遊び人公爵令息に婚約破棄された男爵令嬢は恋愛初心者の大公様に嫁いで溺愛される

永江寧々

文字の大きさ
上 下
33 / 34

アルキュミア訪問4

しおりを挟む
「マリー、抱き上げるけど、少し大人しくしててね」
「え? キャッ! あ、あのっ!」
「シーッ。マリー、大人しくして」

 一部だけ上がるようになっている板を上げてカウンターを通り抜けると、床には液体が入った瓶や薬草や粉類が所狭しと置いてあるためマリーが蹴飛ばしてギルバートの怒りを買わないようにアーサーはマリーを抱きあげて奥へ進んでいく。
 近づいてみると大釜はカウンター越しに見るよりもずっと大きいもので、マリーの身長と変わらないほどの高さがある。轟々と燃える緑の炎。鼻につく独特の香り。マリーにとって全てが初めての経験。

「この大釜は魔女の大釜っつって、五百年前、サピエンティア遺跡から発見されたもんだ」
「そんなに大昔の物をどうやって手に入れたのですか?」
「オークションだ」

 マリーにはこの大釜にどれだけの価値があるのか想像もつかない。頭にあるのはこの大釜なら何人分のシチューができるだろうということだけ。

「錬金術、見たいか?」
「見たいです!」

 一応、アーサーを見て頷きの許可を得てから動き始める。

「熊の爪、イノシシの牙、松の実、人魚の涙──」
「人魚って……」
「シッ」

 人魚はおとぎ話の話であって実在しないはず。床や棚から取った材料を入れたあと、小瓶の中に入っていた発光する液体を数滴、大釜の中に入れるギルバートに問いかけようとするもアーサーが出した音で口を閉じる。

「んで、最後にこのマンドラゴラの根を入れて……」
「キャッ!」
「完成だ」

 パラパラと数本の細かい根が大釜の中に入るとボンッと小さな爆発音が鳴り、大釜から上がる白い煙が輪に変わっていく。
 ピンクだった大釜の中の煙はいつの間にか青に変わっており、手のひら大ぐらいの小瓶に出来上がったばかりの液体を注いだギルバートがアーサーに手渡した。

「これが錬金術ってもんよ」

 小瓶の中に液体を注いだのではなく、液体が入った小瓶が錬成された。ドヤ顔を向けるギルバートにマリーは目を瞬かせるばかり。その様子を不満げに見るギルバートが眉を寄せた。

「たったあんだけの材料からコレを作ったんだぞ」
「それはなんですか?」
「お前さんたちの関係を一気に深めるもんだ。主にアーサーが使う」
「栄養剤とかですか?」
「残念。これは精力増──」
「ただのスタミナ剤だよ」

 ギルバートの言葉を遮って笑顔を見せるアーサーの脅迫はまだ続いている。マリーの顔が近いため目を見開くことも口パクで伝えることもできないため頬に書いた。

〝これ以上、余計なことを言ったら飛ぶのは手だけでは済まないぞ〟と。

「ッ!?」
「チッ。ちょっと待ってろ」

 急にジリリリリッと大きなベルの音が鳴り響いたことに驚いたマリーと一緒にカウンターの外に戻って床に下ろす。
 何かを手に持って耳に当てて喋っているギルバートをマリーが不思議そうに見つめる。

「ギルバート様は何を?」
「あれはね、電話っていうんだよ」
「電話?」
「遠くにいる人と声で話せるんだよ。たぶん、あと一年もすればあっという間に貴族の家には当たり前に設置されるんじゃないかな?」

 アルキュミアは世界で最も最先端で、最も裕福な国だと言われている。まだ馬車が主流の国が多い中でアルキュミアは車が主流に切り替わっており、電話というものが発明されている。
 ここに来てからマリーはまるで別世界に来たような感覚を何度も味わっている。

「あの電話があれば、アーサー様ともお話ができますか?」
「もちろん。もし良かったら設置しようか? すぐにでも手配して君の家に届けるよ。そうすれば帰ったあと、すぐにでも電話ができるしね」

 マリーの声が聞きたい。マリーと話したいと唸るように言い続けていたアーサーにとってアーネット邸に電話を置くのは素晴らしい提案だった。一日中電話してしまいそうな気がするが、手紙は届いていないかと何度も確認して鬱陶しがられることはなくなる。ベンジャミンやカサンドラと話せるのも良い。
 さっそく手配しようと考えた上機嫌のアーサーにマリーが「あ」と声を漏らした。

「でも……困りますね」
「え、困る?」
「だって、アーサー様のお声を聞いたら、絶対に会いたくなってしまうと思うんです。お手紙を読んでるだけでも会いたくなっていたのに……」

