十歳で運命の相手を見つけた少年は小さな幸せを夢見る

永江寧々

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世界で一番幸せな

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「じゃあオレ、ミーナとシーナ迎えに行ってくるから!」

 看板をCloseにしたディルがコックコートを脱いで裏口から出ようとドアノブに手をかけたが、まだ力を入れていないドアノブが勝手に回った。
 メンバーは全員いると目で確認してすぐドアが開かないように引っ張り、瞬時に鍵をかけた。

「誰がいる……」

 今日だけは何も面倒なことは起こらないでくれと願っているディルにとってその訪問者が誰なのか知るのが怖い。マダムだったらどうしよう。ジョージやティニーだったらどうしようと不安になる。
 だがその不安はドアを叩く人物の声によって吹き飛んだ。

「ちょっとー! なんで閉めるのー! 開けてよー!」
「……シーナ?」

 聞き慣れた声に慌てて鍵を開けるとすぐにドアが開いた。

「もー! びっくりさせようとしたのになんで閉めるの!」
「こんなにか弱い女の子放り出して何かあったらどうするつもり?」

 なぜここにいるんだと慌てるディルが二人の手を引いて中に入れる。戸惑いの中にある怒りを感じ取った二人は慌ててオージたちの後ろに隠れて顔だけ覗かせる。

「夜はお兄ちゃんが迎えに行くまで外に出ちゃダメだって言っ……え?」

 お説教をするうるさい口を塞ぐように店の明かりが落ちた。停電かと慌てるディルの耳に聞こえ始めた歌。

「ハッピバースデートゥーユー」

 奥から淡い光と共に運ばれてきたのがケーキだとわかると目を瞬かせる。オージの後ろからクスクスと聞こえる妹二人の笑い声。

「お兄ちゃん、消して消して!」
「力いっぱい吹いて消すんだよ!」

 目の前までケーキを運んできたジルヴァと目が合う。

「願い事込めて吹き消せ」

 目を閉じ、叶えたい願いを思い浮かべて十六本立っている火に息を吹きかけて消していく。最後の一本がフッと消えると代わりに店の明かりがついた。

「これ……」

 明かりの下で見るケーキはお世辞にも美しいとは言えないもので、素人が作ったようなケーキに見える。ミーナとシーナが寄ってきて二人一緒に腰に手を当てて胸を張り「愛情たっぷりケーキだよ」と言った。

「ミーナとシーナが作ったの?」
「そう! すごいでしょ!」
「皆に手伝ってもらったけどね」

 本当に手伝ってもらっただけなのだろう。見た目は彼らの手が入っているとは思えないものだが、一生懸命ケーキとして仕上げようとしたのが歪でも伝わってくる。もっと手を貸してもらうことはできたが、そうしなかったのは兄の十六歳の誕生日に出すケーキを自分たちの手で作りたかったから。必死に働いてくれている兄のために妹としてできることをしたかった。

「いつの間に?」

 家にケーキを焼く設備はない。かといってここには来ていなかった。疑問にまみれた顔をするディルに二人が同時に二階を指差す。

「あ……」

 昼寝をしていた間かと納得しては再度二人を見る。してやったりと得意げな顔を見せる二人を見ると涙が浮かぶ。

「もー! 誕生日に泣いてどうすんのー!」
「お兄ちゃん泣き虫だもん」
「だって、皆に祝ってもらえて本当に幸せなんだ」

 こんなにも幸せでいいのだろうかと怖くなるほど幸せだった。朝から妹に一番におめでとうと祝ってもらい、職場でも祝ってもらって誕生日プレゼントまでもらい、約束を取り付け、夜はこうしてまた盛大に祝ってもらえる。想像もしていなかった幸せに胸がいっぱいになる。
 誕生日に涙は相応しくないとわかっているが止まらない。子供のように大口を開けて泣きじゃくりたい気分だった。

「おめでとう、お兄ちゃん」
「おめでとー!」
「二人ともありがとう」

 まだ十歳の二人を抱きしめるとしがみついてくる小さな身体。守らなければならない存在だと改めて認識する。

「ディル、立て立て! 俺らからもプレゼントがあるんだから!」
「そんなのいいのに」
「遠慮すんな! 渡すの楽しみにしてたんだからよ!」
「そ、そう? そう言ってもらえるのは嬉しいな」

 受け取るよと照れ混じりに立ち上がったディルに全員が悪い笑みを浮かべ、なぜか全員が手を後ろに回している。

「誕生日おめでとさん、ディル!」
「わぶッ!」

 大きな声で祝うと同時に顔に何か叩きつけられた。ベチョッとした音と感触にディルの思考が止まる。そのまま数秒待っていると顔に貼り付いた何かがズルッと落ちた。

「おめでとっさんッ!」
「んぶッ!」

 目を閉じているディルには何が起こっているのか、これがなんなのかわからず戸惑いの中にいるがジルヴァの笑い声にハッとする。顔についた何かを拭おうとしたディルの顔にまた遠慮なく押し付けられた。

「ちょちょっ! 待ってよ! 何これ!」
「俺らからの誕生日プレゼントだ」
「こんな誕生日プレゼントって……待って待って! もういいからッ! まだご飯食べてないのになんでこんなッ!」
「受け取れ受け取れ!」

 最後の一人まで続いたパイ投げから逃げることもできず全身で受け止めたディルが椅子に座る頃には顔はそれこそ誕生日に相応しくないブスッとしたものに変わっていた。

「いつまで膨れてんだよ。捌いちまうぞ」
「今日は俺の誕生日なのに……ひどいよ。ベトベトじゃん」
「誕生日だからやるんだろ。十六歳の誕生日には誰もがやることだぜ。いわゆる通過儀礼だな」
「そうなの?」
「んなわけねぇだろ」
「このクソオヤジ!」
「おっと、そんなもん当たるか──」

 オージが騙してオージが答える嘘にディルは服についているクリームを取ってオージに投げつけるもヒョイッと交わされてしまうが隣にいたデイヴが余っていたパイの皿をオージが避けたほうへと持っていき、オージの顔もクリームまみれになった。

「あははははは! ナイスデイヴ!」
「何すんだよ!」
「余ってたんだもの。皆でお祝いしないとね」
「だったらデイヴもだろ」
「んがッ! ……ちょっとぉ! 何すんのよ!」

 一瞬で笑顔に変わるディルに皆も笑顔になり、ビュッフェ形式でそれぞれ好きに料理を取っていく。朝言われたとおり、全てディルの好物で固められている。牛頬肉の赤ワイン煮込みは記念日でもなければ食べられない特別な物。賄いで出ることはあり得ない品だが、今日は記念日。味見で食べさせてもらったときに感動したディルのためにジルヴァが特別に用意した物だ。それを「柔らかい」「美味しい」「幸せ」と語彙力を失ったように短い感想を口にしながら食べるディルの様子をジルヴァは頬杖をつきながら見ていた。
 皆が食べる手を止めてもディルは食べるのをやめず、よく噛んで飲み込んでいく。

「ムリすんなよ」
「ジルヴァの料理食べるのに無理する奴なんかいないよ。ハーミットだってそうでしょ」

 毎月、給料日になると給料袋片手に大盛りを食べに来る常連。歩くのさえ億劫になるほど食べて帰るが、その帰りはいつも幸せそうで必ず『また来月もよろしく』と言う。少し残せば楽な状態で帰るだろうに胃に詰め込んで帰るのはジルヴァの料理をソース一滴だって残したくはないから。それほど美味しいのだ。『来なかったらボコってでも連れてくるからな』と冗談混じりに言うジルヴァの言葉に『必ず行くから』と約束するその光景を見るのもディルは好きだった。
 その大盛りは彼だけのために用意された物。この目の前に並ぶ料理はディルのために用意された物。ディルの十六歳の誕生日を祝うために。それこそソース一滴だって残したくはなかった。

「美味いか?」
「そんな当たり前のこと聞くの?」
「悪いかよ」
「美味いって言ったら褒め言葉にもならないって言うのに?」
「分かってんならもっと気の利いた言葉言ってみろよ」
「詳細語っても「生意気なこと言ってんじゃねぇ」って言うじゃん」
「言葉選び知らねぇお子ちゃまには早い質問だったか」

 十六歳になって成人したといえど昨日までは十五歳だった。ジルヴァたちにとっては何も変わらないのだろう。昨日の今日で急に大人扱いはしてくれない。きっと十年経ってもクソ生意気なクソガキと言われるのだろうことはディルにも容易に想像がつく。

「オレだってアルフィオぐらいになればいくらでも語れるよ。あと十年もすればアルフィオを抜くね」
「へー! おい、聞いたかよ! 十年でアルフィオ抜くってよ!」
「そりゃすげぇ! 期待してるぜ!」

 大きな笑い声が響く中、ミーナとシーナが「ケーキ食べたい」と言い、クリームまみれのオージがその準備に向かう。

「十年後、お前は二十六か……こえーな」
「どうして?」
「十年経ってもお前は今の俺より年下だぜ」
「十年後のジルヴァはオバハンか」
「オッサンだろ」
「刺されてぇか?」
「よーし! ケーキだー!」

 現在ジルヴァは二十七歳。冬には二十八歳になる。五年経とうが十年経とうが一緒に大人になることはできない。いつまで経ってもクソガキのままで、ディルはいつまで経っても大人のジルヴァを追いかけ続ける。ディルの感情は怖いというより寂しいが強く、早くその背中に追いつきたかった。

「このチョコプレートはお兄ちゃんの」
「チョコレート好きだろ?」
「好きだけど、これは誕生日の人だけが食べて良い物だから」

 お小遣いの中で買って食べたチョコレートに感動して以来、チョコレートが食べたいと言うことが増えた二人がチョコプレートを欲しいと甘えなくなったことに成長と寂しさを感じる。

「俺はいいから二人で半分こして食べな」
「いいよ」
「いらない」
「そうだよな。いらないよな。自分たちのがあるもんな」

 奥から皿を一枚手に乗せて戻ってきたオージが二人のケーキの上にチョコプレートを乗せた。これは知らなかったのか驚いた顔をする二人にオージがウインクをする。

「こういうのは一枚分だけチョコ溶かすってのは難しすぎてできねぇのよ。それなりの量溶かしちまえば失敗してもってなるから俺はいつもそうしてんだ。あ、ジルヴァには内緒な」
「聞こえてんぞ」
「ヤベッ! ほら、これ食べてくれたら証拠隠滅できるから食え食え!」

 ありがとうを言ってチョコプレートにかぶりついては幸せそうに笑う二人の笑顔は皆を笑顔にする。誰が主役かわからないほど皆の視線を集める二人にディルも嬉しくなる。
 母親がいてもこんな幸せな誕生日は祝ったことがない。ケーキを買ってくるなんてなかったし、ガーベージでケーキを売る者はいない。少し遠くまで行けば買えるが、母親は子供のためにそこまでする人間ではなかった。こうした幸せで美味しい思い出をくれたのはここにいる彼らだ。

「ありがとう」

 ディルが発した一言。彼らにはそれで充分だった。
 誰にも邪魔されることのなかった十六歳の誕生日。気が付けば日付が変わり、誕生日は終わっていた。それでも誰も宴を終了させるつもりはなく、眠くなった妹たちは二階に上がってベッドで眠り、大人たちは床に寝転がってそれぞれ腕や足を重ね合いながら眠っている。

「ディル」
「ん?」
「こっち来い」

 手にしているグラスを持ち上げてそのまま手招きをするジルヴァに皿を厨房へと運んでいたディルが寄っていく。

「キスしてやろうか」
「へっ?」

 夢でも見ているのではないだろうか。だってジルヴァがこんなこと言うはずがない。そう思って頬を抓ってみるが痛いだけでジルヴァの様子は変わらない。

「祝福のキスしてやるよ」
「で、でも、誕生日もう終わったよ?」

 店の時計は深夜三時を指している。

「いらねぇならそう言えよ」
「いるよ! いるいる! いります! キスしてください!」

 立ち上がろうとしたジルヴァに縋り付くように床に膝をついて立ち上がらないよう膝に手をつく。
 ジルヴァとキスをしたのはいつだったか。ハジメテを捨てさせてくれと頼んだ日。あれが最初で最後のキスだと思っていた。
 酔っているのはわかっている。上機嫌に結構な量を飲んでいたから。酔っ払いの戯言だろうとなんでもいい。ジルヴァから言ってくれたことには変わりない。起きて覚えてなくてもいい。自分は一生覚えているからとジルヴァを見上げる。

「目ぇ閉じろ。マナーだぞ」
「キスにマナーあるの知ってたの?」
「お前よりはな」

 目を閉じると顎を持ち上げられる。それに従って唇への感触を待っていると柔らかな感触があったのは唇ではなく額。驚きに目を開けるとニヤつくジルヴァがいた。

「どうした? キスしてやったぞ」

 唇にするとは言ってないと言いたげな笑みにディルは怒りを覚えた。ジルヴァはいつもそうだ。期待させるようなことを言っておいて、相手が期待しているとわかっていて違うことをする。からかうのが好きなジルヴァにいつもなら抗議の声を上げるだけだが、今日は違う。これを逃せばもうないチャンスかもしれないのだからこのまま終わりたくないと立ち上がり両手を伸ばしたディルはそのまま噛み付くように唇を重ねた。
 それに驚いた顔をしないジルヴァは一瞬固まった手を動かして持っていたグラスを唇を重ねたまま後ろのテーブルに置いた。そしてそのキスを受け入れるようにディルの腰に腕を回して膝の上へと誘導する。首の後ろへと回るディルの手。あんなに辿々しかったキスが二度目のキスでは慣れたように交わされる。背中から服の中へと入れた手が触れる身体は筋肉よりも骨のほうがハッキリとわかり、その上に感じるミミズ腫れや何かでつけられたのだろう傷跡。それらはこの一年、彼の人生が素晴らしいものではなかったことを物語っていた。
 ジルヴァは縋り付くようなディルのキスを受け止めながら身体の横に垂らしている拳を静かに握りしめた。
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