愛だ恋だと変化を望まない公爵令嬢がその手を取るまで
聖フォンス学園──貴族の貴族による貴族のための学校。
共学だが、その他の男子生徒などまるで存在しないかのように令嬢達の心は生徒会メンバーである四人の男に向けられていた。
アリス・ベンフィールドも聖フォンス学園に通う生徒の一人であり、王子であるヴィンセル・ブラックバーンにときめく一人。
化粧も自己表現も苦手なアリスは他の令嬢たちのように自分の魅せ方を知らず、自己主張できない地味な少女。
誰からも何も受け取らない王子の“ハジメテ”になりたくて毎日のように王子を追いかける令嬢たちを遠目に見るだけで、追いかけるのは妄想の中だけ。
自分磨きを怠らない令嬢達と違ってアリスは自分磨きより妄想を趣味としていた。妄想の中では自分は誰よりも輝いているし、王子とも上手くいっている。馬車の中、部屋の中──そこだけがアリスの心のオアシスだった。
ベンフィールド公爵の娘として何不自由なく生きてきたアリスだが、そんなアリスの人生にも小さな問題はある。
それは、たった一人の親友であるティーナ・ベルフォルンがヴィンセル王子に恋をしているということ。
自分より美しく我の強い親友にある日「ヴィンセルが好きなの」と告げられ、アリスは「私も」とは言えず自分の本心を隠した。
隠し事はなしと交わした約束を破っていることを気にしていたある日、ティーナのお願いで四人に近付くキッカケができたが、仲良くなったのはヴィンセルではなく別の人物で──
ゲイ疑惑があるほど女を近付けさせない女嫌いと噂のヴィンセルとぶつかったことで急接近するアリスは王子から真実を知らされ、選んでもらえるのだが喜ぶことはできず……
地味なだけだったアリスの人生が華のある人たちとの関わりによって少しずつ変わっていく。
大食い美少年、ツンデレ幼馴染、サイコパスシスコン兄、そして嗅覚過敏王子──まだ恋をしたことがないアリスが選ぶ相手は──
これは恋か憧れか──
逆ハーレムか、逆ハーレムなので苦手な人はご注意ください。
※9/29が最終話アップとなります。
※2021年2月に投稿していたものですが、詰んでしまって放置していた物を書き直し再投稿しています。
こちらもどうぞお付き合いいただけますと幸いです。
共学だが、その他の男子生徒などまるで存在しないかのように令嬢達の心は生徒会メンバーである四人の男に向けられていた。
アリス・ベンフィールドも聖フォンス学園に通う生徒の一人であり、王子であるヴィンセル・ブラックバーンにときめく一人。
化粧も自己表現も苦手なアリスは他の令嬢たちのように自分の魅せ方を知らず、自己主張できない地味な少女。
誰からも何も受け取らない王子の“ハジメテ”になりたくて毎日のように王子を追いかける令嬢たちを遠目に見るだけで、追いかけるのは妄想の中だけ。
自分磨きを怠らない令嬢達と違ってアリスは自分磨きより妄想を趣味としていた。妄想の中では自分は誰よりも輝いているし、王子とも上手くいっている。馬車の中、部屋の中──そこだけがアリスの心のオアシスだった。
ベンフィールド公爵の娘として何不自由なく生きてきたアリスだが、そんなアリスの人生にも小さな問題はある。
それは、たった一人の親友であるティーナ・ベルフォルンがヴィンセル王子に恋をしているということ。
自分より美しく我の強い親友にある日「ヴィンセルが好きなの」と告げられ、アリスは「私も」とは言えず自分の本心を隠した。
隠し事はなしと交わした約束を破っていることを気にしていたある日、ティーナのお願いで四人に近付くキッカケができたが、仲良くなったのはヴィンセルではなく別の人物で──
ゲイ疑惑があるほど女を近付けさせない女嫌いと噂のヴィンセルとぶつかったことで急接近するアリスは王子から真実を知らされ、選んでもらえるのだが喜ぶことはできず……
地味なだけだったアリスの人生が華のある人たちとの関わりによって少しずつ変わっていく。
大食い美少年、ツンデレ幼馴染、サイコパスシスコン兄、そして嗅覚過敏王子──まだ恋をしたことがないアリスが選ぶ相手は──
これは恋か憧れか──
逆ハーレムか、逆ハーレムなので苦手な人はご注意ください。
※9/29が最終話アップとなります。
※2021年2月に投稿していたものですが、詰んでしまって放置していた物を書き直し再投稿しています。
こちらもどうぞお付き合いいただけますと幸いです。
あなたにおすすめの小説
夫が大変和やかに俺の事嫌い?と聞いてきた件について〜成金一族の娘が公爵家に嫁いで愛される話
はくまいキャベツ
恋愛
父親の事業が成功し、一気に貴族の仲間入りとなったローズマリー。
父親は地位を更に確固たるものにするため、長女のローズマリーを歴史ある貴族と政略結婚させようとしていた。
成金一族と揶揄されながらも社交界に出向き、公爵家の次男、マイケルと出会ったが、本物の貴族の血というものを見せつけられ、ローズマリーは怯んでしまう。
しかも相手も値踏みする様な目で見てきて苦手意識を持ったが、ローズマリーの思いも虚しくその家に嫁ぐ事となった。
それでも妻としての役目は果たそうと無難な日々を過ごしていたある日、「君、もしかして俺の事嫌い?」と、まるで食べ物の好き嫌いを聞く様に夫に尋ねられた。
(……なぜ、分かったの)
格差婚に悩む、素直になれない妻と、何を考えているのか掴みにくい不思議な夫が育む恋愛ストーリー。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
年下の婚約者から年上の婚約者に変わりました
チカフジ ユキ
恋愛
ヴィクトリアには年下の婚約者がいる。すでにお互い成人しているのにも関わらず、結婚する気配もなくずるずると曖昧な関係が引き延ばされていた。
