆくはそうなるんじゃないかと思う。
…ヤバ、泣きそう。
振られたギャルより、僕が泣く。
「ゴメンな、帰るべ。
…どした?」
泣きそうな顔を翔ちゃんに見られてしまった。迂闊。
直ぐに笑顔を作って答える。
「何でもないよ。災難だったね。帰ろ。」
その日の帰り道は2人共無口で、家の前に着いた時、翔ちゃんは何か言いたそうだったけど、結局、
「またな。」
とだけ言って家に入って行ってしまった。
あ~あ。下手打っちゃったな。
妙な雰囲気にしちゃったよ。
今夜めいっぱい泣いたら、明日はまた何時も通りの笑顔で会おう。
きっと明日も、僕は翔ちゃんが好きだから。
希望だけは、捨てない。
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