恐喝されている女の子を助けたら学校で有名な学園三大姫の一人でした

恋狸

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41話

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 模試が終わった翌日の土曜日。
 日夏に感想を聞くと、親指をグッとし、元気にサムズアップ。
 どうやら手応えはあったようだ。

 そして、なんと明日の日曜日。
 お疲れ様会を含めて、二人で遊びに行くことになった。

 そして現在。
 俺はベッドの上で猛烈に焦っていた。
 着ていく服が良いのかわからない!
 陰キャの俺が服のコーディネートができるわけなかろう!

 俺は数秒悩んだあと、俺の親友を頼ることにした。
 通話アプリからケイヤの番号を引っ張りだし、電話をタップ!

 2コールで、出たケイヤは、突然電話をかけた俺に、どうした? と言った。

 「実はかくかくしかじかで」

 『俺、実際に説明なんにも言わずにかくかくしかじかだけ言ったやつ初めて見たわ』

 ちぇっ、親友だからわかると思ったけど。

 『お前親友だからわかっとけよ、的なこと思ってないか?』

 げっ、バレた。
 電話越しでわかるとか化け物かよ。

 よっ、さすが親友。

 『都合良いときだけ親友扱いすんのやめろ』

 「……なんで何も話してないのに会話成立してんの?」

 エスパーすぎだろ。

 なに? 最近俺の周りで心読む人多くない?
 
 『まあ、なんとなく?』

 「疑問で言われても……」

 『で、何の用だ?』

 「いや、実は──」

 俺は日夏と出かけることになったけど、着ていく服に自信がないから助けてくれ、という旨を伝えた。

 「なるほどな。そこで親友である俺を頼ったと。親友である俺を」

 わざわざ親友を強調して言う。うぜぇ……。
 やつのどや顔が目に見えるぜ……。

 「まあ、そうだ」

 本当はうぜぇ、とツッコミたいのは山々だが、なんとかそれを抑え、肯定する。
 
 「ほーう。仕方ないな! 親友の俺がコーディネートをしてやるさ! ハッハッハ!」

 俺はうざすぎて、こめかみがピクピクする。
 何とかそれに我慢しつつ、1時半にデパートで待ち合わせにした。

 ただ、その時に一番自信のある、格好をしてこいと言われた。
 俺のセンスを見るためだろう。

 
 なんとか協力を仰ぐことに成功した俺は、準備をするために急いだ。


 
☆☆☆


 「忘れてたわ。お前の無自覚ハイスペック」

 「はい?」

 開口一番。
 ケイヤが俺の格好を見て、自信が喪失したかのような表情でそう言った。

 その言葉に思わず疑問がこぼれる。

 「よし、ゲーセン行こうぜ」

 そして、そんなことを口にする。

 「おいおい、俺のコーディネートとは!?」

 すでにゲームセンターの方向に歩いていたケイヤを引き留め、聞く。
 
 「うるせえ! 完璧なんだよ! 何も言えないわ!」 

 逆ギレで、俺を糾弾する。
 え? そうなの? 

 じゃあ自信持っていいのかも。
 てか、ただ遊びたいだけじゃね?

 「勘違いすんなよ! 俺がお前と遊びたいなんて言ってないんだからねっ!」

 なぜか、ツンデレ風に叫ぶケイヤ。

 だから男のツンデレは需要ないっていってんだろ。


 そして俺たちは遊ぶことにした。

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