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番外編
if story〜リンウッド〜6
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〈食べていいって言ったら食べる?〉
〈うん〉
〈絶対言わない〉
〈ふふっ、いらなくなったら言って〉
〈指は十本必要なの〉
〈君の指がなくても愛してる〉
〈指は必要だからね!?〉
彼の愛はとてつもなく重たい。その愛はどれほど周りが強く叩こうが壊れるどころか揺らぐことすらなくてひたすら注がれ続ける。けれど、時折、その愛が大きくなりすぎて上手く制御できなくなるときがある。誰にも話せない。相談もできない。だから一人で必死に咀嚼し続けるけど追いつかなくて、それが不安に変わって追い込まれる。
ダメだ。早く飲み込めと自分の喉に手を当てて促すけれど、実際はその手で自分の首を絞めているだけ。苦しい、嫌だという叫び声すら漏らせないほど強く。
最愛の人がこうして目の前で笑ってくれていることで真っ黒な愛が溢れずに済んでいる。
〈イベリス〉
〈ん?〉
〈君の全てを愛してる〉
〈知ってる。何百万回も聞いてるもの〉
イベリスは愛してるとは言わない。死ぬ間際まで言わない約束なのだ。
過去に一度、イベリスが同じ言葉を返したとき、リンウッドは顔を真っ赤に染め、身体を震わせてしゃがみこんだ。そのまま暫く膝を抱えてしゃがみこみ、立てなくなったことがある。そのとき〈イベリスは言わないで〉と言われ、愛を受けるだけに徹している。両親に話すと大笑いされ、リンウッドに何があったのか聞いても〈男の沽券に関わるから言えない〉と言われた。父親にそう言われては本人に聞くこともできず、今もあれはなんだったのか不思議に思っている。
〈イベリス、僕は本当に汚い人間なんだ〉
彼の指が紡ぐ言葉に首を傾げる。
〈例えば?〉
〈絶対に言えない〉
三秒ほど黙ったあと、あからさまにムスッとした顔を見せたイベリスが顎に当てた人差し指と親指を広げながら下げた。
〈自分から言ったのに教えない人嫌い〉
汚い。気持ち悪いより効果絶大な言葉にリンウッドが動揺してテーブルの上のグラスを倒した。イベリスが慌てて手を上げて店員を呼び、拭いてもらうもリンウッドは青い顔で手を震わせている。
〈イ、イベリス……〉
〈大丈夫? かかってない?〉
〈ち、ちゃんと話すから、き、嫌いにならないで〉
〈じゃあ話して〉
自分で言えるほど汚い感情を抱えている人間なんだということを覚えておいてほしくて言っただけなのだが、失敗した。引かれる。気持ち悪がられる。もう会ってくれないかもしれない。婚約破棄される。最悪の結末ばかり頭に浮かぶリンウッドの前に新しいグラスが置かれ、水が注がれるもリンウッドの視線はイベリスに向いている。
〈か、紙に書くのでも良いかな?〉
〈いいよ〉
手話で表現するには少し恥ずかしくて、メモ帳と万年筆を取り出し、周りに誰もいないかを確認してから字を綴り始めた。書き終わってないのに覗き込もうとするイベリスからメモ帳を隠して書き続ける。晴れの日に相応しい、輪切りにされたオレンジが入ったアイスティーを頼んだ。
運ばれてきたアイスティーの中にあるオレンジをストローで回しながら真剣な顔で書き続けるリンウッドの顔を見つめる。
十五分ほどそうしたあと、リンウッドが万年筆のキャップを閉めた。
〈これ……読んでも嫌いにならないって約束してほしい〉
〈ひどいこと書いてない?〉
〈わからない。君にとってはひどいことが書いてあるかもしれない〉
〈叶えられないことには横線引いてもいい?〉
〈もちろん〉
じゃあ大丈夫だと安心して目を通し始めたのが、中盤まで読んだとき、ボッと火がついたように顔が赤くなった。何故紙に書くのだろうと不思議に思う部分はあったが、納得した。これの手話はあるにはあるのだろうが、イベリスはその手話を知らない。指文字で表現するのも憚られる。
〈ぼ、僕のこと嫌いになった? 僕、ずっとこんなことばかり考えてるんだ。気持ち悪いだろう? だから君に言えなくて。でも欲望は膨らむばかりで……〉
イベリスは頭が沸騰して爆発しそうだった。自分のキャパシティを余裕でオーバーするような内容がまるでアーモンドの木を揺らしたように落ちてきた。想像以上の欲望にパンク寸前。最後まで目を通したら本当に頭が沸騰してしまうのではないかと不安になるほど。視線だけで読もうとするも恥ずかしくてすぐに視線を逸らしてしまう。
〈これって……どういう順番で書いたの?〉
〈これは……一応、順を追って書いてるんだけど……〉
まだ途中までしか読めていないが、途中まででも十分過激に思えた。
貴族令嬢は結婚まで純潔でいるため性に関する知識を一切与えられないまま嫁に出される者もいる。イベリスは小説から知識を得ているため全く知識がないわけではないが、あまり多くはない。だからリンウッドが書いた情報にそんなことがあるのかと目を疑い、想像するだけで凄まじい羞恥に襲われていた。
〈ごめんね、変人で〉
〈変人とは思わないけど……すごいね……〉
〈褒めて……ないよね……?〉
〈うん〉
やっぱり、とテーブルに額を落とした。わかっている。簡単に受け入れられる内容ではない。自分でも書きながら嫌われる可能性を考えていたほどだ。
「ッ!?」
目を閉じて心を無にしようとしていたとき、頬に冷たい物が当たったことに目を見開くとイベリスがアイスティーのグラスを持っていた。まだ顔は赤い。
〈イベリス?〉
何故笑顔を向けてくれるのだろうかと顔を上げて不思議そうに見ていると閉じたメモ帳を返される。
〈読めた?〉
〈全部は恥ずかしくて読めなかったけど、リンウッドが何を考えてるのかは大体わかった〉
〈嫌いになった?〉
〈全然〉
リンウッドは困惑していた。イベリスがかぶりを振るのがとても早かったから。自分はイベリスに何を言われようと何を見せられようと全て受け入れることができるが、イベリスはそうではないだろう。それなのに困惑の表情一つ浮かべてはいなかった。
〈ど、どうして?〉
〈どうしてって……嫌いになってほしかったの?〉
「まさかっ!!」
思わずテーブルを叩いて大声を出しながら立ち上がってしまった。イベリスには聞こえていない。テーブルが揺れたことで慌ててアイスティーのグラスを持ち上げて倒れるのを防いでいた。
イベリスに嫌われることだけは大病をするより避けたいことだ。不治の病にかかったと言われるより耐えられない。不治の病だと言われればそれはそれでイベリスといられなくなるため耐えられないのだが、今は健康体。嫌われることが何より耐えられないこと。
〈恥ずかしくて全部は読めなかったけど、これ全部、リンウッドの気持ちなんだって思うと嬉しかった〉
〈気持ちっていうか、欲望っていうか……〉
〈それも愛じゃない?〉
最も見慣れた手話だった。一番に覚えた手話だった。いや、二番目か。「好き」の次に覚えた手話だった。
自分の薄汚れた欲望を愛だと言ってくれ見せてくれたその笑顔にリンウッドは涙が出そうだった。ああ、やっぱりそうだ。彼女こそ運命の相手なんだと胸が苦しくなった。
〈僕……時々、すごく怖いんだ〉
唇を震わせながら手を動かす。
〈自分の想いが止められなくなりそうで……いつか、僕が……君の知ってる僕じゃなくなるんじゃないかって……〉
〈そうなる前に話してよ。絶対に嫌いになったりしないから〉
〈……そうだね。そうしなきゃいけないね〉
〈もう約束したから絶対よ?〉
〈確かに。婚約破棄だけは絶対にしたくないからね〉
〈それに私、あなたの重すぎる愛には慣れっこなんだから〉
太陽より明るいその笑顔に何度見惚れたことだろう。声なんてなくてもいい。手話をしなければならないならいくらでもする。紙とペンが必要なら何冊でも何本でも持ち歩く。
この笑顔と彼女との時間が何よりも大切だから、それが消えてしまわないように少しずつ吐き出していくことを誓った。自分が壊れてしまえば相手を守ることなどできないのだから。
自分が自分でなくなるなどあってはならない。誰にも渡さない。その強烈な独占欲は半分だけ箱の中にしまっておく。守るための独占欲を表に、壊すための独占欲は裏に。
〈愛してる〉
リンウッド・ヘイグの重い重い、重すぎる愛にイベリスはいつもどおり、笑顔で頷いた。
〈うん〉
〈絶対言わない〉
〈ふふっ、いらなくなったら言って〉
〈指は十本必要なの〉
〈君の指がなくても愛してる〉
〈指は必要だからね!?〉
彼の愛はとてつもなく重たい。その愛はどれほど周りが強く叩こうが壊れるどころか揺らぐことすらなくてひたすら注がれ続ける。けれど、時折、その愛が大きくなりすぎて上手く制御できなくなるときがある。誰にも話せない。相談もできない。だから一人で必死に咀嚼し続けるけど追いつかなくて、それが不安に変わって追い込まれる。
ダメだ。早く飲み込めと自分の喉に手を当てて促すけれど、実際はその手で自分の首を絞めているだけ。苦しい、嫌だという叫び声すら漏らせないほど強く。
最愛の人がこうして目の前で笑ってくれていることで真っ黒な愛が溢れずに済んでいる。
〈イベリス〉
〈ん?〉
〈君の全てを愛してる〉
〈知ってる。何百万回も聞いてるもの〉
イベリスは愛してるとは言わない。死ぬ間際まで言わない約束なのだ。
過去に一度、イベリスが同じ言葉を返したとき、リンウッドは顔を真っ赤に染め、身体を震わせてしゃがみこんだ。そのまま暫く膝を抱えてしゃがみこみ、立てなくなったことがある。そのとき〈イベリスは言わないで〉と言われ、愛を受けるだけに徹している。両親に話すと大笑いされ、リンウッドに何があったのか聞いても〈男の沽券に関わるから言えない〉と言われた。父親にそう言われては本人に聞くこともできず、今もあれはなんだったのか不思議に思っている。
〈イベリス、僕は本当に汚い人間なんだ〉
彼の指が紡ぐ言葉に首を傾げる。
〈例えば?〉
〈絶対に言えない〉
三秒ほど黙ったあと、あからさまにムスッとした顔を見せたイベリスが顎に当てた人差し指と親指を広げながら下げた。
〈自分から言ったのに教えない人嫌い〉
汚い。気持ち悪いより効果絶大な言葉にリンウッドが動揺してテーブルの上のグラスを倒した。イベリスが慌てて手を上げて店員を呼び、拭いてもらうもリンウッドは青い顔で手を震わせている。
〈イ、イベリス……〉
〈大丈夫? かかってない?〉
〈ち、ちゃんと話すから、き、嫌いにならないで〉
〈じゃあ話して〉
自分で言えるほど汚い感情を抱えている人間なんだということを覚えておいてほしくて言っただけなのだが、失敗した。引かれる。気持ち悪がられる。もう会ってくれないかもしれない。婚約破棄される。最悪の結末ばかり頭に浮かぶリンウッドの前に新しいグラスが置かれ、水が注がれるもリンウッドの視線はイベリスに向いている。
〈か、紙に書くのでも良いかな?〉
〈いいよ〉
手話で表現するには少し恥ずかしくて、メモ帳と万年筆を取り出し、周りに誰もいないかを確認してから字を綴り始めた。書き終わってないのに覗き込もうとするイベリスからメモ帳を隠して書き続ける。晴れの日に相応しい、輪切りにされたオレンジが入ったアイスティーを頼んだ。
運ばれてきたアイスティーの中にあるオレンジをストローで回しながら真剣な顔で書き続けるリンウッドの顔を見つめる。
十五分ほどそうしたあと、リンウッドが万年筆のキャップを閉めた。
〈これ……読んでも嫌いにならないって約束してほしい〉
〈ひどいこと書いてない?〉
〈わからない。君にとってはひどいことが書いてあるかもしれない〉
〈叶えられないことには横線引いてもいい?〉
〈もちろん〉
じゃあ大丈夫だと安心して目を通し始めたのが、中盤まで読んだとき、ボッと火がついたように顔が赤くなった。何故紙に書くのだろうと不思議に思う部分はあったが、納得した。これの手話はあるにはあるのだろうが、イベリスはその手話を知らない。指文字で表現するのも憚られる。
〈ぼ、僕のこと嫌いになった? 僕、ずっとこんなことばかり考えてるんだ。気持ち悪いだろう? だから君に言えなくて。でも欲望は膨らむばかりで……〉
イベリスは頭が沸騰して爆発しそうだった。自分のキャパシティを余裕でオーバーするような内容がまるでアーモンドの木を揺らしたように落ちてきた。想像以上の欲望にパンク寸前。最後まで目を通したら本当に頭が沸騰してしまうのではないかと不安になるほど。視線だけで読もうとするも恥ずかしくてすぐに視線を逸らしてしまう。
〈これって……どういう順番で書いたの?〉
〈これは……一応、順を追って書いてるんだけど……〉
まだ途中までしか読めていないが、途中まででも十分過激に思えた。
貴族令嬢は結婚まで純潔でいるため性に関する知識を一切与えられないまま嫁に出される者もいる。イベリスは小説から知識を得ているため全く知識がないわけではないが、あまり多くはない。だからリンウッドが書いた情報にそんなことがあるのかと目を疑い、想像するだけで凄まじい羞恥に襲われていた。
〈ごめんね、変人で〉
〈変人とは思わないけど……すごいね……〉
〈褒めて……ないよね……?〉
〈うん〉
やっぱり、とテーブルに額を落とした。わかっている。簡単に受け入れられる内容ではない。自分でも書きながら嫌われる可能性を考えていたほどだ。
「ッ!?」
目を閉じて心を無にしようとしていたとき、頬に冷たい物が当たったことに目を見開くとイベリスがアイスティーのグラスを持っていた。まだ顔は赤い。
〈イベリス?〉
何故笑顔を向けてくれるのだろうかと顔を上げて不思議そうに見ていると閉じたメモ帳を返される。
〈読めた?〉
〈全部は恥ずかしくて読めなかったけど、リンウッドが何を考えてるのかは大体わかった〉
〈嫌いになった?〉
〈全然〉
リンウッドは困惑していた。イベリスがかぶりを振るのがとても早かったから。自分はイベリスに何を言われようと何を見せられようと全て受け入れることができるが、イベリスはそうではないだろう。それなのに困惑の表情一つ浮かべてはいなかった。
〈ど、どうして?〉
〈どうしてって……嫌いになってほしかったの?〉
「まさかっ!!」
思わずテーブルを叩いて大声を出しながら立ち上がってしまった。イベリスには聞こえていない。テーブルが揺れたことで慌ててアイスティーのグラスを持ち上げて倒れるのを防いでいた。
イベリスに嫌われることだけは大病をするより避けたいことだ。不治の病にかかったと言われるより耐えられない。不治の病だと言われればそれはそれでイベリスといられなくなるため耐えられないのだが、今は健康体。嫌われることが何より耐えられないこと。
〈恥ずかしくて全部は読めなかったけど、これ全部、リンウッドの気持ちなんだって思うと嬉しかった〉
〈気持ちっていうか、欲望っていうか……〉
〈それも愛じゃない?〉
最も見慣れた手話だった。一番に覚えた手話だった。いや、二番目か。「好き」の次に覚えた手話だった。
自分の薄汚れた欲望を愛だと言ってくれ見せてくれたその笑顔にリンウッドは涙が出そうだった。ああ、やっぱりそうだ。彼女こそ運命の相手なんだと胸が苦しくなった。
〈僕……時々、すごく怖いんだ〉
唇を震わせながら手を動かす。
〈自分の想いが止められなくなりそうで……いつか、僕が……君の知ってる僕じゃなくなるんじゃないかって……〉
〈そうなる前に話してよ。絶対に嫌いになったりしないから〉
〈……そうだね。そうしなきゃいけないね〉
〈もう約束したから絶対よ?〉
〈確かに。婚約破棄だけは絶対にしたくないからね〉
〈それに私、あなたの重すぎる愛には慣れっこなんだから〉
太陽より明るいその笑顔に何度見惚れたことだろう。声なんてなくてもいい。手話をしなければならないならいくらでもする。紙とペンが必要なら何冊でも何本でも持ち歩く。
この笑顔と彼女との時間が何よりも大切だから、それが消えてしまわないように少しずつ吐き出していくことを誓った。自分が壊れてしまえば相手を守ることなどできないのだから。
自分が自分でなくなるなどあってはならない。誰にも渡さない。その強烈な独占欲は半分だけ箱の中にしまっておく。守るための独占欲を表に、壊すための独占欲は裏に。
〈愛してる〉
リンウッド・ヘイグの重い重い、重すぎる愛にイベリスはいつもどおり、笑顔で頷いた。
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