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夫と親友の裏切り①
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「リエル、我が弟ユリウスの暗殺と国王陛下暗殺未遂の罪でお前を処刑する」
リエルの目の前には愛する夫アラン王太子殿下の姿があった。
けれど、彼はその手に剣を持ち、それを妻であるリエルに突きつけている。
「誤解でございます! 私ではありません。何かの間違いでございます!」
必死に声を張り上げて無罪を主張するも、怒り狂ったアランの耳には届かない。
リエルは身を乗り出すが、じゃらっと硬い鎖が手に食い込んで重苦しい。
王宮の地下牢で、リエルは両手を後ろで拘束されたまま、数日間閉じ込められた。
先ほどアランの告げた罪状によって。
どうしてこんなことになってしまったのか、リエルにはまったくわからない。ただ、王太子妃として必死に働いて過ごしてきただけなのに。
衛兵たちがリエルの背後から剣を突きつけている。
しかし、この絶望感の中で唯一、麗しい瞳で涙を流す人物がいた。
ゆるふわの美しい金髪に色白の肌をした女。
リエルの親友ノエラだった。
「リエル、どうしてあなたがそんな酷いことを……」
ノエラは困惑の表情で涙を流し、リエルに訴えた。
リエルは首を横に振りながら必死に否定する。
「違う! 私じゃないわ、ノエラ。あなたなら信じてくれるでしょ?」
貴族学院時代からの唯一の親友である。
何でも話せて信頼できる彼女なら、きっとリエルの無罪を一緒に主張してくれるだろうと思った。
しかし――。
「リエル、あなたがあたしの親友でも今回ばかりは肩を持つことはできないわ」
リエルは目を見開いて驚く。
味方になってくれるはずのノエラは泣きながらリエルを突き放そうとする。
「だって、あなたは国王陛下を暗殺しようとしたのよ?」
「どうして私がそんな愚かなことをするのよ!」
思わず声を荒らげてしまい、ノエラがびくっと震え上がった。
リエルはハッとして黙り込んだ。
ノエラはおずおずと膝を折って、遠慮がちにリエルの目線に合わせて困惑の表情をした。
「あなた、あたしに陛下のことを話していたわよね? 声もかけてもらえないほど嫌われているって」
それを聞いたリエルはどきりとした。
たしかに、国王はなぜかリエルに冷たかった。
「それはただ、あなたに悩みを相談しただけで……そんなことで暗殺なんて、考えたりしないわ」
震えながらノエラに訴えるが、彼女は少し警戒しているようだ。
ノエラもリエルが恐ろしい殺人鬼とでも思っているのかもしれない。
リエルは絶望した。
アランがさらにリエルの問題事を口にする。
「お前は侍女たちも冷遇していたようじゃないか。俺の知らないところで好き放題しやがって」
リエルは驚愕し、アランを見上げた。
そこにはただ、冷たい顔があるだけだった。
リエルの目の前には愛する夫アラン王太子殿下の姿があった。
けれど、彼はその手に剣を持ち、それを妻であるリエルに突きつけている。
「誤解でございます! 私ではありません。何かの間違いでございます!」
必死に声を張り上げて無罪を主張するも、怒り狂ったアランの耳には届かない。
リエルは身を乗り出すが、じゃらっと硬い鎖が手に食い込んで重苦しい。
王宮の地下牢で、リエルは両手を後ろで拘束されたまま、数日間閉じ込められた。
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どうしてこんなことになってしまったのか、リエルにはまったくわからない。ただ、王太子妃として必死に働いて過ごしてきただけなのに。
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しかし、この絶望感の中で唯一、麗しい瞳で涙を流す人物がいた。
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「リエル、どうしてあなたがそんな酷いことを……」
ノエラは困惑の表情で涙を流し、リエルに訴えた。
リエルは首を横に振りながら必死に否定する。
「違う! 私じゃないわ、ノエラ。あなたなら信じてくれるでしょ?」
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しかし――。
「リエル、あなたがあたしの親友でも今回ばかりは肩を持つことはできないわ」
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「だって、あなたは国王陛下を暗殺しようとしたのよ?」
「どうして私がそんな愚かなことをするのよ!」
思わず声を荒らげてしまい、ノエラがびくっと震え上がった。
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それを聞いたリエルはどきりとした。
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「お前は侍女たちも冷遇していたようじゃないか。俺の知らないところで好き放題しやがって」
リエルは驚愕し、アランを見上げた。
そこにはただ、冷たい顔があるだけだった。
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