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告白
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「さ、先のことまで、考えて……しま……ぅ……」
先とは、と問いかけるほどハロルドは無粋な男ではない。ただ、頭の中ではニヤつきながら問いかける自分の姿が浮かんでいる。
「それで?」
優しい声での先の促しにユズリハが続ける。
「手を……繋いだら……次は、キス、で……そ、そうしたら……次……」
その先は夫婦だけの行為ではなく恋人でもする行為。だが、貴族令嬢たちは婚約者以外とは許されないため純潔を守る。純潔であることが絶対条件という貴族もいる以上、母親は常に監視の目を置いているのだが、誰しも興味がある。だから親の目を盗んで馬車の中で致すこともある。
貴族令嬢ではないユズリハも同じなのだろう。キスの先に待つのがなんなのかを知っているからこそ緊張してしまう。
和の国の女は夫に尽くすもの。そう言っていた。
どこまで尽くせるのか心配しているのだろうかと思うとハロルドの胸がむずむずする。そんな心配する必要はないと強く抱きしめて口を開いたハロルドだが、次いだユズリハの言葉に固まった。
「……子供も作れぬわらわに期待されておると思うと……申し訳ない」
緊張しているのは何も知らない自分がどこまで尽くせるか、ではなく、その先の断り方を考えて、だった。
よく見ると顔は赤らんでいない。先の行為を想像して緊張しているわけではないとわかる。
どうしてこうも上手く気持ちが交わらないのだろうと寂しさと悔しさに唇を噛み締める。
「僕はお前に子供なんて期待してない。子供なんてできなくてもいいと思ってる。将来できるかもしれないって期待してるんじゃなくて、ヘインズ家の跡取りは兄さんが作るから僕は子供がいなくてもいいんだ」
「親になりとうないのか? 子はかすがいと言うではないか。宝ぞ」
「かすがいが何かを僕は知らないし、宝物は一つでいい。僕はお前を僕の人生で唯一の宝物だと思ってるし、お前が離れないでいてくれればそれでいい」
嬉しい言葉にユズリハが大きく息を吸い込んだ。そして唇を噛み締める。
「なんで僕が笑うと思ったんだ?」
「……考えすぎと、いつかはできると笑われるのではないかと思うた」
「ひどくないか? お前が子供ができないことは会ったときに聞いてるし、お前を追い詰めるようなことをするつもりはなかった」
「こんな身体ですまぬ……。お前様に我が子を抱かせてやれぬ……」
なぜたった十五歳で人を親にできないことで泣かなければならないのか。なぜそんなことに罪悪感を抱かなければならないのか。
子供たちが往来を縦横無尽に走り回っていても誰も注意をするどころか品がないと嫌悪している様子もなかった。皆が笑顔で「元気だな」と声をかけたり見守っていた。
声を上げながら走ることが当たり前の国で育ったユズリハは部屋から見える当たり前の光景をどういう思いで見ていたのだろう。自分はあの光景の一部にはなれないと思っていたのだろうか。
「泣くことないだろ。僕は親になる自信がない。子供を作れと急かされることは嫌だし、これはお祖父様にもちゃんと話をする。だからお前は何も心配しなくていいし、申し訳ないと思う必要もない」
「じゃが……」
「誰もが子供が好きなわけじゃないし、誰もが親になりたいわけじゃない。子供が産めない女性がいることも、親になりたくない人間がいることもおかしなことじゃない。だからもう二度と子供を作れない自分に、なんて言うな。お前の価値は子供を産めないからって下がるわけじゃない。二人だけの生涯が悪いって誰が決めた? 法則でもあるのか?」
「ない……」
