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愚か者
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アーサー・アーチボルトとマリー・アーネットの婚約は瞬く間に広がり、世間を驚かせた。
貴族たちが手にした新聞にはこう書いてあった。
【アーサー・アーチボルトからの熱烈な求婚を受けたマリー・アーネットは笑顔でそれを快諾し、二人は近々正式に婚約発表するらしい】
裸にガウン一枚まとっただけの姿で新聞を読むセリーヌは大袈裟なほど手を震わせながら信じられない内容に苛立ちを露にしていた。
「正気とは思えねぇわ。なんだあのクソジジイ。ロリコンだったのかよ。そりゃ結婚しねぇわけだ」
裸のまま毛布をかぶっているネイトは寝転んだまま足を組み、両手は枕と頭の間に挟んだ状態で天井を見上げながら吐き捨てるように呟いて鼻で笑う。
神に愛されたような外見と大公の称号を持つ男が四十二歳まで結婚していないのがそもそもおかしいのだ。何か理由があるとは思っていたが、聞く度に『結婚には興味がない』の一点張りだった。しかし実際はそうではない。十代の娘を愛してしまう男だったという真実にネイトは嘲笑を続ける。
「許せない……!」
「なに怒ってんだよ」
「マリーなんかと結婚するなんて絶対に許せない! 地味でどんくさくて色気の欠片もない女よ! それも親なしの男爵令嬢! ありえないわ! 不釣り合いじゃない! いくら求婚されたからって、断るのがマナーでしょ!? なんっておこがましい女なの!」
読んでいた新聞をグシャッと握り潰してから床に叩きつけた、怒りをぶつけるように何度も踏みつけながら怒鳴り散らすセリーヌにネイトは溜息をつく。
昨日、アーサーが帰ってからセリーヌはずっと情緒不安定の状態が続いている。泣いて怒っての繰り返し。アーサーに言われたことにショックを受けて泣き続けていたのを抱いて慰めたが、今朝になってまたこうして怒りを露にしている。
皆が絶賛するほど美しい女でありながら床上手。キスすらさせなかったマリーと比べると申し分ないほどイイ女だが、ヒステリーなことに辟易とし始めていた。
「お前、もう帰れ」
「え? 今日、出かけるって約束したじゃない」
「気が変わった。お前ウザいわ。出かける気分じゃなくなった」
横を向いて二度寝しようとするネイトは態度で表し、犬や猫を追い払うようにシッシッと手を振る。
婚約者の額にキスもせず、見送りさえしないネイトにまた込み上げる怒りで拳を震わせながらガウンを脱いでネイトに投げつけた。着ていたドレスを令嬢のようにキッチリ着るのではなく、娼婦のようにだらしなく着崩し、ヒールを乱暴に鳴らして部屋を出たセリーヌはそのままドアを怒りに任せて強く閉め、帰っていった。
「めんどくせ……」
セリーヌは誰に自慢しても羨まれる最高の女だと思っていた。爵位も自分と釣り合うし、美人と名高く、連れ歩くだけですれ違った男たちが振り返る。マリーが持っていなかったもの全て持っているセリーヌは自分のアクセサリーとして申し分なかったが、それを手放そうかと考えてしまうほど精神的に不安定になっている。
公爵令嬢として育ってきたせいか、マリーよりずっとワガママで手がかかる。何を身につけても似合うため、装飾品一つ選ぶにしても時間がかかる。それはいい。だが、いちいち『似合う?』と聞かれるのは鬱陶しい。
その分、マリーは何もねだらなかったし、自分の話に笑顔で相槌を打ってくれた。顔も美人ではないが、セリーヌが言うほど悪くはない。控えめで、夫を立てる性格をしていた。小さな花束でも嬉しそうに笑ってくれたのは大きかった。
あと一ヵ月待てば結婚していた。結婚すればキスも抱くこともできた。もしかすると相性が良いということもあったかもしれないのに、ネイトは目の前に現れた高級魚に選んだばかりに出世魚を手放した気分になっていた。
(どうする……まだ婚約破棄をしてそう時間は経っていない。俺が求婚したとき、マリーは感動してたし、結婚式を楽しみにしてた。なら、気持ちはまだ俺に残ってるんじゃないか? 大公に求婚されたから断れなかっただけで、マリーは望む結婚がしたいはずだ。夢見てる女だからな。甘い言葉でもかけてやりゃ許すだろ)
父親が言うように、美人を妻にしておくと将来的に得であるのは間違いない。妻を美しいと褒められることは貴族にとって貴重な宝石を手に入れたも同然で、何かと話題になる。少し話を盛るだけで羨望の眼差しを受けられることもあって、セリーヌは注目を浴びる申し分ない女だが、いかんせん気が強い。ネイトは従順な女が好きなため、そこだけが厄介に思う点。