そんなある日、婚約者と出かける約束をしていたヴィクトリアは、待ち合わせの場所に向かう。しかし、相手は来ておらず、当日に約束を反故されてしまった。
そんなヴィクトリアを見ていたのは、ひとりの男性。
彼もまた、婚約者に約束を当日に反故されていたのだ。
ヴィクトリアはなんとなく親近感がわき、彼とともにカフェでお茶をすることになった。
それがまさかの事態になるとは思いもよらずに。
子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる
佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます
「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」
なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。
彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。
私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。
それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。
そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。
ただ。
婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。
切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。
彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。
「どうか、私と結婚してください」
「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」
私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。
彼のことはよく知っている。
彼もまた、私のことをよく知っている。
でも彼は『それ』が私だとは知らない。
まったくの別人に見えているはずなのだから。
なのに、何故私にプロポーズを?
しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。
どういうこと?
============
番外編は思いついたら追加していく予定です。
<レジーナ公式サイト番外編>
「番外編 相変わらずな日常」
レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。
いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。
※転載・複写はお断りいたします。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
夫は私を愛してくれない
はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」
「…ああ。ご苦労様」
彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。
二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
逆ハータグが付いているけれど、そこから連想されるほど甘い話でもなく、アリスが精神的に成長し自立していく物語で、その心根の移り変わりがとてもわかりやすく優しくそして厳しい、そんなお話かなと思いました。
誰とくっつくのか最後までわからずもだもだしましたが、アリスの恋はちゃんと始まっていて幸せそうな2人にほっこりしましたが、その他、ハズレたみなさまは果たしてどうするのかしらと大変不憫になりました(笑)みんな一癖も二癖もある野郎ばかりですしね…。
個人的に良かったのは、ティーナに与するアリス側の人間がいなかったこと。勝手に空回りして自滅してるけど、アリスが孤立したりせずにいたことが読み手として鬱屈しなくて良かったなぁと思いました。ヒロインドアマットにしなくても面白い作品は面白いんですよね。永江さんの作文力?文章力?が素晴らしいと思いました。
また他の作品も(完結したら…)読ませていただきたいと思います。ありがとうございました。
感想ありがとうございます!励みになります。
何があっても守ってくれる兄がいて、我慢していれば離れない友人がいる環境は好ましくなくとも変わらない安心できるものだったアリスが恋や新たな友情によって自ら一歩踏み出し変わっていく物語でございました。途中、何が書きたいのかわからなくなって頓挫した作品ではございますが、アリスが動き出してくれたおかげで彼女の成長を書ききることができました。
王子はきっと親によって決められた結婚を嫌々ながらするのではないかと思います。それかアリスと同じように合う人と運命的出会いを果たして即結婚とかもありそうですね。兄は……まだまだ妹を見守っていくシスコンで生きていくのかなと(笑)
ドアマットヒロインも嫌いではないのですが、今までの不幸は全部この幸せのための試練だった!の結末に上手く持っていく自信も技量もないので少しの強さを持って前に一歩踏み出すヒロインを好んで書いています。
とーこ様にお楽しみいただけたのであれば幸いでございます。嬉しいお言葉の数々に感激しております。
また気が向いた時にでもふらりと足をお運びいだければ幸いです。
お読みいただきありがとうございました!
