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ロベリア復活
絶対零度
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ファーディナンドが振り下ろした氷刃はロベリアを固定している氷に当たることなく水になって絨毯を濡らした。
何が起こったと怪訝な顔をするサーシャの前に金髪の少女が現れた。
「アンタは……!」
魔女だ。相変わらず宙に浮いてその場で足を組んで座っている。
「随分と楽しそうなことしてるわね。神判ごっこ?」
「どういうつもり? 魔女が個人に干渉するの?」
「そういうこともあるかもね。魔女は気まぐれだから」
「あなたはそんな人じゃないでしょ!」
「あら、私とあなたは家族じゃないし、ましてや友人でもないのに知ったような口を利くのね。くだらない噂を信じてそれが真実だって決めつけるタイプ?」
「邪魔しないで!!」
契約を終了させた魔女が何故個人でこの場に現れたのかがわからず混乱するもそれが怒りへと変わるのが早い。今すぐロベリアを殺さなければ気が済まない。イベリスが消えてから忘れていた間の記憶全てが蘇ったサーシャはこれ以上ロベリアがイベリスの身体で好き放題するのが許せなかった。正すのは不可能。なら、殺すしかないと考えて行動したのだが、寸前のところで魔女によって止められた怒りがまたサーシャの冷気を強める。室内だけでなく、廊下にまで伸びる氷結にドアの外にいた使用人たちが悲鳴を上げながら逃げていく。
「あなたがいれば氷の涙には困らなそうね。一緒に来ない? その材料って貴重なのよね」
「誰が!」
「家族のもとへ戻るつもりはないんでしょう? あなたはもう手袋なしで生きることはできない。今からロベリアを殺して魔女との契約だけじゃなくて人を殺す禁忌も犯す。そんな人間をどこが、誰が受け入れるっていうの? まさか遠く離れた地に行けば逃げ切れると思ってるわけじゃないわよね? そこの能無しみたいに」
サーシャの叫び声は廊下で様子を伺っていた者たちが聞いていただろう。だとすれば既に伝言ゲームは始まっている。それが貴族へと伝わり、貴族から世界政府に流れでもすればサーシャは一気にお尋ね者となってしまう。瞬間移動も使えない人間が世界政府から逃げ切れるはずがない。それはサーシャもわかっているはずだと顔を向ける。
玉座を出してそこに腰掛けた魔女は再び足を組んで彼らと同じ目線まで椅子を下ろすも地面には着かない。
「私はどうなってもいい! でもこの二人だけは生かしておくことはできない!」
「たった一人いなくなっただけじゃない」
「命の尊さを知らないアンタにはわからない! 私が彼女にどれほど救われたのか!」
「弟を愛せなかった時間をあの子と過ごすことで補填したつもりになってただけでしょ」
「違う! 私はあの人と過ごすのが好きだった! あの人のお世話ができて幸せだった!」
弟は幼くして不治の病を患った。治療法はなく、日に日に体調が悪化し、死を待つだけの状態に変わっていく弟を見ていられなくて禁忌だとわかっていながらも東の森を目指した。大袈裟なほど全身を震わせる恐怖を抑え込んで必死に抜けたあの日、魔女と契約したことを誰にも知られないために、入手した薬だけ飲ませて家を飛び出した。魔女と契約したことがバレれば迫害されるのは自分だけでなく家族もだ。アルフローレンスが許すはずがないという危機感もあって二度と帰ることはしなかった。結局はグラキエスに行ったことで彼にはバレてしまったが。
可愛い弟の傍にいられない代わりにイベリスの世話を焼き続けた。でもそれだけではなかった。純粋に彼女を慕っていた。
「自己満足に満ちた生活を奪われたことを腹いせにして人殺しはまずいんじゃない?」
「終焉の森で人を殺し続けてるアンタに言われたくない!!」