家に帰って気の強い女の相手をするのは疲れる。気が弱く、言いたいことをハッキリ言えないマリーにはイライラしていたが、今思えば、結婚後はそういうタイプこそ操りやすい。おまけに自分が惚れたという話にしておけば自分の株が上がる。
マリーと婚約破棄したのは過ちだったと気付いたネイトは立ち上がって身支度を始めた。
「ネイト」
ノックはするが返事を待たずに入ってきた父親に眉を寄せながらも着替えを進める。
「セリーヌが怒っていたようだが……どこへ行くんだ?」
婚約したばかりで喧嘩は早すぎるだろうと聞こうとしたが、着替えをしている様子にわざわざ問いかけた。普通に考えればセリーヌを追いかけるためと考えられるが、それにしては急いでいない。まるで今から別件で出掛けるとでもいうようなペース。嫌な予感に眉を寄せながら向かいに回り込んで目を合わせた。
「まさか、マリー・アーネットの家に行くつもりじゃないだろうな?」
あの新聞を読んでからの行動となると、息子の行動は想像しやすい。
「だったらなんだよ」
予想通りの言葉に眉を寄せたままネイトの肩を掴んで語気を強める。
「アーサー・アーチボルトの婚約者だぞ。手を出すつもりか?」
「何言ってんだよ。元々は俺の婚約者だ。あんな二回りも上のオッサンより、若い俺のとこに戻ってきたほうが幸せだろ」
「ふざけるな! アーサーを敵に回して無事でいられるはずないだろう!」
「マリーはまだ俺を好きなんだよ!」
自分の息子に絶句をするのは初めてだった。自分から捨てた女を今更になって拾いに行くなど正気の沙汰ではない。動物ではないのだから、今も健気に待っているはずがない。そんなことは婚約がニュースになっている時点でわかっているはずなのに、ネイトはマリーの自分への愛を疑わず、迎えに行こうとしている。
相手が大公の婚約者だとわかっていながら行動に出ようとする愚かさに、呆れて言葉も出ない。伯父だからと甘えているのか、それとも兄が言うように本当に愚かだからなのか。
「セリーヌはどうするつもりだ! ファーナビー家になんと説明する!?」
「そんなの知るかよ。親父の仕事だろ。とにかくマリーは連れ戻す。伯父さんには俺がもう一回もらってやるから同情は捨てなって言っといてくれ」
「ネイト! 待ちなさい、ネイト!」
そんな理由で婚約破棄をすればファーナビー家に顔向けできなくなる。アーサーに伝えれば間違いなく家を潰される。何もわかっていないネイトにアベラルドは頭を抱える。
ネイトが婚約破棄したと聞いたときは混乱した。ベンジャミン・アーネットと繋がりを持つことは大きな利益になる。それを欲で手放した息子を正気とは思えなかった。しかし、相手があのミスカ・ファーナビーの一人娘であるセリーヌだと知って許すことにした。あれからすぐにミスカと会い、互いに利益があることから結婚の同意を交わしたのに、たった数日で破談など許されるはずがない。しかもその理由が『マリー・アーネットと再婚約するから』などと誰が言えるのか。そんなことをすればアーチボルト家の評判は地に落ちる。
息子だけが悪評にまみれて終わるならいい。家を追い出せば済む。しかし、貴族はそういうわけにはいかない。息子の失敗は親の失敗。そして家の失敗になってしまう。息子がどこで失敗しようと、それは親の教育不足だと批判され、家名が汚れる。そうなれば貴族界での立場は失われていく。
公爵であろうと必ず慕われるわけではない。表向きは公爵に礼儀を尽くす。でもそれだけ。
それを如実に表しているのがアベラルドとベンジャミンの人気の差だ。
ベンジャミンは男爵で、サロンにもほとんど顔を出さない、アーネット邸には多くの貴族が足を運んでいるという。貴族だけではなく豪商と呼ばれる者たちもそうだ。貴族界は爵位が全てと言いながら実際は人脈のほうがずっと強い。
アベラルドが持っているのは公爵という最高の地位だけで、他には何も持っていない。この爵位も公爵家に生まれたから持っているだけで、アベラルドが努力して手に入れたものではない。
危機感を持たない息子が浮かれながら出ていく姿に地面を踏みつけた。
「クソッ! あのバカ息子が!」
ネイトは親が認めるほどのわがまま息子。ボードゲームでも女の取り合いでも自分が勝たなければ気が済まない。今までは爵位のおかげで周りが気を遣い、なんとか上手く生きてこれたが、今回ばかりは相手が悪い。相手は伯父といえど大公。甥に甘い男ではないし、アーサー・アーチボルトは評判のような男でもないことを弟だけが知っている。他人に優しくするのは自分には関係のない人間だからで、自分や自分の大切な物に手を出そうものなら再起不能になるまで容赦しない男。
ネイトは彼の恐ろしさを知らないのだ。
「知らないからな!」
見放すように大声を出したアベラルドはそのまま自室へと戻っていった。
貴族たちが手にした新聞にはこう書いてあった。
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裸にガウン一枚まとっただけの姿で新聞を読むセリーヌは大袈裟なほど手を震わせながら信じられない内容に苛立ちを露にしていた。
「正気とは思えねぇわ。なんだあのクソジジイ。ロリコンだったのかよ。そりゃ結婚しねぇわけだ」
裸のまま毛布をかぶっているネイトは寝転んだまま足を組み、両手は枕と頭の間に挟んだ状態で天井を見上げながら吐き捨てるように呟いて鼻で笑う。
神に愛されたような外見と大公の称号を持つ男が四十二歳まで結婚していないのがそもそもおかしいのだ。何か理由があるとは思っていたが、聞く度に『結婚には興味がない』の一点張りだった。しかし実際はそうではない。十代の娘を愛してしまう男だったという真実にネイトは嘲笑を続ける。
「許せない……!」
「なに怒ってんだよ」
「マリーなんかと結婚するなんて絶対に許せない! 地味でどんくさくて色気の欠片もない女よ! それも親なしの男爵令嬢! ありえないわ! 不釣り合いじゃない! いくら求婚されたからって、断るのがマナーでしょ!? なんっておこがましい女なの!」
読んでいた新聞をグシャッと握り潰してから床に叩きつけた、怒りをぶつけるように何度も踏みつけながら怒鳴り散らすセリーヌにネイトは溜息をつく。
昨日、アーサーが帰ってからセリーヌはずっと情緒不安定の状態が続いている。泣いて怒っての繰り返し。アーサーに言われたことにショックを受けて泣き続けていたのを抱いて慰めたが、今朝になってまたこうして怒りを露にしている。
皆が絶賛するほど美しい女でありながら床上手。キスすらさせなかったマリーと比べると申し分ないほどイイ女だが、ヒステリーなことに辟易とし始めていた。
「お前、もう帰れ」
「え? 今日、出かけるって約束したじゃない」
「気が変わった。お前ウザいわ。出かける気分じゃなくなった」
横を向いて二度寝しようとするネイトは態度で表し、犬や猫を追い払うようにシッシッと手を振る。
婚約者の額にキスもせず、見送りさえしないネイトにまた込み上げる怒りで拳を震わせながらガウンを脱いでネイトに投げつけた。着ていたドレスを令嬢のようにキッチリ着るのではなく、娼婦のようにだらしなく着崩し、ヒールを乱暴に鳴らして部屋を出たセリーヌはそのままドアを怒りに任せて強く閉め、帰っていった。
「めんどくせ……」
セリーヌは誰に自慢しても羨まれる最高の女だと思っていた。爵位も自分と釣り合うし、美人と名高く、連れ歩くだけですれ違った男たちが振り返る。マリーが持っていなかったもの全て持っているセリーヌは自分のアクセサリーとして申し分なかったが、それを手放そうかと考えてしまうほど精神的に不安定になっている。
公爵令嬢として育ってきたせいか、マリーよりずっとワガママで手がかかる。何を身につけても似合うため、装飾品一つ選ぶにしても時間がかかる。それはいい。だが、いちいち『似合う?』と聞かれるのは鬱陶しい。
その分、マリーは何もねだらなかったし、自分の話に笑顔で相槌を打ってくれた。顔も美人ではないが、セリーヌが言うほど悪くはない。控えめで、夫を立てる性格をしていた。小さな花束でも嬉しそうに笑ってくれたのは大きかった。
あと一ヵ月待てば結婚していた。結婚すればキスも抱くこともできた。もしかすると相性が良いということもあったかもしれないのに、ネイトは目の前に現れた高級魚に選んだばかりに出世魚を手放した気分になっていた。
(どうする……まだ婚約破棄をしてそう時間は経っていない。俺が求婚したとき、マリーは感動してたし、結婚式を楽しみにしてた。なら、気持ちはまだ俺に残ってるんじゃないか? 大公に求婚されたから断れなかっただけで、マリーは望む結婚がしたいはずだ。夢見てる女だからな。甘い言葉でもかけてやりゃ許すだろ)
父親が言うように、美人を妻にしておくと将来的に得であるのは間違いない。妻を美しいと褒められることは貴族にとって貴重な宝石を手に入れたも同然で、何かと話題になる。少し話を盛るだけで羨望の眼差しを受けられることもあって、セリーヌは注目を浴びる申し分ない女だが、いかんせん気が強い。ネイトは従順な女が好きなため、そこだけが厄介に思う点。
家に帰って気の強い女の相手をするのは疲れる。気が弱く、言いたいことをハッキリ言えないマリーにはイライラしていたが、今思えば、結婚後はそういうタイプこそ操りやすい。おまけに自分が惚れたという話にしておけば自分の株が上がる。
マリーと婚約破棄したのは過ちだったと気付いたネイトは立ち上がって身支度を始めた。
「ネイト」
ノックはするが返事を待たずに入ってきた父親に眉を寄せながらも着替えを進める。
「セリーヌが怒っていたようだが……どこへ行くんだ?」
婚約したばかりで喧嘩は早すぎるだろうと聞こうとしたが、着替えをしている様子にわざわざ問いかけた。普通に考えればセリーヌを追いかけるためと考えられるが、それにしては急いでいない。まるで今から別件で出掛けるとでもいうようなペース。嫌な予感に眉を寄せながら向かいに回り込んで目を合わせた。
「まさか、マリー・アーネットの家に行くつもりじゃないだろうな?」
あの新聞を読んでからの行動となると、息子の行動は想像しやすい。
「だったらなんだよ」
予想通りの言葉に眉を寄せたままネイトの肩を掴んで語気を強める。
「アーサー・アーチボルトの婚約者だぞ。手を出すつもりか?」
「何言ってんだよ。元々は俺の婚約者だ。あんな二回りも上のオッサンより、若い俺のとこに戻ってきたほうが幸せだろ」
「ふざけるな! アーサーを敵に回して無事でいられるはずないだろう!」
「マリーはまだ俺を好きなんだよ!」
自分の息子に絶句をするのは初めてだった。自分から捨てた女を今更になって拾いに行くなど正気の沙汰ではない。動物ではないのだから、今も健気に待っているはずがない。そんなことは婚約がニュースになっている時点でわかっているはずなのに、ネイトはマリーの自分への愛を疑わず、迎えに行こうとしている。
相手が大公の婚約者だとわかっていながら行動に出ようとする愚かさに、呆れて言葉も出ない。伯父だからと甘えているのか、それとも兄が言うように本当に愚かだからなのか。
「セリーヌはどうするつもりだ! ファーナビー家になんと説明する!?」
「そんなの知るかよ。親父の仕事だろ。とにかくマリーは連れ戻す。伯父さんには俺がもう一回もらってやるから同情は捨てなって言っといてくれ」
「ネイト! 待ちなさい、ネイト!」
そんな理由で婚約破棄をすればファーナビー家に顔向けできなくなる。アーサーに伝えれば間違いなく家を潰される。何もわかっていないネイトにアベラルドは頭を抱える。
ネイトが婚約破棄したと聞いたときは混乱した。ベンジャミン・アーネットと繋がりを持つことは大きな利益になる。それを欲で手放した息子を正気とは思えなかった。しかし、相手があのミスカ・ファーナビーの一人娘であるセリーヌだと知って許すことにした。あれからすぐにミスカと会い、互いに利益があることから結婚の同意を交わしたのに、たった数日で破談など許されるはずがない。しかもその理由が『マリー・アーネットと再婚約するから』などと誰が言えるのか。そんなことをすればアーチボルト家の評判は地に落ちる。
息子だけが悪評にまみれて終わるならいい。家を追い出せば済む。しかし、貴族はそういうわけにはいかない。息子の失敗は親の失敗。そして家の失敗になってしまう。息子がどこで失敗しようと、それは親の教育不足だと批判され、家名が汚れる。そうなれば貴族界での立場は失われていく。
公爵であろうと必ず慕われるわけではない。表向きは公爵に礼儀を尽くす。でもそれだけ。
それを如実に表しているのがアベラルドとベンジャミンの人気の差だ。
ベンジャミンは男爵で、サロンにもほとんど顔を出さない、アーネット邸には多くの貴族が足を運んでいるという。貴族だけではなく豪商と呼ばれる者たちもそうだ。貴族界は爵位が全てと言いながら実際は人脈のほうがずっと強い。
アベラルドが持っているのは公爵という最高の地位だけで、他には何も持っていない。この爵位も公爵家に生まれたから持っているだけで、アベラルドが努力して手に入れたものではない。
危機感を持たない息子が浮かれながら出ていく姿に地面を踏みつけた。
「クソッ! あのバカ息子が!」
ネイトは親が認めるほどのわがまま息子。ボードゲームでも女の取り合いでも自分が勝たなければ気が済まない。今までは爵位のおかげで周りが気を遣い、なんとか上手く生きてこれたが、今回ばかりは相手が悪い。相手は伯父といえど大公。甥に甘い男ではないし、アーサー・アーチボルトは評判のような男でもないことを弟だけが知っている。他人に優しくするのは自分には関係のない人間だからで、自分や自分の大切な物に手を出そうものなら再起不能になるまで容赦しない男。
ネイトは彼の恐ろしさを知らないのだ。
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