お疲れ様です(*^^*)やっぱりカイル大好きです🎵
感想ありがとうございます!励みになります。
引き続きカイルを好きだと言ってくださいましてありがとうございます^^
お疲れ様です😌💓完結作品で読んでみたら、引き込まれました。カイル推しです!好きすぎて他の誰かと幸せになるなんて😣考えたくない。完結なのに完結してほしくない作品でした。ありがとうございます。
感想ありがとうございます!励みになります。
カイルはちょっとサイコパス的な要素があるので好き嫌い分かれるキャラクターだとは思いますが、推していただけてとても嬉しいです^^
12月中に番外編としてカイルたちのその後についてアップさせていただきますので、もう暫くお待ちいただけますと幸いです^^
お読みいただきありがとうございました!
こんにちは。「著者近況」で完結されたと知り、一気読みさせていただきました。
最高でした!
読み始めはティーナにいいように使われるアリスにイライラしましたが。後の流れにとてもスッキリできました。ざまぁも爽快でここまでしっかりと書かれているのに感動しました。
他、アリスが狩猟を好まない、異常と考えているシーンを拝読し、申し訳ないのですが少し偽善的だなぁと感じたのですが、セシル誘拐時のアリスの卓越した射撃描写にハッとしました。なるほど…と腑に落ちました。
こちらで完結との事ですが。王子やカイル(結婚できるのか?)、ティーナ没落後の描写、ナディアと婚約者のその後、トランペットの黒幕は誰なのか…などが気になっています。あえて書かないことで想像の余地を与えるということなのかもしれませんが。作品がとても面白かったので、完結後皆がどうなったのかが気になりました。
特にカイルの個性はすごいです!
素晴らしい作品を公開いただき本当にありがとうございました。これからも作品も楽しみにしています。
ぬこ様、感想ありがとうございます!励みになります。
細かい所まで感想いただけてとても嬉しいです!
カイル、ティーナ、ナディアの話や黒幕発覚については後日談として書いていこうかと思っています。明日から連載予定の作品を書いてる合間に書いているので、とりあえず一度完結にして、書き上がったら後日談をアップさせていただこうかなと思っています^^
カイルは好き嫌い激しいキャラクターかなと思っていたので嬉しいです!
お付き合いいただき、感想までいただきありがとうございました!
これからも邁進して参りますので、気が向いたときにでも足をお運びいただけますと幸いです^^
ありがとうございました!
さいしんわのリオとの時間の話が昨日投稿されたものと同じです。
確認不足ですみません!
お知らせくださってありがとうございます!
投稿再開が本当に嬉しいです。永江さまの作品を見られるのが日々の癒やしです…。これからも陰ながら応援しています。
感想ありがとうございます!励みになります。
感想をいただいていたのに休止してしまい申し訳ございませんでした。
嬉しいお言葉ありがとうございます!
これからもたくさんの作品をお届けできるよう邁進してまいりますのでお付き合いいただけますと幸いです^^
また素敵な物語ですね。
まだ始まったばかりですけど、
早くもセシルとヴィンセルの二人から迫られている自称地味なアリス。
どちらと結ばれるんでしょう?
見た目と違って食べるの大好きなセシルかわいいなぁと思ってしまいます。
カイルのシスコンぶりも面白い。
これからどうお話が展開するか楽しみです。
感想ありがとうございます。励みになります!
私も書きながらどっちだろうとまだ迷っている状態で、そのうちタイトルが変わるかもしれません。
憧れのヴィンセルか、同級生のセシルか、それとも兄に従って一人か、まだ見ぬ第三者か。
これからまだまだ筆を進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。
永江さまの作品は、胸がぎゅっと苦しくなるような気持ちになってとても好きです。今回も楽しみにしています。
感想ありがとうございます。励みになります!
お言葉、とても嬉しいです。
まだ始まったばかりですが、彼らの歩む道を共に見守っていただけると幸いです。
筆を止めぬよう頑張りますね。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。