「じゃあ断言できないな」
ハロルドの中で膨らみすぎた愛情が惜しみなく言葉となってユズリハに注がれる。
子供が産めない女はいらない。どこの国でもそうだと思っていた。母親は身体が強いほうではなかったが、子供を三人も立派に産み育てた。
姉も既に子供がいる。兄はまだ婚約者を見つけるつもりもないららしいが、子供をたくさん産める女性がいいと希望している。きっと子沢山になるだろう。それなのに自分だけが子供を産めない。
それなのにハロルドはそれを責めることもせず二人でいいと言ってくれる。唇を噛んでいた嗚咽が堰を切ったように漏れ始めた。
「僕としてはお前が子供が作れないからって気に病むより、その先を期待してしまうからって言ってくれるほうがずっと嬉しいけどな」
うなじにチュッと音を立ててキスをするとユズリハが大袈裟なほど背を反らす。
何が起こったのかわからず驚いた顔で振り向くユズリハの顔は涙に濡れていて、数回瞬きを繰り返すとその度に涙が溢れた。
「な、何をするのじゃ……」
怪訝な顔をするユズリハにハロルドは軽く両手を上げる。
「ごめん。そこまで驚くとは思ってなくて……」
「変なところにするでない!」
ハロルドはふと気になった。和の国の情事はどういうものなのだろうと。
キスの次が子作りであることを知っているということはそれなりに知識はついているということ。それなのに、うなじへのキスぐらい普通だろうことに大袈裟な反応を見せる。
誰に、どういうことを、どういう風に学んだのか知りたくなった。
「お前が子供を作れないことは僕にとってはどうでもいいことだけど、スキンシップはしたいし、子作り関係なくお前を抱きたい」
首からその上が一気に真っ赤に染まるユズリハは四つん這いで部屋の隅まで虫のような速さで逃げていく。
「な、何を言うのじゃ!」
「そこは頷いてくれるのが理想だったんだけどな」
「こ、ここはわらわの部屋ぞ!」
赤くなるユズリハを見るとハロルドはどうにも意地悪をしたくなってしまう。
「だから?」
立ち上がって一歩踏み出すと障子に背中を押し付けてガタガタと音を鳴らす。
ユズリハの前に辿り着くにはあと三歩。
「まだ宴の準備中だろ?」
もう一歩踏み出すと震える後ろ手で縦に入っている組子を探すも外にしかなく、横枠である竪桟に手が当たるも上手く掴めない。横に引くためには身体を動かさなけれならないのだが、身体は後ろに動くばかり。
「なんで逃げるんだ?」
「か、顔が怖い! 目が怖い!」
ついニヤついてしまう。
うなじにキスをしただけでここまで拒絶反応を見せられると若干のショックは否めないが、それでもハロルドは笑顔になる。
気にしないと伝えることも抱きたいと伝えることもできた。ユズリハの中にちゃんと残っているだろうから、性格的に考えないわけがない。
「怖がりすぎだろ。僕はひどい男じゃないぞ」
「まだ早い! 何事にも順序がある!」
「手も繋いだし、デートもしたし、キスもした。夫婦の書類にサインもした。他にどんな手順を踏めと?」
もう一歩踏み出すとユズリハが反対側に手を伸ばして竪浅を掴んで障子を開けて廊下に飛び出そうとしたのよりも先にハロルドが手を掴んで阻止する。
にっこりと笑顔を見せたハロルドに目を見開きながらも引っ張られることで観念したのか、抵抗はしなかった。
障子を閉めろとのジェスチャーを受けて開けたばかりの障子を閉めて部屋の中央へと移動する。
「わ、わらわはまだ成長段階にある」
「十五歳だしな」
「よ、よって、成長しきるまで待つのが道理」
ハロルドが首を傾げる。
「一つの物事に対して道理って言葉を使うと今後ややこしくなるぞ」
「うぐ……」
自分から使ってしまうと相手が使っても矛盾を指摘できなくなってしまう。父親や兄に論破されることが多かったユズリハは基本的に自分が不利になるような言葉は使わないようにとの教えを守って会話をしてきたが、焦りのあまり使ってしまった。