 困った顔で笑うマリーを見るアーサーは無表情だった。そうしていなければ冷静さが保てそうになかったから。頭の中で泉のように湧いてくる煩悩を必死に掻き消そうと闘っている。
 自分は四十二歳の中年。欲望の暴走が許される若者じゃない。腹の中でどれほど獣の本能が暴れていようとも、理性という騎士が勝たなければならない。アーサーは静かにその様子を見守っている。

「でも、離れていてもアーサー様のお声が聞けるのは嬉しいです。お声が聞けるから我慢できるってなるかもしれませんね」

 笑顔で見上げてくるマリーを見てアーサー様は心の中でハンネスに謝った。

(ごめん、ハンネス。僕は人間以下に成り下がるかもしれない)

 いつの間にか獣が優勢となり、騎士が劣勢となっている。このままではアーサーはマリーに『マリーも疲れているだろうし、本格的な観光は明日にして、今日はもう家に帰ろうか』と言いだしかねない。なんとか我慢しなければと強く目を瞑って必死に堪えていると頬に手が触れた。

「大丈夫ですか? ご気分でも?」
(ああ……その顔はダメなんだよ、マリー。そんな顔をされると……)
「アーサー様? だいじょう──あ、ああああああのっ、ここはっ、ギルバート様がいらっしゃいますから!」

 小声で拒絶するマリーに迫るアーサーに余裕はない。

「まだ電話してるから大丈夫だよ」

 自分は変態なんだと自覚したのはマリーに出会ってから。泣き顔や心配する顔に欲情する自分がいることに気付いた。笑顔も好きだ。それが一番好きだと思う。それは間違いない。それでもやはり、清らかな涙を流すマリーや自分を心配してくれるマリーもたまらなく好きだった。
 マリーはここが外であること、ギルバートの店でありギルバートがそこにいることを気にして身体を逸らしながらアーサーの胸を押す。それでもアーサーの接近は止まらず、マリーの背中に手を当てて倒れてしまわないように支えるとカウンターに隠れるようにして唇を重ねた。

「ア……サ……」

 唇を重ねた瞬間こそ強く胸を押しはしたが、唇が触れ合うと身体の力が抜けてしまう。胸を押していた手はいつの間にか胸元のシャツを握っている。

「マリー、少し唇開けて」

 スタミナ剤は飲んでいない。ポケットに入っている。それなのに奥底から湧き上がる精力がもっと深くまで味わいたいと訴え、マリーはそれに従う。ゆっくり開いた唇に舌先が触れた瞬間、頭上からギシッと木が軋む音が鳴った。

「はい、そこまでー」

 低い声が二人に待ったをかけ、アーサーが眉を寄せてゆっくり唇を離す。マリーがそのまま床に尻もちをついてしまわないように抱き起して抱きしめると邪魔をするなと言わんばかりにギルバートを睨みつける。

「アーサー、オメーは発情期の犬か?」

 返す言葉もない。アーサーは自分でも驚くほど我慢ができなくなっている。

「その様子じゃあ、スタミナ剤はいらねぇな。余計なお世話だったか」
「ギル、口を縫い付けるぞ」
「大公様がお針子仕事ができるとは知らなかったなァ」

 楽しげに声を上げて笑うギルバートは止めようとしても止まらない。紹介という目的は果たしたため出ようかとマリーを見るとギルバートを見ていた。

「マリー?」
「あ、あのっ」
「あ? 去勢剤か? いるなら作ってやるぞ」
「電話が欲しいです」

 さっきまでギルバートが使っていた奥の電話を指し、買いたいと言うマリーの身なりを確認するように全身に視線を這わせる。

「金貨百五十枚だ」
「ひゃく……ひゃくご、じゅ……?」

 ドレス一枚が大体金貨十五枚。電話一台がドレス十枚分。祖父母がくれるお小遣いはほとんど使わず貯めているが、全て金貨というわけではないし、かき集めても金貨百五十枚にはならない。

「これはあくまでも本体代だ。魔石を原動力に動かすから魔石代を含むと二百枚になる」

 驚きに声も出ない。
 カウンターの上に置かれた淡い光を放つ紫色の石が金貨五十枚の価値を持ち、動かない電話は金貨百五十枚の価値。マリーには到底手が出せない代物。

「マリー、私がプレゼントするから大丈夫だよ」
「こんなに高価な物をいただくわけには。おじいさまもおばあさまも気を遣います」
「でも、マリーの家に電話があれば、マリーが結婚してこっちに来てもベンジャミンたちといつでも電話できるんだよ?」
「それは……そうですが……」

