135 / 190
ロベリア復活
世界にひとつの贈り物2
しおりを挟む
ウォルフは庭に走り出していた。興奮で力が増す中、握っている花瓶を割ってしまわないように気をつけながら目的の場所へと一直線。
「アダムさんアダムさんアダムさんアダムさんアダムさんアダムさんアダムさんアダムさんッ!!」
庭師のアダムを大声で呼びながら走るウォルフに近くを通った使用人たちが何事かと驚いて足を止める。
庭師をしていて大声で呼ばれることなどこれまでの人生で一度もない経験に慌てて立ち上がるとスポーツ選手顔負けの跳躍力で垣根を飛び越えて目の前に着地したウォルフに思わずヒッと声が漏れた。
「ど、どうしました!?」
「これッ!!」
ズイッと鼻の先ギリギリに突き出された花瓶に思わず少し背を反らす。
「そ、それがどうかしましたか?」
「これ見て!! この花!! この花の名前わかりませんか!?」
「花……?」
近すぎて見えないと一歩下がってからチェーンで繋がっている眼鏡を首から顔に戻して花瓶についている花を見る。
「おおッ、これはすごい!」
感動したように声を漏らす。
「珍しい花なんですか!? この花瓶はグラキエスで作られた物なんです! 寒冷地に咲く花とかですかね!?」
興奮状態のウォルフではなく花瓶の縁に飾られている花を凝視するアダムが笑顔になる。
「これはまた腕の良い職人がいるもんですね。あの花をここまでガラスで再現できるとは」
「装飾の精密さじゃなくてこの花の名前が知りたいんです!! ここに付いてるこの花の名前を教えてください!!」
早く!!と急かすウォルフの迫力に慌てたアダムが眼鏡を外して答えた。
「これはイベリスの花です」
「イベリス……」
花の名前を聞いた瞬間、まるで頭の中に張り巡らされていた鎖がパキンッと弾けたように感じた。その直後、閉じ込められていた記憶がコップから溢れた水のように頭の中に広がっていく。
「イベリス……イベリス……そうだ……イベリスだ……イベリスなんだ……イベリス様……イベリス様だ……なんでッ……ああもうッ! イベリス様だ!! 忘れてんじゃねぇよ!」
今までの比ではないほどの強い頭痛を感じるももそれに勝る喜びに声を上げる。
「だ、大丈夫ですか?」
痛みに顔を歪めたかと思えば次の瞬間には歓喜の表情に変わって涙を流した。情緒不安定に見えるウォルフを心配するも彼の表情は喜びに満ちたまま。
「ありがとうアダムさん!! 感謝します!!」
ギュッと強い抱擁に驚いたのも束の間、急いで城の中へと戻っていくウォルフをアイゼン同様にポカンと口を開けて見送った。
廊下を走る足が軽い。頭は痛い。心が弾む。涙が流れる。嬉しい。悔しい。辛い。苦しい。怖い。記憶と共に溢れ出す感情がごちゃ混ぜになっている。それでもウォルフは真っ直ぐに執務室へと向かった。
「失礼します!!」
「キャアアアアアアアアッ!!」
感情の昂りか、逸る気持ちか、ウォルフは走りながら獣化し、そのまま執務室へと飛び込んだ。相変わらず執務室に居座るロベリアが獣の姿に悲鳴を上げてファーディナンドの後ろに隠れる。
何故獣化しているのかわからず、ノックもなしにドアを蹴破って入るなど今まであり得なかったウォルフの行動に驚いたファーディナンドは彼の表情に更に驚いた。
「早く出ていくように行って!!」
「ウォルフ、どうした? 何があった?」
アダムの名を連呼する大声が聞こえていたため窓から見ていたが、内容まではわからなかった。何かわかったのかもしれないと期待を胸に昼休憩時に聞きにいくつもりだったが、彼の表情を見てそれが少し不安へと変わる。
喜びに満ちていたら続いたら期待できたが、彼の表情は苦痛に満ちている。
「ファーディナンド!! 早くその犬を追い出してちょうだい!」
「何かわかったのか?」
「ファーディナンド!!」
叫ぶロベリアの声にカッとなって振り向くと怒声を浴びせた。
「お前が出ていけッ!!」
あまりにも強く大きな怒声にロベリアが固まった。
涙が止まらないウォルフが咥えていた花瓶をテーブルに置く。なんだと視線を落とすとファーディナンドにウォルフが告げる。
「イベリス」
「イベリス?」
ズキンッと強い頭痛が走る。
「イベリスですよ、陛下」
「イベリス……ッ!」
「彼女の名前は、イベリス・リングデール。陛下、どうか思い出してください。あなたがしたこと。彼女の覚悟。俺たちが止められなかったこと全て、ちゃんと思い出してください。彼女の優しさも、愛しさも、愛らしさも、全て、思い出してください」
段々と強くなる頭痛に耳まで聞こえなくなっていく。花瓶の縁につけられた花の装飾に目を奪われ、手を震わせながら握った。
〈ファーディナンド〉
「イベ、リス……」
〈謝罪はいらない。私が自分で選んだの。残ったのは間違いじゃなかった。残らなきゃ皆に出会えてなかったもの。だから、謝らないで〉
「イベリスッ」
ファーディナンドもウォルフ同様に頭の中で鎖が割れたような音を聞き、溢れ出る記憶に涙を流す。
「俺、行きます!」
「ウォル──……」
どこへと聞くまでもない。走馬灯のように流れてくるイベリスとの思い出、仕打ち、言葉、全てが後悔へと変わる。叫び出したくなるほどの後悔に吐き気がする。
〈あなたには感謝してるけど、ハグはしない。ロベリアが嫉妬するし、とってもひどいことを考えた罰〉
ああ、そうだ。ひどいなんてもんじゃない。言葉では言い表すこともできないような愚行。あれは人殺しも同然だ。
「すまない! すまないイベリスッ!!」
許してくれとは言わない。自分を殺した人間からの謝罪など欲しくもないだろう。ましてや自分を殺して取り戻した妻とは仲違いをしている。これではなんのために少女の魂が消えたのかわからない。そんな男を許せるはずがない。
魔女は言った。
『彼女の魂はもう存在しない。自ら身体を手放した魂は彷徨うことなく消滅する』
イベリスはもう魂で彷徨うことはない。誰かが生き返らせてくれるのではないかと願うこともできない。いや、イベリスの性格ならそんな愚かなことを望むことも願うこともしないだろう。
「ぐぅッ……ああぁぁああぁああああああッ!!」
脳を直接ナイフで刺されたかのような痛みに声を上げるファーディナンドに駆け寄ったロベリアが医者を呼ぶ。悲鳴のような声に使用人たちが駆けつける中、ウォルフは駆けていく。
「イベリス……」
意識を失ったファーディナンドを抱きしめながらロベリアは医者を呼び続けた。
「何があったの?」
部屋に戻る途中、サーシャに会った。ロベリアの命令でお茶の準備をしに行っていたサーシャは悲鳴が聞こえても駆けつけようとはしなかった。またか、と呆れていただけ。あえて紅茶を冷まして用事を増やそうとのんびり帰っていたところに出会した獣化したまま走るウォルフの姿に、思わず声をかけた。
「イベリス様に会いに行く」
「は? イベリス様って誰……ッ!!」
「魔女はああ言ったけど、俺は信じない。だって、俺はイベリス様と約束したから。迎えに行かなきゃ」
「待っ……ああッ!!」
激しい痛みに膝をつく。ワゴンについた手に力が入り、床に倒れる。淹れたての紅茶が絨毯の上に広がり、ロベリアお気に入りのティーカップとポットが割れた。
鎖が割れた音の直後に広がっていく温かな思い出と後悔に涙が溢れる。
「元気でやれよ、サーシャ」
そう言ってウォルフは走っていく。準備する物なんてほとんどない。必要なのはこの身体ともう一つだけ。ドアを乱暴に開けて中に入ると寝ていたマシロが驚いた。
「マシロ、お前の最愛のご主人様を迎えに行ってくるから待ってろよ。必ず会わせてやるから」
マシロと鼻を擦り合わせたあと、ほとんど何も入っていない棚に置いてあった砂時計を咥える。自分が贈った砂時計。色々と処分していたイベリスが返してきた物だ。何故もっと早く棚を開けなかったんだろう。備え付けの棚を使う理由がなく、イベリスが消えてから一度も開けることがなかった。そこにずっと大きな思い出があったのに。
〈捨てられないし、捨てたくないから〉
苦笑しながら返された。これをもう一度渡すんだと誓い、大きな手でマシロの頭をポンポンと叩いたあと、そのまま窓から飛び出して一気に東へと駆け出した。
「アダムさんアダムさんアダムさんアダムさんアダムさんアダムさんアダムさんアダムさんッ!!」
庭師のアダムを大声で呼びながら走るウォルフに近くを通った使用人たちが何事かと驚いて足を止める。
庭師をしていて大声で呼ばれることなどこれまでの人生で一度もない経験に慌てて立ち上がるとスポーツ選手顔負けの跳躍力で垣根を飛び越えて目の前に着地したウォルフに思わずヒッと声が漏れた。
「ど、どうしました!?」
「これッ!!」
ズイッと鼻の先ギリギリに突き出された花瓶に思わず少し背を反らす。
「そ、それがどうかしましたか?」
「これ見て!! この花!! この花の名前わかりませんか!?」
「花……?」
近すぎて見えないと一歩下がってからチェーンで繋がっている眼鏡を首から顔に戻して花瓶についている花を見る。
「おおッ、これはすごい!」
感動したように声を漏らす。
「珍しい花なんですか!? この花瓶はグラキエスで作られた物なんです! 寒冷地に咲く花とかですかね!?」
興奮状態のウォルフではなく花瓶の縁に飾られている花を凝視するアダムが笑顔になる。
「これはまた腕の良い職人がいるもんですね。あの花をここまでガラスで再現できるとは」
「装飾の精密さじゃなくてこの花の名前が知りたいんです!! ここに付いてるこの花の名前を教えてください!!」
早く!!と急かすウォルフの迫力に慌てたアダムが眼鏡を外して答えた。
「これはイベリスの花です」
「イベリス……」
花の名前を聞いた瞬間、まるで頭の中に張り巡らされていた鎖がパキンッと弾けたように感じた。その直後、閉じ込められていた記憶がコップから溢れた水のように頭の中に広がっていく。
「イベリス……イベリス……そうだ……イベリスだ……イベリスなんだ……イベリス様……イベリス様だ……なんでッ……ああもうッ! イベリス様だ!! 忘れてんじゃねぇよ!」
今までの比ではないほどの強い頭痛を感じるももそれに勝る喜びに声を上げる。
「だ、大丈夫ですか?」
痛みに顔を歪めたかと思えば次の瞬間には歓喜の表情に変わって涙を流した。情緒不安定に見えるウォルフを心配するも彼の表情は喜びに満ちたまま。
「ありがとうアダムさん!! 感謝します!!」
ギュッと強い抱擁に驚いたのも束の間、急いで城の中へと戻っていくウォルフをアイゼン同様にポカンと口を開けて見送った。
廊下を走る足が軽い。頭は痛い。心が弾む。涙が流れる。嬉しい。悔しい。辛い。苦しい。怖い。記憶と共に溢れ出す感情がごちゃ混ぜになっている。それでもウォルフは真っ直ぐに執務室へと向かった。
「失礼します!!」
「キャアアアアアアアアッ!!」
感情の昂りか、逸る気持ちか、ウォルフは走りながら獣化し、そのまま執務室へと飛び込んだ。相変わらず執務室に居座るロベリアが獣の姿に悲鳴を上げてファーディナンドの後ろに隠れる。
何故獣化しているのかわからず、ノックもなしにドアを蹴破って入るなど今まであり得なかったウォルフの行動に驚いたファーディナンドは彼の表情に更に驚いた。
「早く出ていくように行って!!」
「ウォルフ、どうした? 何があった?」
アダムの名を連呼する大声が聞こえていたため窓から見ていたが、内容まではわからなかった。何かわかったのかもしれないと期待を胸に昼休憩時に聞きにいくつもりだったが、彼の表情を見てそれが少し不安へと変わる。
喜びに満ちていたら続いたら期待できたが、彼の表情は苦痛に満ちている。
「ファーディナンド!! 早くその犬を追い出してちょうだい!」
「何かわかったのか?」
「ファーディナンド!!」
叫ぶロベリアの声にカッとなって振り向くと怒声を浴びせた。
「お前が出ていけッ!!」
あまりにも強く大きな怒声にロベリアが固まった。
涙が止まらないウォルフが咥えていた花瓶をテーブルに置く。なんだと視線を落とすとファーディナンドにウォルフが告げる。
「イベリス」
「イベリス?」
ズキンッと強い頭痛が走る。
「イベリスですよ、陛下」
「イベリス……ッ!」
「彼女の名前は、イベリス・リングデール。陛下、どうか思い出してください。あなたがしたこと。彼女の覚悟。俺たちが止められなかったこと全て、ちゃんと思い出してください。彼女の優しさも、愛しさも、愛らしさも、全て、思い出してください」
段々と強くなる頭痛に耳まで聞こえなくなっていく。花瓶の縁につけられた花の装飾に目を奪われ、手を震わせながら握った。
〈ファーディナンド〉
「イベ、リス……」
〈謝罪はいらない。私が自分で選んだの。残ったのは間違いじゃなかった。残らなきゃ皆に出会えてなかったもの。だから、謝らないで〉
「イベリスッ」
ファーディナンドもウォルフ同様に頭の中で鎖が割れたような音を聞き、溢れ出る記憶に涙を流す。
「俺、行きます!」
「ウォル──……」
どこへと聞くまでもない。走馬灯のように流れてくるイベリスとの思い出、仕打ち、言葉、全てが後悔へと変わる。叫び出したくなるほどの後悔に吐き気がする。
〈あなたには感謝してるけど、ハグはしない。ロベリアが嫉妬するし、とってもひどいことを考えた罰〉
ああ、そうだ。ひどいなんてもんじゃない。言葉では言い表すこともできないような愚行。あれは人殺しも同然だ。
「すまない! すまないイベリスッ!!」
許してくれとは言わない。自分を殺した人間からの謝罪など欲しくもないだろう。ましてや自分を殺して取り戻した妻とは仲違いをしている。これではなんのために少女の魂が消えたのかわからない。そんな男を許せるはずがない。
魔女は言った。
『彼女の魂はもう存在しない。自ら身体を手放した魂は彷徨うことなく消滅する』
イベリスはもう魂で彷徨うことはない。誰かが生き返らせてくれるのではないかと願うこともできない。いや、イベリスの性格ならそんな愚かなことを望むことも願うこともしないだろう。
「ぐぅッ……ああぁぁああぁああああああッ!!」
脳を直接ナイフで刺されたかのような痛みに声を上げるファーディナンドに駆け寄ったロベリアが医者を呼ぶ。悲鳴のような声に使用人たちが駆けつける中、ウォルフは駆けていく。
「イベリス……」
意識を失ったファーディナンドを抱きしめながらロベリアは医者を呼び続けた。
「何があったの?」
部屋に戻る途中、サーシャに会った。ロベリアの命令でお茶の準備をしに行っていたサーシャは悲鳴が聞こえても駆けつけようとはしなかった。またか、と呆れていただけ。あえて紅茶を冷まして用事を増やそうとのんびり帰っていたところに出会した獣化したまま走るウォルフの姿に、思わず声をかけた。
「イベリス様に会いに行く」
「は? イベリス様って誰……ッ!!」
「魔女はああ言ったけど、俺は信じない。だって、俺はイベリス様と約束したから。迎えに行かなきゃ」
「待っ……ああッ!!」
激しい痛みに膝をつく。ワゴンについた手に力が入り、床に倒れる。淹れたての紅茶が絨毯の上に広がり、ロベリアお気に入りのティーカップとポットが割れた。
鎖が割れた音の直後に広がっていく温かな思い出と後悔に涙が溢れる。
「元気でやれよ、サーシャ」
そう言ってウォルフは走っていく。準備する物なんてほとんどない。必要なのはこの身体ともう一つだけ。ドアを乱暴に開けて中に入ると寝ていたマシロが驚いた。
「マシロ、お前の最愛のご主人様を迎えに行ってくるから待ってろよ。必ず会わせてやるから」
マシロと鼻を擦り合わせたあと、ほとんど何も入っていない棚に置いてあった砂時計を咥える。自分が贈った砂時計。色々と処分していたイベリスが返してきた物だ。何故もっと早く棚を開けなかったんだろう。備え付けの棚を使う理由がなく、イベリスが消えてから一度も開けることがなかった。そこにずっと大きな思い出があったのに。
〈捨てられないし、捨てたくないから〉
苦笑しながら返された。これをもう一度渡すんだと誓い、大きな手でマシロの頭をポンポンと叩いたあと、そのまま窓から飛び出して一気に東へと駆け出した。
334
お気に入りに追加
872
あなたにおすすめの小説
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
貴方誰ですか?〜婚約者が10年ぶりに帰ってきました〜
なーさ
恋愛
侯爵令嬢のアーニャ。だが彼女ももう23歳。結婚適齢期も過ぎた彼女だが婚約者がいた。その名も伯爵令息のナトリ。彼が16歳、アーニャが13歳のあの日。戦争に行ってから10年。戦争に行ったまま帰ってこない。毎月送ると言っていた手紙も旅立ってから送られてくることはないし相手の家からも、もう忘れていいと言われている。もう潮時だろうと婚約破棄し、各家族円満の婚約解消。そして王宮で働き出したアーニャ。一年後ナトリは英雄となり帰ってくる。しかしアーニャはナトリのことを忘れてしまっている…!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
真実の愛は、誰のもの?
ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」
妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。
だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。
ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。
「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」
「……ロマンチック、ですか……?」
「そう。二人ともに、想い出に残るような」
それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
王太子殿下から婚約破棄されたのは冷たい私のせいですか?
ねーさん
恋愛
公爵令嬢であるアリシアは王太子殿下と婚約してから十年、王太子妃教育に勤しんで来た。
なのに王太子殿下は男爵令嬢とイチャイチャ…諫めるアリシアを悪者扱い。「アリシア様は殿下に冷たい」なんて男爵令嬢に言われ、結果、婚約は破棄。
王太子妃になるため自由な時間もなく頑張って来たのに、私は駒じゃありません!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる