「運命の番」だと胸を張って言えるまで

黎明まりあ

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第6章 王宮生活<帰還編>

92、貞淑(ていしゅく)の証明<後>※

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「悪いな、レン、オレは疑い深いんだ。
 だから、ここも見せてくれ」

 そう言ってシルヴィス様は、絶頂ぜっちょうむかえたばかりで全身の力が抜け切った僕の両脚りょうあしを、簡単にかかえ上げバッと広げて固定する。
 いくら快感に意識がとろけていても、グチャグチャになっている股間を、全てさらされるのは恥ずかしい。
 僕はあしをバタつかせて何とか閉じようと抵抗ていこうしたが、将軍として名高いシルヴィス様の腕力わんりょくかなうはずもなく、逆により大きく広げられ、マジマジと僕の秘密の部分を見つめられ、こう問われた。

「この秘密を知ったものはいるのか?」

 僕はこの体勢にたまれなくなり、思わず両手で顔をおおう。
 首を横に振って否定の意をしめそうとしたが、先ほどのシルヴィス様の発言を思い出し、顔を隠したままふるえる声で答えた。

「いっ……いません」

「本当に?」

 そう問い直しながら、シルヴィス様は僕の上のあなにサラッと触れる。
 ビクンと僕の身体からだは反応するが、何とか答え続けた。

「ううっ……このことは……誰にも……知られたくない」

 本当はシルヴィス様にさえ知られたくなかった……と僕は心の中で付け加える。

「そうか……この秘密を知るのはオレだけか」

 僕の意向いこうはんしてシルヴィス様は嬉しそうにそう言うと、あな付近にそっと両手をえ、少しあなの入口を引っると、感じてドロドロになっている状態にも関わらず、ベロンとめた。

「ひゃあん……そんなところを……舐めないで!」

 僕は頑張って身体からだごとさぶり強く抗議してみたが、シルヴィス様に全くその効果は届かず、かえってその場所に舌を熱心にわせられる。

 ピチャン、ジュルッ、チュッ
 ピチョッ、ピチョッン、ジュチュ

 鳴っている音だけでも淫靡いんびさをともなうのに、熱い弾力だんりょくを持つ肉厚にくあつな物体が表面をなぶるばかりか、時折ときおり、こじ開けて入ってこようとする。
 驚いた僕は、あせってさけんでしまった。

「やっあ……んっ……ウソっ。
 なんで?
 あっあん……はっ……はいって……くる!」

 フッと笑う声がすると、シルヴィス様は僕の秘部ひぶから顔を離し、上体じょうたいを起こされる。

「何が入ってくるのだ、レン?」

 僕に問いかけるシルヴィス様の声がかすれ……ひどく甘い。
 僕はもどかしいおもいをかかえているせいか、気ずかしくなり、声を出せなかった。

 するとあなの中から透明とうめいな液体がツツゥ~とれ続けているのを体感して、僕の顔はさらに真っ赤になる。
 シルヴィス様は心底楽しそうにククッと声を上げて笑うと、き水のように液体を産出さんしゅつし続けている僕のあなに、プツッと指を入れられた。

「ああっ!」

 僕は入れられた衝撃で、肩がズリ上がる。
 おっと、と小さな声で言いながらシルヴィス様は僕のあしかかえ直し、ゆっくりと小刻こきざみに抜き差しをしながら、奥へ奥へと指をしずめていった。

 全然りない!

 頭の中で咄嗟とっさに浮かび上がった言葉に、まだわずかばかり残っている自分の理性がおののき、本心とは反対の言葉が口から出る。

「やっ……やめてぇ……くださ……い」

「本当か?」

 まるで僕の本心を見みすかしているかのように、シルヴィス様はその動きを止めるどころか、徐々じょじょにもう1本、さらにもう1本増やす。

「うわぁ!もう……んっ……ムリ」

「悪い、ちょっと乱暴だったか?
 じゃあ、こっちで気をらそう」

 シルヴィス様はそう言うと、僕のものを再び握りしめて、上下にゆっくりと動かす。
 複数の長い指をそろえてあなへ出し入れさせるリズムと、僕のものを優しくしごくリズムを上手くシンクロさせ、シルヴィス様はなおかつ僕のあしへ、チュッチュとリップ音をひびかせる。
 穏やかだが隙間すきまなく、次々と押し寄せる快感……だが絶頂ぜっちょうむかえるには、もう一歩足りない。

 そんなもどかしさに、僕はとうとう顔をおおっていた両手をはずし、助けを求めてシルヴィス様へと手を伸ばした。
 そんな僕の行動に気がついたシルヴィス様は、僕を翻弄ほんろうする手の動きを一度止める。
 かかえていた僕のあしも下ろし、伸ばした僕の両手がシルヴィス様の身体からだを抱きしめられるよう、上体じょうたいを低くして、僕におおかぶさってきた。

 いきなり快楽の波から離され、こもったままの熱が解放を求めて体内で荒れ狂うが、僕の彷徨さまよっていた手がシルヴィス様の腕に触れ、おおかぶさってきた身体からだに抱きつき、シルヴィス様からも力いっぱい抱きしめ返された瞬間、僕の脳裏に答えがしめされた。

 求めていたのは、このアルファ!
 理屈りくつや理由は何一つ分からないけど、僕のつがいはこの男だ!と。

 き上がる幸福感の中、僕は自然と涙を流していた。
 しばらくの間、抱きしめ、抱きしめられていた僕だったが、ふいに僕の耳元でシルヴィス様がささやく。

「なぁ、レン、オレが最強のアルファと呼ばれる理由を知っているか?」
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