「心外ね。私が殺してるんじゃない。死ぬってわかっていながら腕試しで挑む彼らが勝手に死んでいくだけ。身体を操って森の中に入れてるわけじゃないんだから、挑むも逃げるも彼らの自由。むしろ私はチャンスを与えてる神みたいなものよ。こうして生き返らせてあげたわけだしね」
サーシャはあの日、魔女が何故性悪と呼ばれるのか知った。森の中に凶暴な魔獣を放ち、噂を広げる。それを聞きつけた力自慢の冒険者たちを集めては死ぬとわかっていながら森へと招き入れている。それを正当化する魔女には相変わらず吐き気がする。
「イベリス様は生きるべきだった! 生きてなきゃダメだった!! コイツがイベリス様を選んだせいで彼女は死んだ! コイツが生き返りたいと願ったせいで彼女は死んだの!! なんの罪もない彼女が死んで、どうしてコイツらが生きてるのよ! おかしいでしょ!! 許せるはずない!!」
「彼は後悔してるって言ってたわよ?」
「だから何? 言葉一つで許せって? じゃあ私もコイツらを殺したらそう言ってやる。後悔してるってね! だから邪魔しないで!!」
「邪魔するつもりはないわ。殺したいなら殺せばいい」
人の魔法を解除しておきながら何を言ってるんだと魔女が何を企んで姿を見せたのかわからず、新たに氷刃を握りこそすれ振り上げることはしない。
「マシロを迎えに来たの」
「マシロを?」
何故マシロなんだと眉を寄せて警戒する。マシロはイベリスが残した宝物。イベリスを失い、ウォルフまでいなくなってしまったことでマシロは不安になっている。ずっと鼻を鳴らし、城中を歩き回って彼らを探している。
動物にだけ優しいという噂もあるが、魔獣を操っている時点で信用に欠けるとサーシャは思っていた。だから怪訝な表情を向ける。
「さっき、ウォルフが終焉の森に入ったわ」
「それが何?」
「飼い主がいなくなるだろうから引き取ってあげようと思って」
ウォルフは死なないとファーディナンドもサーシャも断言はできなかった。ファーディナンドには魔獣の餌がいた。サーシャには魔法があった。ウォルフは獣化できるといえどそれだけ。街で暮らすには獣化は強い。身体能力が高く、攻撃力もある。だが、魔獣相手にはどうだ? 魔女が飼っているのならウォルフ以上の身体能力かもしれない。
白狼の嗅覚は人間の百倍から一万倍と言われ、聴覚は十六倍と言われている。十キロ先の音でさえ聴き分けるほどだが、魔女のテリトリーである終焉の森でどこまで機能しているのかわからない。鼻が良すぎるあまり、あの悪臭で機能しなくなっている可能性もある。だとしたら囮がいない状態で突っ込むのは自殺行為。
「この女は助けてウォルフは助けないの?」
「助ける義理ある?」
「この女はあるっていうの!?」
「殺されるとつまらなくなるから止めたの」
魔女らしい返事だが、納得はできない。
「一年かけて心変わりしたの。妻以外愛せないって豪語してた男が他の女を愛してたことを知った。妻の呪縛から解き放たれ、生き返った妻のどこを愛していたのかわからなくなった男のもとで死ぬまで生き続けなきゃいけなくなった女の人生はこれからが面白いんじゃない」
「面白くない! この身体はイベリス様のものよ! コイツが好き勝手していいものじゃない!!」
「それをアンタは殺そうとしてるのご存知? 殺したいほど憎んでる相手に大好きなイベリスの身体を破壊させようとしてる矛盾、おわかり?」
「コイツを生かしておけば脅しのために自傷行為に走る! それだけは許さない!」
悲鳴のような声が響き、サーシャの瞳からまた氷の涙が落ちる。床に落ちても割れず、その場で美しい輝きを放つ。それを指を動かして拾い上げ、パッと消して回収する。
涙を流さない魔女にとって氷の涙は貴重な素材。
「ロベリア、どうする? 殺される? いつ凍らされるかわからない監視下で生きたい?」
ロベリアへと椅子ごと向いた魔女からの問いかけに口元を覆っていた氷がスーッと解けていく。口を大きく開けて必死に酸素を取り込むロベリアが何度か咳き込んでイベリスを睨みつける。
「この女を殺して!」
「殺せとか殺すとか、何千年経とうと人間が口にするのはそんな頭の悪い発言ばっかりなのね」
「さっさと殺してよ! 私は皇妃よ!!」
「だから?」
とても軽い声だった。
何が起こったと怪訝な顔をするサーシャの前に金髪の少女が現れた。
「アンタは……!」
魔女だ。相変わらず宙に浮いてその場で足を組んで座っている。
「随分と楽しそうなことしてるわね。神判ごっこ?」
「どういうつもり? 魔女が個人に干渉するの?」
「そういうこともあるかもね。魔女は気まぐれだから」
「あなたはそんな人じゃないでしょ!」
「あら、私とあなたは家族じゃないし、ましてや友人でもないのに知ったような口を利くのね。くだらない噂を信じてそれが真実だって決めつけるタイプ?」
「邪魔しないで!!」
契約を終了させた魔女が何故個人でこの場に現れたのかがわからず混乱するもそれが怒りへと変わるのが早い。今すぐロベリアを殺さなければ気が済まない。イベリスが消えてから忘れていた間の記憶全てが蘇ったサーシャはこれ以上ロベリアがイベリスの身体で好き放題するのが許せなかった。正すのは不可能。なら、殺すしかないと考えて行動したのだが、寸前のところで魔女によって止められた怒りがまたサーシャの冷気を強める。室内だけでなく、廊下にまで伸びる氷結にドアの外にいた使用人たちが悲鳴を上げながら逃げていく。
「あなたがいれば氷の涙には困らなそうね。一緒に来ない? その材料って貴重なのよね」
「誰が!」
「家族のもとへ戻るつもりはないんでしょう? あなたはもう手袋なしで生きることはできない。今からロベリアを殺して魔女との契約だけじゃなくて人を殺す禁忌も犯す。そんな人間をどこが、誰が受け入れるっていうの? まさか遠く離れた地に行けば逃げ切れると思ってるわけじゃないわよね? そこの能無しみたいに」
サーシャの叫び声は廊下で様子を伺っていた者たちが聞いていただろう。だとすれば既に伝言ゲームは始まっている。それが貴族へと伝わり、貴族から世界政府に流れでもすればサーシャは一気にお尋ね者となってしまう。瞬間移動も使えない人間が世界政府から逃げ切れるはずがない。それはサーシャもわかっているはずだと顔を向ける。
玉座を出してそこに腰掛けた魔女は再び足を組んで彼らと同じ目線まで椅子を下ろすも地面には着かない。
「私はどうなってもいい! でもこの二人だけは生かしておくことはできない!」
「たった一人いなくなっただけじゃない」
「命の尊さを知らないアンタにはわからない! 私が彼女にどれほど救われたのか!」
「弟を愛せなかった時間をあの子と過ごすことで補填したつもりになってただけでしょ」
「違う! 私はあの人と過ごすのが好きだった! あの人のお世話ができて幸せだった!」
弟は幼くして不治の病を患った。治療法はなく、日に日に体調が悪化し、死を待つだけの状態に変わっていく弟を見ていられなくて禁忌だとわかっていながらも東の森を目指した。大袈裟なほど全身を震わせる恐怖を抑え込んで必死に抜けたあの日、魔女と契約したことを誰にも知られないために、入手した薬だけ飲ませて家を飛び出した。魔女と契約したことがバレれば迫害されるのは自分だけでなく家族もだ。アルフローレンスが許すはずがないという危機感もあって二度と帰ることはしなかった。結局はグラキエスに行ったことで彼にはバレてしまったが。
可愛い弟の傍にいられない代わりにイベリスの世話を焼き続けた。でもそれだけではなかった。純粋に彼女を慕っていた。
「自己満足に満ちた生活を奪われたことを腹いせにして人殺しはまずいんじゃない?」
「終焉の森で人を殺し続けてるアンタに言われたくない!!」
「心外ね。私が殺してるんじゃない。死ぬってわかっていながら腕試しで挑む彼らが勝手に死んでいくだけ。身体を操って森の中に入れてるわけじゃないんだから、挑むも逃げるも彼らの自由。むしろ私はチャンスを与えてる神みたいなものよ。こうして生き返らせてあげたわけだしね」
サーシャはあの日、魔女が何故性悪と呼ばれるのか知った。森の中に凶暴な魔獣を放ち、噂を広げる。それを聞きつけた力自慢の冒険者たちを集めては死ぬとわかっていながら森へと招き入れている。それを正当化する魔女には相変わらず吐き気がする。
「イベリス様は生きるべきだった! 生きてなきゃダメだった!! コイツがイベリス様を選んだせいで彼女は死んだ! コイツが生き返りたいと願ったせいで彼女は死んだの!! なんの罪もない彼女が死んで、どうしてコイツらが生きてるのよ! おかしいでしょ!! 許せるはずない!!」
「彼は後悔してるって言ってたわよ?」
「だから何? 言葉一つで許せって? じゃあ私もコイツらを殺したらそう言ってやる。後悔してるってね! だから邪魔しないで!!」
「邪魔するつもりはないわ。殺したいなら殺せばいい」
人の魔法を解除しておきながら何を言ってるんだと魔女が何を企んで姿を見せたのかわからず、新たに氷刃を握りこそすれ振り上げることはしない。
「マシロを迎えに来たの」
「マシロを?」
何故マシロなんだと眉を寄せて警戒する。マシロはイベリスが残した宝物。イベリスを失い、ウォルフまでいなくなってしまったことでマシロは不安になっている。ずっと鼻を鳴らし、城中を歩き回って彼らを探している。
動物にだけ優しいという噂もあるが、魔獣を操っている時点で信用に欠けるとサーシャは思っていた。だから怪訝な表情を向ける。
「さっき、ウォルフが終焉の森に入ったわ」
「それが何?」
「飼い主がいなくなるだろうから引き取ってあげようと思って」
ウォルフは死なないとファーディナンドもサーシャも断言はできなかった。ファーディナンドには魔獣の餌がいた。サーシャには魔法があった。ウォルフは獣化できるといえどそれだけ。街で暮らすには獣化は強い。身体能力が高く、攻撃力もある。だが、魔獣相手にはどうだ? 魔女が飼っているのならウォルフ以上の身体能力かもしれない。
白狼の嗅覚は人間の百倍から一万倍と言われ、聴覚は十六倍と言われている。十キロ先の音でさえ聴き分けるほどだが、魔女のテリトリーである終焉の森でどこまで機能しているのかわからない。鼻が良すぎるあまり、あの悪臭で機能しなくなっている可能性もある。だとしたら囮がいない状態で突っ込むのは自殺行為。
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「面白くない! この身体はイベリス様のものよ! コイツが好き勝手していいものじゃない!!」
「それをアンタは殺そうとしてるのご存知? 殺したいほど憎んでる相手に大好きなイベリスの身体を破壊させようとしてる矛盾、おわかり?」
「コイツを生かしておけば脅しのために自傷行為に走る! それだけは許さない!」
悲鳴のような声が響き、サーシャの瞳からまた氷の涙が落ちる。床に落ちても割れず、その場で美しい輝きを放つ。それを指を動かして拾い上げ、パッと消して回収する。
涙を流さない魔女にとって氷の涙は貴重な素材。
「ロベリア、どうする? 殺される? いつ凍らされるかわからない監視下で生きたい?」
ロベリアへと椅子ごと向いた魔女からの問いかけに口元を覆っていた氷がスーッと解けていく。口を大きく開けて必死に酸素を取り込むロベリアが何度か咳き込んでイベリスを睨みつける。
「この女を殺して!」
「殺せとか殺すとか、何千年経とうと人間が口にするのはそんな頭の悪い発言ばっかりなのね」
「さっさと殺してよ! 私は皇妃よ!!」
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