13 / 73
13話
しおりを挟む
Side 春風
うぎゃぁぁぁ! と布団の中でゴロゴロする私。
よく恥ずかしいことがあったら布団に籠るって言うけど本当だったみたい。
だって恥ずかしすぎて外界に出られない……(微中二病)
「どどどどど、どうしよう……」
ど、がゲシュタルト崩壊しそうだけど気にしない。
ほ、頬にキスしちゃった……
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
とても乙女が出しちゃいけない叫びだけど、私を咎める人は誰もいない。
防音設備もバッチリだしね。
「ハァ……どうしてあんなことを……いや! 後悔はしてない! 恥ずかしいけど!」
ゆるゆるキャラで通ってるけどもはやブレブレ。
こんな姿、学校の誰にも見せられないや……。
最初に彼……狭山くんを見たときは何であんなに髪長いんだろう、暗そう、としか思っていなかった。
偏見は良くないと思うけど実際そうだったと思う。
今狭山くんに聞いても多分肯定すると思うし。
でも……ある日事件が起きたの。
……いや、事件ではないけど、私にとってはそれくらい衝撃的なこと。
今年のある夏の日。
教室に風が入ってきて狭山くんの髪が吹かれたの。
思わず視線を狭山くんに合わせたら……結構イケメン。
ぶっちゃけ私の好みだった。
なんで髪で隠すのかわからないよ。
まあそれだけじゃなくて! 一番良いのがあの目!
あの細い切れ長な瞳が私に向いた時……恋に落ち……てはいないけど、簡単な話……濡れた。何が、とは言わない。
ドMじゃないよ?
私は軽くないし、一般以上の貞操観念を持ってるから。
別に一目惚れしたわけじゃなかった。
カッコいいな、とは思ったけど、それだけ。
でも気にはなった。
それが第一印象かも。
それで、少し気になって狭山くんを観察することにした。
ストーカーじゃないから。
彼は私が今まで気が付かなかっただけで、すごい熱心で優しかった。
嫌なことを率先してするし、我慢強い。
そして決定的な出来事。
私は完全にこれにやられた。
実は狭山くんは花壇の手入れを暇な時にしていた。
しかも楽しそうに。
ギャップ萌えという感情。
それが私に芽生えた瞬間だった。
みんなだって、極端な話、ヤンキーが花の世話をしてたり、雨の中捨て犬を抱いて泣いたりしてたら萌えるじゃん?
ゲインロス効果って言うらしいけど。
狭山くんはヤンキーじゃないけど、暗そうだと思ってた人が真面目で優しくて、花を慈しみ世話をしている。
ほら、やられるでしょ?
私はやられた。
最初はファンみたいな感情だったけど、もっと彼のことを知っていくと、それが次第に恋になっていたった。
別に私は恋くらいしたことある。
でも好き、だけで終わっちゃって付き合うなんて夢の夢。
自分に自信が持てなかったり、臆病だったからね。
そんな自分が嫌だったのもあるから性格を偽ったり、自分を磨く努力を怠らないようにしたんだ。
もちろん結果は出た。
勝手に証明されたのかもしれないけど。
今の私は学園三大姫の一人『陽光の大天使』
……ちょっと不本意なあだ名だけどね。
……それにしても白海さんと付き合ってるのか、って聞くのは不自然だったかな。
しかもなんか狭山くんがそれを否定するときに、やけに私を尊敬するような目で見てたのは何でだろう……
なんかしたっけな、私。
でも付き合ってないなら良かった……
まあ、あの白海さんと狭山くんに関わりがあるとは思ってなかったし……実際関わり無かったからいいけど。
何にせよ白海さんがライバルじゃなくて良かったよ……
他の女の子ならともかく、同じ学園三大姫を相手にするのは一苦労だからね……
まあだからといって負ける私ではないけども!
いやぁ、少し嫉妬しちゃってキスするのはやり過ぎだったかな。
でも顔赤くしてたし、少なくとも女性としての魅力は感じられてるってことでしょ?
