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申し出
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作成した離婚証明書を手に見つめ続けるファーディナンドにアイゼンが問う。
「本当によろしいのですか? 今を愛しておられるのでしょう? せっかく気付いた想いに蓋を?」
「ああ……」
ファーディナンドも簡単に決めたわけではない。簡単に決められるはずもない。だってこれは、もう二度とイベリスとは会わないことを証明するもの。
皇帝であるファーディナンドが頻繁に国を出るわけにはいかず、出ても近隣諸国との付き合い程度。大陸を超え、たった一人の女のために何週間も国を留守にすることはできない。それはテロスがリンベルと友好を結んだところで変わらない。
既にファーディナンドはサイン済み。あとはイベリスがサインすれば証明完了。二人の離婚は成立する。
神の前で誓った偽りの愛。真実の愛へと変わったそれを失う辛さは彼女と出会った瞬間から最悪の偽りを続けた罰だ。イベリスを失い、ロベリアは戻らない。全てを失うことになるとわかっていてもファーディナンドは今日、イベリスに話すつもりだった。
「マシロを奪った俺にイベリスは笑いかけてくれたんだ。ありがとうと言ってな。嬉しかった。こんな俺に笑顔を向けてくれたんだ。魔女がどう出るかわからない以上、ここに置いておくのは危険だ」
紙を机に置いて両手を握るファーディナンドが一人頷く。この決断に後悔はある。今までの行動には後悔しかない。それでも、この決断が間違いだとは思っていない。むしろこれもマシロに下した決断と同じで正しいのだと信じてさえいた。
「マシロと共に親元で暮らせばイベリスが涙を見せることはない。俺のように嘘つきの卑怯者のもとにいるよりずっと幸せでいられるんだ」
「それはそうかもしれませんが……」
「言っただろう。俺の気持ちはどうでもいい。マシロが戻り、イベリスが笑っているのだからそれで終わりにすべきだ」
手を離したくはない。これからもっと努力して、好きになってもらえたらと心から願ってしまいたい気持ちと戦い続けている。喧嘩をすれば部屋を別にして眠り、仲直りすれば隣で眠る。おやすみとおはようを言ってくれるイベリスが大切だからこそ、手放すことに決めた。
「むしろ気付くのが遅すぎたんだ、何もかも。ロベリアは死んだ。それを正しく受け入れること。イベリスはイベリスでしかないこと。その命が何物にも変えられないほど尊いこと。その存在が愛おしいこと。大切に思う可能性があったこと。終焉の魔女と契約などすべきではなかったこと。俺が……」
握っている手に力が入る。手の甲に爪を立てるほどに。
「ファーディナンド・キルヒシュがいまだに存在していること」
「陛下……」
ファーディナンドがかぶりを振る。
「だが、終わってしまったことは後悔したところで変えられん。だから変えられることを変えるしかない。これはその第一歩だ」
離婚すればイベリスの運命は変えられる。イベリスのために自分ができる唯一のことだと言って両手を解き、紙を持って立ち上がろうとしたとき、ノックの音が聞こえた。アイゼンがドアへと向かい、ドアを開ける。
「おや、イベリス様。どうなさいました?」
〈ファーディナンドに話があるの。呼んでくれる?〉
「陛下、イベリス様がお越しです」
「入れ」
ちょうどいいと手招きをするも逆に手招きをされる。立ち上がり、傍に寄ると〈庭に来て〉と書かれたメモ帳を見せられる。
〈忙しい?〉
「いや、午前中の仕事を終わらせたところだ」
〈よかった〉
嬉しそうに笑うイベリスの傍にはマシロがおり、その後ろをサーシャとウォルフが立っている。これぞいつもの光景だとファーディナンドですら思う。当たり前になっている日常から大きなピースが一つ欠けたことは耐え難いほど辛かっただろうとイベリスの反応を思い出して眉を寄せる。
「マシロは元気そうだな」
〈とっても元気よ! 向こうで美味しい物をたくさん食べたみたいで少し太ってるけど〉
「そうなのか? 毛が多くて俺にはわからん」
〈触ればわかるわ〉
「そういう些細な変化はお前にしかわからんだろう」
〈まあね〉
得意げに笑うイベリスの横顔を見ながらファーディナンドは後悔はないと覚悟を決めた。今日、離婚しようと。
「イベリス、お前の用事が終わったら俺の部屋に来てくれるか? 話したいことがある」
〈……マシロはあげないわよ?〉
何かを疑う顔を見てかぶりを振るファーディナンドの表情が苦笑にまみれ、イベリスが首を傾げる。
「マシロはずっとお前のものだ。これからもずっとな」
〈そうね〉
イベリスは組んだ後ろ手をギュッと握り、ほんの少しだけ呼吸が乱れた。
「イベリス? どうした?」
〈なんでもない。マシロのことじゃないならいいの〉
笑顔を見せ、マシロの頭を撫でて呼吸を落ち着かせる。自分もそのつもりだった。だが、あと三ヶ月でお別れだ。ロベリアは犬が好きじゃないと言っていた。だとしたらロベリアがこの身体に入ったあと、マシロはどうなってしまうのか。これだけは対策しておかなければならない。一つ考えると二つ三つと問題が出てくる。
ウォルフにお願いしよう。グラキエスに連れて帰ってくれと無茶を言おうと考えた。
〈あのね、庭師の人にも相談したの。そしたら新しい花壇を作ってくれるって〉
「花壇?」
脈絡のない始まりになんの話かわからないファーディナンドの前にサーシャが持っていた鉢に入った花を持ち上げる。
〈ミュゲット皇妃が贈ってくれたの。スズランってお花よ。でもね、毒性があるから他の花とは別にしたほうがいいって。植えてもいい?〉
「お前の好きにすればいい。俺は花がわかるロマンチックな男ではないからな」
〈でも一応聞いておこうと思って〉
「他人行儀だな」
そう言った口でこれから伝えようとしている言葉を思い出して苦笑する。
〈グラキエスのお城にはスズランがたくさん咲いてたの。もともとはなかったらしいんだけど、アルフローレンス皇帝陛下がミュゲット皇妃のためにわざわざ植えさせたんだって。今はグラキエスの国花だって言ってた〉
「そうか」
〈テロスの国花は……〉
二重線を引いて消した。来てすぐの頃に習った。テロスの国花はロベリアだ。バカだと苦笑しながらページをめくって新しいページに〈じゃあ次はあなたの用事ね〉と書いて見せる。
「ああ」と返事をするも後ろに立つ二人を見たファーディナンドに何かを察したイベリスが問う。
〈二人に聞かれちゃまずい話?〉
「まずくはないが、二人で話したいことだ」
〈ごめんね。先に庭に行っててくれる?〉
同時に頷いた二人がその場を離れてから部屋に入り、ソファーに腰掛けたイベリスの足元でマシロが伏せる。
「すまない。二人の問題だからな」
〈問題?〉
なんでもないフリをしながらもイベリスは緊張していた。もしかすると企みを今になって話すつもりだろうかと。残りの三ヶ月、どこかに幽閉してロベリアが戻ってくるための身体作りが行われるのではないかと嫌な考えが頭をよぎる。ロベリアは身体が弱かった。病死したトラウマを二度と甦らせないために健康な身体を用意しておくつもりかと。
机に戻って紙を一枚取り、向かいに腰掛けたファーディナンドがその紙を十秒ほど見つめてから机に置いた。何が書かれているのかと緊張しながら目を通したイベリスの目が見開かれる。
【離婚証明書】
一番上にそう書かれていた。
どういう意味かと問うのもおかしいが、イベリスは思わず口を動かしてそう問いかけた。これでは伝わらないと慌ててメモ帳を置いて同じ言葉を書く。
「ここに書いてあるとおりだ。俺と離婚してくれ」
予想もしていなかった言葉に唖然とする。
自分から国を出る想像はしてもファーディナンドから解放を言い出すなど想像すらしたことがなかっただけに言葉が出てこない。
ペンを持つ手は震え、驚いた顔でファーディナンドを見る。
(離婚……?)
あまりに突然の申し出にイベリスは時間が止まったように固まっていた。
「本当によろしいのですか? 今を愛しておられるのでしょう? せっかく気付いた想いに蓋を?」
「ああ……」
ファーディナンドも簡単に決めたわけではない。簡単に決められるはずもない。だってこれは、もう二度とイベリスとは会わないことを証明するもの。
皇帝であるファーディナンドが頻繁に国を出るわけにはいかず、出ても近隣諸国との付き合い程度。大陸を超え、たった一人の女のために何週間も国を留守にすることはできない。それはテロスがリンベルと友好を結んだところで変わらない。
既にファーディナンドはサイン済み。あとはイベリスがサインすれば証明完了。二人の離婚は成立する。
神の前で誓った偽りの愛。真実の愛へと変わったそれを失う辛さは彼女と出会った瞬間から最悪の偽りを続けた罰だ。イベリスを失い、ロベリアは戻らない。全てを失うことになるとわかっていてもファーディナンドは今日、イベリスに話すつもりだった。
「マシロを奪った俺にイベリスは笑いかけてくれたんだ。ありがとうと言ってな。嬉しかった。こんな俺に笑顔を向けてくれたんだ。魔女がどう出るかわからない以上、ここに置いておくのは危険だ」
紙を机に置いて両手を握るファーディナンドが一人頷く。この決断に後悔はある。今までの行動には後悔しかない。それでも、この決断が間違いだとは思っていない。むしろこれもマシロに下した決断と同じで正しいのだと信じてさえいた。
「マシロと共に親元で暮らせばイベリスが涙を見せることはない。俺のように嘘つきの卑怯者のもとにいるよりずっと幸せでいられるんだ」
「それはそうかもしれませんが……」
「言っただろう。俺の気持ちはどうでもいい。マシロが戻り、イベリスが笑っているのだからそれで終わりにすべきだ」
手を離したくはない。これからもっと努力して、好きになってもらえたらと心から願ってしまいたい気持ちと戦い続けている。喧嘩をすれば部屋を別にして眠り、仲直りすれば隣で眠る。おやすみとおはようを言ってくれるイベリスが大切だからこそ、手放すことに決めた。
「むしろ気付くのが遅すぎたんだ、何もかも。ロベリアは死んだ。それを正しく受け入れること。イベリスはイベリスでしかないこと。その命が何物にも変えられないほど尊いこと。その存在が愛おしいこと。大切に思う可能性があったこと。終焉の魔女と契約などすべきではなかったこと。俺が……」
握っている手に力が入る。手の甲に爪を立てるほどに。
「ファーディナンド・キルヒシュがいまだに存在していること」
「陛下……」
ファーディナンドがかぶりを振る。
「だが、終わってしまったことは後悔したところで変えられん。だから変えられることを変えるしかない。これはその第一歩だ」
離婚すればイベリスの運命は変えられる。イベリスのために自分ができる唯一のことだと言って両手を解き、紙を持って立ち上がろうとしたとき、ノックの音が聞こえた。アイゼンがドアへと向かい、ドアを開ける。
「おや、イベリス様。どうなさいました?」
〈ファーディナンドに話があるの。呼んでくれる?〉
「陛下、イベリス様がお越しです」
「入れ」
ちょうどいいと手招きをするも逆に手招きをされる。立ち上がり、傍に寄ると〈庭に来て〉と書かれたメモ帳を見せられる。
〈忙しい?〉
「いや、午前中の仕事を終わらせたところだ」
〈よかった〉
嬉しそうに笑うイベリスの傍にはマシロがおり、その後ろをサーシャとウォルフが立っている。これぞいつもの光景だとファーディナンドですら思う。当たり前になっている日常から大きなピースが一つ欠けたことは耐え難いほど辛かっただろうとイベリスの反応を思い出して眉を寄せる。
「マシロは元気そうだな」
〈とっても元気よ! 向こうで美味しい物をたくさん食べたみたいで少し太ってるけど〉
「そうなのか? 毛が多くて俺にはわからん」
〈触ればわかるわ〉
「そういう些細な変化はお前にしかわからんだろう」
〈まあね〉
得意げに笑うイベリスの横顔を見ながらファーディナンドは後悔はないと覚悟を決めた。今日、離婚しようと。
「イベリス、お前の用事が終わったら俺の部屋に来てくれるか? 話したいことがある」
〈……マシロはあげないわよ?〉
何かを疑う顔を見てかぶりを振るファーディナンドの表情が苦笑にまみれ、イベリスが首を傾げる。
「マシロはずっとお前のものだ。これからもずっとな」
〈そうね〉
イベリスは組んだ後ろ手をギュッと握り、ほんの少しだけ呼吸が乱れた。
「イベリス? どうした?」
〈なんでもない。マシロのことじゃないならいいの〉
笑顔を見せ、マシロの頭を撫でて呼吸を落ち着かせる。自分もそのつもりだった。だが、あと三ヶ月でお別れだ。ロベリアは犬が好きじゃないと言っていた。だとしたらロベリアがこの身体に入ったあと、マシロはどうなってしまうのか。これだけは対策しておかなければならない。一つ考えると二つ三つと問題が出てくる。
ウォルフにお願いしよう。グラキエスに連れて帰ってくれと無茶を言おうと考えた。
〈あのね、庭師の人にも相談したの。そしたら新しい花壇を作ってくれるって〉
「花壇?」
脈絡のない始まりになんの話かわからないファーディナンドの前にサーシャが持っていた鉢に入った花を持ち上げる。
〈ミュゲット皇妃が贈ってくれたの。スズランってお花よ。でもね、毒性があるから他の花とは別にしたほうがいいって。植えてもいい?〉
「お前の好きにすればいい。俺は花がわかるロマンチックな男ではないからな」
〈でも一応聞いておこうと思って〉
「他人行儀だな」
そう言った口でこれから伝えようとしている言葉を思い出して苦笑する。
〈グラキエスのお城にはスズランがたくさん咲いてたの。もともとはなかったらしいんだけど、アルフローレンス皇帝陛下がミュゲット皇妃のためにわざわざ植えさせたんだって。今はグラキエスの国花だって言ってた〉
「そうか」
〈テロスの国花は……〉
二重線を引いて消した。来てすぐの頃に習った。テロスの国花はロベリアだ。バカだと苦笑しながらページをめくって新しいページに〈じゃあ次はあなたの用事ね〉と書いて見せる。
「ああ」と返事をするも後ろに立つ二人を見たファーディナンドに何かを察したイベリスが問う。
〈二人に聞かれちゃまずい話?〉
「まずくはないが、二人で話したいことだ」
〈ごめんね。先に庭に行っててくれる?〉
同時に頷いた二人がその場を離れてから部屋に入り、ソファーに腰掛けたイベリスの足元でマシロが伏せる。
「すまない。二人の問題だからな」
〈問題?〉
なんでもないフリをしながらもイベリスは緊張していた。もしかすると企みを今になって話すつもりだろうかと。残りの三ヶ月、どこかに幽閉してロベリアが戻ってくるための身体作りが行われるのではないかと嫌な考えが頭をよぎる。ロベリアは身体が弱かった。病死したトラウマを二度と甦らせないために健康な身体を用意しておくつもりかと。
机に戻って紙を一枚取り、向かいに腰掛けたファーディナンドがその紙を十秒ほど見つめてから机に置いた。何が書かれているのかと緊張しながら目を通したイベリスの目が見開かれる。
【離婚証明書】
一番上にそう書かれていた。
どういう意味かと問うのもおかしいが、イベリスは思わず口を動かしてそう問いかけた。これでは伝わらないと慌ててメモ帳を置いて同じ言葉を書く。
「ここに書いてあるとおりだ。俺と離婚してくれ」
予想もしていなかった言葉に唖然とする。
自分から国を出る想像はしてもファーディナンドから解放を言い出すなど想像すらしたことがなかっただけに言葉が出てこない。
ペンを持つ手は震え、驚いた顔でファーディナンドを見る。
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