「夫婦としての道理を僕も言おうか?」
こう言われてしまうと異議ありとは言えなくなる。
「和の国の人間の背が低いのは今日見てわかったから別に気にしないぞ。コンパクトでいいじゃないか」
「なんじゃ、その言い方は。旅行鞄に詰めるわけではないのじゃぞ」
「火事になっても片手で運べる」
「もっと言い方ないのか?」
一気に不愉快そうな表情へと変わったユズリハに謝ってからその場に胡座をかいて首を傾げる。
「他に何が問題なんだ?」
上から下まで見ても問題がありそうには見えない。
「……聞いてくれるな」
「待てと言った本人が隠すのか?」
的確な指摘にユズリハの視線が泳ぐ。
「き、今日は何故そこまで詰めるのじゃ?」
「そういう話題になったときにちゃんと話しておきたい。お前はすぐに誤魔化すし。夫婦にとっては大事なことだろ?」
「そ、そうじゃが……」
「教えてくれ」
この話題から逃げるために言ったことだったが、それがまさか余計に詰められる話になるとは思っていなかった。
最近のハロルドは会話に積極的で、以前なら誤魔化しても納得していたのだが、最近はそうもいかない。
見通しが甘かったと苦笑しながら深呼吸を繰り返すユズリハが意を決したように拳を握ってハロルドに膝立ちで近付く。
ハグかと勘違いして手を伸ばすも緩く払われた。
口元に手を添えながら顔を寄せてくるユズリハに合わせてハロルドも耳を近付ける。
ゴニョゴニョと伝えられたユズリハが気にしていることを聞いたハロルドは数回目を瞬かせたあと、何か面白いことでも聞いたかのように大笑いし始めた。
笑うなと怒られようとハロルドの笑い声は宴の指示を出しているダイゴロウたちにまで聞こえ、仲良くしているとわかる笑い声につられて笑う。
ハロルドの笑いは床に倒れ「苦しい」と自分で訴えるほど続き、額を叩かれても止まることはなかった。
先とは、と問いかけるほどハロルドは無粋な男ではない。ただ、頭の中ではニヤつきながら問いかける自分の姿が浮かんでいる。
「それで?」
優しい声での先の促しにユズリハが続ける。
「手を……繋いだら……次は、キス、で……そ、そうしたら……次……」
その先は夫婦だけの行為ではなく恋人でもする行為。だが、貴族令嬢たちは婚約者以外とは許されないため純潔を守る。純潔であることが絶対条件という貴族もいる以上、母親は常に監視の目を置いているのだが、誰しも興味がある。だから親の目を盗んで馬車の中で致すこともある。
貴族令嬢ではないユズリハも同じなのだろう。キスの先に待つのがなんなのかを知っているからこそ緊張してしまう。
和の国の女は夫に尽くすもの。そう言っていた。
どこまで尽くせるのか心配しているのだろうかと思うとハロルドの胸がむずむずする。そんな心配する必要はないと強く抱きしめて口を開いたハロルドだが、次いだユズリハの言葉に固まった。
「……子供も作れぬわらわに期待されておると思うと……申し訳ない」
緊張しているのは何も知らない自分がどこまで尽くせるか、ではなく、その先の断り方を考えて、だった。
よく見ると顔は赤らんでいない。先の行為を想像して緊張しているわけではないとわかる。
どうしてこうも上手く気持ちが交わらないのだろうと寂しさと悔しさに唇を噛み締める。
「僕はお前に子供なんて期待してない。子供なんてできなくてもいいと思ってる。将来できるかもしれないって期待してるんじゃなくて、ヘインズ家の跡取りは兄さんが作るから僕は子供がいなくてもいいんだ」
「親になりとうないのか? 子はかすがいと言うではないか。宝ぞ」
「かすがいが何かを僕は知らないし、宝物は一つでいい。僕はお前を僕の人生で唯一の宝物だと思ってるし、お前が離れないでいてくれればそれでいい」
嬉しい言葉にユズリハが大きく息を吸い込んだ。そして唇を噛み締める。
「なんで僕が笑うと思ったんだ?」
「……考えすぎと、いつかはできると笑われるのではないかと思うた」
「ひどくないか? お前が子供ができないことは会ったときに聞いてるし、お前を追い詰めるようなことをするつもりはなかった」
「こんな身体ですまぬ……。お前様に我が子を抱かせてやれぬ……」
なぜたった十五歳で人を親にできないことで泣かなければならないのか。なぜそんなことに罪悪感を抱かなければならないのか。
子供たちが往来を縦横無尽に走り回っていても誰も注意をするどころか品がないと嫌悪している様子もなかった。皆が笑顔で「元気だな」と声をかけたり見守っていた。
声を上げながら走ることが当たり前の国で育ったユズリハは部屋から見える当たり前の光景をどういう思いで見ていたのだろう。自分はあの光景の一部にはなれないと思っていたのだろうか。
「泣くことないだろ。僕は親になる自信がない。子供を作れと急かされることは嫌だし、これはお祖父様にもちゃんと話をする。だからお前は何も心配しなくていいし、申し訳ないと思う必要もない」
「じゃが……」
「誰もが子供が好きなわけじゃないし、誰もが親になりたいわけじゃない。子供が産めない女性がいることも、親になりたくない人間がいることもおかしなことじゃない。だからもう二度と子供を作れない自分に、なんて言うな。お前の価値は子供を産めないからって下がるわけじゃない。二人だけの生涯が悪いって誰が決めた? 法則でもあるのか?」
「ない……」
「じゃあ断言できないな」
ハロルドの中で膨らみすぎた愛情が惜しみなく言葉となってユズリハに注がれる。
子供が産めない女はいらない。どこの国でもそうだと思っていた。母親は身体が強いほうではなかったが、子供を三人も立派に産み育てた。
姉も既に子供がいる。兄はまだ婚約者を見つけるつもりもないららしいが、子供をたくさん産める女性がいいと希望している。きっと子沢山になるだろう。それなのに自分だけが子供を産めない。
それなのにハロルドはそれを責めることもせず二人でいいと言ってくれる。唇を噛んでいた嗚咽が堰を切ったように漏れ始めた。
「僕としてはお前が子供が作れないからって気に病むより、その先を期待してしまうからって言ってくれるほうがずっと嬉しいけどな」
うなじにチュッと音を立ててキスをするとユズリハが大袈裟なほど背を反らす。
何が起こったのかわからず驚いた顔で振り向くユズリハの顔は涙に濡れていて、数回瞬きを繰り返すとその度に涙が溢れた。
「な、何をするのじゃ……」
怪訝な顔をするユズリハにハロルドは軽く両手を上げる。
「ごめん。そこまで驚くとは思ってなくて……」
「変なところにするでない!」
ハロルドはふと気になった。和の国の情事はどういうものなのだろうと。
キスの次が子作りであることを知っているということはそれなりに知識はついているということ。それなのに、うなじへのキスぐらい普通だろうことに大袈裟な反応を見せる。
誰に、どういうことを、どういう風に学んだのか知りたくなった。
「お前が子供を作れないことは僕にとってはどうでもいいことだけど、スキンシップはしたいし、子作り関係なくお前を抱きたい」
首からその上が一気に真っ赤に染まるユズリハは四つん這いで部屋の隅まで虫のような速さで逃げていく。
「な、何を言うのじゃ!」
「そこは頷いてくれるのが理想だったんだけどな」
「こ、ここはわらわの部屋ぞ!」
赤くなるユズリハを見るとハロルドはどうにも意地悪をしたくなってしまう。
「だから?」
立ち上がって一歩踏み出すと障子に背中を押し付けてガタガタと音を鳴らす。
ユズリハの前に辿り着くにはあと三歩。
「まだ宴の準備中だろ?」
もう一歩踏み出すと震える後ろ手で縦に入っている組子を探すも外にしかなく、横枠である竪桟に手が当たるも上手く掴めない。横に引くためには身体を動かさなけれならないのだが、身体は後ろに動くばかり。
「なんで逃げるんだ?」
「か、顔が怖い! 目が怖い!」
ついニヤついてしまう。
うなじにキスをしただけでここまで拒絶反応を見せられると若干のショックは否めないが、それでもハロルドは笑顔になる。
気にしないと伝えることも抱きたいと伝えることもできた。ユズリハの中にちゃんと残っているだろうから、性格的に考えないわけがない。
「怖がりすぎだろ。僕はひどい男じゃないぞ」
「まだ早い! 何事にも順序がある!」
「手も繋いだし、デートもしたし、キスもした。夫婦の書類にサインもした。他にどんな手順を踏めと?」
もう一歩踏み出すとユズリハが反対側に手を伸ばして竪浅を掴んで障子を開けて廊下に飛び出そうとしたのよりも先にハロルドが手を掴んで阻止する。
にっこりと笑顔を見せたハロルドに目を見開きながらも引っ張られることで観念したのか、抵抗はしなかった。
障子を閉めろとのジェスチャーを受けて開けたばかりの障子を閉めて部屋の中央へと移動する。
「わ、わらわはまだ成長段階にある」
「十五歳だしな」
「よ、よって、成長しきるまで待つのが道理」
ハロルドが首を傾げる。
「一つの物事に対して道理って言葉を使うと今後ややこしくなるぞ」
「うぐ……」
自分から使ってしまうと相手が使っても矛盾を指摘できなくなってしまう。父親や兄に論破されることが多かったユズリハは基本的に自分が不利になるような言葉は使わないようにとの教えを守って会話をしてきたが、焦りのあまり使ってしまった。
「夫婦としての道理を僕も言おうか?」
こう言われてしまうと異議ありとは言えなくなる。
「和の国の人間の背が低いのは今日見てわかったから別に気にしないぞ。コンパクトでいいじゃないか」
「なんじゃ、その言い方は。旅行鞄に詰めるわけではないのじゃぞ」
「火事になっても片手で運べる」
「もっと言い方ないのか?」
一気に不愉快そうな表情へと変わったユズリハに謝ってからその場に胡座をかいて首を傾げる。
「他に何が問題なんだ?」
上から下まで見ても問題がありそうには見えない。
「……聞いてくれるな」
「待てと言った本人が隠すのか?」
的確な指摘にユズリハの視線が泳ぐ。
「き、今日は何故そこまで詰めるのじゃ?」
「そういう話題になったときにちゃんと話しておきたい。お前はすぐに誤魔化すし。夫婦にとっては大事なことだろ?」
「そ、そうじゃが……」
「教えてくれ」
この話題から逃げるために言ったことだったが、それがまさか余計に詰められる話になるとは思っていなかった。
最近のハロルドは会話に積極的で、以前なら誤魔化しても納得していたのだが、最近はそうもいかない。
見通しが甘かったと苦笑しながら深呼吸を繰り返すユズリハが意を決したように拳を握ってハロルドに膝立ちで近付く。
ハグかと勘違いして手を伸ばすも緩く払われた。
口元に手を添えながら顔を寄せてくるユズリハに合わせてハロルドも耳を近付ける。
ゴニョゴニョと伝えられたユズリハが気にしていることを聞いたハロルドは数回目を瞬かせたあと、何か面白いことでも聞いたかのように大笑いし始めた。
笑うなと怒られようとハロルドの笑い声は宴の指示を出しているダイゴロウたちにまで聞こえ、仲良くしているとわかる笑い声につられて笑う。
ハロルドの笑いは床に倒れ「苦しい」と自分で訴えるほど続き、額を叩かれても止まることはなかった。
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