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彼が持つ過去2
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「腕が上がらなくなるまで人を殴ったのはそれが最初で最後……いや、最後とは言いきれねぇな。まだこれからもあるかもしれねぇし」
目を見つめたまま言うジンに肌が粟立つ。
「誰かのために必死になるとバカを見る。俺の人生だけは誰にも奪わせねぇ。使える物は全部使った。でも俺は経験してわかったんだよ。大丈夫ってのは弱者が吐く言葉だってな」
「お兄さんはアンタに心配かけたくなかったからそう言ったんだ」
「何もしてくれなかったけどな。結局は殺されて地面に転がされて汚物と一緒に燃やされただけじゃねぇか。もっと早くヤバい奴らだって教えてくれりゃあ逃げられた。逃げろって言ってくれてれば俺まで犠牲者にならずに済んだんだよ。自分がいなくなったら弟が第二の犠牲者になることぐらいバカでもわかんだろうが。何が大丈夫だ。何が心配するなだ。何が将来だ。何が一緒に暮らせる日はすぐそこだ、だよ! 金なんざ渡しゃよかっただろうが! 渡して逃げ出しゃよかったんだ! アイツらが寝てる間に逃げ出して俺の手ぇ引いて逃げてくれりゃあ……」
いつも威張り倒しているジンが向けた背中はどこか小さく見えた。兄の行動を否定しながらもジンの心の中には消えない後悔が山のようにあり、いつまでも幼い自分の鈍さを悔やんでいる。
ジンのことは好きじゃない。ジルヴァを脅し、乱暴に扱っていた。ディルは脅されもしたが、結局は自分でこの道を選んだ。でも十歳十一歳のジンには選べなかった。兄と一緒に貰われて行くことも兄の嘘に気付くことも兄の手を取って逃げ出すことも。それは「無力だった。当然だ」では済まされないもので、きっと生涯彼の中に残り続けるであろう巨大な後悔。それを抱え続けているジンがフーッと何度も大きく息を吐き出すことで十歳の頃の自分が泣き出すのを堪えているように見えた。
「ッ!?」
急に頭に乗せられた手にジンが大きく肩を跳ねさせて驚いた顔で振り返った。ディルの手が乗っていた。
「何すんだよ!」
勢いよく振り払われた手を小さく揺らすディルもなぜそうしたのかはわからない。ジンは大人だ。ジルヴァと変わらないぐらいだろう。だが、ディルには背中を向けたジンの姿に子供の頃のジンが重なって見えた。十歳のジンなど知らない。ジルヴァと同い年であればその頃ディルはまだ生まれてもいない。だから知るはずもないのだが、確かに見えた。幼いジンが膝を抱えて泣き震えている姿が。それを放っておけなくて歩み寄り頭を撫でた。いつもジルヴァがそうしてくれたように。
「お兄さんは最後まで希望を捨てたくなかったんだと思う」
「なんだよ……」
ディルの言葉にジンの睨みが強くなる。
「お兄さんの夢はアンタと一緒に暮らすこと。きっと死ぬほど苦しかったし辛かったと思う。でも夢があったから全てに耐えられた。この家を出れば全て変わる。安全な場所で暮らせば人生は必ず良くなる。大丈夫だって言い聞かせることでまた一歩を踏み出せたんだよ。この地獄が終わる日は必ず来るって信じてたから」
「ッ……お前は……マジで……」
「お前の兄貴に似てるだろ」
ジルヴァの声に振り向いたディルがもう一度ジンを見ると同時に突き飛ばされた。ジルヴァに殴られたジンのように吹き飛ぶことはしなかったが、身体が強く傾いたのをジルヴァが片腕で受け止める。
「お前はやっぱ壊しとくべきだった……」
怒りに震わせる声に反応したのはディルではなくジルヴァ。
「でも壊せなかった。過去を捨て去ることができねぇテメーにできるわけねぇだろ。コイツはジュードによく似てる。コイツも根っからの兄ちゃんだからな」
マダムシンディは人を壊すことを得意としていることはジョージとティニーから聞いた。すぐに壊してしまうと。それを知っていたからジンは壊すなと言った。壊したい気持ちがありながらもそうできなかった。
「妹はお前が困ってるとき助けねぇかもしれねぇぞ」
絞り出すような声から感じる怒気を受けながらディルは頷く。
「助けてもらおうなんて思わない。妹の人生は妹のものだ。オレの問題に巻き込むわけにはいかない」
「妹はお前を見捨てるかもな! 知らないよって吐き捨てるように言って昔守ってもらった恩も忘れてるかもしれないぜ! いや、守ってもらってたことにさえ気付かないままかもな!」
「それでいい。恩なんて感じる必要はない。オレは兄ちゃんだから妹を守る義務がある。稼いで、安全な場所で安心に暮らさせるのが使命だ。だからオレはそのために金を稼いでる」
「お前が大金持ってるって知ったら目の色変えちまうかもしれねぇぞ。あれもこれもなんて欲出してお前が稼いだ金を湯水の如く使っちまうかもしれねぇなァ!」
「そうかもしれない。でも、もしそうなってもいいんだ。アイツらはこの十一年間ずっと我慢の連続だった。今でもそうだ。本当はもっとわがままを言いたかったはずなのにどんなときも行ってらっしゃいって笑顔で送り出してくれた。だからもしアイツらが貯まってる金を見て湯水の如く使ってもオレはそれを止めない。アイツらにはそうする権利があるから」
そんな奴らじゃないと擁護するのではなく妹たちがすることを全て受け入れようとするディルはまさに兄と同じだった。どんな悪戯をしても、どんなわがままを言っても兄は笑って許してくれた。理不尽に怒ったときでさえ兄は『兄ちゃんが悪かったよ』と言って頭を撫でてくれた。
「お前はコイツが妹を捨てて逃げ出すとこが見たかった。でも見たくなかった。だから逃げ出さなかったコイツの妹をお前が守ってた。だろ?」
ディルもそれは感じていた。脅して金を稼がせる商品とだけ見ているのであればわざわざ妹を守る必要はない。それなのにジンはディルの家周辺を自分のテリトリーとし、周りから人を遠ざけた。そのおかげで妹たちは少しだけ安心して眠ることができていた。その理由がずっとわからなかったが、今ようやく腑に落ちた。
「勝手に知ったように語ってんじゃねぇぞ! 兄貴は弱いから死んだだけだ! 弱い者は淘汰されるのがこの世の中だ! オレがコイツの妹を守ってた? 何勝手に勘違いしてんだよ! 頭の中花畑でできてんのか!? バッカじゃねぇの! んなわけねぇだろ!」
ジンの反論の仕方はまるで子供のようで、ディルはいつものように彼の怒声を腹立たしく感じることはなかった。
「でもアンタのおかげで妹の周りからクズが消えた」
「人質にしてただけだ! お前が逃げ出さねぇようにな!」
「オレが逃げ出すとこが見たかったんだろ?」
「このクソ女が勝手に言ってるだけだ!」
「お前が言ってたんじゃねぇか」
「うるせぇ黙れッ!」
ディルがジンと契約したあとも二人は会って何かを話していたのだろう。実際はジンも約束など守っていなかったかもしれない。ジルヴァはそういうことを表には出さないし、ディルも自分のことでいっぱいいっぱいだったため注意深くジルヴァを見ることはできなかった。二人が会って何かしていてもきっと気付きはしなかった。でも、ディルは確信していた。ジンは約束は破っていない。話をしただけだと。
今回のこともそうだ。太客で縁を切りたくないと言うのなら屈強な部下を連れて強制的にマダムの家へと連行すればいいだけのこと。それをせずわざわざペナルティがどうのと話に来た時点で彼が無慈悲な人間ではないことがわかる。腐っても、というタイプの人間だと確信する。
「俺に生意気言うんじゃねぇ! 親見殺しにしたことバラされてぇのか!? 今すぐ人生終わりにしてやってもいいんだぞ! 妹にバラせば妹はどんな顔するだろうな? お前が必死に守ってきた存在がお前を軽蔑するんだぞ! 必死で稼いだ金を汚いと罵りながらお前を嫌悪するんだ! それでもいいのか!? お前のこと一年が丸ごとムダになっちまうんだぞ!」
「いいよ」
ハッキリ聞こえた言葉にジンが固まる。
「は……?」