 そう言われると迷ってしまう。電話があればアーサーといつでも話ができる。手紙に書き合ったように会いたいと声で伝えることができるのだ。笑い声だってそこから聞こえる。おはようやおやすみも言い合えるかもしれない。何より、離れても祖父母と話ができるのは魅力的すぎる。
 しかし、贈り物には高すぎる。いくら大公といえど金貨二百枚を簡単に出せるものだろうかと心配を表情に出すマリーにアーサーが微笑む。

「大丈夫だよ、マリー。世の中には友達割引というのがあるんだ。だから私は金貨二百枚で買わなくていいんだよ。そうだろう、ギル?」
「値切った物を女にプレゼントとは最高にクールだな」
「法外な値段から定価に下げてもらうだけだよ」
「俺が作ったもんだ。俺がつけた値段が定価だっつーの」

 アーサーは威圧的な笑顔、ギルバートは呆れ顔。二人の間には見えない火花が散っている。

「あの、ギルバート様。人魚の涙は本物ですか?」
「あ? 本物じゃねぇもん入れる意味あるか?」
「ない、ですけど……人魚は実在するのですか?」
「人間に恋して泡になった人魚しか知らねぇタイプか。お嬢ちゃん、子供の作り方も知らな──んぐッ!?」

 人魚は存在するのかと真剣な顔で問いかけるマリーはきっと絵本の中に出てくる悲しい結末を迎えた人魚しか知らないのだろうと察し、そういうタイプは子作りの方法さえも知らないのだと経験上から当てようとしたのだが、余計なことばかり口にするギルバートの口をガッと掴んだアーサーの手にこもる力が本気度を伝えていた。
 最終警告だと言わんばかりにギルバートの顔の骨をミシミシッと軋ませる。

「じ、冗談だって」
「マリー、そろそろ出発しよう。ここに長居すると脳が腐る」
「え!? あ、は、はい」

 さすがにこれ以上の軽口はマズイと判断して両手を上げてようやくアーサーの手が離れる。マリーの肩に手を置いて店を出るとギルバートがフードを目深にかぶって見送りに出てくる。

「次はもっとイイもん錬金してやっからな」
「良い物?」
「マリー、彼は優秀だけど、余計な物をたくさん作るから鵜呑みにしなくていいんだよ」
「おいおい、過保護なパパだな」
「婚約者だ」
「おーこわっ。お嬢ちゃん、俺はボインな姉ちゃんにしか興味ねぇから警戒しなくてもいいぜ」
「マリーはこれから成長して世界一の美女になるんだ。もう店に入れ」
「わざわざこんな場所まで足を運んでくださった大公様をお見送りしないとな」

 二人の軽快なやり取りにマリーが笑う。優しく紳士的なアーサーがギルバートが相手だと口調が少し砕けている。新たな一面を知れたことがマリーは嬉しかった。
 マリーを先に車に乗せてから運転席に乗りこんだアーサーはギルバートに片手を上げてから車を出した。
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

完結)余りもの同士、仲よくしましょう

オリハルコン陸
恋愛
婚約者に振られた。 「運命の人」に出会ってしまったのだと。 正式な書状により婚約は解消された…。 婚約者に振られた女が、同じく婚約者に振られた男と婚約して幸せになるお話。 ◇ ◇ ◇ (ほとんど本編に出てこない)登場人物名 ミシュリア(ミシュ): 主人公 ジェイソン・オーキッド(ジェイ): 主人公の新しい婚約者

城伯令嬢は守りたい

夜桜
恋愛
 公爵のルークに婚約破棄された城伯令嬢フィセルは、城塞を守る為の仕事に専念する。その一ヶ月後に婚約破棄の撤回をするルーク。怪しんだフィセルは、ルークの思惑を何とかして探る。すると、意外な事実が判明した。

公爵令嬢の誕生日

夜桜
恋愛
 公爵令嬢アムールは、誕生日に宮中伯のアレクに呼び出された。彼のお屋敷に向かうと信じられないサプライズが待ち受けていた――。

【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」 *** ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。 しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。 ――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。  今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。  それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。  これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。  そんな復讐と解放と恋の物語。 ◇ ◆ ◇ ※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。  さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。  カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。 ※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。  選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。 ※表紙絵はフリー素材を拝借しました。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

噂の悪女が妻になりました

はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。 国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。 その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。

【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!

美杉。祝、サレ妻コミカライズ化
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』  そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。  目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。  なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。  元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。  ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。  いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。  なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。  このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。  悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。  ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす

まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。  彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。  しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。  彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。  他掌編七作品収録。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します 「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」  某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。 【収録作品】 ①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」 ②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」 ③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」 ④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」 ⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」 ⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」 ⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」 ⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

処理中です...