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朝から
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「ディル、お前大丈夫か?」
今日は体調に問題はないが、精神的には問題しかなく空元気でやっていたつもりがランチからずっと心配の声がかけられていた。
「大丈夫だよ。なんで?」
「顔色悪いぞ。病気なんじゃねぇか?」
「咳一つ出ないのに病気なわけないよ」
「咳が出ることだけが病気の証拠なわけじゃねぇよ」
「わかってるけど、何か異常があればいつもと違う感じがどこかに出るわけだから異常がないなら大丈夫。オレは元気だよ」
そう返すことで精一杯。それはオージたちも見てわかるのだろう。それ以上の追求はしなかった。
この街には事情を持った者しかいない。何も抱えず気楽に生きている者はこの街では生きていけないぐらい特殊な街だ。
五年前、ディルの母親の遺体はすぐに回収されなかった。本人の身体がびしょ濡れだったことから前日の夜に死んだという見解だった。一応程度のの事情聴取に警察が店までやってきてディルとジルヴァが話を聞かれていたが、二人は何も知らなかった。
『店に来たのは来たが、随分酔っ払って帰った。雨で濡らしたくないって酔っ払った頭でもそこの判断は子育てみてぇに疎かにしないで高価なハイヒールを大事そうに抱えて出てった。そのあとのことは知らねぇ。コイツは俺と一緒に二階で寝てたしな』
『デカイ音を聞いた奴がいるが、お前らは聞かなかったのか? すぐそこだぞ』
『なあ、この街で強盗だ半殺しだって聞いてお前らいちいち走って向かうのかよ』
ジルヴァの問いに警察官は『それもそうだな』と笑った。犯罪組織が作ったと言っても過言ではないこの街で軽犯罪など日常茶飯事。警察など政府の人間よりもお飾りな給料泥棒。事情聴取も死体が出たから一応程度に動いているだけでそこに事件性があるかどうかを真剣に調べるつもりは彼らにはなかった。
親が子育てしないなんて問題視するほどのことでもなく、それが普通となっている子供たちも親を恨むことはない。憎むべきは親ではなく環境。だから十歳でも平気で犯罪に手を染める。盗みなど犯罪でもなんでもない。この街では生きる術だ。
この街で犯人探しなど意味がないことを警察もわかっているから一応程度にしか動かない。警察官らしいことをやっておくか、と。
あれから五年。皆でディルを守り育ててきた。世話はジルヴァに任せていたが、オージたちは男としてやるべきことを教えた。人を守ることがいかに大事なことか。誰か大事な人を守りたいと思ったら自分と相手を天秤にかけることだけはするな、と。
大事なことだと思って教えたことだが、今となっては余計なことだったのかもしれないとオージは思っていた。
(オレは大丈夫)
誰に向けた言葉なのか。言った本人にもわからない。
昨日は最悪だった。いや、今日か。どっちでもいい。休みの日は昼までゆっくり眠ってそれからジンの仕事に出かける準備をする予定だった。休みは貴重だ。ジルヴァの店で働いていたときは休みなんていらないと思っていたが、今は休みが欲しくて仕方ない。ジルヴァの店は正式雇用されたから休みがもらえるが、休みが欲しいのはジンからの仕事。ジンは絶対に休みを与えようとはしない。それでも昼からの予約にしてくれることもあったりしたのだが、昨日はひどかった。
『お兄ちゃん、お客さんだよ』
まだ眠っているはずだった朝八時前、ミーナに揺さぶり起こされた。
お客さんなんか来るはずがない。家の場所を知っている人間は少ないし、近所の人間のことを妹たちはお客さんとは言わない。ジルヴァであれば別だが、ジルヴァが来たら名前で呼ぶはず。
怪訝な顔で起き上がって玄関へと向かうとドアの前に立っているシーナに奥へ行くよう伝えてからドアを少しだけ開けた。
『よお、お寝坊さん』
『お前……』
見覚えのある顔だった。だが間違いなく“お客さん”ではない。ジンの事務所で見た男は全員“敵”だ。こんな時間に家までやってくるなんて何を考えてるんだと眉を寄せ、家の外に出ようとしたディルを足を前に出すことで止めて男が笑顔を見せた。似つかわしくない爽やかな笑顔。
『今日は一緒に出かけるって約束だったろ? 時間になっても来ねぇから迎えに来たら……寝癖ついてるってことは寝てたな? ヒデェ奴。俺なんか楽しみすぎて朝起きしちまったってのに』
『何言って……』
少し拗ねたような表情を見せる男の言葉に反応したのは後ろの部屋のドアから顔を覗かせていたミーナとシーナだった。
『約束忘れてたの?』
『ダメだよ、約束守らなきゃ』
約束はしていないが、ジンの部下がわざわざ家まで迎えに来たということは理由がある。妹たちに余計な言葉を聞かせる前に出なければと慌てて用意をして男と一緒に家を離れた。
『お前の妹なだけあって可愛い顔してんな』
『妹に手を出したら絶対に許さない』
『そこまで不自由してねぇよ』
ジンの事務所にはいつも人がいる。朝だろうが夜中だろうが聞こえてくる声はいつも同じ。事務所自体も一種の売春宿として使用しているのではないかと思っているが、ジンはそっちに足を踏み入れたことがないため詳細は知らない。知りたくもない。
大通りに停めてある黒塗りの車に乗り込むとディルは男を睨みつけた。
『家には来るなってジンに言っておいたはずだ!』
『飼い主をまたせるわけにゃいかねぇからな』
睨みは驚きによって消えた。代わりに見開いた目に映る男のニヤつき。
『夜からじゃ……』
昨日、事務所を出るときに時間してされなかったからいつもどおりの時間でいいんだと思っていたディルにとって朝から顔合わせがあるのは予想外で沸騰したように湧き上がった怒りが一瞬で消える。生まれた戸惑いに男がシートに身体を預けて足を組んだ。
『ババアの予約をなんで今日にしたかわかるか?』
ハッとした。
『なんで知って……』
今日はディルが丸一日休みだからだ。いつもどおりなら昼から予約が入っていて出勤することになっている。その際、ジンから予約時間を教えられるのだがそれがなかった。今日は自分を飼いたいという悪趣味な金持ちとの初対面だから予約を入れなかったのだ。他の客の手垢を今日だけは付けさせないために。
だが、休みを知っているはずがない。今日が休みと知っているのは店の従業員たちだけ。ありえないと小さく首を揺らすディルに鼻を鳴らして笑う。
『この街でジンにできねぇことなんざねぇよ。ましてやガキ一匹のスケジュール知るぐらいのことはジンが動くまでもねぇよ』
近所の酔っぱらいが絡んでこなくなったのはディルがジンの名前を口に出してから。隣を通っても普通の挨拶をするぐらいで今にも飛びかかってきそうな目も伸びてくる手もなくなった。
ディルが知らなかっただけでジンという男はこの街では植物のように根を見えない場所で伸ばし続けている。だからジンと名前を出すだけであんなに有効なのだ。
しかし、問題もある。悪の判定が異常なこの街でジンを非難する人間はいない。誰もが傘下に入りたがる。反抗すれば何をされるかわからない。だからジルヴァも従っていたのだろうとディルは身をもって理解することができた。
『妹たちには言ってきたのか?』
『住み込みだけど給料の良い仕事を見つけたって言った』
『嘘つきなお兄ちゃんだねぇ』
『黙れ』
妹たちには嘘ばかりついている。良いお兄ちゃんだった自分はもういない。嘘つきだと責められても反論できないほど嘘に塗れている。誰にも真実を話すことができず、泥の中でズブズブとゆっくりと沈んでいくのを感じる毎日。もがけばもがくほど逃れられなくなる。でも、もがかなくても逃げられない。五年前のあの日、ディルは足を踏み込んだのだ。ジルヴァという盾が沈んで行かないように守ってくれていただけ。だからこれは普通で、当たり前のことなのだと受け入れる。これからも妹たちには嘘をつき続ける。引き返せないところまで来ているのだから。
『この仕事やってりゃ避けて通れねぇババアだ。せいぜい媚び売ってご機嫌取りしてご主人様に気に入ってもらうこったな』
拒否権がない以上は何を言ってもムダで、怒ることさえムダになる。
車が地獄へ向かうために動き出した。もう一度止まったとき、ディルの人生はまた変わることになるだろう。
良い人であれば、なんて期待はしない。大金を払って人を“買う”のではなく“飼う”なんて言う人間がまともなわけがないのだから。
今日は体調に問題はないが、精神的には問題しかなく空元気でやっていたつもりがランチからずっと心配の声がかけられていた。
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「咳が出ることだけが病気の証拠なわけじゃねぇよ」
「わかってるけど、何か異常があればいつもと違う感じがどこかに出るわけだから異常がないなら大丈夫。オレは元気だよ」
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この街には事情を持った者しかいない。何も抱えず気楽に生きている者はこの街では生きていけないぐらい特殊な街だ。
五年前、ディルの母親の遺体はすぐに回収されなかった。本人の身体がびしょ濡れだったことから前日の夜に死んだという見解だった。一応程度のの事情聴取に警察が店までやってきてディルとジルヴァが話を聞かれていたが、二人は何も知らなかった。
『店に来たのは来たが、随分酔っ払って帰った。雨で濡らしたくないって酔っ払った頭でもそこの判断は子育てみてぇに疎かにしないで高価なハイヒールを大事そうに抱えて出てった。そのあとのことは知らねぇ。コイツは俺と一緒に二階で寝てたしな』
『デカイ音を聞いた奴がいるが、お前らは聞かなかったのか? すぐそこだぞ』
『なあ、この街で強盗だ半殺しだって聞いてお前らいちいち走って向かうのかよ』
ジルヴァの問いに警察官は『それもそうだな』と笑った。犯罪組織が作ったと言っても過言ではないこの街で軽犯罪など日常茶飯事。警察など政府の人間よりもお飾りな給料泥棒。事情聴取も死体が出たから一応程度に動いているだけでそこに事件性があるかどうかを真剣に調べるつもりは彼らにはなかった。
親が子育てしないなんて問題視するほどのことでもなく、それが普通となっている子供たちも親を恨むことはない。憎むべきは親ではなく環境。だから十歳でも平気で犯罪に手を染める。盗みなど犯罪でもなんでもない。この街では生きる術だ。
この街で犯人探しなど意味がないことを警察もわかっているから一応程度にしか動かない。警察官らしいことをやっておくか、と。
あれから五年。皆でディルを守り育ててきた。世話はジルヴァに任せていたが、オージたちは男としてやるべきことを教えた。人を守ることがいかに大事なことか。誰か大事な人を守りたいと思ったら自分と相手を天秤にかけることだけはするな、と。
大事なことだと思って教えたことだが、今となっては余計なことだったのかもしれないとオージは思っていた。
(オレは大丈夫)
誰に向けた言葉なのか。言った本人にもわからない。
昨日は最悪だった。いや、今日か。どっちでもいい。休みの日は昼までゆっくり眠ってそれからジンの仕事に出かける準備をする予定だった。休みは貴重だ。ジルヴァの店で働いていたときは休みなんていらないと思っていたが、今は休みが欲しくて仕方ない。ジルヴァの店は正式雇用されたから休みがもらえるが、休みが欲しいのはジンからの仕事。ジンは絶対に休みを与えようとはしない。それでも昼からの予約にしてくれることもあったりしたのだが、昨日はひどかった。
『お兄ちゃん、お客さんだよ』
まだ眠っているはずだった朝八時前、ミーナに揺さぶり起こされた。
お客さんなんか来るはずがない。家の場所を知っている人間は少ないし、近所の人間のことを妹たちはお客さんとは言わない。ジルヴァであれば別だが、ジルヴァが来たら名前で呼ぶはず。
怪訝な顔で起き上がって玄関へと向かうとドアの前に立っているシーナに奥へ行くよう伝えてからドアを少しだけ開けた。
『よお、お寝坊さん』
『お前……』
見覚えのある顔だった。だが間違いなく“お客さん”ではない。ジンの事務所で見た男は全員“敵”だ。こんな時間に家までやってくるなんて何を考えてるんだと眉を寄せ、家の外に出ようとしたディルを足を前に出すことで止めて男が笑顔を見せた。似つかわしくない爽やかな笑顔。
『今日は一緒に出かけるって約束だったろ? 時間になっても来ねぇから迎えに来たら……寝癖ついてるってことは寝てたな? ヒデェ奴。俺なんか楽しみすぎて朝起きしちまったってのに』
『何言って……』
少し拗ねたような表情を見せる男の言葉に反応したのは後ろの部屋のドアから顔を覗かせていたミーナとシーナだった。
『約束忘れてたの?』
『ダメだよ、約束守らなきゃ』
約束はしていないが、ジンの部下がわざわざ家まで迎えに来たということは理由がある。妹たちに余計な言葉を聞かせる前に出なければと慌てて用意をして男と一緒に家を離れた。
『お前の妹なだけあって可愛い顔してんな』
『妹に手を出したら絶対に許さない』
『そこまで不自由してねぇよ』
ジンの事務所にはいつも人がいる。朝だろうが夜中だろうが聞こえてくる声はいつも同じ。事務所自体も一種の売春宿として使用しているのではないかと思っているが、ジンはそっちに足を踏み入れたことがないため詳細は知らない。知りたくもない。
大通りに停めてある黒塗りの車に乗り込むとディルは男を睨みつけた。
『家には来るなってジンに言っておいたはずだ!』
『飼い主をまたせるわけにゃいかねぇからな』
睨みは驚きによって消えた。代わりに見開いた目に映る男のニヤつき。
『夜からじゃ……』
昨日、事務所を出るときに時間してされなかったからいつもどおりの時間でいいんだと思っていたディルにとって朝から顔合わせがあるのは予想外で沸騰したように湧き上がった怒りが一瞬で消える。生まれた戸惑いに男がシートに身体を預けて足を組んだ。
『ババアの予約をなんで今日にしたかわかるか?』
ハッとした。
『なんで知って……』
今日はディルが丸一日休みだからだ。いつもどおりなら昼から予約が入っていて出勤することになっている。その際、ジンから予約時間を教えられるのだがそれがなかった。今日は自分を飼いたいという悪趣味な金持ちとの初対面だから予約を入れなかったのだ。他の客の手垢を今日だけは付けさせないために。
だが、休みを知っているはずがない。今日が休みと知っているのは店の従業員たちだけ。ありえないと小さく首を揺らすディルに鼻を鳴らして笑う。
『この街でジンにできねぇことなんざねぇよ。ましてやガキ一匹のスケジュール知るぐらいのことはジンが動くまでもねぇよ』
近所の酔っぱらいが絡んでこなくなったのはディルがジンの名前を口に出してから。隣を通っても普通の挨拶をするぐらいで今にも飛びかかってきそうな目も伸びてくる手もなくなった。
ディルが知らなかっただけでジンという男はこの街では植物のように根を見えない場所で伸ばし続けている。だからジンと名前を出すだけであんなに有効なのだ。
しかし、問題もある。悪の判定が異常なこの街でジンを非難する人間はいない。誰もが傘下に入りたがる。反抗すれば何をされるかわからない。だからジルヴァも従っていたのだろうとディルは身をもって理解することができた。
『妹たちには言ってきたのか?』
『住み込みだけど給料の良い仕事を見つけたって言った』
『嘘つきなお兄ちゃんだねぇ』
『黙れ』
妹たちには嘘ばかりついている。良いお兄ちゃんだった自分はもういない。嘘つきだと責められても反論できないほど嘘に塗れている。誰にも真実を話すことができず、泥の中でズブズブとゆっくりと沈んでいくのを感じる毎日。もがけばもがくほど逃れられなくなる。でも、もがかなくても逃げられない。五年前のあの日、ディルは足を踏み込んだのだ。ジルヴァという盾が沈んで行かないように守ってくれていただけ。だからこれは普通で、当たり前のことなのだと受け入れる。これからも妹たちには嘘をつき続ける。引き返せないところまで来ているのだから。
『この仕事やってりゃ避けて通れねぇババアだ。せいぜい媚び売ってご機嫌取りしてご主人様に気に入ってもらうこったな』
拒否権がない以上は何を言ってもムダで、怒ることさえムダになる。
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