ディルはずっと怯えていた。二度とジルヴァに手を出さないことを条件とした身売りだったが、母親を見殺しにした人間であることをバラされたくないと言う思いが強かった。それなのに今のディルはもう全てを暴露する覚悟があるようだった。
目を見つめたまま言うジンに肌が粟立つ。
「誰かのために必死になるとバカを見る。俺の人生だけは誰にも奪わせねぇ。使える物は全部使った。でも俺は経験してわかったんだよ。大丈夫ってのは弱者が吐く言葉だってな」
「お兄さんはアンタに心配かけたくなかったからそう言ったんだ」
「何もしてくれなかったけどな。結局は殺されて地面に転がされて汚物と一緒に燃やされただけじゃねぇか。もっと早くヤバい奴らだって教えてくれりゃあ逃げられた。逃げろって言ってくれてれば俺まで犠牲者にならずに済んだんだよ。自分がいなくなったら弟が第二の犠牲者になることぐらいバカでもわかんだろうが。何が大丈夫だ。何が心配するなだ。何が将来だ。何が一緒に暮らせる日はすぐそこだ、だよ! 金なんざ渡しゃよかっただろうが! 渡して逃げ出しゃよかったんだ! アイツらが寝てる間に逃げ出して俺の手ぇ引いて逃げてくれりゃあ……」
いつも威張り倒しているジンが向けた背中はどこか小さく見えた。兄の行動を否定しながらもジンの心の中には消えない後悔が山のようにあり、いつまでも幼い自分の鈍さを悔やんでいる。
ジンのことは好きじゃない。ジルヴァを脅し、乱暴に扱っていた。ディルは脅されもしたが、結局は自分でこの道を選んだ。でも十歳十一歳のジンには選べなかった。兄と一緒に貰われて行くことも兄の嘘に気付くことも兄の手を取って逃げ出すことも。それは「無力だった。当然だ」では済まされないもので、きっと生涯彼の中に残り続けるであろう巨大な後悔。それを抱え続けているジンがフーッと何度も大きく息を吐き出すことで十歳の頃の自分が泣き出すのを堪えているように見えた。
「ッ!?」
急に頭に乗せられた手にジンが大きく肩を跳ねさせて驚いた顔で振り返った。ディルの手が乗っていた。
「何すんだよ!」
勢いよく振り払われた手を小さく揺らすディルもなぜそうしたのかはわからない。ジンは大人だ。ジルヴァと変わらないぐらいだろう。だが、ディルには背中を向けたジンの姿に子供の頃のジンが重なって見えた。十歳のジンなど知らない。ジルヴァと同い年であればその頃ディルはまだ生まれてもいない。だから知るはずもないのだが、確かに見えた。幼いジンが膝を抱えて泣き震えている姿が。それを放っておけなくて歩み寄り頭を撫でた。いつもジルヴァがそうしてくれたように。
「お兄さんは最後まで希望を捨てたくなかったんだと思う」
「なんだよ……」
ディルの言葉にジンの睨みが強くなる。
「お兄さんの夢はアンタと一緒に暮らすこと。きっと死ぬほど苦しかったし辛かったと思う。でも夢があったから全てに耐えられた。この家を出れば全て変わる。安全な場所で暮らせば人生は必ず良くなる。大丈夫だって言い聞かせることでまた一歩を踏み出せたんだよ。この地獄が終わる日は必ず来るって信じてたから」
「ッ……お前は……マジで……」
「お前の兄貴に似てるだろ」
ジルヴァの声に振り向いたディルがもう一度ジンを見ると同時に突き飛ばされた。ジルヴァに殴られたジンのように吹き飛ぶことはしなかったが、身体が強く傾いたのをジルヴァが片腕で受け止める。
「お前はやっぱ壊しとくべきだった……」
怒りに震わせる声に反応したのはディルではなくジルヴァ。
「でも壊せなかった。過去を捨て去ることができねぇテメーにできるわけねぇだろ。コイツはジュードによく似てる。コイツも根っからの兄ちゃんだからな」
マダムシンディは人を壊すことを得意としていることはジョージとティニーから聞いた。すぐに壊してしまうと。それを知っていたからジンは壊すなと言った。壊したい気持ちがありながらもそうできなかった。
「妹はお前が困ってるとき助けねぇかもしれねぇぞ」
絞り出すような声から感じる怒気を受けながらディルは頷く。
「助けてもらおうなんて思わない。妹の人生は妹のものだ。オレの問題に巻き込むわけにはいかない」
「妹はお前を見捨てるかもな! 知らないよって吐き捨てるように言って昔守ってもらった恩も忘れてるかもしれないぜ! いや、守ってもらってたことにさえ気付かないままかもな!」
「それでいい。恩なんて感じる必要はない。オレは兄ちゃんだから妹を守る義務がある。稼いで、安全な場所で安心に暮らさせるのが使命だ。だからオレはそのために金を稼いでる」
「お前が大金持ってるって知ったら目の色変えちまうかもしれねぇぞ。あれもこれもなんて欲出してお前が稼いだ金を湯水の如く使っちまうかもしれねぇなァ!」
「そうかもしれない。でも、もしそうなってもいいんだ。アイツらはこの十一年間ずっと我慢の連続だった。今でもそうだ。本当はもっとわがままを言いたかったはずなのにどんなときも行ってらっしゃいって笑顔で送り出してくれた。だからもしアイツらが貯まってる金を見て湯水の如く使ってもオレはそれを止めない。アイツらにはそうする権利があるから」
そんな奴らじゃないと擁護するのではなく妹たちがすることを全て受け入れようとするディルはまさに兄と同じだった。どんな悪戯をしても、どんなわがままを言っても兄は笑って許してくれた。理不尽に怒ったときでさえ兄は『兄ちゃんが悪かったよ』と言って頭を撫でてくれた。
「お前はコイツが妹を捨てて逃げ出すとこが見たかった。でも見たくなかった。だから逃げ出さなかったコイツの妹をお前が守ってた。だろ?」
ディルもそれは感じていた。脅して金を稼がせる商品とだけ見ているのであればわざわざ妹を守る必要はない。それなのにジンはディルの家周辺を自分のテリトリーとし、周りから人を遠ざけた。そのおかげで妹たちは少しだけ安心して眠ることができていた。その理由がずっとわからなかったが、今ようやく腑に落ちた。
「勝手に知ったように語ってんじゃねぇぞ! 兄貴は弱いから死んだだけだ! 弱い者は淘汰されるのがこの世の中だ! オレがコイツの妹を守ってた? 何勝手に勘違いしてんだよ! 頭の中花畑でできてんのか!? バッカじゃねぇの! んなわけねぇだろ!」
ジンの反論の仕方はまるで子供のようで、ディルはいつものように彼の怒声を腹立たしく感じることはなかった。
「でもアンタのおかげで妹の周りからクズが消えた」
「人質にしてただけだ! お前が逃げ出さねぇようにな!」
「オレが逃げ出すとこが見たかったんだろ?」
「このクソ女が勝手に言ってるだけだ!」
「お前が言ってたんじゃねぇか」
「うるせぇ黙れッ!」
ディルがジンと契約したあとも二人は会って何かを話していたのだろう。実際はジンも約束など守っていなかったかもしれない。ジルヴァはそういうことを表には出さないし、ディルも自分のことでいっぱいいっぱいだったため注意深くジルヴァを見ることはできなかった。二人が会って何かしていてもきっと気付きはしなかった。でも、ディルは確信していた。ジンは約束は破っていない。話をしただけだと。
今回のこともそうだ。太客で縁を切りたくないと言うのなら屈強な部下を連れて強制的にマダムの家へと連行すればいいだけのこと。それをせずわざわざペナルティがどうのと話に来た時点で彼が無慈悲な人間ではないことがわかる。腐っても、というタイプの人間だと確信する。
「俺に生意気言うんじゃねぇ! 親見殺しにしたことバラされてぇのか!? 今すぐ人生終わりにしてやってもいいんだぞ! 妹にバラせば妹はどんな顔するだろうな? お前が必死に守ってきた存在がお前を軽蔑するんだぞ! 必死で稼いだ金を汚いと罵りながらお前を嫌悪するんだ! それでもいいのか!? お前のこと一年が丸ごとムダになっちまうんだぞ!」
「いいよ」
ハッキリ聞こえた言葉にジンが固まる。
「は……?」
ディルはずっと怯えていた。二度とジルヴァに手を出さないことを条件とした身売りだったが、母親を見殺しにした人間であることをバラされたくないと言う思いが強かった。それなのに今のディルはもう全てを暴露する覚悟があるようだった。
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