「ポジティブ! ポジティブ!」
私はパンパン、っと頬を張り気合いを入れる。
これから本格的に狭山くんを攻略していくのだ。
私は絶対に手に入れるのだ。
こんなにも激しい恋は初めて。
絶対に、絶対に負けない。
だから私は仮面を被るの。
うぎゃぁぁぁ! と布団の中でゴロゴロする私。
よく恥ずかしいことがあったら布団に籠るって言うけど本当だったみたい。
だって恥ずかしすぎて外界に出られない……(微中二病)
「どどどどど、どうしよう……」
ど、がゲシュタルト崩壊しそうだけど気にしない。
ほ、頬にキスしちゃった……
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
とても乙女が出しちゃいけない叫びだけど、私を咎める人は誰もいない。
防音設備もバッチリだしね。
「ハァ……どうしてあんなことを……いや! 後悔はしてない! 恥ずかしいけど!」
ゆるゆるキャラで通ってるけどもはやブレブレ。
こんな姿、学校の誰にも見せられないや……。
最初に彼……狭山くんを見たときは何であんなに髪長いんだろう、暗そう、としか思っていなかった。
偏見は良くないと思うけど実際そうだったと思う。
今狭山くんに聞いても多分肯定すると思うし。
でも……ある日事件が起きたの。
……いや、事件ではないけど、私にとってはそれくらい衝撃的なこと。
今年のある夏の日。
教室に風が入ってきて狭山くんの髪が吹かれたの。
思わず視線を狭山くんに合わせたら……結構イケメン。
ぶっちゃけ私の好みだった。
なんで髪で隠すのかわからないよ。
まあそれだけじゃなくて! 一番良いのがあの目!
あの細い切れ長な瞳が私に向いた時……恋に落ち……てはいないけど、簡単な話……濡れた。何が、とは言わない。
ドMじゃないよ?
私は軽くないし、一般以上の貞操観念を持ってるから。
別に一目惚れしたわけじゃなかった。
カッコいいな、とは思ったけど、それだけ。
でも気にはなった。
それが第一印象かも。
それで、少し気になって狭山くんを観察することにした。
ストーカーじゃないから。
彼は私が今まで気が付かなかっただけで、すごい熱心で優しかった。
嫌なことを率先してするし、我慢強い。
そして決定的な出来事。
私は完全にこれにやられた。
実は狭山くんは花壇の手入れを暇な時にしていた。
しかも楽しそうに。
ギャップ萌えという感情。
それが私に芽生えた瞬間だった。
みんなだって、極端な話、ヤンキーが花の世話をしてたり、雨の中捨て犬を抱いて泣いたりしてたら萌えるじゃん?
ゲインロス効果って言うらしいけど。
狭山くんはヤンキーじゃないけど、暗そうだと思ってた人が真面目で優しくて、花を慈しみ世話をしている。
ほら、やられるでしょ?
私はやられた。
最初はファンみたいな感情だったけど、もっと彼のことを知っていくと、それが次第に恋になっていたった。
別に私は恋くらいしたことある。
でも好き、だけで終わっちゃって付き合うなんて夢の夢。
自分に自信が持てなかったり、臆病だったからね。
そんな自分が嫌だったのもあるから性格を偽ったり、自分を磨く努力を怠らないようにしたんだ。
もちろん結果は出た。
勝手に証明されたのかもしれないけど。
今の私は学園三大姫の一人『陽光の大天使』
……ちょっと不本意なあだ名だけどね。
……それにしても白海さんと付き合ってるのか、って聞くのは不自然だったかな。
しかもなんか狭山くんがそれを否定するときに、やけに私を尊敬するような目で見てたのは何でだろう……
なんかしたっけな、私。
でも付き合ってないなら良かった……
まあ、あの白海さんと狭山くんに関わりがあるとは思ってなかったし……実際関わり無かったからいいけど。
何にせよ白海さんがライバルじゃなくて良かったよ……
他の女の子ならともかく、同じ学園三大姫を相手にするのは一苦労だからね……
まあだからといって負ける私ではないけども!
いやぁ、少し嫉妬しちゃってキスするのはやり過ぎだったかな。
でも顔赤くしてたし、少なくとも女性としての魅力は感じられてるってことでしょ?
「ポジティブ! ポジティブ!」
私はパンパン、っと頬を張り気合いを入れる。
これから本格的に狭山くんを攻略していくのだ。
私は絶対に手に入れるのだ。
こんなにも激しい恋は初めて。
絶対に、絶対に負けない。
だから私は仮面を被るの。
2
お気に入りに追加
216
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。

俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件
ながしょー
青春
高校入学を前に両親は長期海外出張。
一人暮らしになるかと思いきや、出発当日の朝、父からとんでもないことを言われた。
それは……
同い年の子と同居?!しかも女の子!
ただえさえ、俺は中学の頃はぼっちで人と話す事も苦手なのだが。
とにかく、同居することになった子はとてつもなく美少女だった。
これから俺はどうなる?この先の生活は?ラブコメ的な展開とかあるのか?!
「俺の家には学校一の美少女がいる!」の改稿版です。
主人公の名前やもしかしたら今後いろんなところが変わってくるかもしれません。
話もだいぶ変わると思います。

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。
ながしょー
青春
ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。
このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる