亡き妻を求める皇帝は耳の聞こえない少女を妻にして偽りの愛を誓う

永江寧々

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ロベリア復活

復活

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 昨夜の雷雨が嘘のように青空が澄み渡る朝、ファーディナンドは隣で眠る温もりが動いたことで目を覚ました。

「ロベリア?」
「おはよう、ファーディナンド」

 まだほんのりと寝ぼけ眼で微笑むロベリアの額に口付けてサイドテーブルに置いてある時計を確認するとまだ目覚めるには早い時間。ベッドから出ようと端に移動する身体を腹部に腕を回して捕まえ、自分のほうへと引き寄せる。
 魔女の計らいなのか、使用人たちはロベリアが生き返ったことに誰も驚きはしなかった。まるで彼女が死んだ事実がなくなったようだった。
 生き返った記憶を持っているのは自分とアイゼンとロベリアだけであることを昨夜確認し、安堵した。

「ふふふふっ、なあに?」
「どこへ行くんだ?」
「お風呂よ。たくさん汗かいたから」
「あとでいいだろう。まだ早い。もう少し寝ていろ」
「誰のせいで汗まみれになったと思ってるの?」
「俺も汗まみれだからいいだろう」

 やだ、と笑いながらも強い抵抗を見せないロベリアにファーディナンドも笑みをこぼす。

「あなたはまだ寝てていいのよ。私だけお風呂に入ってくるから」
「俺も入る」
「サーシャに裸を見せるつもり?」
「俺はお前の裸を侍女に見せるのが惜しい」
「ふふふっ、何それ。でも本当に、あなたは寝てて」

 腕を軽く叩いて解放を促し、夫の腕からもベッドからも抜け出してバスローブを羽織るもふと、部屋を見回して違和感に気付いた。

「ねえ、ここに掛けてあった肖像画はどこへやったの? 写真もない」
「ん?」
「写真と肖像画よ。それに私のお気に入りの鏡台もない。移動させた?」
「お前が眠っている間にか? ありえんだろう」

 寝てていいと言った口で問いかけ続け、目を閉じたまま今にも眠ってしまいそうな緩い声で答える夫を揺さぶり起こす。嫌な予感にそのままクローゼットへと向かうと悲鳴を上げた。

「嘘……わ、私のドレスがない! 嘘でしょ……! 帽子も、靴も、全部なくなってる!! どうしてッ!?」

 ベッドから出てロベリアの後ろからクローゼットの中を覗き込むとまるで新居のようにガランとしているのが見えた。数えるのも大変なほど詰め込まれていたドレスや装飾品といったロベリアの私物が全て消えている。

「まさか……!」

 更なる嫌な予感に部屋のドアを乱暴に開け、そのまま衣装部屋へと走り出したロベリアはドアを押し破るように開けて中へと入り、愕然とする。

「どういうこと……?」
 
 お気に入りは自室のクローゼットにしまい、それ以外は全て衣装部屋にしまっていた。デザイナーと話し合って作り上げたドレスも帽子も靴も、何もかもなくなっている。これからここを倉庫にでもするつもりだったかのように髪飾り一つ落ちていない。

「ねえ!! ちょっとッ!!」

 既に朝の掃除を始めていた使用人が角を曲がって廊下の窓拭きを始めようとしていたところに怒声のような音量で声をかける。ビクッと肩を跳ねさせ、相手がロベリアであることを確認し、慌てて頭を下げた使用人の腕を掴んで衣装部屋の前まで引っ張った。何もしていないのにと怯えながら立たされた衣装部屋の前。

「どういうこと!? ここにあった私の衣装をどこへやったの!?」
「わ、私は担当ではありませんので存じ上げません!」

 使用人はそれぞれ担当場所があり、衣装担当は掃除担当している下っ端では就くことはできない。衣装部屋担当の使用人など知るはずもなく、使用人の総統括であるアイゼンを呼んだほうが早いと声を張った。

「すぐにアイゼンを呼んで!!」

 全速力でアイゼンがいる場所へと向かった使用人を見ながらチッと舌打ちをして親指の爪を噛む。
 衣装部屋にあったのはお気に入りではなかったけれど、他者に自慢できる物だった。あと二十年もしたらテロスに博物館を建てて、自分がイベント時に着てきた物を飾ろうと思っていた計画がこれで全て台無しとなった。

「絶対に許さない……! 絶対に見つけ出してやるんだから……!」

 アイゼンも既に起床して動き始めていたのか、正装で駆けつけた。後ろには衣装部屋担当だろう者を連れている。

「アイゼン、これを見てよ!!」


 呼びに来た使用人からは『とにかく来てください! ロベリア皇妃がお怒りなんです! 衣装部屋の管理者を連れて早く!!』と言われて急かされたため何が起きているのかの説明は受けていなかった。衣装部屋に埃があったとかそういうことだろうかと朝からうんざりしながら駆けつけた場所で、また指示を受けて衣装部屋を覗く。

「な、なんと……」

 信じられない顔で中を見るアイゼンは何も知らないと判断し、衣装部屋担当の使用人を睨みつける。

「どういうこと!? どうして私のドレスがないの!? 私のドレスたちをどこへやったの!? 答えなさい!!」
「わ、私ではありません! 昨夜、この部屋を掃除したときは確かに全てここにありました!」
「でもないじゃない!! ここにあった衣装が総額いくらするか知ってるの!? あなたの生涯年収の何百倍もするのよ!! どうしてくれるの!? あなたが担当者なんでしょ!? これは全てあなたの責任よ!!」
「そ、そんな! 私は昨夜、確かに鍵を閉めました! 鍵は閉めたあと、いつもどおりアイゼンさんに渡しました!」

 アイゼンが腰に下げている鍵の束を取り出して衣装部屋の鍵を見せる。鍵は使用人が勝手をしないよう、全てアイゼンが預かることになっている。

「鍵は閉まってなかった!! 開いてたのよ!! 閉め忘れたんでしょ!!」
「確かに閉めました!! ここはロベリア様の衣装部屋です! 何度も何度もドアノブを回して鍵がかかっているか確認してから離れるようにしています! 確認を怠ったことは一度もありません!!」

 しつこいくらい確認するようアイゼンから言われているため使用人たちは壊れんばかりにドアノブを回す癖がついている。それは自分の部屋のドアでもやってしまうほど身についているものだ。だから使用人たちは鍵を閉め忘れることだけは絶対にないと断言できるのだが、ロベリアは信じない。

「じゃあ私がピッキングでもしてドアを開けたと思ってる? 鍵が開いてたからドアを開けられたのよ!!」

 絶対にありえないのにと今にも泣きそうになっている使用人を庇うようにアイゼンが彼女の前に出た。

「ロベリア様、お気持ちはわかりますが、一度落ち着きませんか?」
「どうして落ち着けるのよ!! ここには思い出が詰まってたのよ!! 私だけじゃない! ファーディナンドと、国民との思い出も詰まってたの!! 盗まれたんだわ……絶対にそうよ……。絶対許さない……。使用人全員を大ホールに集めて警察を呼んで!!」
「ロベリア様、まずは使用人から話を聞いた上で──」
「いいから呼びなさい!! 今すぐに!!」

 犯人探しを始めるつもりであるロベリアの怒りを鎮める方法はなく、アイゼンは二人に使用人を全員大ホールに集めるよう指示を出し、警察を呼ぶのはファーディナンドに確認してからと決めて足早に寝室へと向かった。
 大ホールに集められた使用人たちは戸惑いの色を隠せない。玉座に腰掛ける二人の機嫌はあまり良くは見えず、ロベリアなど今の感情を隠そうともせず使用人一人一人を睨みつけている。

「またロベリア様が怒ってるぞ」
「衣装がなくなったらしいぜ」
「盗まれたって俺らを疑ってるんだとか」
「あんな派手な衣装盗んでどうしようってのよ。この国じゃ売れないし、運び出すには量が多すぎるでしょ。それを一夜で盗んだって考えるのはムリがあると思うんだけど」
「しかも二人の寝室にあった物までなくなってたらしい」
「大胆不敵っつーか、朝から晩まで働いてるのにどうやって盗めるんだよ。夜に二人の寝室に入って盗み出すとかそれこそムリがあるだろ」
「何がなんでも俺らのせいにしたいんだろ。使用人になら言いたい放題だもんな」
「シーッ! 声がデカいッ。聞こえたら鞭打ちだぞ」

 ヒソヒソと小声で話し続ける使用人たち全員が犯人に見えるロベリアにとって警察を待っているこの時間さえ苛立ちへと変わる。一国の皇妃がバスローブで玉座に座る姿はあまりにも品がなくみっともない。自覚はあるが、昨日着ていたワンピースは砂糖菓子のような甘い匂いが気持ち悪くて洗濯に出してしまったためまだ乾いていなかった。ドレスが一枚もないのでは着替える物もない。ロベリアは自分がこういう姿でいるのはお前たちの仲間の誰かのせいだと言いたげな表情を見せ、足を組んでふんぞり返っている。

「そんなに怒るな。また新調すればいいだけだろう」
「あなたが似合うって言ってくれた物ばかりなのよ! どうしてあなたは怒ってくれないの!? 思い出がなくなったの! 盗まれたのよ!! 怒るべきでしょ!!」
「お前に似合う物はこれからも生まれる。お前がこれまで身につけた物は俺の目にも国民の目にも焼き付いている。物が消えたところで思い出までは消えはしない」
「そういう問題じゃないのよ!!」

 怒鳴り散らしながら肘掛けを叩くロベリアの頬に手を伸ばして優しく撫でながら落ち着けと声をかけるもロベリアの怒りの炎は少しも小さくならない。
 あそこにあった煌びやかな衣装はどれも自分の努力の結晶。それを金目当てで盗んだ犯人は死刑だと一人、心の中で息巻いていた。

「陛下、遅くなりましたこと、お詫び申し上げます」
「遅い!!」

 馬車を飛ばしてきただろう警察に怒声を浴びせたロベリアの手を握って落ち着けと再度注意するファーディナンドにまた拗ねた顔を見せる。自分たちにはとんでもない顔で睨みを向けるくせに夫には頬を膨らませて拗ねた子供のような顔を向ける姿に使用人たちも苛立っていた。
 アイゼンが彼らに事情を伝え、警察からの指示で使用人たちはこの場で待機となった。
 テロスで働く警察官全員が城に集まり、何か手掛かりがないか、端から端まで捜索することになった。

「今日中に犯人を見つけてちょうだい」

 警察官は深く頭を下げるだけで返事はしなかった。
 ドレスはポケットに入れられるほど小さくはないし、片手で持てるほど軽くもない。数着どころではない数のドレスをどこにいても誰かが見ていると言えるぐらい使用人が働いている城の中を誰にも見つからずどこかへ運び出すことができるのか、というのが彼らの疑問。侵入者による犯行の線は薄く、内部の犯行という線しかないだろうが、窓も割れず、鍵も壊れていないとなると疑問は増える一方。
 皇妃の私物を誰も気付かず一つ残らず運び出せる人間など存在するのか。考えていても仕方ないと、数百名の使用人一人一人に対する事情聴取が始まった。

「ロベリア、すまないが俺も仕事をしなければならない」
「いやよ! ここにいて! 私の物を盗んだ犯人はこの中にいるのよ! そんな中に私を置いていくの!?」
「ロベリア、仕事なんだ」
「不安なの。お願いよ、ファーディナンド。一緒にいて?」

 立ち上がったファーディナンドの手を引き寄せて自らの胸に押し当て、傍にいてくれるよう頼むロベリアの上目遣いに困った顔をする。
 愛する妻のお願いは聞いてやりたいが、仕事はしなければならない。

「サーシャとウォルフがいるだろう」
「そうだけど、私の夫はあなただもの。あの二人じゃ私の不安は取り除けないの」
「彼らとは常に一緒に過ごしてるじゃないか。俺と過ごす時間より多いというのに」
「私が? 私はあなたが仕事中でもあなたの部屋にいるほうが多いじゃない」
「そう、だったか? ああ、そうか。そうだった」
「もう、まだ起きてないの?」
「かもしれん」

 休憩時間に窓から外を見るとロベリアがサーシャとウォルフを引き連れて談笑している光景が脳裏に浮かんだのだが、ぼんやりとしたもので、その映像はすぐに執務室のソファーに横になって本を読む姿に上書きされる。

「結果が出るのはまだまだ先だ。俺は仕事に行くからお前も一緒に来ればいい」
「ダメ! 私はここで彼らを見張るの。だって、無実の使用人に容疑をかけたくないもの。犯人をちゃんとこの目で見抜くわ。許せないもの」
「あまり騒ぎ過ぎんようにな」
「わかってる。私はテロスの皇妃よ。心配しないで」

 胸に押し当てていた手を頬に当てて手のひらにキスをするロベリアの額にファーディナンドもキスをしてその場を離れた。
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