亡き妻を求める皇帝は耳の聞こえない少女を妻にして偽りの愛を誓う

永江寧々

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契約執行5

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「イベリス様、やっぱりダメです!! 拒んでください!! 俺はまだあなたと一緒にいたいんです!! マシロが寂しがりますよ!! マシロはあなたじゃなきゃダメなんです! わかってるでしょう!? 俺も、あなたじゃなきゃダメなんだ!!」

 嬉しそうに笑うその顔が好きだった。流れる涙さえも美しさに変わり、その涙を拭う役目が欲しくてハンカチを持ち歩くようになった。
 本当は獣化して、イベリスの首根っこを咥えて白狼の集落に入って閉じ込めておきたい願望すらあった。そうしたところでアルフローレンスはファーディナンドのためには動かないだろうから。もしもが起こったら、勝てる見込みがないのはわかっていても戦うつもりでもあった。
 だけど、イベリスが望まないことはしたくなかった。嫌われるのが怖かったから。できるだけ心穏やかに、欲望を露わにしないよう心がけていた。笑ってほしくて、わがままを言ってほしくて、安らいでほしくて……でも、覚悟だけはしてほしくなかった。
 それなのにイベリスはもう覚悟を決めてしまった。

〈マシロのこと、お願いね。約束よ〉

 立てた小指にウォルフが「ダメだ!」と何度も叫ぶ。窓を揺らすほどの強い、獣人族の叫び。目の前に表示される言葉だけでなく、全身で感じるビリビリとした彼の感情にイベリスにも彼の悔しさと悲痛さが伝わっている。それでも、どうしようもない現実がある以上、抵抗するつもりはなかった。

「後悔しないの? あなたはまだ生きられるのよ? このクソ女の魂にあなたの身体が乗っ取られるなんて嫌でしょう? あなたは健康で、珍しく穢れのない魂を持ってる。こんなクソ男のためにわざわざ明け渡す必要はないんじゃない? 断る権利はあなたにあるんだから選んでいいのよ?」
〈……断ったら中止にしてくれるの?〉
「まさか。ありえない」

 なんとなく、そう返ってくるのが想像できていたため笑ってしまう。性悪と呼ばれる魔女がそう簡単に全てを無かったことにするはずがない。同情して契約無効にしてくれるなら彼女は性悪なんて呼ばれない。

〈じゃあこれしかないし、これでいいの〉

 イベリスが魔女に見せた笑顔に後悔はなく、確かな意思を持って、ゆっくり、大きく頷いた。

「まあ、言ってみただけなんだけど、あなたってからかい甲斐がないのよね。人間って本当にどうしようもない生き物だわ。誰かのために犠牲になることを正義とし、それも愛とする。愛する人が幸せなら自分は死んでもいいだなんて反吐が出るような台詞を平気で吐き続ける。愛する人が手に入らないなら死ぬ、もね」

 悲しみか、呆れか、それとも怒りか。魔女の感情は誰にも読み取れず、淡々と語るその様子だけをイベリスは見ていた。
 魔女の言葉も文字となって宙に現れる。彼女が吐き出す文字を見てイベリスはかぶりを振る。

〈中止にしないくせにそんなこと言うのね〉
「愛が理由じゃなかったら中止してたかも」
〈愛が嫌いなの?〉
「大嫌いよ。反吐が出る」

 数千年生きていると言われているこの魔女にも当たり前に過去があって、語り尽くせぬほどの経験をしているのだろう。理由がなければ嫌いにはならない。もう少し早く会って、少し、話をしてみたかったとイベリスは思った。

〈お別れだけしてもいい?〉
「早くしてね」

 サーシャの前に立つと氷の涙を流す姿に眉を下げながらも抱きしめた。帰ってこない抱擁。彼女の手から発される冷気でなんとなく理由は察している。それでもこうして見せる表情が彼女の思いだと受け取っている。誰よりも尽くしてくれた優しい人。

〈サーシャが侍女でよかった。たくさんわがまま言って、たくさん困らせて、たくさんお世話させてごめんね〉
「もっと、たくさん、お世話させてください……! 私の使命なんです! 私の生き甲斐で、私の役目で、私の仕事で、私の……ッ!」

 言葉が詰まる。わがままなんて言われたことはない。お世話なんてし足りない。これからもあなたの笑顔を見て、あなたがいる日常を当たり前に過ごしたい。そう伝えなければならないのに声が出ない。絞り出そうとしても声を発するのが難しかった。

〈サーシャの笑顔が大好きよ。出会ったばかりの頃はちょっと怖いなって思ってたけど、それもすぐに消えた。だって、あなたの笑顔がとっても素敵だってことを知ったから。いつも優しくしてくれてありがとう。手話を覚えてくれてありがとう。すごく嬉しかった〉

 ポケットの中からメモ帳を取り出してペンを走らせたサーシャがそれをちぎってイベリスに渡す。

〈あなたの侍女になれて幸せでした。あなたが皇妃だからではなく、イベリス様の侍女でいられたことが幸せでした。でも、私はあなたの行動をずっと彼女に報告していました。私が報告しなかったらあなたは〉

 その先は読まずに畳んだ。震えた文字で書かれた精一杯の謝罪に何度もかぶりを振る。

〈あなたはやるべきことをしただけ。弟の病気を治すために戦ったあなたを誰が責められるの? あなたは何も間違ってない。強くて優しい私の親友。私はあなたが大好きよ〉

 紙を胸に当てて笑うイベリスに手が触れないように抱きしめるとキツく返ってくる。涙が凍るほど冷え切っているはずなのに、心はとても暖かい。
 ウォルフの言葉からしか推測できなかったが、それでも彼女を責めるつもりなどイベリスにはなかった。
 ゆっくりと離れるその瞬間、サーシャはもうイベリスを見ていられなかった。背を向け、泣き声を堪えるサーシャの背中を目に焼き付けたあと、ウォルフの前に移動するとすぐに抱きしめられた。

〈ふふっ、ウォルフに抱きしめられるといつも苦しいって思う〉
「あなたを失ったら、俺はどうやって生きていけばいいんですか。あなたのためにグラキエスからやってきたのに……マシロだけ押し付けて消えちゃうなんて、ひどすぎます。あなたのいない世界で生きていけなんて、どういう神経してるんですか」

 苦悶の表情を浮かべながら訴えるウォルフから身体を離して笑うイベリスの目が愛情を伝えてくれる。この瞳も好きだった。爽やかな青空を写したような瞳が愛おしかった。でも今は悲しみの青にしか見えない。

〈無神経だよね。ごめんなさい。私ね、獣人族に初めて会って、その人が専属の騎士になって、それがすごく不思議な感覚だったの。だって何もしないし、どこへも行かないのに護衛がつくなんておかしいじゃない? その人はすごく筋肉質なのに、もふもふだったりもして。同い年なんかには絶対に見えないし、可愛かったりかっこよかったりする。とっても泣き虫で、とっても優しくて、とっても愛情深い人。あなたといるといろんな感情が込み上げてきて、それもすごく不思議だった〉
「好きになってくれましたか?」
〈大好きよ。あなたもサーシャも〉

 わかりきっている返事だった。最後の最後で好きだなんて告白をくれるほど卑怯でも残酷でもない。それが嬉しくて、辛い。

「それでいいです。どんな意味であろうと、あなたに好きだと言ってもらえるだけで俺は幸せです」

 幸せだと告げながらも声は震え、もう一度抱きしめることで隠した顔には涙が溢れている。
 この小さな温もりが、砂糖菓子のような甘い匂いが消えてしまう。笑ったり泣いたり怒ったり拗ねたり困ったりはしゃいだりと見ているだけで笑ってしまうほど感情豊かなこの存在を失うことが怖くてたまらない。

「あなたならすぐに生まれ変われます。そしたら迎えに行きますから」
〈居場所わかるの?〉
「あなたの匂いは記憶済みです。どこに居ても嗅ぎ分けて迎えに行きますから待っててください」
〈もうイベリスの匂いじゃないかも〉
「この香りはあなたの魂の匂いだから大丈夫。白狼はとっても鼻が良いと言ったでしょう? ナメないでくださいよ」
〈ふふっ、そうだった〉

 身体を離したイベリスが指でウォルフの鼻をトンッと叩いた。
 嫌だ。まだ離れたくない。縋りつきたい気持ちを抑え、身体の横で拳を握る。ファーディナンドのほうへと向かおうとするイベリスの背中を見て、ウォルフはもう一度腕を掴んで抱きしめた。
 ずっと言わなかった言葉がある。相手は皇妃で、自分は騎士。伝えることは許されないと思っていたから溜め込んでいた言葉。

「愛してます。これからもずっと、あなただけを愛しています」

 ファーディナンドがいようが関係ない。これが別れとなるのなら伝えておきたかった。
 驚いた顔をするイベリスにニッと笑いかけ、叩かれた鼻を相手の鼻に擦り寄せた。

「絶対、待っててくださいね」

 それを別れとして自分から下がった。
 微笑みだけ返し、返事はしないままファーディナンドのもとへと向かったイベリスは「起きないの?」と問いかけた。その瞬間、ファーディナンドの身体からふっと重力が消え、起き上がれるようになった。だが、イベリスからのハグはない。

〈あなたには感謝してるけど、ハグはしない。ロベリアが嫉妬するし、とってもひどいことを考えた罰〉

 笑いながらベッと舌を出す。

「イベリス……」
〈謝罪ならいらないからね。あなたの企みを知っても逃げなかったのは間違いじゃなかったって思ってるから。皆と過ごせた日々には幸せと感謝しかないの。あの頃のあなたと今のあなたは違うのもわかってる。だから、謝らないで〉

 謝罪は欲しくない。彼からは何も欲しくないのだ。謝罪を最後の言葉にしてさりたくはない。彼と過ごした時間の中には悪くないと思えるものもあったから。
 深呼吸をし、イベリスの言葉を受け入れたファーディナンドが静かに頷く。涙を拭って、震える息をゆっくりと吐き出し、頭を下げた。

「終わった? 登場して三秒で帰るつもりだったのに長引いちゃった」
〈ごめんね〉
「可哀想な子羊ちゃんに少し時間をあげただけよ。じゃ、とっとと始めましょうか。三秒で終わるわよ」

 その言葉に全員が顔を向ける。全員が握る拳は白くなるほど力が込められ、どうしようもない力の前に立ち尽くすしかできない自分たちが憎くてたまらない。だが、魔女に飛びかかったところで待つのは死のみ。それはイベリスの心を抉ることにしかならない。

「イベリス」
〈お別れだね、ファーディナンド〉
「待て。イベリス」
〈ね、笑顔で見送って。ロベリアが戻ってくるんだから笑顔でいなきゃ」
「違う。イベリス、待て」

 伸びてくる腕を拒絶するようにかぶりを振り、魔女の横に立った。

「後悔しないで。私もしたくないから。笑ってよ。それが一番嬉しいから」

 晴れやかな笑顔でロベリアの隣に立つイベリスに駆け寄ろうとした三人の前で魔女が宙に字を描く。

「やめてくれーッ!」

 伸ばした手は透明の壁に阻まれる。何度も見えない壁を叩きながら必死に懇願するも魔女は聞こえないフリをする。
 イベリスの身体から水晶玉の形となって抜けた魂に誰もが絶句する。代わりにその隣にあったロベリアの魂がゆっくりとイベリスの身体に入っていった。

〈ありがとう〉

 最後の挨拶を笑顔で交わしたイベリスの魂が形を崩して煙のようにフッと消えた。
 透明の壁が消え、体勢を崩したファーディナンドが床に四肢をつく。サーシャもウォルフも床に座り込み、悔しさに震える。

「何故こんなッ……契約を破棄することでどんな不利益を被るんだ!? イベリスではなく俺が……消えなければ……!」

 泣きながら何度も床を叩くァーディナンドに魔女が向けるのは蔑むような視線。

「ロベリアの魂を降ろす条件は“中止しないこと”だった。あなたはそれを良しとした。サインした時点で何があろうと中止はできなくなったのよ」

 ロベリア以外を愛せるはずがないと自分の気持ちを疑いもしなかったファーディナンドにとってそれは無条件も同然だった。契約書に書かれている内容などなんでもいい。ロベリアを生き返らせられるかどうか。それだけを求めていたため、契約書など深く記憶に残っていなかった。

「罪なき者を騙し、その命を軽視し奪ってまで死者を生き返らせようとする強欲な人間なんて罪人も同然。新しい愛を手に入れたから罪はなかったことに、なんて都合良くはいかないのよ。ロベリアを取り戻したかったんでしょ? だから私は叶えてあげた。イベリスが死んで、ロベリアが戻った。これはあなたが選んだ道よ」

 自分が選んだ道。そうだ。いつもそう自分に言い聞かせていた。幸せを手に入れたのも自分が選んだ道が正しかったからで、自分は両親とは違うと。
 引き止めるアイゼンを振り払って終焉の森に向かったあの日からずっと選択を間違え続けていた。何度も自覚する自分の愚かさにファーディナンドはもう立ち上がる気力さえなくしていた。

「彼女を愛してしまったのならそう言いに来るべきだったのよ。自分から行かなければ無効になるとでも思った? 彼女をリンベルに帰せば器がないから無効になるはず。魔女はそこまで追いかけない、なんて考えてたんでしょうけど、残念。私はリンベルに行ってロベリアの魂を降ろしてた。魔女との契約を甘く見た浅薄な自分を恨むことね。恨んだところであなたの罪は消えないけど」

 結局はどれだけ必死に懇願しようと結末は変わらなかった。泣いて、喚いて、怒鳴って、叫んで、絶望して。魔女はここにいる全員が抱いていた願いを一蹴して、契約を執行した。

「……教えてくれ。イベリスの魂は……天国に行けたのか?」
「聞いてどうするの? 天国に行けたら天使になったとでも言うつもり? あの子を殺す契約を結んだその口で?」
「教えてくれ」

 違う、とも、やめてくれとも叫ばないファーディナンドに肩を竦める。腕に存在しない時計で時間を確認するようにチラッと見てから少し強めに息を吐いて答えた。

「あの子の魂はもう存在しない。自ら身体を手放した魂は彷徨うことなく消滅する」
「そんな……」

 イベリスはきっと知らなかっただろう。ロベリアと同じく、死を怖がらなかったのは希望があったから。魔女はイベリスにそれを伝えなかった。イベリスは生まれ変わることなく、ただ魂を手放しただけ。 

「イベリスがいないんだから、もう救わないわよ」

 獣化したウォルフが殺気を纏い飛びかかろうとするのを背を向けたまま一声で制する。

〈マシロのこと、お願いね〉

 最後までそう言ったイベリスの願いを、約束を違えることはできない。だが、初めて愛した愛しい人を、あの清らかな魂を消してしまった魔女が憎い。願った皇帝も憎い。この感情をぶつけずに解消する術が見つからない。
 彼女はまだ十六歳だった。明日、記念すべき十七歳を迎えるはずだった。
 大粒の涙を流し、子供のように泣きじゃくるしかなできない自分が情けないのに、涙は止まらない。

〈泣き虫さん〉

 そう書いてからかった彼女が恋しくてたまらない。部屋から飛び出したウォルフは三階の窓から庭へと降りた。獣化した彼の悲しい遠吠えにサーシャの涙も増える。
 イベリスは期待していた。耳が聞こえる身体に生まれ変わりたいと。それが彼女の中に存在する恐怖を唯一和らげる方法だったのに。
 
「イベリスは聡明な子だった。愛の形は人によって違うと知っていた。新たな愛を見つけたならその愛に沿った希望を見出すべきだったのに、あなたはそうしようとはしなかった。あそこまでたどり着いたのが奇跡? 次は死ぬかもしれない? だから何? 愛する者の命がかかってるのに天秤にかける物なんて存在しないでしょ? でもあなたは違った。結局、自分の命を選んだ。無駄死にで終わろうとも挑むことこそ愛を示す絶好のチャンスだったのに。頼めばどうかなるなんて子供じゃないんだから、そんな甘い世界存在しないって、イベリスの命と引き換えに肝に命じなさい」
「俺は……」
「あなたみたいなクズのためにイベリスは身体を手放し、魂は消滅した。生まれ変わって幸せな人生を送ることもない。あなたのせいでね。でも、これでよかったのよね? あなたにとっての愛はロベリア・キルヒシュを新たな器に入れることだったんだから」
「違う……俺は……イベリスを愛しているんだ……。ロベリアの愛は必要ないんだ。ロベリアはもう……」

 戯言と吐き捨てる魔女の表情は嫌悪に満ちていたが、パッと笑顔に変わった。

「本当はそのまま一生苦しんでてほしいけど、それじゃあつまらないからイベリスの記憶をあなたたちの中から全部消すことにしたわ。失った悲しみに苦しむことも泣くこともない。イベリス・リングデールが存在しない、ロベリア・キルヒシュが存在する世界が始まるの。ああ、私ってなんて優しい魔女なの。とっても優しい私に感謝してね」

 恍惚とした表情で自賛する魔女の発想にサーシャが叫ぶ。

「いやッ! やめてッ! それだけはしないでッ!! 彼女との記憶だけは──」
「契約終了」

 縋りつこうとしたサーシャの手が届くことはなく、その悲鳴すら届かなかったかのように無情にも魔女は魔力を指に込めてパチンと鳴らした。
 金色に光る契約書は花火のようにその場で輝きながら散り消え、それと同時に魔女も姿を消した。すると、それと入れ替わるように女の声が聞こえた。

「ファーディナンド」

 頭上に影を作る存在に顔を上げると包み込むように抱きしめられる。

「ただいま」

 四年前からずっと聞きたかった言葉がようやく聞けた。嬉しい。ようやく会えた。幸せだ。
 心からそう感じているはずなのに、ファーディナンドの胸は張り裂けそうなほど痛かった。

「おかえり……ロ、ベリ、ア」
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